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With a Happy Ending

ブラックバカラ ___プロローグ

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「司、来月日本に戻って来るって。」「............そう..........なんだ........。」東京駅近くのフレンチレストラン。類に食事に誘われて待ち合わせたのがここだった。しっかり食事を堪能し最後はデザートとコーヒーだけになった時に、突然類が口を開いた。まるで、“なんでもないでしょ?”とでも言うかのように。だから、つくしはすぐに反応が出来なかった。「日本支社長就任パーティーがあるんだ。次期総帥と言われてる男の凱旋...

ブラックバカラ 1

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「あの親父もなかなか曲者だな。」「支社長就任の会見までは判は付かないでしょうね。」「舐めやがって・・・」来月に迫った日本支社長就任。その準備として司は極秘帰国していた。今回司に課せられた任務は多岐に渡るが、そのうちの一つが、四宮財閥が所有する青山の一等地に計画されている、ホテルメープルと提携した娯楽施設の建設。衣食住に娯楽を合わせた、エンターテイメント性の高い施設を想定している。数百億を投資する巨...

ブラックバカラ 2

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道明寺ホールディングス日本支社長就任パーティーは、同財閥が経営するメープルホテル東京で開かれた。各界の要人が若き支社長の就任を祝うために集まり、ホテル周辺は厳戒態勢を敷かれるほどであったが、それを報道するマスコミ各社も凌ぎを削ったため、ある種の華やかさも一入だ。欧米の伝統あるパーティーでもなく、企業主催のレセプション。パートナーは必須ではないというのに、招待客のそれぞれが、娘や孫娘、綺麗どころの秘...

ブラックバカラ 3

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「すげぇな、司。」「これ程までとはな。変われば変わるもんだぜ。」あきらと総二郎は中央近くのテーブルにいた。軽口のようだが、若干24歳にして日本支社長を任された友人を心から称えていた。一通りの挨拶を終えた司が彼らを見つけ、長いストライドで近づいてくる。「よぅ」「マジで久しぶりだな、司。」「俺は去年ニューヨークで会ったが、総二郎は二年振りか?」幼馴染とは言え、互いに社会人としてそれなりの立場があり、昔の...

ブラックバカラ 4

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周囲の人間も驚くほどに楽し気で、親しげな集団が出来上がっていた。それに、この集団が目立たないはずが無かった。今や幻と言われるF4が揃っているのだ。女性たちの視線は、にこやかに笑い合う彼らの稀な姿に釘付けになった。そして強烈なジェラシーが一人の女に注がれた。この日のために磨き上げた体に、厳選したドレスと宝石。満を持してこの場に臨んだ女性は数知れず、だが、その誰もが道明寺司の目に留まることは無かった。そ...