花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

司くん、Happy Birthday!!!
私の大好きな司くんのお誕生日を記念して、本日から2-3日でこちらのお話を不定期時刻にアップしていきます。
まだ最後まで書ききっていないのですが、予定では・・7~8話じゃないかと思われます。
次回アップする時刻は、記事の最後に記載します。

このお話は、『理想の恋人』のその後です。
読んでいない方ももいらっしゃるかと思いますので、ざっと説明。
『司君のマンションに住み込みメイドとなったつくしちゃん。そのつくしに惚れちゃった司が、つくしを変装させて、マキという秘書に仕立てます。ごちゃごちゃしたけど、ふたりはハッピーエンドで結ばれました。』というお話です。(←ざっとしすぎっ!)

すでにクリスマスに結婚式を挙げて、夫婦となった二人。
その後の初めての司のB.D.がやってきました。
さて・・どうなる??
スタートは、すっとぼけ気味の道明寺パパから・・

***




私の名前は「道明寺忍」。
言わずと知れた、道明寺財閥の総帥だ。

私には強く反論したいことがある。
世の中では、道明寺家は家業にかまけて、子育ては蔑ろにしているなんて言われているが、そうじゃない。椿にも、司にもそれなりの愛情を示してきたはずなんだ。
だが、ニューヨークと日本という距離と時間の差があっては、なかなかその愛情が伝わらないのは当然だろう?
それに、大学生になって、やっとニューヨークに渡って来た司と、いきなり仲良し親子なんてやれるわけがないだろう?
だから、傍目からすれば、私たち親子には壁があるように見えるかも知れないが、実際にはそれほどのわだかまりなど、私たちは持っていないんだ。

昨年のクリスマス、愚息が、ついに結婚した。
クリスマスに二人だけで結婚式をやろうなんて甘いんだよ。
私たちを舐めちゃいけない。
妻の楓だって、黙っているはずがない。
結局、椿も一緒に日本まで押しかけて、二人の結婚式を見守ったさ。
当然だろう、親としては。

そんな私は、少しだけ、司とつくしさんに不満があった。
まずはつくしさんだが、嫁としてこれ以上ない人だと思ってはいるものの、一つ残念なことがあった。
それは何か・・・
是非とも会いたかった「マキさん」に、私は、結局一度も会えなかったのだ!
クリスマスにつくしさんに会った時に、私は恥を忍んで聞いてみたさ。
「私も、〈マキさん〉を見てみたかったな。」とね。
その答えはこうだ。
「もうマキにはならないって、司さんと約束したんです。ですから、もうマキにはなれません。」
司の奴め。
自分だけ、恋人を秘書にして、イチャイチャ楽しみやがって。

そうそう、もう一つの不満は、司にある。
司の奴。私でも置いたことのない「女性秘書」をマキさんにやらせていたと分かった時には、嫉妬で怒り狂いそうだった。
何故かって?
それは楓が、私が女性秘書をつけることを許さなかったからだ。
道明寺に入って、すでに30年以上が経っているが、私は一度も女性秘書をもった経験がなかった。
だけど、一度ぐらい、女性秘書にコーヒーを持ってこられたり、パーティーに同伴させたりしてみたいだろう?
だいたいパーティーは楓か椿だし、彼女たちの都合が悪ければ、一人で参加するしかなかったんだ。
それなのに、司は、つくしさんを「マキさん」という秘書に仕立て上げ、聞くところによると、仕事も同じ執務室で行っていたとか。パーティーにも会食にも、必ずマキさんを連れ歩いていたとか。
何が、ゲイの噂があるだ。アホ息子め。
司が、マキさんを狙っていることなんて、誰に聞かなくても明らかだった。
だから、司がつくしさんを連れて来た時には驚いたなんてもんじゃなかったな。
まぁ、ああいうからくりだったってことには、もっと驚かされたが・・・


そんな時、椿から電話が入った。
「お父様、さっき、つくしちゃんから電話があったの。今度の司の誕生日、家族でお祝いできないかって。丁度その頃に司のニューヨーク出張があるから、その時に皆で集まれないかって。」

その話を聞いて、私はひらめいた!
ここは、人生初の「女性秘書」を経験するチャンスだ。
相手がつくしさんだとすれば、楓が文句を言うこともないだろう。
つくしさんには、「マキ」に変装してもらう。
何て言ったって、ウィルソン氏が絶賛していたマキさんを、私は一度も見たことがないなんて、私のメンツにかかわるだろう?(ウィルソン氏は「理想の恋人25話」でマキと会っています。)

「椿、この件は、もう楓に伝えたのかい?」
「まだですわ、お父様。」
「それなら、あとはこちらで都合をつけるから、つくしさんに私から連絡を入れると伝えてくれ。」
「それは、一応はOKと受け取っていいのかしら。」
「あぁ。31日は必ず空けるよ。」
「良かった。約束よ、お父様。私も絶対参加するから。楽しみにしているわ!」

ヨシっ。
私にもチャンスが到来した。
楓に相談すれば、一発で却下されるから、内緒にしておかなくてはならない。
そうと決まれば、すぐにでもつくしさんに連絡を入れるしかないな。

私は第一秘書の、岡田を呼んだ。
この男は私の腹心だ。
私が何を計画しようとも、完璧にバックアップする男だ。
今回の計画を話すと、初めて岡田が難色を示した。

「楓社長と、司様に知れた日にはまずいことになりますよ、会長。」

何を言うか。
私は、道明寺のトップだぞ。
何があったところで、誰にも文句なんか言わせるものか!



*****



司と結婚式を挙げて、あたしは「道明寺つくし」としての生活を始めていた。
マスコミへの結婚発表はまだだったけど、4月にはニューヨークで披露宴が予定されている。
いろいろあったけど、あたし達は、世田谷のお邸で暮らし始めた。
あたしは、司の秘書とメープルの仕事を続けている。
忙しいけど充実していて、司にも愛されて、あたしは幸せな日々を過ごしていた。

そして、今月末には、司の誕生日が来る。
司は、以前にあたしが西田さんの誕生日パーティーを準備したことを未だに根に持っていて、「なんでお前が西田の誕生日なんか知ってんだよ。」とか「お前がわざわざしてやることなんてねぇのに。」とか文句を言っていた。
たぶん・・だけど。
司もお誕生日ケーキをみんなで囲んで食べたいんじゃないかなっていうのがあたしの予想。
あたしにとっては、初めての司の誕生日。
二人きりっていうのもいいかなと思ったんだけど、あの様子をみたら、きっと家族でお祝いするような誕生日がしたいのかなって考えた。

それに、西田さんにこっそりと確認したところ、どうやらこの月末は司はニューヨーク出張になりそうなんだって。それなら、好都合。あたしも向こうへ行って、椿お姉さんにもロスから来てもらえれば、お父様とお母様の都合が合えば、家族でパーティーができるって気が付いた。

さっそく椿お姉さんに連絡をしたら、どうやらお父様が都合をつけてくれるみたい。
ドキドキしながら、お父様の連絡を待った。


RRRRR・・・

「はい。」
「あぁ、つくしさん。私だ。」
「お父様、先日の結婚式は出席下さりありがとうございました。」
「ははは。それはいいんだけどね。今回の司の誕生日だけど。」
「はい。」
「31日、こっちの邸でパーティーをするっていうことでいいのかな?」
「本当ですか!きっと、司さんも喜びます!」
「うーん。でも、こちらにも条件があるんだよね。」
「え?条件ですか?」
「つくしさん、すこし早めにこっちに来て、私の秘書をしてくれないかな?」

ええ?秘書?
会長秘書なんて、無理でしょう??

「あの・・」
「それが嫌なら、私も誕生日には協力できないな。」
「そんな。」
「それから、秘書はマキさんの恰好でしてね。」

マキっ!?
今更、どうして??

「ほら、私は、マキさんに会ったことがないから。一度会ってみたいんだよ。」

なんで、マキに会う必要があると言うの??

「つくしさんが、マキになって私の秘書をしてくれるって言うんなら、何でも協力してあげるけどね。」

「でも、司さんが、何て言うか。」
「だから、あいつには秘密だよ。」
「ええ~っ!」
「ついでに楓にも秘密だから。」
「お母様にもですかっ!」
「どうする、つくしさん、嫌なら司の誕生日は・・」


「やっ、やります!やります!すぐにニューヨークへ向かいますっ!!」

何がどうなっているのか???
でも、愛する司の誕生日を家族皆で祝うため、あたしはお父様の条件を飲むことにした。
これが、とんだ波乱を引き起こすなんて、そんなことは全く予想をしていなかったんだ。



 

にほんブログ村
次のアップはAM5:00に『俺の女 25』になります。
応援いただけると嬉しいです。
スポンサーサイト

  1. まさかのHappy Birthday
  2. / comment:4
  3. [ edit ]

すみません!
15時に2話予約投稿しちゃってました。
電車でチェックして良かった〜〜。
ご連絡ありがとうございます!

*****




「お前さ。本当に一人で大丈夫か?」
「なっ、何が?」
「ニューヨーク。ババァの秘書なんて、結構大変だと思うぜ。」

お父様の計画で、あたしはお母様の指示を受け、ニューヨークメープルの視察に行くと言う名目を背負い、司の誕生日の1週間前からニューヨーク入りすることになった。お父様の仕事との接点なんて、あたしには全く無かったから、この名目しかなかったんだと思う。本来、お父様の秘書なんて、絶対あたしで務まるはずがない。

「だいたい、ババァもババァだよな。なんで、この時期に視察しなきゃなんねぇんだよ。やっぱ、俺から断り入れるか?」
「だっ、だめっ。」
「何でだよ。」
家族で司の誕生日をお祝いするためだよ!
そう叫びたかったけど、言える訳がない。

「だっ、だって。おっ、お母様は、あたしに期待してくれてるんだと思うし。お断りするなんて、そんなことできないよ。」
「だからって、新婚なのに、1週間も離れるんだぞ。耐えらんねぇ。」

ベッドの中。そう言いながらも、司があたしの首筋に顔を埋め、あたしの鎖骨に吸い付いてきた。
「あっ・・ん。だめ・・だよ。あした、早いんだ・・から・・。」
だからって全く止める気なんてない、司の手があたしの胸を揉んできた。
「明日は、うちのジェットで寝て行けばいい。だから、いいだろ?」

そう言って、司がどんどん攻めてくる。
こうなったら、この人は絶対に容赦してくれない。
普段は、甘々なぐらいに甘いのに、この時だけは本当に野獣。
確かに、この人を1週間一人にするなんて、あたしもちょっとだけ心配だよ。
だから、1週間分。
フライト時刻のギリギリまで、あたし達は愛し合った。


翌朝のフライトには、一人で歩くこともできなくて、司に抱きかかえられたまま飛行機に乗ったあたし。
座席に降ろされて、更に名残惜しそうにキスされて、まるで今生の別れかというような扱いで、あたしは日本の地を飛び立った。


***


「ニューヨークで司のお誕生日パーティーするの、楽しみにしていて!」
なんてつくしに言われた時には驚いた。

丁度、ニューヨーク出張が月末に決まっていた。
誕生日は一緒にいられないかも知れないと思っていたから、何ならこいつも秘書として連れて行くかと目論んでいたところで、つくしもニューヨークに行くと聞いた時には嬉しかったが・・
なんで、俺より1週間も早く行く必要があるんだよ!
何でも、ニューヨークメープル視察を兼ねて、ババァと行動を共にするらしい。

あいつは、誕生日ケーキは自分が作って準備するとか、お料理も向こうで教わるからとか、やけに張り切ってやがったけど、俺はそんなのどーだっていい。
俺の家族になってくれたつくしと過ごせるのなら、どんな誕生日だっていいんだ。
はっきり言ってニューヨークで、オヤジやババァに会うことすらも面倒くせぇ。

俺の理想の誕生日は・・・そうだな。
つくしと24時間ベッドで過ごす・・とか。
あいつを俺の召使にして、俺の言うとおりにさせる・・とか。
いやいや、違うな。
どっちかっつーと。
俺はあいつに尽くしたいタイプなんだよな。

俺に24時間甘えて欲しい。
つくしは、結構やせ我慢するタイプだから、普段なかなか我儘を言ってこねぇし。
絶対してくれねぇとは分かっているが、俺は、俺の誕生日に、つくしにトコトン甘えて欲しい。
そして、つくしをトコトン甘えさせてやりてぇ。
あいつにベタベタされてぇな。
24時間俺から離れない・・とか言われてぇ。
あいつの世話を全部やりてぇな。
シャワーで体を洗ったり、俺が選んだ服に着替えさせたり・・。
あいつが甘えてくれたら、俺はいくらでも甘えさせてやるのに。


そんな妄想で頭がいっぱいになっていた俺。
あいつは仕事で甘やかされるのは嫌だろうけど、一発ババァに牽制の電話を入れておくことにした。
ババァめ。俺のつくしを虐めんじゃねーぞ。


***


プライベートジェットから降り立ったニューヨーク。
すぐに迎えに来ていたリムジンに乗り換えて、あたしはニューヨークメープルに移動した。
通されたのは、プレジデンシャルスイートルーム。
驚くほどの広さと、豪華な家具に囲まれたあたし。
しばらくの間、緊張しながら待機していると、お父様付きの秘書「岡田さん」が現れた。

「つくし様。この度は、ご足労を頂きまして。」
「やだ、顔を上げてください。こちらこそ、いろいろとご迷惑なお願いをしてしまったみたいで。」
「いえ、こちらは大丈夫です。それに、会長はこの話が決まってから、この1週間のスケジュールを楽にするために、それはそれは凄まじい働きぶりでして。ですので、この1週間は、わりと楽なスケジュールで会長に同行していただけます。」

楽なスケジュールに同行って、どういうことなのよ?

「あの・・それで、あたしは具体的に何をしたらいいのでしょう?」
「はい。まず、お住まいはこのメープルのお部屋でお願いします。楓社長にも内密にしておりますので、ウエストチェスターのお邸には入れないのです。」
「はい。」
「必要なものは全てこちらに用意をしておりますが、何か足りない物などございましたら、この私にご連絡ください。」
そう言われて、差し出された名刺を受け取った。
会長の第一秘書だよ。この人。

「それから、今晩から早速になりますが、会長と一緒にパーティーに出席していただきます。」
「えっ?パーティーですか?」
「はい。会長は、つくし様と一緒に出席することを殊の外楽しみにされておいでです。」
「それはもちろん、マキの姿でということですよね?」
「もちろんです。まだ、正式に結婚発表前のつくし様を勝手に連れ出したと分かれば、司様が黙ってはいないでしょう。」
「けれど、お父様だって、困るのではないですか?」
「マキさんであれば、楓社長も納得するでしょうし、問題ありません。」
「でも、お母様にも内緒だと聞きましたが。」
「さすがに初めから知っていれば了承はされないでしょうが、そうなってしまえば笑い話になるとふんでいるようですよ、会長は。」
「はぁ。そんなものでしょうか・・」

「少しご休憩いただいて、14時には、メイドをよこします。口の堅いメイドですから、ご心配なく。ドレスもクローゼットに用意しておりますし、あとは、その・・マキさんに変装していただく必要がありますから。私は16時にお迎えに上がります。」
岡田さんが、ちょっと苦笑いしている。
会長秘書も、大変だよねぇ。

「はい、よろしくお願いいたします。」
あたしがそう伝えると、岡田さんは深く頭を下げて退室した。



16時に迎えに来てくれた岡田さんは、あたしの完璧な変装に舌を巻いていた。
「とても、同一人物とは思えません。」

とはいっても、夢美ママのおかげなんだけどね。
今回も久しぶりだから、いろいろとアドバイスはもらってきていた。
それに、手伝いに来てくれたメイドさんも優秀で、かつらが分かりにくいようにヘアアレンジしてくれたりして、至れり尽くせりだったんだ。

それから、道明寺ホールディングス・ニューヨーク本社の地下駐車場で、あたしはお父様と合流した。

お父様ったら、挨拶もそっちのけで、
「これが、マキさんか!!」
と驚きつつも、すごく嬉しそう。
「いやぁ、マキさんとパーティーに参加できるなんて嬉しいよ。司には内緒だけどね。」
ホントだよ。司にバレたら、後で何を言われるか。

「お父様、私、会長秘書なんて無理だと思うんですけど・・」
「なに、心配は要らないさ。司ともパーティーには出席しているだろう?」
「はい。でも・・」

「いや~。私も、女性秘書を同行させるなんて、実は初めてのことでね。ドキドキしているんだよ。よろしくくね。つくしさん。いや違ったか、マキさん。」
この人たちって、人の話は全然聞いてないのよね。

ふぅっと大きく息を吐いた。
「よろしくお願いします。会長。」
あたしも、秘書モードにギアを入れ替えた。



 

にほんブログ村
次のアップは15時『まさかのHappy Birthday 3』です。
ちらりと覗いてみてください。
  1. まさかのHappy Birthday
  2. / comment:2
  3. [ edit ]

お父様の腕に手をかけて、パーティー会場に入った。
さすがは道明寺財閥総帥の登場に、周囲はどよめいている。
マスコミはシャットアウトされていると聞いているけれど、コレ、本当に大丈夫なの??と心配になる。
もちろん、このパーティーの内容が日本に報道されることは無いと思うけど、司に内緒というだけで、なんだかドキドキだ。

会場内で多くの財界人と挨拶を交わすお父様。
あたしのことは、新しい会長秘書だと説明していた。
あたしも、その紹介に合わせるように、ひたすら笑顔で対応した。

すると、
「ハーイ!シノブ!」
人だかりの向こうから、ジョージ・ウィルソン氏が奥様と一緒にやって来た。
彼は、貿易会社の社長で、以前に日本でお会いしたことがあった。(『理想の恋人25』)
どうやら、あたしのことをひどく買ってくれているらしいということは、お父様からもお母様からも聞いていた。奥様は、お母様のライバルみたいだしね。

「ハイ!ジョージ。」
「シノブ。マキさんと一緒じゃないか!」
「まぁね。年末に息子と結婚したんだけど、今日は特別にお願いして、私のパートナーを務めてくれているんだ。」
「いいねぇ。シノブ。」

そこへ、ウィルソン氏の奥様が、
「あら、あなたったら。でも、こちらが、司さんのお嫁さんなの?カエデが自慢していたお嬢さんなのね。可愛いらしいわ。」
「ありがとうございます。」
あたしはこんな格好でどうかと思ったけれど、一応丁寧に御挨拶。
「結婚式はいつ?」
「4月に予定していますので、ご出席いただけますと嬉しいです。」
「まぁ、うちは昨年盛大に披露したところよ。そちらも、楽しみにしているわ。」
「是非、出席させてもらうよ。」
「ああ、失敗だわ。うちのお嫁さんも連れてきたらよかったわね。きっと華やかになったわ!」
なるほどね・・お母様の気持ちが分かったわ。

ウィルソン氏と別れた後も、右へ左へと移動しては挨拶を繰り返した。
思ったんだけど・・・
お父様って、すごくエスコート上手。
それにすっごく優しい。
初めの印象とは大違い。
司はお母様似だって思ってたけどそうじゃないかも。
お父様の隣にいると、つい司と一緒にいる気分になる。
時々目があうと優しく笑うところとか、本当にそっくりでドキッとしちゃう。
それに、総帥自らがあたしにお料理をとってくれたり、あり得ない気配りが満載で。
いつの間にかあたしは、司と二人でパーティーに出席しているような気安さを感じていた。
それはたぶん、あたしがつくしの姿ではなく、マキの姿であることも影響していたんだと思う。
すっかり、楽しくなってしまい、周りへの警戒心が抜け落ちていた。


パーティーが終わって、お父様と二人でリムジンに乗り込んだ。
あたしをメープルまで送り届けてくれるお父様。
そのお父様が、もう少し飲みたいというものだから、あたし用に用意していただいたスイートルームにご案内した。
ルームサービスを頼み、岡田さんも一緒にワイワイとお酒を楽しんだ。
あたしはあんまり飲めないけど、お父様はザルってやつなのね。
いくら飲んでも酔うことは無いみたい。
深夜になって、お父様と岡田さんは
「いや~、楽しかった。明日もよろしく。」
と言って、帰って行った。
地下駐車場まで見送る間、お父様の手はあたしの肩に置かれていた。

まさか、こんなところを写真に収められているなんて、思ってもみなかった。



それから、数日、マキに変装したあたしは、総帥の秘書として、お父様の仕事に付いて回っていた。
執務室ではコーヒーやお茶を入れたり、出先では、資料の整理をしたり。

お父様は、女性秘書が初めてだと言っては、あたしにあれこれ用事を言いつけて、それは楽しそうにしていた。そんなお父様を見て、あたしも案外楽しくやっていた。夜は岡田さんも交えてメープルの部屋で食事をとることが殆んどだった。さすがにフラフラと、レストランに出入りするのもどうかと思うし、これはこれで良かったの。
けれど、その奇行はすぐにお母様にバレることとなったみたいだ。


総帥の執務室に乗り込んできたお母様。
「これはいったいどういったことかしら!!!」
その目は笑っていない。

会長を横目で見ると、ちょっとだけビビってる?
うそでしょ?笑い話になるって言ってたじゃないのっ!

お母様が手にていた茶封筒を、一気にテーブルにぶちまけた。
そこには・・・たくさんの写真。

パーティーでお父様にエスコートされているマキ。
一緒に立食を楽しむ二人。
一緒にリムジンに乗り込む二人。
一緒にメープルに入る二人。
お父様に肩を抱かれているマキ。
しまいには、メープルの部屋に一緒に入って行く写真まで・・・・

これは・・・いったい・・・
反対側を見ると、岡田さんは直立不動だ。


「いや・・楓。これは・・」
「分かってますわ。つくしさんの変装だと言うことぐらい。」
「マスコミは?」
「すでに、抑えました。」

ほっとするあたし達。

「けれど、一歩間違えばゴシップネタになり、道明寺の経営に影響を与える事態になったのですよ。」
お母様の声に、あたしは震え上がった。


お母様はあたしを見据えて溜息をついた。
「つくしさん、お久しぶり。」
マキの姿で挨拶をしなければいけない、この肩身の狭さ。

「お母様、この度は大変な迷惑をおかけしてしまいました。軽率な行動をお許しください。」
そう言って頭を下げる。

「この写真は、日本の司にも送られています。先ほどすぐ、司がジェットに乗ったようよ。 」
その言葉を聞いて、あたしは目の前が真っ暗になった。


「つくしさんに無理なお願いをしたのは私だよ。」
お父様があたしをかばおうと口を開いたところを、お母様が一喝した。

「そんなことは分かっています。もちろん、総帥であるあなたの方が責任重大ね。けれど、つくしさん。あなたの行動も問題です。司の妻が変装をしているなど、言語道断。今回の件では司も相当呆れているでしょうね。あなた方夫婦の今後については、司にに任せますが、覚悟をされた方がよろしくてよ。」


そんな・・
あたしは・・ただ。
司の誕生日パーティーを開こうと思っただけだったのに。
まさか、こんなことになってしまうなんて。
倒れ込みそうになる足に、ぐっと力を入れて、何とか踏ん張るので精一杯で・・

あたしは、バッグの中で震えている携帯電話をとることもできなかった。



 

にほんブログ村
あわわ・・・誕生日なのに、この展開。
そして、次のアップは本日22時予定。
多少前後してしまったらごめんなさい。
  1. まさかのHappy Birthday
  2. / comment:3
  3. [ edit ]

本当に我が夫には呆れる。
夫が、つくしさんを「マキ」に変装させて、同行させようとしていることは、実はつくしさんが渡米する時から分かっていた。

何故かと言えば、結局司から連絡があったから。
「あんまり、つくしをこき使うんじゃねーぞ。」
司も司、母親に対してその態度は何なのか。
しかし、私にはつくしさんを呼び付けた記憶など全くもって無い。

それから、椿から連絡があった。
夫の第一秘書の岡田を絞り上げて、今回の計画を聞き出した。
それで発覚したつくしさんの渡米理由。

本当に道明寺家の男達には呆れたものだわ。
けれど、我が夫がそれほどまでに、秘書とパーティーに参加したかっただなんて。
私のプライドが許さないわ。
つくしさんも、いくら司の誕生日パーティーのためとはいえ、こんな手に引っかかるなんて、まだまだね。

二人には、本当にお灸を据えるしかないわね。


けれど、夫もさすがに道明寺の総帥だったわね。
セキュリティーの高いメープルの部屋を準備し、パーティーもマスコミ対応のないものを選んだようだ。
今までに家族以外の女性をエスコートしたことのない道明寺忍が、秘書とはいえ女性をエスコートすれば、要らぬゴシップネタになる可能性があることは本人も分かっていたのだろう。
マスコミ対策には念を入れていたようだ。
何より、司にバレたら、あの人だって困るでしょうしね。

けれど、甘いわ。
今回は、反省して頂くわ。
私は、自分の腹心、第一秘書の金城に今回二人の写真を撮るように指示した。
金城すらも、総帥の奇行には驚いていたわよ。
本当に恥ずかしいったら無かったわ。

岡田を引き込み、金城とタッグを組ませ、証拠写真は出来上がった。
岡田は夫の腹心であるけれど、道明寺財閥をこよなく愛する男。今回の会長の行動はやりすぎだと判断したようだ。
持ち込まれた写真をみて、開いた口が塞がらなかったわ。
だいたいあのような立食パーティーで、秘書と仲良く食事をとるなんてあり得ない。

つくしさんも、まだまだだわ。
まぁ、結婚したばかりなのだから仕方がないけれど。
道明寺の男達は詰めが甘いのよ。その詰めの甘さを補ってこそ、一人前の道明寺の嫁。
司の手綱は上手く引いてくれているようだけれど、さすがに総帥には言われるがままだったようね。
けれど、これで分かったでしょう?
例え道明寺財閥の総帥と言えども、嫁である自分がしっかりしなければならないと言うことが。

でも、少し懲らしめ過ぎたかしら。
つくしさん、震えていたわね。
でも、私の夫の秘書だなんて、今まで一人も女性秘書を容認したことが無かったのよ。
それを、遊び半分で引き受けてしまうだなんて、私の怒りも当然でしょう?


司には、今回の写真をメールで送るとともに、電話で状況の説明をした。
司すらも、開いた口が塞がらなかったようだ。

「つくしを振り回してんじゃねーぞ!」
そう言って怒り狂っている息子。
「それは、総帥に直接伝えなさい。どうせ、ニューヨークに来る予定だったでしょう。」
「すぐに向かう。」
そう言って、ブツッと電話は切られた。

本当に溜息しか出ないわ。
司は司で、夫につくしさんをとられたことに怒り心頭のようだ。
黙っておくべきだったかしらね・・・


***


「楓・・すまない。」
必死に頭を下げてくる夫。
だけど、私が聞きたいのは、謝罪の言葉じゃなくてよ。

「あなたはそこまでして、秘書の女性とパーティーに出たかったというの?」
「それは・・」

道明寺の総帥ともあろう男がしどろもどろになるのは私の前でだけ。
それが面白くもあるのだけれど・・ここはすぐに許す訳にはいかないわ。

そんな私に、夫からの言葉。
「だけど、元はと言えば、君が悪いんだぞ。」
「なぜ私が。」
「君が司を生んだ後、私は、私の秘書になって欲しいと君に頼んだだろう?」
「けれど、あれはお父様がメープルを任せると言ったから、無理だったわ。」
「私はずっと、君が秘書になってくれるものだと思っていたんだ。」
「今更そんなこと。」
「今でも君と一緒にパーティーにでるのは僕の一番の楽しみだよ。」
「ならば、どうして?」
「でも、司が羨ましかったのさ。秘書として、つくしさんを傍に置いて、パーティーから何からずっと一緒にいられる司がね。私だって、君を秘書として連れ回したかったんだから。私が今まで、いくら優秀であっても女性秘書を雇わなかったのは、別に君がそれを嫌がるからじゃないよ。」
「ええっ?」
「僕の欲しい女性秘書は君だからだ。」
「あなた・・」

「マキさんに会ってみたかったのも本当だよ。それに、勝手ばかりしている司にちょっと意地悪をしてやろうと思ったんだ。」
「・・・」
「それに、あの写真を撮らせたのは、君だろう?どうせ、岡田がしゃべったんだろう。あいつは初めから乗り気じゃなかったからね。」
「分かっていらしたの?」
「僕が道明寺を危険にさらすとでも思うのかい?」
「・・ごめんなさい。私も、つくしさんに嫉妬していたみたいね。」
「なぁ、いつか、君が僕の秘書になってくれないかな。」

そんな子供じみたことを言う夫。
けれど、その望みは、きっと本物なのだろう。
「司とつくしさんが一人前になれば、私があなたの秘書になって差し上げてもよろしくてよ。」

そう言ってあげれば、夫が嬉しそうに肩を抱き寄せて来た。

道明寺の男は、どうしようもないほどに単純なのよね。
つくしさん、ごめんなさいね。
虐めすぎてしまったわ。


「あなた。つくしさんを虐めすぎてしまったわ。」
「司がなんとかするさ。心配するな。」

そうね、結局私たちは、道明寺の男たちに惚れてしまったのだものね。


 

にほんブログ村
次のアップは午前0時です。
⇒変更して、第5話を23時、第6話を0時にアップします。
  1. まさかのHappy Birthday
  2. / comment:2
  3. [ edit ]

あたしは、ウエストチェスターの道明寺邸に入り、以前に通された司の部屋で彼を待つことになった。

恐る恐る出たスマホから聞こえてきた司の声。
「お前、ニューヨークで何してやがった?」
今まで、一度も聞いたことがないぐらいに低い声。
どれだけ司が怒っているかが伝わって来た。

「ごっ、ごめんなさい。」
そういうだけで精一杯なあたし。
「謝罪は後で聞く。これからのことはそれからだ。邸で待ってろ。」
それだけ言われ、スマホは切られた。

出会ってから今まで、司に本気で怒られたことなんてあっただろうか。
きっと、無かったと思う。
心臓が縮み上がりそうなほどに、恐い声。
当たり前だ。
あたしが司を騙していたんだから。

相手はお父様だし、岡田さんもずっと一緒で、やましいことがあった訳じゃないけれど、ねつ造しようと思えばいくらでも下世話な記事になり得る話だった。
すぐに対処してくださったお母様には頭が上がらない。
変な噂にでもなれば、道明寺の株価に影響する事態になっただろう。

明後日は司の誕生日だと言うのに、もう、お祝いを考えている場合じゃない。
どうすれば許してもらえるのか。
ううん。きっと許してなんてもらえない。

さっきの司の言葉が、耳から離れない。
____謝罪は後で聞く。これからのことはそれからだ。

これからのこと・・・
それは、あたしと離婚するってこと?
あたしたちのこれからは無いってことなの??



***



「オヤジの奴、小賢しいことしやがって。」
いてもたってもいられずに、俺はすぐに手配していたジェットに飛び乗った。
元々、ニューヨーク出張が決まっていたから、ジェットの手配もしてあった。
メールで送られてきた写真は、ある意味ねつ造されたもんだ。
ババァが二人に灸を据えるために撮らせたんだからな。

けどよ、オヤジに肩を抱かれている妻をみれば、やっぱ腹も立つってもんだ。
だいたい、あいつは警戒心が無さすぎる。
これを機に、俺もあいつに灸をすえてやろうと思っていた。
ジェットの中であいつに電話を掛けると、あいつが俺にビビってんのがすぐに分かった。
俺はお前を怒ってなんていねぇよ。
そりゃ、渡米理由が嘘だったり、オヤジの秘書をしていたことはムカつくけど、でも、それだって、俺のためだったって知っている。
あいつは、オヤジに良いようにと言いくるめられちまったんだろう。

あいつがビクビクしている姿を想像して、可哀そうだとは思ったが、あいつにも少しは反省してもらわねぇとな。
邸で待つようにと、それだけを伝え、俺は冷たく電話を切った。


これからのことだが・・
俺はつくしのことを考えて、結婚式までは、つくしをマスコミに公表するつもりはなかった。
発表すれば、道明寺司の妻として、今以上に忙しくなるだろう。だから、せめて結婚式までは少しでも自由にしてやりたかった。
けれど、俺は今回のことで考えを改めていた。
すぐにでも、結婚の発表をして、あいつを世界に知らしめてやる。
仮に、オヤジのパートナーを頼まれたとしても、俺の妻として堂々と出席してほしい。
オヤジにも、調子こいたことしてんじゃねーぞとタンカを切りに行くつもりだった。


ジェットの中でも西田に仕事をさせられて、ヘトヘトになりながらも、俺がニューヨークの邸に着いたのはニューヨーク時間の午後7時。
けれど、つくしの出迎えがねぇ。
まさか、逆切れとかしてんじゃねーだろうな。
あいつが、今回こんなことになった理由は、姉ちゃんからも聞いていた。
あいつは俺のことを想って計画してくれていたのに、それに便乗したオヤジがわりぃんだ。

玄関に出迎えに出てきた執事に、
「つくしはどうした?」
と聞くと、
「お部屋にお声は掛けたのですが・・」
と曖昧な返事。

具合でも悪くなってるのかと、気が気じゃなくなり、俺は部屋に走り込んだ。
シーン。
部屋の中は物音がしない。
シャワールームにもつくしの姿はなく、奥の寝室を覗いてみれば・・
寝てやがる・・

はぁ。ビビらせやがって。
ゆっくりと近づくと、つくしの目には涙の痕。
シーツもまだ濡れているようだった。
ベッドサイドに腰を下ろし、ゆっくりとつくしの髪を撫ぜる。
こんなに泣くぐらいなら、俺にコソコソすんじゃねーよ。
俺はジャケットを脱いで、ベッドに横になり、つくしをそっと抱きしめた。



やっぱ疲れてたんだな。
しばらく眠ってしまったらしい。
はっと気づくと、腕の中に囲っていたはずのつくしがいない。
あせって飛び起きると、リビングのソファにつくしが座っていた。

「つくし?」
と声をかけると、振り返ったつくしの目は虚ろで、顔には表情も無くて。
「つくし、どうした?」
俺は、すっかり怒った振りをしていたことなんて忘れてつくしに寄り添った。

つくしの隣にはキャリーバッグ。
一体どうしたって言うんだよ。

「司・・あたし、本当にごめんなさい。こんなことになるなんて、思ってもいなかったの。」
つくしから聞こえる声は小さくて、とてもいつものつくしとは思えなかった。

「あたし、日本に帰るから。最後に、ちゃんと謝りたくて待ってたの。」

「ちょっと、お前、何言ってんだ?馬鹿か?俺がこっちに来たのに、お前が帰ってどうすんだよ。」
つくしは俺に視線を合わせようとしない。
「おい。」
「本当にごめんなさい。」

つくしは立ち上がって、左手の薬指からマリッジリングを引き抜こうとした。
それに焦って、こいつの手を掴みその行為を止めさえる俺。

「離してよ!」
「離すかよ!」
二人で指輪を巡って、つかみ合い。
俺は自分右手をつくしの左手に絡め、左手でこいつを抱きしめた。



 

にほんブログ村
次のアップは今度こそ0時!
  1. まさかのHappy Birthday
  2. / comment:0
  3. [ edit ]

NEW ENTRY  | BLOG TOP |  OLD ENTRY>>

 

プロフィール

Author:Happyending
ときどき浮かぶ妄想を書き留めたくて始めました。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2017 05  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -