花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

このお話は、「理想の恋人」の番外編で、総二郎君Birthdayを記念して書いたものです。
内容は・・総二郎君目線の司つくです(笑)。
総二郎君がサラちゃんとお別れしたのは、おそらく原作の服装からすると夏なのですが、お話しの都合上、本日12月3日のお誕生日にお別れした設定とさせて頂きました。
ご了承くださいませ。
*****





12月3日は俺の誕生日。
俺は女に不自由なんてしてねぇけど、この日はどの女とも時間を共有しないと決めている。
何でかって?
何でだろうな?
よく分かんねぇけど。
そーいう日があってもいーんじゃね?


明日の茶会の準備が終わり、俺は送迎の車に乗り込んだ。
マンションに直行する予定だったが、赤信号で止まった視線の先、そこには見覚えのある女の姿。
あれって、親友の婚約者じゃねぇの?何してんだ?
そっか、司のマンションはこの先だ。
でも、この時間にそんな薄着で一人でふらふらはねぇだろう?

今の時間は19時すぎ。一人で何してんだ?
「ちょっと止めて。」
そう言って俺は車を降りた。

「つくしちゃん、何してんの?」
赤信号で立ち止まっていた彼女に話しかけた。
振り返り、驚いた様子の彼女は、俺の幼なじみ、道明寺司の婚約者。
司が、渾身の策を施してまで振り向かせた相手。
見た目は、フツーなんだよな。マジで。

「西門さんこそ、どうして?あたしは、ちょっと買い物に。」
こんな時間に買い物って何なんだ?
「何を買うの?」
「えっとね。バルサミコ酢。今日は、久しぶりに、司・・さんと夕食を食べれるんだけど、白身魚のポアレに使うソースを作ろうと思ったのに、バルサミコ酢が無くってね。」
「ふーん。で、今から買い物?」
「そう、そこのスーパーまで。」
「危ないから、俺も行くよ。」
「・・・?危ないって、まだ7時だよ。大丈夫だよ。過保護だなぁ。司・・あっ、道明寺もだけどね。」
「司って呼んでるの?いいじゃん、呼び直すなよ。」
「うーん。まだ人前では照れるんだよね。へへ。」
そう言ってはにかむ彼女は、俺たちF4の周りにはいなかったタイプ。
司ってこーいう女がタイプだったんだな、20年来の付き合いなのに、知らなかったぜ。
俺たちは、司が惚れる女なんて一生現れないと思ってた。
その司が一瞬にして恋に落ち、涙ぐましい努力をして手に入れた女がこいつだ。
司は、一期一会をモノにした。


一緒にスーパーへ入ると、そこは異世界。
なんだ、ここは。
「つくしちゃん、司も一緒にここに来ることあんの?」
「たまーにね。あいつ、目立つから、あんまり一緒に来ちゃだめって言ってるけどね。」
そりゃそうだ。このスーパーに道明寺司はねぇな。
野菜や果物の間を抜けて、バルサミコ酢を探し求める彼女。
ふと視線を向けると、人参の山に釘付けになっている。
「つくしちゃん、人参欲しいの?」
そう聞いた俺に、
「違うの。あれね。あの袋に詰め放題なのよ。ぎりぎりまで詰めて、何本詰めても200円なの。すごいでしょ?この前はトマトの詰め放題でね。司も一緒にやったんだけどね。あいつ全然ダメで。しまいには、こんなにトマトばっかくえっか!とか言って、すねちゃったの。まぁ、トマトは難しいけどねぇ。」
「へぇ。」
あの司が詰め放題かよ。プッ、笑える。
何て反応したらいいのか分かんねぇ。
けど、牧野にいいとこ見せたくて、張り切る司が目に見えるようだ。
しっかし、この女、道明寺司に詰め放題をさせるとは・・・恐るべし。


「西門さん、人参してみる?」
そう聞いてくる彼女は、俺がやりたいとでも思ったのだろうか?

「いや、そんなに沢山人参って食えねぇだろ?」
「まぁね。実はお野菜は、お邸から殆んど届けてもらっているの。契約している農家から直接買い付けているんだって。確かにおいしいのよね。」
じゃあ、なんで俺にニンジンの詰め放題をさせようとしたのか意味不明だ。

「あたし、昔から詰め放題好きなんだよね。うち、貧乏だったから、死活問題でね。こういうのに必死になると、ちょっと悩んでいることとか、どうでもよくなるんだ。だから、たまにやりたくなる。」
そんなことを言う彼女。もしかして、悩みでもあんのか?
俺が口を開こうとした時に、
「西門さん、今日、元気ないね。何かあった?もしかして、フラれた・・とか?」


・・・
なんだよ。
鈍感女のくせに、結構鋭いところをついてくる。
「そういう時には、詰め放題が効果あるよ。」
真面目な顔の牧野つくし。
「やらねぇよ。」
と答えた俺だったけど、下手な同情されるより、よっぽどうれしい言葉だったのは間違いない。
だって、そうだろ?
可哀そうって言われるよりも、前を向いてニンジン詰めて、忘れちゃおうって言われる方がよっぽどいい。

けど、俺は別に振られたって訳じゃない。
誕生日にいい記憶はないってだけだ。
昔唯一いた、幼なじみの少女が去って行った日が、俺の誕生日だったってだけのことだ。
あれから俺は、自分の誕生日にほんの少し罪悪感を抱いている。
だから、この日は一人ですごしているんだな、きっと。
幼なじみにも話したことのないこの罪悪感を、この鈍感女に気づかれるなんて・・と思わなくもないが、気分はそれほど悪くない。
あぁ、そうか。こいつの言い方には、癒しの効果があるんだ。
素直に口にするだけの奴はバカってこともあるけど、こいつは違う。
指摘するだけじゃなくて、癒す力も持っているんだ。
俺が元気がないから、人参詰め放題をさせようなんて、笑えるけど、こいつは大真面目だ。
馬鹿みてぇだけど、癒される。
司が惹かれた気持ちが分かる気がした。



バルサミコ酢を手に入れて、機嫌よくマンションに戻る牧野つくし。
その帰り道で、牧野が言い出した。
「西門さん、もうすぐ司が帰ってくるから、一緒に晩御飯食べて行って?」

おいおい、俺はそんな野暮な男じゃないぜ?
「じゃあ、せめて、司に会って帰ってよ。あいつこの頃忙しいから、誰にも会ってないみたい。でしょ?」

俺は野暮じゃないんだが、牧野にそう言われ、ついついマンションにお邪魔した。
けどよ、つくしちゃん。
いくら、相手が俺だからって、女一人でいる部屋に、男を連れ込むのはまずいんじゃね?

当のこいつはそんなことは全く気にしていないようだ。
この西門総二郎を相手に、色目を使ってこない女も珍しい。
俺たちF4に媚びないところとか、変に男慣れしてないところも、司のツボか。

コーヒーを出してきた牧野を観察している俺。
バルサミコ酢を使ってソースを作り始めている。
スプーンですくったソースを小指で舐める。
うぉ、結構色っぽいんじゃね?
「んん~。おいしっ。Very Good!」
と満面の笑みでガッツポーズ。
プッ。その反応が惜しいな。

今までつきあった女が、俺に料理なんてしたことはない。
つーか、そんなことされたら気味がわりぃし、食う気にもならねぇ。
司だってそうだったはずなのに、今ではこの女の虜だ。
その理由が何となくわかった。
あったけぇんだ、この女は。
特別美人って訳じゃねぇんだけど、一緒にいると心地いい。
道明寺財閥の後継者の司なんて、はっきり言って羨ましくも何ともなかったが、この女と結婚できる男としては羨ましいと思った。


そんな時に、牧野の携帯が鳴った。
すかさずポケットから携帯を取り出した牧野。
「うん。うん。えっ?そうなの。そうなんだぁ。うん。分かった。じゃあね。」
明るかった牧野が急に寂しそうな表情になった。

「どうした?」
「ん。司。会社でトラブルがあって、今日は遅くなるんだって。帰れないかもだって。」
そう言いながら、唇を噛みしめる牧野。
泣きそうだ。

すでに出来上がっている料理を見て、俺は言った。
「司に持って行ってやったら?」
「え?」
「うれしいと思うぜ?」
「迷惑じゃないかな?」
「それは絶対ないな。」
司がどれだけこいつに惚れてるか。俺たちF3は分かってる。
俺の提案を受け入れて、牧野は弁当箱を用意し始めた。



弁当を用意した牧野を司のとこまで送ってやる。
遠慮する牧野をうちの車に乗せた。
道明寺ホールディングス日本支社前。
トラブル処理中の司に、俺は会うつもりはない。
車を降りる直前に、牧野が俺に茶色の紙袋を手渡した。
「これは西門さんの分。」

これって、手作り弁当だよな?マジか?
いつもの俺なら、手作り弁当なんて受け取らない。
けど、こいつの弁当は受け取りたかった。
この弁当を受け取ったら、俺にも新しいチャンスが来るような気がして。


「今日、西門さんに会えてよかった。最近、あたし達、忙しくってすれ違いばっかりだったの。だから、今日はすっごく楽しみにしてたのね。だから、さっきの電話、結構ショックで。西門さんが一緒にいなかったら、ここに来なかったと思う。だから・・ありがとう。」

あぁ、なるほどな。
恥ずかしがり屋のくせして、こういう大事なところはストレートなんだ。
さすがは、道明寺司が惚れる女って訳だな。


「一期一会。」
「え?」
「昔、俺は俺の一期一会を掴み損なったって思ったけど、そうでもなかったかもな。」
「?」
「チャンスは一度きりって訳じゃねぇなってこと。」
「ますます分かんない。」


別に司の女に手を出そうって訳じゃない。
けど、今夜、牧野に会って思ったんだ。
俺にとっての一期一会。
掴み損なったって思ってたけど・・・
これからだってチャンスはあるんじゃねぇの?
だってそうだろ?
俺に手作り弁当を食わせる女が現れた。
そこには恋愛感情はないけれど、今までの俺だったら絶対に受け取ることなんてしねぇ。
今日、手作り弁当を受け取る新しい自分に出会えた。
俺は、これからまだまだ変わっていける。
だったらこの先、俺を虜にする女だって現れるかも知れねぇぞ。
きっと、俺の人生も捨てたもんじゃねぇ。
そうだよな~。
一生独身童貞男かと思われた、あの司が、もうすぐ既婚者になるんだ。
人生何があるか分かんねぇぜ? 
あぁ、面白れぇ。


「よく分かんないけど、西門さんが元気出たならよかった。」
ニコッと笑い、会社に入って行く牧野を最後まで見送って、俺は上機嫌に車に戻った。


やっぱり、今夜は一人でいたくねぇな。
今からあきらにでも電話して、牧野の弁当自慢でもしようかな。
そんで、それが後から司に伝わって、司が怒り狂うかな。
あぁ、面白れぇ。
誕生日に、こんなに面白れぇ気持ちになったのはいつ以来だ?


こんな愉快な気持ちになれた誕生日。
chanceはまだまだこれからあると気付いた誕生日。
それは、幼なじみの大切な彼女のおかげだった。


Fin.


 

にほんブログ村

後日、俺は司からえらく感謝されたんだぜ。
なんでも、深夜まで牧野が司の世話をしたんだとか。
そんで、二人で明け方にマンションに帰ったんだと。
つーか、何の世話させてんだっつー話だよ!
スポンサーサイト

  1. 理想の恋人 番外編
  2. / comment:4
  3. [ edit ]

このお話は、総二郎君Birthday企画『Chance!』の続編になります。
*****



「この企画の奴らは何やってんだよ!」

道明寺ホールディングス日本支社の来年度から始まる新規プロジェクト。
明日早朝の衛星会議で報告の予定だった。
会議はニューヨークを基準とするから、あっちの午後にから夜に時間に合わせると、こちらは早朝になっちまう。
ところが、このプロジェクトを説明する担当者が、何を血迷ったのか、スライドを日本語で作ってやがった。
馬鹿じゃねーのか。
どことの衛星会議だと思ってんだよ。
確かに俺が報告を受けて、最終決定した段階では企画書もスライドも日本語だった。
けど、衛星会議で報告が決まった時点で、英語だって分からねぇのか?
今回の企画は俺が直接見極めた若手で、複数の部署のやつらが集まってチームを編成していた。
チームリーダーは企画課のエースと言われる男だったが、リーダーになるのは今回が初めてだったから、年長者にフォローをさせるべきだった。
しかし、これは俺の責任だ。
人材を育てていくことも俺の仕事の一つだから。
まぁ、明日の朝までには時間はあるから、企画書とスライドを作り直すことは可能だろう。
もちろん俺がやっちまえばもっと早く出来上がるかも知れねぇけど、それをしちまうと部下は育たない。
ここはぐっと耐えて、あいつらが気合を入れてやり直すのを見守るしかねぇ。


でもよ・・・
問題はそこじゃねぇんだ。
今日は、久しぶりにつくしとゆっくり晩飯を食う予定だった。
最近は互いに多忙で、一緒にゆっくりできる時間がなかった。
そろそろ入籍の日取りとか、結婚式の話とかゆっくり相談したいと思ってた。
だから、今日は20時には余裕で帰れるように予定を組んでいた。
明日の早朝会議は寝ずに出席したって良かった。
あいつだって、楽しみにしてたんだ。
昨日から料理の下ごしらえをしていたのだって知ってる。
食後のティラミスは甘くないから絶対食べてねって言われてたんだ。
それなのに・・・
今日はたぶん帰れねぇ。
俺がやることはほとんどねぇんだけど、トップの俺が帰る訳にはいかねぇ。
恐らく、そのまま早朝会議に入りそうだ。


電話でそのことを伝えたら、つくしは割と明るかった。
でも、俺は知っている。あいつは強がりな奴だって。
きっと、寂しい思いをしているに違いない。
チクショウ!なんで、今日なんだよ!


イライラが収まらない俺の元に、訂正第一弾の企画書をもって、西田が入って来た。
その書類を確認する。
何だよこれ。
グラフや表の説明が入ってねぇじゃねぇかよ。
大筋は間違いねぇが、これじゃ笑われるぜ。おい。


「西田っ!この書類、速攻でやり直しさせろ!グラフに説明を追加させろ!1時間だ。それ以上は待たないと伝えろ!」



***



西門さんと会社の正面で別れてから、あたしは司の執務室へ直行した。
コンコン・・と緊張しながらノック。
すると、内側からドアが開き、西田さんが顔を出した。
明らかにホッとした表情の西田さん。何かあった??

「牧野さん!よく来てくださいました!さぁ、さぁ。」
んんん?予想外の歓迎ね。
もしかして・・もしかして・・

「西田っ!この書類、速攻でやり直しさせろ!グラフに説明を追加させろ!1時間だ。それ以上は待たないと伝えろ!」
執務室の中からは、司の怒声。
うひゃ~。めちゃくちゃ機嫌悪っ。
久しぶりに怒鳴っているところを聞いちゃった。

あたしは小声で聞いてみた。
「西田さん。今、やばくないですか。お弁当を届けにきただけなんです。これ・・。」

「西田ッ!聞いてんのかっ!つーか、何コソコソしてんだよっ!」
わぉ!ますます機嫌悪いなぁ。
こんなに怒ってる司、初めて見るかも。
何をそんなにカリカリしているのかしらね。
大きなトラブルだったのかな。
あたしの前ではいつも優しいから、こういう熱血?道明寺はちょっと新鮮。
いやいや、不謹慎だな・・あたし。


「牧野さん、どうぞ。」
へ?今、中に入れって?まずくない?
なんか、ヤバい気がする。
そう思って、一歩後ろへ後退。
すると、急にあたしのスマホのバイブが作動した。
着信画面を見ると、あたしの携帯を鳴らしているのは『司』。
迷ったけれど、あたしは慌てて廊下に走り出て、通話ボタンを押してみた。


「つくし?」
あれ?さっきと全く違う、優しい声。いつもと同じ、安心する声。
「ん?何?」
「今、どうしてる?」
「そろそろ、ごはん食べようかなって思ってた。」
あたしは、適当に嘘をついちゃった。
「今日、ごめんな。楽しみにしてただろ?」
うん。分かってるって。司のせいじゃないよ。仕方ないことだよね。
「うん。残念だったけど、大丈夫。ねぇ、司は今どうしてる?」
「企画書の訂正待ち。」
「そっか。大変だね。じゃぁさ。あのね・・・」

さっきまで怒鳴っていたくせに、打って変わって優しい司。
本当は仕事でイライラしているくせに、あたしに気を使ってるんだよね、これって。
あたしの前ではリラックスしていてほしいのに。
なんだか申し訳なくなっちゃうよ。
やっぱり、今は会えないな。
お弁当だけおいて帰ろう。

そう思って、電話を終わらせようとした時に
「芝居してんじゃねぇぞ。」
と背後から抱きしめられた。

あれ?バレてた?
あぁ~、西田さんが教えちゃったんだな。
スマホを切って、ポケットにしまって、クルリと振り返った。

「忙しいのにごめんね。せっかく作ったから、お弁当届けようと思ったの。」
そう言ったとたんに、思いっきり手を引かれ、あたしは執務室に連行された。

「支社長、待機は1時間です。」
という西田さんの声が聞こえて、すぐにドアが閉まった。

その閉じたドアに背中を押し付けられながら、司のキスを受け止める。
両手で頭を掴まれて、どんどん、どんどん貪られていく。
こうなったらもうダメなの。
司のジャケットにつかまっていることしかできない。
司が満足するまでは、あたしは離してもらえない。
あたしの足の力が抜けるころになって、司があたしの唇を離した。

「ごちそうさん。」
ちっ、ちがうっつーの!!

「も~!お弁当って言ったでしょ?」
あたしはそう言って、来客用の応接セットのテーブルに置かれたお弁当に向かって、道明寺の背中を押した。



二人並んで、お弁当を食べる。
「このポアレのソースを作ろうとしたら、バルサミコ酢が無くってね。それで、急いでスーパーに行ったの。」
「あんま、夜に出歩くなよ。SPついてるはずだけど。」
「あはは・・本当に司は過保護だよね。西門さんもだけど。」
「総二郎?」
「うん。途中で西門さんに会ったの。それで一緒にスーパーに行ってね。司も帰ってくるからってマンションで一緒に待ってたんだけど、司、帰れなくなっちゃったから・・」
「だから?」
ん?なんか、トーンが一段下がった?気のせい・・かな。
「だから、お弁当にして持っていったらって、西門さんが言ってくれて。」
「それで?」
はっと、司に視線を向けると、えっ、えっ?もしかして・・怒ってる?
「それで・・えっと、おかずをお弁当箱に詰めて、西門さんにここまで送ってもらったの。それだけ。」
あたしは一気に説明をして、ふぅっと息をついた。
あたし、何にも悪いことしてないよね?

無言・・。
司が何もしゃべってくれない。何で??
えっと・・なんか言わなきゃだよね、と考えた時に、
「お前、この料理、総二郎にもやったの?」
「え?うん。小さいお弁当箱に詰めて渡したけど。」

司があたしをギロリと凝視する。
何よ!怖いじゃないのよ。
なんでそんな顔するの?
さっきまで優しかったのにどうしちゃったの?
お弁当を渡したのがダメだったってこと?

「あっ、あのね。ティラミスは司だけだからね。西門さんにはあげてないよ。」
あたしはそう弁解したつもりだったんだけど、


「それだけじゃ足りない。俺にだけ、特別なデザートくれよ。」
そう言って、司はあたしを立ち上がらせた。
あたしはそのまま腕を引かれ、奥の部屋へ連れて行かれた。



 

にほんブログ村
すみません~。終わらなそうなので、とりあえず前半を先にアップします。
後半は今晩か、明日中に。
明日朝5時は「My Daddy-」です。
久しぶりにこの文体、和みました~。
  1. 理想の恋人 番外編
  2. / comment:2
  3. [ edit ]

お話の中に性的描写を含みます。
苦手な方や18歳未満の方はご遠慮くださいませ。
*****




つくしは何も分かっていない。
さっきだって、弁当おいて帰ろうと思ったんだろ?
俺が機嫌わりぃから、迷惑かけちゃだめだとか思ってんだろ?
だけど、そうじゃねぇだろ?
俺は、お前がそばにいればどんな力だって出せるんだぜ。
お前がいなきゃダメなんだ。

俺は、お前が総二郎に弁当渡したのを怒ってるんじゃねぇよ。
まぁ、総二郎とは言え、勝手に男をマンションに入れるっつーのは頂けねぇけど、それは百歩譲って許してやる。
でもな。
お前が落ち込んでいる時に、そばで慰めたのは総二郎ってことだろ?
お前は総二郎に言われたから、ここに来たんだろ?
なんだよ、俺にもっと甘えろよ。
今日会えなくなったって言われたら、『嫌だっ!』って言ってみろよ。
『絶対に帰って来て!』って我儘言えよ!
そうしたら、俺、15分だけだって、マンションに戻るのに。
お前がそう言ってくれたら、何だってしてやるのに。
俺の前でなんで我慢するんだよ。
俺たちもうすぐ夫婦になるんじゃねぇの?
俺に遠慮なんてしてんじゃねぇよ!


そんな気持ちで、俺はつくしの腕を引き、執務室奥のプライベートルームに入った。
バタンとドアを閉めて、カチャッと鍵を掛けた。
はっと見上げてくるつくしの顔が強ばっている。
「司、あの・・」
オロオロするつくしがかわいそうにはなるけれど、俺の嫉妬は収まらない。
そのままベッドにつくしを放り出して、俺はスーツの上着を脱いでから、彼女の上から覆い被さった。
「ちょっと、まって、あのね・・」
何か言おうとするつくしの口をふさいで、すかさず舌を入れる。
「んんっ・・んんっん・・」
抵抗して、俺の胸を押し返しているみてぇだけど、そんなの俺に効くとでも思ってんのか?

俺はつくしのパンティとストッキングに同時に手をかけた。
ビクっとしたつくしが、足をバタバタさせている。
けど、俺にのしかかられた状態では足がベッドの上でズルズル屈伸しているだけだ。
俺は一気にそれらを降ろして片足だけ抜きだし、足を広げてつくしの秘部に指を這わせた。
ビクビクっと彼女が身震いをする。
足を閉じようとしているが、そうはさせない。
敵わないと諦めたのか彼女の体から力が抜けた。
そのまま指で彼女を刺激する。
ぬかるんできたところで、指を入れた。
その指をグリグリとかき混ぜる。
その間も、時々息継ぎさせるだけで、俺はつくしの唇を離してやらない。
いつもは苦しそうになったら離してやるけど、今日は離さない。
指を増やして、どんどん刺激を強めると、俺のシャツの袖口が濡れるぐらいに愛液が溢れてきた。
なぁ、こんな俺でも好きだって言えよ。
そうしたら許してやる。
自分がしていることが彼女を傷つけているのが分かっているのに、そんな我儘を思う。
俺は・・鬼畜だな。



俺になされるがままのつくしが、両腕を挙げて、俺の頬を包んだ。
その手は温かくて、俺への怒りなんて感じさせない。
一瞬怯んだ俺が唇を離そうとすると、すかさずつくしがキスを続けた。
つくしの舌が俺の舌を絡めとる。
何だよ、何で怒らねぇの?
こんなことされたら嫌だろう?
何でだよ。
あぁ、もう、こいつには適わない。
俺の嫉妬なんて、お前にかかれば、木っ端微塵なんだ。
俺は悔し紛れに、彼女のスポットを刺激し続けた。
耐えられなくなった彼女が、俺の首に腕を回して、ぎゅっと俺にしがみ付いた。


ゆっくりと唇を離すと、荒い呼吸のままトロンと俺を見上げるつくしと目が合った。
「ゴメン・・・」
こんなことしてゴメン。
小さい男でゴメン。

するとつくしはゆっくりと首を振った。
「あたし、うれしい。」
何言ってんだよ、こいつは。
「だって、司、あたしにはいっつも優しくて、怒鳴ったり、文句言ったりしないでしょ?今日だって、忙しくてイライラしてたくせに、あたしに電話してくれる時には、そんなイライラ言わなかったでしょ?」
あったりめぇだろ?
仕事でお前に当たるなんて、そんなこと絶対にしない。
それにイライラしてたのだって、仕事のせいじゃなくて、お前に会えなくなったからだ。

「ねぇ、もっとあたしに甘えてね。ちゃんと受け止めるから。逃げたりしないから。もっとあたしを頼ってね。あたしたち、夫婦になるんでしょ?」
それは、俺のセリフだろ?
お前こそ、俺を頼ってくれよ。
もっと俺に我儘言ってくれよ。

それから、つくしはスカートから携帯を取り出した。
時間を確認して、電話を掛けた。
「あっ、西田さんですか?牧野です。はい。まだ、機嫌が悪いんです。あと30分だけもらえませんか?」
電話の向こうで、西田の笑い声が聞こえた。


電話を切ったつくしが、俺を見つめて言ったんだ。
「最後まで、ちゃんとして。」
その強気な態度に笑っちまう。
そんな我儘だったら、いつだって聞いてやる。
けど、30分って・・・


俺はもう一度こいつに貪りついた。
そんで、セーターをまくり上げ、ブラをずらして、かわいい胸を揉みしだく。
あぁ、幸せだ・・俺。
つくしも俺もすでに準備は万端。
俺は俺自身ををスラックスから解放した。
急いで避妊具を取り付け、つくしの入口で少しを湿らせてから、一気に彼女に突き進む。
高校生かよ、俺。
なんでこんなに焦ってんだか・・笑える。
でも、いいんだ。
こんな俺でも、つくしがいいって言ってくれればそれでいい。
俺はぎゅっとつくしを抱きしめながら、何度も抽送を繰り返し、彼女を絶頂に導いた。

「つかさっ、もう、だめっ。」
俺だって、そろそろ限界だ。
痙攣する彼女の中に、俺の全てを注ぎ込んだ。



 

にほんブログ村
何とか夜に間に合いました。
〆の後編は明日中に~。

  1. 理想の恋人 番外編
  2. / comment:1
  3. [ edit ]

あたしは司からの猛烈な刺激に翻弄されて、絶頂を迎えた。
体から力が抜けていく。
あたしの上に覆いかぶさる司の息も荒い。
でも、そんな司がかわいい。
あたしの首筋に吸い付いたまま、息を整える司。
それから名残惜しそうに、あたしから自身を引き抜いた。
急に心もとなくなるような感覚。
ずっとずっと、このままくっついていたいけれど、それは叶わない。
だって、この人は『道明寺司』なんだもん。
彼の元には何万人という社員がいるんだもん。
あたしだけのものであってほしいけど、そんな我儘は言えない。

でも、あたしは彼の憩いの場でありたい。
疲れた彼を癒せる人でありたい。


司があたしにチュッとキスをして起き上がった。
もうタイムリミット。
そろそろ西田さんがやってくる。

あたしも立ち上がろうとした時に、片足に引っかかるパンティとストッキングに気が付いた。
ありゃ、すごい格好だわ。
さっと脱いで、パンティだけももう一度履いた。
それから、すぐにクローゼットを覗いて、司のシャツとスーツを選んだ。
司が着替えていたら、おかしいかしらね?


スーツを選んで振り返ると、もう司がさっきまで身に着けていたスーツを着ていた。
「ちょっと、まって。スーツ、しわができてるしっ。シャツも・・。」
そういったあたしを面白そうに見つめて、ネクタイを締めながら、
「もう一度企画書とスライド確認したら、すぐに戻る。そうしたら、第二ラウンドな?」

ん?んん?
「冗談でしょ?」
「ほんと。」
「あんた、仕事しなさいよ!」
「甘えていいって言ったじゃねぇかよ。それに、今日は待つのが俺の仕事なんだよ。」
「嘘つきっ!」
「嘘じゃねぇっつーの。」
「だって。」
だって、あたしは、司の邪魔をしたいんじゃないのに・・・

司はニヤリと笑って、執務室に戻っていった。


アリエナイ、アリエナイ・・・
だって、これ以上ここにいたら迷惑じゃないの??
あたしのせいで無理なんかしてほしくないのに。

帰ろうにも、帰れない。
帰り道は司のいる執務室のみで、あたしは閉じ込められた状態。




そして、司が戻ってきたら、第二ラウンド。
その後には、第三ラウンド。
さらにその後には、第四ラウンドまであって・・・
合間には、司はちゃんと指示を出しに執務室へ戻っていた。
アリエナイ・・・



時間はすでに明け方4時。
あたしはもう、眠いし、フラフラだし。
司のスーツのしわなんて気にしていられる状態じゃなくなっていた。

もうその頃には、司にとって迷惑かどうかとか、考える余裕もなかった。
だいたいここは会社じゃないの!
って、あたしが初めに煽ったんだった。
あちゃ~。終わってる・・・。


立ち上がることもできないあたしとは対照的に、ますます元気になる司。
その体力はどこから来るのか、不思議だよ。
あたしに毛布を掛けて、自分はシャワーを浴びて、新しいスーツに着替えてる。



「あのさぁ。お前、分かってなさそうだから言っとくけどよ。」
何よ。
こんなにしておいて。
何なのよ。

「お前がそばにいてくれるから仕事頑張れんだよ。お前に気を使われたら、マジ辛い。」
え?
「会いたいときには会いたいって、我儘言ってほしい。全部は叶えてやれないかも知れねぇけど、その我儘も俺の力になる。お前の望みは叶えてやりてぇと思う。そう思ったら、仕事も頑張れんだよ。」
何言ってんの?

「お前が甘えるの苦手だって分かってる。けど、俺にとって一番大事なのは、会社じゃねぇ、お前なんだよ。勘違いしてんなよ。」

うぇ。涙が出てきちゃう。
やだやだ。どうしよう。

「俺にもっと甘えろ。そんで、俺を頼れ。俺たち・・家族になるんだろ?」

うぇーん。
何で今、そんなこと言うのよ。
体が弱ってるときにそんなこと言われたら、泣いちゃうでしょっ。


それから、涙をいっぱいためたあたしに向かって、
「今から、衛星会議。1時間ちょっとで終わるから。終わったら、一緒に帰ろうぜ。それまで、眠っとけ。」
司がそう言って、うぇ、うぇって、しゃくりあげているあたしの頭を撫でて、プライベートルームを出て行った。

眠いし。
だるい。
けど、すごい幸福があたしを包んで、
あたしは吸い込まれるように眠りについた。




次に気が付いたら、マンションのベッドの上で、隣には司が眠ってた。
今日はもうお仕事終わりなのかな?
司がいいなら、起こさないでおこう。
それで、あとで一緒に約束のティラミスを食べなくっちゃね。

あたしを疲れさせるのも司なんだけど、あたしを癒してくれるのもやっぱり司。
あたしはもう、彼がいなくちゃ、生きていけないの。

Fin.



 

にほんブログ村
私にとってもbreaktimeのつもりで書いたのですが、何気に長くなっちゃいました。
まっ、いっか~。
しかし、こんな支社長いたら、ヤバいですよね。
妄想ですから、お許しを。
  1. 理想の恋人 番外編
  2. / comment:3
  3. [ edit ]

このお話は、『理想の恋人』の続編になります。
*****



「つくし、今日は本当に泊まってくるのか?」
「うん。優紀に会うの、久しぶりなんだ。それに司も、夜は遅くなるんでしょ?」
「まぁな。」

司が名残惜しそうにあたしを見つめてる。
やっぱり、女友達とはいえ、泊まりはダメだったのかな。
でも、優紀に会うのも本当に久しぶりで、今日会わなかったら次にいつ会えるか分からなかった。
だからごめんね。
今日ぐらいはいいよね?許してくれるよね?
土曜日の午後、あたしはマンションを後にした。



「つくし~!久しぶり!」
「優紀~!会いたかった~!」

12月に入り、あたしは、本当に久しぶりに優紀に会う約束をした。
あたしは、この日をずっと楽しみにしていたんだ。

優紀には電話で、あたしが道明寺司と婚約したことは話していた。
でも、婚約会見後の11月から、あたしは司の秘書という立場のまま、メープル30周年企画の道明寺ホールディングス側の担当者として、メープル東京に入りびたりになっていて、かなり忙しい日々を送っていた。
だから、なかなか優紀に会う時間をとることができずにいたんだ。

婚約発表の後、楓社長から直接電話があった。
「ホテルメープルは私が、我が子同様に育ててきた大切なホテルなの。だから、この30周年は私にとっても特別な想いがあるわ。そのメープル東京の30周年企画は、つくしさん、あなたにも加わって頂けないかしら?司の秘書という立場で構わないわ。司とあなたで、この30周年を是非成功させてほしいの。」

そう言われて、あたしにはお断りするなんていう選択肢はなかった。
楓社長、ううん、お義母様が大切にしているホテルの30周年企画に関われるということは、道明寺家の一員として認められることのように思えた。


11月に入ってからは、司の秘書を続けなら、週のほとんどをメープルで過ごし、企画の最終検討会議に参加していた。その結果を司にも報告し、さらに課題をメープルで検討するという繰り返しの毎日。12月中には、企画決定をしなければならず、毎日どこかしらで会議があり、あたしの頭の中は、メープル30周年企画でいっぱいになっていた。

若手経営者たちの共同プロジェクトも進んでいて、司も多忙な毎日だった。
そもそも、いくつものプロジェクトを同時に進行させているのだから、彼には無理矢理作らない限りは、暇というものはないのかも知れない。
あたし達は一緒のマンションに住んでいるから、毎日朝食は一緒に摂っている。でも、夜は、あたしも司も忙しくて、一緒に食事をすることはかなり少なくなった。
今までは、司よりも先に寝てしまうようなことはなかったんだけれど、最近は、司の帰宅を待ちきれずに、ソファで寝てしまっていたりすることもあって、あたしたちはすれ違いが多くなっていた。




婚約発表後すぐ、あたし達は、お互いの名前を『司』『つくし』と呼び合うようになった。
それで、二人でマリッジリングを選んだ。
あの時はすごく盛り上がっていて、リングができたらすぐに入籍しようって約束した。
でも、楓社長からメープル30周年の企画への誘いがあったこともあって、お互いに多忙になってしまったから、今は入籍の話は宙に浮いている。

マリッジリング・・
実は二人で選んだというよりも、司がすでにデザインしていて、それにあたしがOKを出すだけだったんだけどね。とっても素敵なリングで、今つけているお花のリングと重ね付けも可能になっていて、あたしはとってもとっても楽しみにしてる。
何と言っても、司もマリッジをはめるというから、もちろんペアリング。
ジュエリーなんて、あんまり興味がないあたしだったけど、旦那様とのペアリングはやっぱり憧れる。
あのリングはいつできるのかな?
リングができたら・・司の奥さんになれるのかな・・。





「つくし、綺麗になったね~。」
優紀の問いかけにはっと我に返った。
「恋をすると、綺麗になれるってね?」
と、おどけて言う優紀。
「今日は、夜まで、じっくり、つくしの惚気話を聞くからね~」

優紀の部屋で久しぶりのパジャマパーティー。二人でお料理をして、一緒に食卓を囲んでいた。

「ん?つくし、なんか冴えない?」
「ううん。そんなんじゃないんだけどね。」
「どうしたの?道明寺さんと婚約なんて、本当に驚いたけど、つくし、幸せじゃないの?」
「幸せだよ。」

幸せであることは間違いない。
忙しいけれど、お互い愛し合っているのも間違いない。
でも・・あたしは何か不安だ。

それは先日、司にこんなことを言われたから・・・

「メープルの仕事、大変だろ?お前も、最近忙しいし、部屋の掃除は、メイドに任せるか?」

メイドを入れる・・。
そう聞いて、あたしは落ち込んでいるんだ。
あたしは実はとっても欲張りで、マンションでの司の姿を誰にも見せたくない。
彼の私生活はあたしだけが知っていたい。
タマ先輩に頼んだら、来てくれるかも知れない。
でも、先輩だってご高齢で、毎日なんてとても大変だ。
そうなれば、お邸から誰かが来てお掃除やクリーニングの管理をしてくれるってことなんだと思う。

道明寺にとっては何てこと無いことなんだって分かってる。
アメリカ時代だって、司がいない間に掃除はメイドが入っていたって言ってた。
例えメイドさんが入ったところで、多忙な道明寺と会うことなんてきっと無い。
でも、どうしても嫌なの。

だって、普通の恋人同士だったら、二人が暮らしている部屋に、他人が入ることなんて無いでしょ?
恋人の食事のお世話も、身の回りのお世話も、恋人だからできるんじゃないの?
それを、他の人に任せるなんて。
あたしの心が狭いだけなの?

道明寺にとっては当たり前のこと。
それは尊重しようと思っているのに、このことだけはどうしても受け入れられなかった。
だから、返事は保留にしている。



「で?その気持ち、道明寺さんに伝えたの?」
正直な今の気持ちを話したあたしに、優紀が言った。

「言えないよ。」
「何で?」
「だって、道明寺も忙しいし。それに・・」
「つくしのヤキモチだもんね。」
「優紀っ!」

そうなんだ。
分かってる。
あたしのヤキモチなんだって。
だから言えないんだ。

あたし以外の人に、マンションの部屋に入ってほしくない。
司はそう思わないの?


「でもさ、実際結婚したら、仕事はどうするの?今は、臨時でメープルに行っているみたいだけど、これからもそんな風に働くなら、やっぱり、家事は少し任せた方がいいんじゃないの?」

そうなんだよね。仕事・・・。
実はあたしはこれも悩んでいる。
メープルの仕事は遣り甲斐があって楽しい。
でも、仕事が忙しくなるにつれて、以前のように司と一緒にいられる時間が減った。
あたしは、あの部屋のメイドの仕事が好きだった。
司の秘書も楽しかった。
だって、いつも隣には司がいたから。
以前はあれほどメープルでの仕事に憧れていたのに、今はそんな風に思えなくなっていた。


掃除やクリーニングの管理を人に任せれば、きっともう少し自分に余裕ができて、司とのゆったりとした時間もとれるかも知れない。
だけど・・・
司が好きになってくれたのは、メイドをしていたあたしじゃなかったのかな・・なんて思ってしまう。
メープルでの企画の仕事をするために、家事がおろそかになってしまうあたしを、司はどう思うんだろう。
自分がメイドを入れるなんて言うぐらいだから、本当に何とも思ってないのかも知れない。
けど、あいつ、あたしが来るまではタマ先輩以外の女性なんて、マンションに入れてなかったんだよ。それなのに何で・・?


他人にあたし達の暮らす部屋に入ってほしくないのも本当だけれど、実のところ、メイドの仕事が少なくなることで、司の気持ちがあたしから離れてしまうことが不安なのかも知れない。
婚約までしたというのに、あたしはここにきて、やっぱり自分に自信がない。
一体司は、あたしの何を好きになってくれたんだろう。
司の気持ちがあたしから離れていっちゃったらどうしよう。


そっか。あたしはすごく不安なんだ。
司の理想は、『ずっと一緒にいたいと思える女性』。
司はどんなあたしが理想なの?
あたしは本当に何にももってない。
あるのは、「司が好き」っていう気持ちだけ。



あたしが、司と結婚したい理由____
それは誰への遠慮もなく、ずっと彼のそばにいたいから。
朝も、昼も、夜も、一日中、彼に必要とされる自分でありたい。
彼の奥さんになれば、この不安は消えるのかな・・・。



 

にほんブログ村
いつも応援ありがとうございます。
司はどんなつくしも大好きなのにね。
いつも空回りのつくしちゃん・・
  1. 理想の恋人 番外編
  2. / comment:3
  3. [ edit ]

NEW ENTRY  | BLOG TOP |  OLD ENTRY>>

 

プロフィール

Author:Happyending
ときどき浮かぶ妄想を書き留めたくて始めました。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2017 05  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -