花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

こんにちは~。
クリスマスイブ、皆様如何お過ごしですか~?

私は今から家族のクリスマスパーティーの予定。
お昼過ぎから時間がちょっとあったので、楽しみにしていた二次サイト巡り中に気が付きました!

なんか、今のメインって『総二郎』なの??
このクリスマスシーズン。
どんなお話が見れるかと、ドキドキワクワクしながら巡り中。
目にするお話は・・・総二郎多いな・・・。

そんなわけで、私は司つくに一票投じるつもりで、短編を書きます。
っていうか、書き始めました!
まだ、①しか書いてないですが、今晩から明日にかけて、書いたらアップで頑張ります。

自己満足の世界なので、お暇な時間にお読みくださーい。

あっ、設定は原作の流れで、司が4年でNYから帰って来た年のクリスマスってことでお願いします。
*****





「ええ~。うっそぉ。」
「ごめん。マジ、ごめん。」
「いや、うん。分かってる、仕事だもんね。うん。」

あたしははっきり言って動揺が隠せてない。
まさか、この日に仕事が入るなんて。
だって、今年って、イブが土曜日だよ!
明日は日曜日だよ!
なのに、この時期に急な香港出張って何のよー!!

それが分かったのは、前日の今日。
明日はクリスマスイブだっつーの。



今年の4月。
道明寺がニューヨークから帰って来た。
4年間、クリスマスにもお互いの誕生日にも会えることはなかった。
でも、約束通り帰って来たこいつのこと、やっぱり好きで。
あたし達は、この4年間を埋めるかのように、付き合いを深めた。

あたしはまだ英徳の4回生で、就職も道明寺ホールディングスに無理やり決められたから、時間的には比較的余裕がある。
反対に道明寺は凱旋帰国の後も忙しくて。
だから、あたしが道明寺に合わせるのはいつものこと。

それはいいの。
いいのよ、別に。
あたしが言ってるのはね。
明日はイブだってこと。
あたしたち、まだ一度もクリスマスを一緒に過ごしたことないよね。
今年はすっごく楽しみにしていたよね。
仕事があるのは分かってる。
だけど、海外だなんて。
そんなのあり?

遠距離恋愛の時には我慢ができたことなのに、あたしは贅沢になったのかな。
今年だけは一緒に過ごしたかったっていう想いが強かった。


「悪かったって。だから、お前も一緒に香港行こうぜ。な?」
「なんでよ。あんた、そのなんたらっていうパーティーに行っちゃうんでしょ?」

あたしが怒ってるのはそれだけじゃない。
あたしと過ごすことができなくなったこのイブに、こいつと来たら、香港のパーティーに出席するらしい。
道明寺ホールディングスが香港に展開する新規リゾートの土地を提供する、華僑出身の大金持ちが主催するパーティー。
すでに土地の提供は決まっているはずなのに、その土地の権利を巡ってトラブルが起きた。
そのために、この週末は香港に飛ばなければならなくなった道明寺。
まさに、ザ・仕事。
昔の道明寺だったら、そんなこと引き受けたりしないんだろうけど、今は立場が違う。
道明寺ホールディングスの若き専務。
こいつは、本当にイイ男になって帰って来た。



分かってる。
分かってるって。
あたしとのことを周囲に認めてもらうために、こいつが頑張ってるってこと。
そのパーティーだって、本当は行きたくなんて無いんだってこと。
だから、行かないでなんて言っちゃだめだってこと。
分かってる。
じゅーぶん分かってます。

「月曜日には帰るから。」
「月曜日だって仕事でしょ?」
「ジェット飛ばして、月曜の朝までには帰る。」

月曜日なんて、もうクリスマスも終わっちゃってるじゃない。
・・・
こんなことで涙なんて流したくない・・
こぼれそうになる涙をぐっとこらえた。

「分かった。気を付けて行ってらっしゃい。」
「本当に一緒に行かねぇの?」
「行かないよ。」
最後まで名残惜しそうにして、道明寺はあたしの部屋を去って行った。



*****


道明寺がいなくなったあたしのアパートは、さらに寒さが増した気がした。
今年は二人で過ごせると思ったのに。
何気に料理の仕込みとかしてたのに。
クリスマスプレゼントだって用意した。
今までは、クリスマスと誕生日にカードを送るだけだったけどね。
今年は手渡しできると思ったから、おそろいのパジャマを用意した。
モコモコしているやつ。
今年は一緒にそれを着てくつろごうと思ったのに・・・。


あいつがイイ男になって戻って来たのは間違いない。
イイ男っていうのは仕事ができて、だから彼女は二の次になっちゃうのかな。

そういえば・・
あの時の約束・・
あいつがイイ男になって戻ってきたら、あたしがあいつを幸せにしてあげるっていう約束。

はっと気が付いた。
そうだった。
あたし、自分が幸せにしてもらうことばっか考えてない?
あたしがあいつを幸せにしてあげるんじゃなかったっけ?


あたしは、急いでケータイを取り出した。

「桜子。あたし。ちょっと、お願いがある。」


道明寺っ!待ってなさいよ。
あたしがあんたを幸せにしてあげる。



 

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  1. あたしが幸せになるために(完)
  2. / comment:3
  3. [ edit ]

「先輩のそんな姿が見られるなんて、ちょっと感動しました。」
そんなことを言う桜子。

「美容系は任せてください。けど、この時期に香港行きのチケットなんて、まず無理ですよ。先輩。」
「一応聞いてみるけど、ファーストっていくらぐらいするのかな?」
「先輩に払えるとは思えませんよ。」
「だよね。」

溜息をついたあたしに、桜子がニヤリと笑った。
「任せてください。もうすぐ到着しますから。」
「えっ?」

その時、バッターンとうちのボロアパートのドアが開く音。
「つくしー。なんで私に連絡しないのよぉ。桜子、ジェット手配したからね。」
そう言って、あたしのアパートに入って来たのは滋さん。
滋さん、今日は愛しのダーリンって人と旅行に行くって言ってたじゃん。
どうして?

「桜子から連絡来たのよ。こっちの方が大事でしょ。」
いやいや、ちょっと待って。
そんなに迷惑かけてまで、あたしは我を通したいって訳じゃない。

「ってうか、タイムリー。私が行くところ、香港だし。彼も一緒だけど、許してね。あっ、そうそう、そのなんちゃらってパーティ。大河原も呼ばれてたから、急遽出席にしておいたっ。」
さすがは滋さん。
仕事はやっ。

「滋さん、そうなったら、私、一人じゃないですか。まさか、置いて行く気ですか?」
と桜子が恨めしそうに滋さんを睨んだ。
「バカね。あたしの辞書に不可能っていう文字は無いのよ。」
「それで?」
「香港在住で、イギリス人の銀行家。あっちで会う約束してる。」
「ありがとうございます。滋さん。」
「だけど、お遊びもほどほどにしなよー。」
「何言ってるんですか。私は毎回本気なんですよ。長続きしないだけです。」
はぁ。この二人のセレブ話にはついていけない。
でも、この話の流れでは、あたしも香港に連れて行ってもらえるらしい。
よしっ。

「で?司はもう出発したの?」
「うん。朝一から香港で会議。夕方からパーティーだって。」
「そのパーティーに乗り込もうって訳ね。」
「先輩にしては頑張ってますよね。」
「そうだよねー。しかし、司も司だよね。帰国して初めてのクリスマスに、彼女を放って、香港とはね。」

「そーいうことじゃなくって。えーっと。たまには、あたしがあいつを追いかけてもいいかなって。」
「つくしー。可愛いっ。」
「ぐえぇぇ。」
ぎゅーっと滋さんに抱き付かれるのはもう定番。
だけど、やっぱり持つべきものは友達ってやつだよね。
今回ばかりは、この人たちのセレブっぷりに感謝しよう。うん。


『じゃぁ、早速、準備しよ!』

そう言われて、二人に両サイドを固められ、あたしは滋さんちのリムジンに乗りこんだ。



*****


到着したのは、滋さんのお邸。
久しぶりに来たわ。この豪邸。
前に来たときは、T4で仮装パーティってやつをして、エライことになった。
あたしは、どこで仕入れてきたのか、ビールのキャンペーンガールだったし、
優紀はバニーガール。
桜子はブラックバニー。
何故か滋さんは、水着姿で、ビールサーバー背負ってた。
まぁ、女同士だから、結局飲んだくれて終わったけどね。

まさか、今回も仮装じゃないでしょうね・・・
なんていうあたしの不安は、次の瞬間に吹き飛んだ。

すごい数のドレスの列。
これって、滋さんのクローゼットだよね。
さすがは大河原財閥の一人娘だわ。

でも・・でもさ。
まさか、あたしにこのドレスを貸してくれるってこと?
うれしい・・うれしい・・けど。

「滋さん・・。あたし、これ着れないよぉ。」
「何で?この間、総君が言ってたよ。<司に仕込まれて、牧野もだいぶ胸がデカくなったなっ〉って。」

なんとっ。ニシカドっ!

「あぁ、私も美作さんから聞きました。道明寺さん、毎週末、先輩の家に通ってるらしいですね。〈あのアパート、絶対、周りに声漏れてんなっ〉って、言ってましたよ。」

ひょえー。ミマサカっ。
そんなこと、直接あたしに教えてよっ。


真剣な表情の滋さん。
「やっぱ、胸、合わないか。」
「ウエストもだと思う。」
「桜子のやつは?」
「ますます合いませんよ。」
うーん。と悩んでいる二人。

パーティーといえばドレス。
ドレスと言えば・・・椿お姉さんだっ。


あたしははっと顔を上げて、二人に言った。
「道明寺邸に行こう。」
「はぁ?」
「ドレスなら、そこにある。」

「もしかして、司が用意してるとか?」

うん、まぁ。それもあるんだけど。
それよりも、毎回毎回、椿お姉さんが買ってくるドレスの量は半端ない。
このままじゃ、宝の持ち腐れだよ。
着るとしたら、今しかない!


「じゃ、今から司んち行こ。」
「アクセはある?」
「たぶん大丈夫だと思う。」
「OK. まっ、足りないものは現地調達すればいいか。」
さすがはセレブ。
恩に着ます。


「桜子は?ドレスどうするの?」
と聞いたあたしに、桜子はフフッと笑って、
「私の荷物は、全て大河原邸に送りつけてますから。やるからには適当なんてあり得ません。自分にぴったりのドレスじゃないとパーティーなんて出ませんよ、私は。」


さすがは桜子。
気合が感じられる。
でも、あたしも負けてはいられない。

香港で、道明寺をあっと言わせてやるんだからねっ。
それで、あたしが恋人で良かったって思わせたい!
あたしが、あいつを幸せにしてあげたいの。



 

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うちは、今から手巻き寿司パーティーです。
クリスマスの香港行ってみたーい。
  1. あたしが幸せになるために(完)
  2. / comment:1
  3. [ edit ]

到着した道明寺邸。
あたしの電撃訪問に驚いたタマ先輩だったけど、
「ドレスが必要なんです。」
という真剣なあたしの様子に、やけにうれしそうに頷いて、あたしを衣裳部屋(別名:椿お姉さんからのプレゼント部屋)に案内してくれた。


実をいうとこのお部屋に入るのは初めて。
プレゼントをもらってはここへ預けているんだけど、結局使うことがなかったからね。

部屋に入るなり、桜子が驚いた。
「なんですか、ここ。」
「うひやー、何これ、全部一点ものだよね。」
二人は興味津々とドレス選びを始めた。

あたしもチラチラとドレスを覗いてみているけど、イマイチどういうのがいいのか分からない。

パーティーといえば、高校生の時の道明寺の誕生日パーティー。
あれ以来だな。
道明寺が帰国してから、何度かパーティーへ誘われた。
道明寺と付き合っているなら、いつかは一緒に参加するだろうと思って、今までにあたしなりに努力はしてきた。
けど、やっぱり自信なんて付く訳はなくて、結局、「まだ学生だから。」なんて理由にもならない理由でパートナーは断っていた。
その度に、道明寺が寂しそうにしていたのも分かってた。
あいつはいつもパートナーは連れて歩いていないことも知っていたし、
誰かに頼まれても承諾しないってことも、花沢類から聞いていた。
「だから、牧野が一緒に行ってやりなよ。」
なんて言われていたんだ。


今回の香港だって。本当はね、一緒に行きたかった。
けど一緒に行けばきっと、パーティーに参加することになる。
あたしなんかと一緒に出席したら、もしかして道明寺に恥をかかせちゃうかも知れないし・・・とか色々考えると、どうしても一緒に行くって言えなかった。


でもさ。
あたし、いつからこんなに逃げ腰になっちゃったのかな。
あいつと付き合うっていう時点で、パーティーなんて避けられる訳ないじゃん。
あたしいつまで逃げてんの?
あいつにばっかり無理させるの?
あいつにまた悲しい顔をさせちゃった。

クリスマスイブだからじゃない。
あたしは、道明寺が帰国してから、あいつに甘えすぎてた。
あいつがあたしを大切にしてくれるから、それに甘えてた。
あたし、いつから、そんなお嬢さんになったのよ。
あたしは牧野つくしでしょ。
嵐の中を生きて来たんじゃない。

勝負はまだ始まってもいない。
それなのに、逃げるなんてやっぱりだめ。


ぐっと拳を握り込んだ時に、
「これっ、これがいいよ。つくしっ。」
「そうですね。こちらのドレス、とても素敵です。椿さんのセンスに脱帽です。」


それは、ロイヤルブルーのドレス。
チューブトップのデザインで、スカートは丸く膨らむバルーン型。
後ろが眺めで、前の丈は少し短い。
バックにはリボンが結ばれている。

「このドレスなら、先輩、髪は降ろしたままでいいと思います。」
「うんうん。毛先だけ、少しアレンジしようか。」
「そうですね。片耳だけ出しましょう。それで、そちらのイヤリングを。」

そういって、桜子が指さしたのは、ガラスケースに並べられたジュエリーのなかの一つ。
ライン状に並んだダイヤが揺れるイヤリング。

「ネックレスはいつものやつ?」
と聞く滋さんに、あたしがこくっと頷くと、桜子が笑った。
「いいんじゃないですか?先輩らしい。」

パンプスは、バッグは・・と二人があれこれと決めていく。
あたしは、そんな二人に感謝してる。
ありがとね。
あたしのために、こんなに一生懸命になってくれる。
そんな友達、どんなに探したって他にいないよ。


ここまでしてもらって、あたしにもう逃げ道はない。
ここからは、あたしがどれだけ頑張れるか・・だ。


そこへ、コンコンっとノックの音。
続いて、カチャッとドアが開いた。
入って来たのはタマ先輩。

「つくし、香港に行くのかい?」
「はい。」
「坊ちゃんに会うのかい?」
「そのつもりです。いきなりパーティーに登場して、驚かせてきますよ。」
そう言って、ウインクするあたし。
タマ先輩は嬉しそうに目を細めて、
高級そうな四角いケースをあたしに手渡してきた。

「これは?」
「奥様からだよ。」
「奥様って?魔女ですか?って、あっ、いったー。」

バシッとタマ先輩の杖で太ももに一喝された。
「コホン。奥様から、あんたが、この邸でドレスを着るようになったら、これを渡してくれって頼まれていたんだよ。」
「道明寺のお母さんが・・」

桜子と滋さんもじっと箱を見つめる中、
そのケースの蓋を開いた。


ケースの中には、1本のネックレス。
プラチナと18Kが織りなす不思議な鎖に、ちりばめられた眩いばかりのダイヤモンドたち。
いったい、どれだけのダイヤモンドが使われてるの?

桜子たちもはぁ~と溜息をもらしている。
これは・・・あたしレベルが身に着けるものじゃないよ・・。
それぐらいは、あたしでも分かる。

「先輩、これ・・」
お断りしようと思ったあたしに、タマ先輩が言った。
「受け取りなよ、奥様の気持ち。その青いドレスにぴったりじゃないか。」

「そうだよ。つくし。いつものネックレスもいいけど、今日は、つくしの社交界デビューだよ。司をびっくりさせるんでしょ?だったら、これぐらいのサプライズ、やってもいいでしょ?」
「先輩、私もそう思います。これをお断りされたら、きっと道明寺社長も悲しみます。」

あの魔女が悲しむだろうか・・なんてやっぱり思ってしまうけど、
これが本当に道明寺のお母さんからの品物なのだとしたら・・・

あたしはもう逃げないって決めたから。
だから、
「では、ありがたく頂戴します。」



「きゃー、つくし、フライト時間が迫ってる!急ごう!」
時計を見るとすでに24日の朝10時。
香港までのフライト時間は約5時間。
夕方から始まるパーティーにギリギリだ。


「タマせんぱーい。行ってきまーす!」
あたしは大きく手を振って、香港に向かって飛び立った。



 

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思うままに書いているので、いくつまで続くか分かりません。へへ。
  1. あたしが幸せになるために(完)
  2. / comment:2
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滋さんちのジェットの中。
男の人が一緒になった。
「こちら、武田将司さん。私のダーリン。よろしく。因みに、武田物産の専務さん。」

なるほど。こちらが、滋さんの噂のダーリンなのね。
へぇ。なんだか、優しそう。
滋さんも、幸せそうだなぁ。
そんな滋さんをみつめる武田さんも、幸せそう。
あたしも道明寺と一緒にいる時、今の滋さんみたいに幸せな顔しているかな。
あいつにそういうあたしを見せてあげられてるのかな。

「牧野つくしです。」
「三条桜子です。」

「滋から、お二人のお話は聞いています。あと、優紀さんでしたか、4人でT4だと。」

げっ、滋さんってそんなことまで彼に話してるんだ。
T4の意味、分かってるのかなぁ。
隣を見ると、桜子も微妙な顔をしてる。

「この度は、お二人のお邪魔をしてしまって申し訳ありませんでした。あの・・」
「いえ、こちらもご協力できて良かったです。」
「へ?」
「我々の年代は、みんな覚えていますよ。〈4年後必ず迎えに行きます〉のお二人でしょう?」

えっ、えっ、ええ~!?
それ、知ってるの?うそぉ。
いや、だって、あれって4年も前で・・
でも、確かに、あいつテレビで全国放送されてたんだっけ・・
あちゃー、忘れてた。

「あの話は有名ですからね。道明寺さんを見かける度に、みんなそれを思い出すんじゃないのかな。道明寺さんのあの彼女はどうしているのかなってね。いつになったら、社交界に現れるのかって、噂ですよ。その、彼女にお会いできて光栄です。」

「ちょっと、将司さん、つくしに変なプレッシャーかけないでよねっ。」
「し・・滋さん。今の話、本当?あたし達のことって、今でも社交界で噂になってるの?」

気まずそうな滋さんの顔をみれば分かる。
本当なんだ。
はぁ。
でも、あいつ、そんなこと一言も言ってなかった。
ううん。違う。あいつが言う訳ないよ。
あたしが困るようなこと、あいつが言う訳ない。

あー、なんであたしはいつも気が付くのが遅いかな。
道明寺がパートナーを連れずに訪れている社交界で、噂の対象になっているなんて。
それも、勇気がでなかったあたしのせいだなんて。


「いいんですよ。先輩。悔やむことはありません。」
「桜子。」
「今日は、とびきりイイ女になって、周りの奴らを騒然とさせてやりましょう。」
「うん。中身はあたしだけどね。」

強気な桜子に感謝だよ。
まぁ、あたしが着飾ったってしれてるけど、
もう、道明寺を一人で噂の対象になんてさせないから。
噂されるなら、二人で噂になればいい。
今のあたしは、何か燃えてるよ!


「つくしのその目。私昔みたことあるよ。」
滋さんがあたしを見つめてる。
「昔さ。つくしが悩んで、司と別れてさ。それで国沢亜門のところに行っちゃった時。」
「あー。あった・・ね。」
「でも、司さ。つくしを奪い取ってやるって言って。なんか、燃えててさ。パワー全開って感じでさ。思い出しても、身震いしそう。今のつくし、あの時の司と同じ目をしてる。」


滋さんがそう言うんなら、そうなのかも知れない。
あたしとあいつは同じ土星人で運命共同体ってやつなはずだから。
あいつがあたしを探してくれたように、今度はあたしがあいつを救い出す。


「お二人とも!とにかく、飛行機は乾燥しますから。まずは、パックからしましょう。それから、全身マッサージと、先輩はエステ受けてください。」
「桜子。エステって何よ。エステって。」
「当然ですよ。何言ってんですか。やるからにはトコトンやりましょう。滋さんちのエステティシャン、同乗させてますから、はい、行ってらっしゃい。」


あたしはポーンと後部のカーテンの中に放り込まれた。
確かにね。
やるときはやらなきゃね。
フライト時間は約5時間。
その間、全身を隈なく揉みこまれ、特にデコルテラインは念入りにエステを受けた。
途中は殆んど寝ちゃったことは、愛嬌ってことで。


そうしてあたし達は、ついに香港に降り立った。



*****


パーティ会場は「ザ・ペニンシュラ香港」。

さすがっ。滋さんは、ペニンシュラに部屋をとって、荷物を運ばせた。
香港国際空港からは、当然のようにリムジンでペニンシュラへ。
恐らく、道明寺はメープルから来ると思う。
あたしたちは、会場で道明寺を探すつもりだ。

「ギリギリだったから、コーナースイートしか取れなかった。」
なんていう滋さんだけど、そのお部屋はものすごく広い。
そこへ、大量の荷物が運び込まれ、あたし達は大河原家のメイドさんにお世話になりながら、パーティー仕様に変身した。

「メイクは私がします。」
ブルーのドレスに着替えたあたしに、今度は桜子がメイクを施す。

何故か、あたし以上にあたしのことが分かっているみたいで、桜子があたしを輝かせてくれる。
元々目は大きいんだけど、さらにぱっちりに。
頬にはうっすらとチークを。
最後に引いたルージュはとっても深い赤。
「これ、何色?」
「チャペルローズです。」
「綺麗。」
「わたしから、道明寺さんへのプレゼントです。」
「えぇ~?」
「赤いバラは、プレゼントの定番です。」
その桜子の言葉に、一気に頬が火照った。

道明寺のお母さんからいただいたネックレスを、滋さんが背中に回って付けてくれた。

「「完璧!!」」
桜子と滋さんが同時に言った。

「ありがとう。二人とも!」

「司のところまで、送り届けてあげる。」
「行こう!」


今の時刻は午後5時。
パーティーは今、始まったばかりだ。



 

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連続でもう1話は行きます。
司を登場させないと眠れません!
  1. あたしが幸せになるために(完)
  2. / comment:1
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ペニンシュラ香港の大ホール。
このクリスマスイブにここに招かれている人々は、香港ではそれなりの地位の人たちだ。
今回の主催者である、滋さん曰く土地成金のおじさんは、香港での資産総額1位だとか。
その資産運用のため、躍起になっているって話。

今回の道明寺との土地の折衝も、一度決まった取り決めをまた覆して来たりと厄介なことこの上ないらしい。
けれど、一度決まったことを覆すなんて、道明寺ホールディンスの足元を見られているようで、なんだか嫌だな。

けれど、会場入りをして、あたしは今回のからくりを知った。
あたしは自慢じゃないけど、英語はできる。
周囲が英語で話していれば、嫌でも話は聞こえてくる。

「李氏も考えたね。」
「娘を道明寺に嫁がせて、孫でもできれば、日本国籍の孫に資産を渡せるしね。」
「香港の土地は、いつ中国政府に没収されるか分からないからね。そりゃ、日本に資産を分配した方が得策だ。」
「道明寺は未婚だろ。狙われてるね。」
「このパーテイーも道明寺を娘に引き合わせるためなんだろ。」
「李氏の長男も、たしかアメリカ人と結婚したな。」
「よく考えてるよな。ははは。」


・・・
道明寺が狙われてる!?
ただのパーティーじゃないってこと?

両サイドを桜子と滋さんにガードされていたあたしが急に立ち止まったから、二人が心配そうにあたしを見る。きっとさっきの話、二人も聞いたんだ。もしかしたら、滋さんは事情を知っていたかも。
あっ、ということは道明寺も分かってる?


あたしは、ぐっと唇をかんだ。
____絶対に道明寺は渡さないんだから!



「あっ。」
小さく叫んだ、滋さんの視線の先には・・・
道明寺だ。

道明寺の隣には、黒髪のチャイナドレスの女性。
道明寺の腕に絡みつこうとして、彼に適当に避けられている。
あの人・・・ね。


ふ~っと深呼吸。
そして、両脇の二人と視線を合わせた。

「行ってきます。」
と笑うあたし。

「行ってらっしゃい。先輩。道明寺さんを信じてくださいね。」
「あたしが好きなつくしの姿をみせて!ガツンと一発かまして来てよ!」

「うん。」

二人はあたしの腕を離して、笑顔であたしを見送ってくれた。
ここからは、あたしの戦いだ。




少しずつ、道明寺に近づいていく。
相変わらず、なれなれしいチャイナドレスの女。
ちょっと、そいつはあたしの男なんだけどっ。
汚い手で触らないでくれる?
そのスーツはもうポイね。
もったい無いけど、今日だけは許すっ。


あたしは背後から道明寺に近づいて、チャイナドレスの女の逆サイドの腕をつかんだ。

ビクっと道明寺が一瞬震えたけど、そのままあたしにつかまれている。
人に触れられるのを良しとしないこの人が、唯一触るのを許すのは、あたしだけなんだからね。
ゆっくりと道明寺があたしの方に首を傾けた。
目が合って、
あたしはにっこりと笑えたと思う。

それから、周囲を見渡して、
チャイナドレスの女にも微笑んで、

「He is my fiancee. Don't touch my darling. 」
(彼は私の婚約者なの。私の彼に触らないで。)


そう、彼はあたしのものなの。
彼を幸せにできるのは、あたしだけなんだからね!


そう言った瞬間に、みんなの前で、道明寺の顔が近づいてきた。
自然と瞳を閉じて、
角度を変えて何回も、
何回も、何回も、彼のキスを味わった。


周りの反応なんて気にしない。
だって、彼はあたしのもので、あたしは彼のものだって、みんな分かったでしょ?



 

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司君までたどり着きました~。
イブ中には間に合いませんでしたが、明日中には完結させたい。
また、時々遊びにいらしてくださいな。
明日のAM5時は「理想の恋人」のクリスマスバージョンでーす。
といっても、今から準備なんですけど(笑)。
  1. あたしが幸せになるために(完)
  2. / comment:4
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