With a Happy Ending

My Daddy-Long-Legs ~プロローグ~

7
今日の仕事にひとまずの目途がつき、彼はニューヨーク本社ビル51階の窓から夜景を眺めた。観光名所としても名高いマンハッタンの夜景を、この場から眺めることができるのはごく一部の限られた人間のみだ。しかし、多くの人々を魅了すると言われるその美しい輝きも、彼に特別な感慨も抱かせることはない。ただ、そこに景色があるだけで、色付いて見えることはない。極端に言うならば、昼であっても、夜であっても、晴れであっても、...

My Daddy-Long-Legs 1

3
すみません!明日に予約投稿していました。。。昨日は日をまたいで投稿したので…ごめんなさい!*****つくしは母の勧めで、英徳学園高等部を外部受験し、見事特待生として合格した。しかし、入学した学校は異世界で、セレブ家庭出身の学生達の中、自分はただただ息をひそめて、ひたすら勉強に励むだけの日々。特に目立つこともなく、淡々とした学生生活を送ることになった。中等部からの持ち上がり組が大半の中、外部受験組は...

My Daddy-Long-Legs 2

3
翌日、やはり彼女が気になった司は、昼休みを狙って非常階段に向かった。ゆっくりと扉を開けると、そこには楽しそうに会話をするつくしと類の姿。司に気付いた彼女が、「あっ。こんにちは。」と声をかけた。振り返った類が驚いた顔をしていた。「司、どうしたの?」「花沢さん、彼ですよ!さっき話していた人。」「へぇ。」何か面白そうな表情の類に少し腹を立てながら、司はズカズカと二人に近づき、類の隣に腰を落ち着けた。「昨...

My Daddy-Long-Legs 3

4
連れてこられたのは、お城?と見間違うほどの立派なお屋敷だった。つくしは、大きく口を開けたまま玄関前に棒立ちになってしまっていた。「早く入れよ。」司に斜め上から見下ろされて、つくしはますます不安になった。「パーティ、本当に行くの?」「あったりめぇだろ。」さも当然とでも言うような、司の態度。「無理だよ。それにあんた、あたしのこと知ってるの?」「牧野つくしだろ。調べた。」司は、つくしのことをある程度調べ...

My Daddy-Long-Legs 4

3
パーティ会場はすでに人で溢れていた。司とつくしは一緒に会場に入った。慣れないヒール靴でふらつくつくしに笑いを堪えながら、司が優しくつくしをエスコートしている。つくしは右腕を司の左腕に絡めていたが、実のところ、ふらつく体を支えるため、かなり強い力で彼の腕につかまっている状況だった。そんな状況を微塵も感じさせない、司の身のこなしはさすがとも言える。「司さん、足がもつれそう。」司の腕を握りしめて、斜め上...