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With a Happy Ending

恋に落ちるということ 1

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「じゃ、揃ったところで!」こういう時に音頭をとるのは、昔からあきらと決まってる。奴が一番にグラスを掲げ、それを合図に俺たちもグラスを手に取った。「「「お帰り、司!!!」」」「おぅ、サンキュ。」こいつらに会うのも、彼是2年ぶりだ。前に会ったのはニューヨークでの俺の誕生日パーティーだったか...。今年は日本への帰国と重なり、それも開かれず清々していた。とは言え、互いの近況は互いに良く知っている。それ程に、...

恋に落ちるということ 2

5
「道明寺様、いらっしゃいませ。今夜もラフロイグをダブルで?」「ああ、そうしてくれ。」バーテンダーが、俺が入れたボトルを取り出した。あの集まりから3週間が経つ。俺はあの日から、何故かここ、ラウンジ『桜』をしばしば訪れている。ここはフロア席もあればカウンターもある。だから、一人で訪れる俺はもっぱらこのカウンター席だ。カウンターは入り口からすぐ奥に入ったところで、フロアからは見えにくい構造になっていた。...

恋に落ちるということ 3

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ついにこの日が来たっ。1週間がこんなにも長いと思ったことは無かった。やっと迎えた土曜日。午前中の雑務を終え、午後はメープル東京へ向かった。東京オリンピックに向けて、メープルホテルをテコ入れする。ヨーロッパからの来客を見込んで、一部室内の改装や、リラクゼーションラウンジの導入など、イタリアで導入されているサービスを参考に検討する予定だ。東京メープルは社長である俺の母親の直轄なだけに、メープル東京は息...

恋に落ちるということ 4

6
「こちらが肉じゃがになります。」次に運ばれてきたのは、深めの小皿にとり分けられた、全体的に茶色くホッコリとした食いもん。これが......肉じゃが。ゴクッ......これ、食えんのか?一瞬そう思ったが、顔には出さねぇ。イタリア人の奴らが、ちょっと眉をひそめてやがる。“これは一体.....なんですか?”イタリア語でひそひそと話し出したのはインテリアデザイナーの男。俺はそいつをギロリと睨んだ。イタリア語で良かったぜ。だ...

恋に落ちるということ 5

5
「そんなに可愛かったかぁ?」「まぁ......普通?」いつものカウンター席。俺の両隣には、これ見よがしな会話をするあきらと総二郎。一人で来たはずなのに、いつの間にか二人に挟まれた。「お前らどこに目つけてんだよ?」「「......あ?」」「あいつ以上に可愛い女なんていねぇだろ。」俺は出会ったことがねぇ。あいつほど惹かれる女に。「ひょーっ!!ついに来たかっ。」「お前が恋に落ちることなんてあるのかと思ってたけど.......