With a Happy Ending

続・俺の女 1

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4月3日 月曜日。東京メープルの入社式の日。『社会人としての第一歩を踏み出した皆さんを、我々は心より歓迎します。』檀上に立ち祝辞を述べるのは、司さん。どこから見ても、完璧な容姿。艶のあるバリトンボイスに、会場内からの溜息が聞こえる。それをメープルの大ホールから見つめるあたし。何故、あたし達の入社式で、司さんが祝辞を述べているのか・・ううん、ちがう。どうして、道明寺ホールディングスの入社式に、あたし達...

続・俺の女 2

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「おいっ、聞いたかよ。西田。」「いつもながら、素晴らしいスピーチでした。」「俺じゃねぇよっ!牧野だよ、牧野っ!」興奮している俺に対し、あくまでも冷静な西田。「牧野さんのスピーチは完璧でしたね。しかし、私はそれ以上に、あの土壇場で、実力を発揮できるという点が素晴らしいと思いましたが。」「だろっ?流石は俺の女だろっ?」浮かれている俺に、西田が釘をさす。「いきなりの予定変更で、かなり戸惑われたと思います...

続・俺の女 3

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メープル、小会議室にて・・集まっているのは、メープルの役員さんたちと、司さん、西田さん、あたし。衝撃の発表の後、あたしは、頭がついていかないまま、会議室に残されることになった。会議室では、あたしが提出した企画の書かれた資料が配られた。司さんの声するけれど、なんだか遠くに感じる。あたし、どうしてここにいるんだっけ・・?「若年層を取り込もうとするプランが多い中、牧野さんの長期プランは、目を引きました。...

続・俺の女 4

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「おい、西田。牧野から連絡ねぇの?」「ありませんね。」「あいつ、今日は、もう終わってんじゃねぇのかよ。」「さぁ、どうでしょう?」ちっ、西田の奴。絶対に牧野の予定なんか把握してくるくせに、俺にはなかなか手の内を見せねぇ。だったら、牧野から直接連絡が欲しいもんだが、あいつからの連絡もねぇ。出張から帰ったら、一緒に寝ようとか言ってなかったか?あいつ。早く帰れる日は、俺の部屋で待ってるんじゃなかったのか?...

続・俺の女 5

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今日の門限が21時って・・司さん、何考えてんだろ?あたし、高校生じゃないんだけど・・。でも、まだ20時半だもん。司さんより、先に帰れるはず。あたしは、何事も無かったかのように、LINEを入れた。『終わったので、今から帰ります。』で・・急げ、急げっ!そう言えば、司さん、ご飯食べて帰るよね?今から作るっていっても、チャーハンぐらいしかできないけど。冷ご飯でも、いいかな?はぁ、はぁ。何とか、マンションの正面玄関...