With a Happy Ending

理想の恋人 1

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あたし、牧野つくし。24歳。先日、今まで勤めていた会社を退職してしまって、現在は無職。現在再就職先を検討中なの。あたしは、国立大学の経済学部を卒業後、生島産業という織物会社に入社した。洋服生地から、カーテンなどの生活用品まで、さまざまな商品の企画から販売をする会社の営業職で、他社と共同での仕事も多く、遣り甲斐はあった。2年程がむしゃらに働いて、営業成績は良かったし、お給料の面からしても、やめてしまう...

理想の恋人 2

2
「このホテル・ザ・メープルは、道明寺ホールディングスの関連ホテルであることは知っていますか?」「はい、もちろんです。」「ここのフロアスタッフは、社長のお邸のメイドスタッフを兼任しているの。もちろん、全員ではなくて、ごく限られた優秀な人ばかり。道明寺家では、ご自宅でパーティーをすることもあるし、こちらのスタッフが応援にいくこともあれば、お邸のスタッフがホテルへ応援にくることもあるの。雇用主は同じでメ...

理想の恋人 3

4
その後も毎日、掃除、ベッドメイキング、食事のサーブの仕方、お茶の出し方など、いろいろと教わりながら過ごした。結構大変なのが、ベッドメイキング。各部屋に設えてあるのは、全てキングサイズのベッドだから、一人で作業するのは大変で、大抵は二人一組でやっている。最近あたしは、先輩メイドの美樹さんと組むことが多い。美樹さんもメープルからの出向組。29歳で、独身。美樹さんは、基本業務はメープルで覚えてきたんだけれ...

理想の恋人 4

7
翌日あたしは、正式に契約を交わした。『Hotel the Maple Tokyo』の正規職員。実はお給料も、前職より上がった。へへ。メープルの職員ではあるけれど、道明寺邸へ出向という形。お邸仕えをするにあたり、守秘義務についてもきっちりサインさせられた。仕事内容は、タマ先輩に一任されるとのこと。メープルでの仕事は新人のあたしにはとりあえずは与らなれていないけれど、パーティーが重なるような場合に、フロアの手伝いが入るこ...

理想の恋人 5

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「ええええぇぇぇぇ~~~」というあたしの絶叫に、道明寺司が言葉をかぶせた。「お前うるせぇよ。」耳を塞いで、しかめっ面をしている。いや、だって、驚くでしょ。いくら、メイドだからって、男の家に住み込みだよっ。普通じゃないでしょっ。ありえないっつーの!「じゃあ、やめろよ。」「えっ?」「嫌なら辞めろ。俺も忙しい、グダグダぬかすやつはいらねぇ。」そう言って、ソファにふんぞり返り、雑誌をとって読み始めた。なに...