初恋 1

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「ごめんなさいね、滋さん。今日は、司に急な用事が入ってしまい、ご一緒できなくて。」「いいえ、道明寺社長。お気になさらないで下さい。」「あなたのご両親と、話はついているの。今すぐに結婚というわけではないけれど、婚約という形でもと思っているのよ。」「社長、私たち、まだ若いですし。そこまでは・・。」「とにかく、顔合わせは必要ですし、大学が夏休みの間は、うちで暮らしてちょうだい。ちょうど良い機会になると思...

初恋 2

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絶対無理だと思っていたのに、滋さんと鷹野さんに同時に頭を下げられてしまった。二人に頼まれたら、断りきれなくって・・・。結局あたしは、このお話を受けてしまった。バイト料は出すって、滋さんはいうけれど、そんなのもらえないし。丁度、アメリカに船便で荷物を出すところで、アパートも解約しちゃうから、夏休みの間は中学からの親友の優紀のうちに居候しようかと思っていたから、私にとっても、ちょっとだけ都合が良かった...

初恋 3

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滋さんの家のリムジンが、道明寺邸のロータリーに到着した。堂々とするように言われているけれど、生粋の庶民であるあたしにそんなことできるわけない。玄関ではすでにメイドさんたちが列を成して待機していて、「お待ちしておりました。」と迎え入れられ、ついつい、あたしもペコペコと頭を下げてしまった。大きな玄関をくぐり、メイド頭のお婆さんに部屋へ案内された。お婆さんは、タマさんっていうんだって。長いカーペットが敷...

初恋 4

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ダイニングに案内されると、そこには広いダイニングテーブル。どこに座ったらよいか分からなくて、もたもたしていたら、西門さんが、「滋ちゃんは、俺の隣ね。」といって、席に案内してくれた。滋ちゃん?って突っ込みたくなったけど、まぁ、いっか。あたしの前には道明寺司。その隣には、花沢さん。あたしの両隣は、西門さんと美作さん。なんか変なポジション?って思ったけれど、よく分からないから流されるがまま・・。西門さん...

初恋 5

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このお邸で、あたしは本当にすることがない。道明寺司には初日に会ったっきり、その後3日経つけれど、全く顔を合わさない。まぁ、その方が都合はいいんだけれど、とにかく暇!あんまり、おおっぴらに道明寺家から外出するのも憚られるし。持って来ている勉強道具とか、本とかで時間をつぶしてはいるものの、本当にもう、限界かも。あたしは元々貧乏学生だから、バイトをしたり、家事をしたりと体を動かしていないとダメみたい。コ...