花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

俺は牧野を抱いた。
ずっと忘れられなかった女。
俺が唯一愛した女。
その女を初めて貫いた。


あの雨の日に牧野と別れて5年がたち、2週間前に日本へ帰国した俺。
牧野の消息は知らなかった。
だが、こいつも俺のことを待っているんじゃないかと密かな期待を抱いていた。
再会できたなら、その時はもう一度始めたいと思っていた。
もう一度俺を見てくれと言うつもりだった。
今でも、好きだと言うつもりだった。
そんな風に思いながらも、まずは日本での地固めを優先していた。
それだって、いづれ牧野を捕まえるためだった。
万全な状態でこいつの前に現れて、絶対に逃しはしない。
そのつもりだった。

交差点で止まったリムジンの中、何気なく窓の外を見れば、こいつが立っていた。
息が止まるかと思った。
アップにされた黒髪から、露わになった首筋。
白いブラウスにふんわりとした黄色いスカートが似合っていた。

相変わらず細い体。
だが、5年前よりも女らしくて、とても綺麗になっていた。
ずっと忘れられなかった、ずっと想っていた女。

牧野・・・。


すぐにリムジンを降りた。
驚く彼女の手を引いて、無言でリムジンへ乗せた。
同乗していた秘書は一瞬だけ戸惑った様子を見せたが、すぐに車を降りた。
その後の仕事は全てキャンセルだ。
内線で運転手にメープルを指示した。

俺は、こいつともう一度やり直すために、ゆっくり話をするつもりだった。
探さずとも出会えた。
もう、運命以外にない・・そう思えた。
牧野は抵抗せずに俺について来てくれた。

やり直せると思っていた。
あの瞬間まで。


牧野をスイートのソファーに座らせた。
俺は牧野の左側に座った。
少しだけ不安そうにしていた牧野だったが、

「元気にしてたのか?」
と訪ねた俺に、笑顔を見せた。

「道明寺・・久しぶり・・だね。」
牧野がはにかんだ。

世間一般にはどうだか知らないが、俺にとっては強烈に可愛い女。
あぁ、生きていて良かったと思うぐらいに満たされる笑顔。

大きな黒目がちな瞳も、人を射抜く目力も、あの頃のまま。
髪が伸び、見た目は女らしくなっていたが、俺が惚れた牧野つくしのままだった。


「牧野・・俺・・・・」

もう一度、やり直したい。
それだけの力をつけて来た。
だから、もう一度俺を見てくれないか?

そう言おうと思った・・その時に、牧野が左手を挙げ、左耳を触った。


その瞬間に息が詰まった。
俺はどんな顔をしていたんだろうか。

何で・・。
どうして・・。

俺の目に飛び込んで来たのは、牧野の左の薬指に収まったダイヤの指輪だった。

つまりそれは、牧野が他の誰かのものだという証。
俺以外の誰かの。

信じられない・・信じたくない。


ドロドロと蠢く感情。
俺の牧野を奪った男への嫉妬。
俺を忘れて、俺以外の男と生きようとしている女への憎悪。

許さない。
絶対に、渡さない。
お前は俺のものだ。

この指輪があるからなんだって言うんだ。
今の俺に、手に入れられないものなんてない。

そうだ。
こいつが誰のものだったとしても、俺が奪えばいいだけのこと。


___プツンッ。

張り詰めていた糸が切れる音が、脳内に響いた。



***



牧野の中に精を放った。
一枚の壁を隔てることなく。

俺は初めての行為に、無我夢中だった。
こいつを誰にも渡さない。
俺以外の誰にも渡さない。
その為の行為だった筈なのに、いつの間にか、牧野の柔らかさと熱さに翻弄されていた。

優しくなんてできる訳がない。
俺以外の男に抱かれた牧野を許せる筈もない。
だから、優しくなんてしてやらない。
行為の初めこそそんな思いに駆られていたが、欲しくて欲しくて堪らなかった女の中に身を沈める喜びに支配された俺は、その時彼女がどんな表情をしているのかさえ見えなくなっていた。

抱いているうちに、憎しみではなく、愛情が溢れていく。
嫉妬や憎悪ではなく、この女が愛しくて堪らなくなる。

こいつがいなければダメなんだ。
ずっと俺の側にいて欲しい。
それだけを願った。


俺は、再会してから、こいつの中に沈み込むまで、キスは一度もしなかった。
それは、俺のなけなしのプライドだったのかも知れない。

俺は牧野以外の女に自らキスをしたことは未だ嘗てない。
5年前、自分から初めてキスした女が牧野だった。
俺は、その女に捨てられた。
それでもなお、忘れることなど出来ずに耐えた5年。
苦しい5年があった。
しかし、再会してみれば、こいつは他の男のものになっていた。
それなのに、その女を抱きたくて仕方がない自分。
他の男の女を奪い取ろうとしている、強欲な自分がいた。

今の俺にとって、女の唇に自ら落とすキスは愛の証。
愛する女に、俺の愛を注ぎ込む行為だ。

だが、今、牧野にキスをすれば、自分が惨めになる気がした。
牧野を忘れられず、今でもずっと想っている。
こいつは、俺のことなんて忘れちまってたのにな。
俺は、なんて馬鹿なんだ。
こいつも俺のことを忘れていないと、ずっと信じていたなんて。

だから、俺は、あの指輪を見た時に決めた。

こいつが俺を愛するまでは、俺からのキスはしないと。

それが、俺に残された、わずかなプライド。



牧野の中の熱さにもっていかれそうで、必死に歯を食いしばっていた。

そんな時に受けた、牧野からのキス。
柔らかい唇の感触が、一瞬で俺の脳を蕩けさせる。

やっぱ、ダメだっ。
離すもんかっ。
こいつがどう思っていようが、俺はこいつが好きだ。

こいつの前では、俺の小さなプライドなんて無に等しいことを思い知った。

俺は、牧野の背中を抱え込んだ。
夢中でキスを返していく。
こいつの中に、俺の愛を注いでいく。


お前には、指輪の男がいるんだろ。
なのにどうして、そんに優しいキスをするんだ。
お前は、そんなに軽い女だったのか。
そんな愚問が一瞬だけ頭をかすめたが、そんなことはどうでもいいことだ。

少なくともこのキスは、牧野が俺に求めたもの。
それが嬉しくて、同時に苦しかった。

牧野っ!
牧野っ!
牧野っ!

どうして今、お前は俺の女じゃないんだ・・

女なんて星の数ほどいるのに、
どうして、俺は、この女じゃないとダメなんだ。



牧野の体に全てを注ぎ込んだ俺は、ぐったりとした彼女を見下ろした。
疲れ果てた牧野は、意識がなかった。
ゆっくりと己を引き抜いて、息が止まった。

ベッドルームは照明も落としていなかった。
オレンジ色のルームライトが灯る室内。

引き抜いた自分自身には、
彼女の体内からの鮮血が絡み付いていた。


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いつもたくさんの応援をありがとうございます。
結局、朝に戻ってしまいました・・。
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  1. Eternal
  2. / comment:3
  3. [ edit ]

こんばんは(*^^*)

  1. 2017/08/08(火) 21:49:17 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手をありがとうございます。
これ、今の時点でどのぐらいの読者さんが、私が書こうとしているエンドを予想しているんだろう・・と単純に興味があるんですよね。ドキドキ・・・。

スリ●様
左耳よりもダイヤが知りたいですか??なるほど〜。って、まだ教えられませんが・・(笑)。恐らく、明日あたりで閃く?かな??私も、こんなお話でいいのかと悩みつつの投稿です。今更お話変えられないですもんね。ここまで書いちゃうと・・(^^;;

小●様
初めまして!こんばんは。
長々とだなんて、全く・・コメント頂けて嬉しいです。
ブラック司(笑)。好みな方ってどの程度いらっしゃるんでしょうね??実は、私も、つくし限定のブラック好きなんですよね。1話目はかなりマイルドに抑えました。初めはもう少しバイオレンスな感じも考えたんですが、つくし初めてなのに、そりゃないよ・・と考え直しました。
一つのお話が終わると、違うタイプのお話が書きたくなるんです。でも、結局、似たお話になりがちで・・。それでも、楽しんでもらえるっていうのはとても嬉しいことです。また、是非のぞいてくださいね。



こちらは、短編と思っていたのですが、おそらく10話前後の中編かなと思います。ただ、展開が・・残念なオチかも・・どうしようと一人バクバクしています。

出来れば、明日の朝に更新したいと思います!

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/08/08(火) 13:18:11 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

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  1. 2017/08/08(火) 08:36:09 |
  2. |
  3. [ edit ]
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