花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

【メープル東京 Private Resort オープニングセレモニー】

都内における、初めての高級リゾート。
完全にプライバシーの守られた、高級空間。
恋人、夫婦、家族、それぞれに守られた癒しを提供。

屋内外の施設は、全て宿泊客専用。
多様なアクティビティは、個別にプランニングも可能。
キッズ・ファミリースペースとは別に用意された、
ゆったりとくつろげる大人専用スペース。

宿泊には全例、パスポートを提示が要求され、
細部に渡り完璧なセキュリティを誇る。

____今、本当の癒しを求めて!





「司さんっ、大変っ!お義母様、到着が遅れるってっ!」
「はぁ?別にババァがいなくても、大丈夫だろ?」
「大丈夫じゃないよっ!だって、今日初めて、リゾートの内部をマスコミに公開するんだよ?」
「今までだって、全部お前がやってきたんだから、どってことねぇだろうが。」
「ええ~っ。不安だよ。プレゼンは大丈夫だけど、オープニングセレモニーなのに。」
「それより、早く着替えねぇとお前が遅れるぞ。」
「そ・・そうだった・・」


つくしが企画主任を担当し、道明寺HD日本支社が完全バックアップをした、『メープル東京 Private Resort』がオープンする。
今日のオープニングセレモニーでは、徹底して秘密を通していた、リゾート内が一部公開されるとあって、多くのマスコミが押し寄せる。
その後のオープニングパーティーは、メープルのVIP会員を招待している。
今回宿泊できるのは、VIP会員の中でもごく一部のみだ。
今後半年先まで、すでに予約で満室というから、このリゾートに寄せる関心の高さが伺われる。

そして、今日、ホテルの概要説明を担当し、このパーティーを取り仕切るのは、全てつくしの仕事だ。

しかし、こういったパーティーを取り仕切るのは、つくしにとって初めての事ではない。


カチャ・・
「あ、お義母様っ!良かった。間に合ったんだぁ・・。」
「何をのんびり構えているの、つくしさん。ホストであるあなたの準備が遅れてどうするの。司さん、何をゆっくりしているの。準備を手伝いなさい。今日は、〈道明寺つくし〉の支配人就任会見があるのよ?」


そう・・道明寺つくし。
こいつは、3年前に、道明寺つくしになった。




あの日、つくしは突然、俺と結婚すると言った。

俺がそんな彼女を逃すはずはなく、その翌日には、入籍手続きをとった。
こいつの決意は、いつコロッと変わるか分からねぇからな。

それからしばらくの間も、俺は日本とニューヨークの二重生活ではあったが、堂々と自分の妻としてつくしを連れ歩ける喜びはひとしおだったし、やはり、何よりも、結婚により、俺の気持ちは安定したと思う。

ニューヨークでのつくしの生活を常々心配していたつくしの両親は、俺たちの入籍を滅茶苦茶喜んだ。


結婚式は近親者のみ。
以前に訪れたプライベートアイランドで、6月に行った。

場所は、普段あまり我儘を言わないつくしが、この島での挙式にこだわったから、即決だった。
後から聞いてみれば、あの島での俺たちの結婚式は、ババァの希望でもあったらしい。
ババァが俺や姉ちゃんの家族に送ったプレゼントが、プライベートアイランドだった。
いつか、自分の子供や孫たちが安心して過ごせるリゾートを作るというのが、ババァの夢だったとは、その時初めて知った。

そして、今回の『メープル東京 Private Resort』も、そんなババァの考えをつくしが受け継ぐ形で企画が進んだ。
つくしも、この『Private Resort』は、自分の家族を連れていくことイメージして作り上げたという。
本来、若年層顧客の獲得も視野に入れていた企画だったが、メープルに対するババァの考えを汲んだつくしは、今回はそこを断念した。
若年層の獲得・・それは、今後のつくしの目標として残されている。


「庶民のあたしが、こんな高級リゾートの支配人だなんてね・・」
そんな風に言うつくしだが、決して悲観している訳じゃない。

「セキュリティが万全なプライベート空間を提案するけれど、その中身はアットホームにしたいな。」

そう考えたつくしが企画したアクティビティは、低料金や無料でトライできる、日本文化の体験から始まり、お祭りや屋台の企画・料理教室など、つくしらしい発想がちりばめられている。
そんなつくしの意見に、ババァは一切反対はしなかった。
ババァは、この『Private Resort』を、俺とつくしに一任したんだ。
この3年半で、ババァとつくしの間には、強い絆が生まれていた。




「お待たせ~。」

準備を終えたつくしは、ブラックシルクのスーツ姿。
髪は、緩やかなアップに纏め上げている。
胸元には、ババァから贈られたパールのネックレス。
左手には、俺がデザインしたマリッジリングが輝く。


記者会見まで、あと10分に迫った。

「司さん、行こうか!」
「おう。」

今回、つくしを支配人として紹介するのは、親会社の日本支社長である俺の役目。


左腕を差し出すと、つくしの右腕が重なる。
これは、いつもの事。

「頑張れ。」と言い、そっとつくしの髪にキスを落とす。
これも、いつもの儀式。

「うんっ。」
つくしが、ぎゅっと俺の腕を握って、俺を見上げる。

「司さんがいるから、大丈夫!」
そう言って、微笑んだ。




彼女は、俺の女。
俺が愛して止まない女。
初めて出会った時から惹かれて、今も惹かれ続けている。


18の誕生日に出会った。
そして、23の誕生日に恋に落ちた。
生まれて初めて期待したバレンタインデーには、二人でチョコムースを食べた。
初めて彼女を家まで送り届けた時に、不意打ちのキスをした。
彼女の言いなりになって、お試し期間てヤツを受けて立った。
無理やり誘ったホワイトデーデート。
キスだけで真っ赤になる彼女が可愛かった。

どんなに忙しくても、彼女のバイトの迎えは欠かさなかった。
唯一彼女に会える時間を逃すなんてできなかった。
会う度にキスを重ね、俺の想いを伝え続けた。

そして、ついに彼女を手に入れた。


彼女を自分のマンションに住まわせて、俺もそこに住み着いた。
そこは、生まれて初めて手に入れた、自分の居場所になった。
そして、絶対に彼女を手放さないと誓った。

彼女の仕事に協力しながら、彼女を自分の傍に置いた。
彼女に尊敬されたくて、仕事を頑張っていたなんて、誰にも言えない。
そして、彼女自身も、持ち前の根性で、メープルの企画を成功させた。


つくしと俺の関係を密かに広めたくて、初めてパーティーに連れ出した。
ドレスアップした彼女の、想像以上の美しさに、息を飲んだ。
「互いに好きだから付き合っている」と言った彼女の言葉に、俺は浮かれた。
俺の立場なんか関係なく、俺のことが好きだと言ってくれたんだ。
だけど、あのパーティーがきっかけで、つくしの悩みは深くなった。

元々、海外勤務が夢だった彼女は、俺と幸せになるために、仕事ができる女になりたいと言った。
その心意気は、気難しいとされる俺の両親を簡単に陥落させた。
そして俺は、婚約者として、つくしをニューヨークに送り出した。


結果として、その選択は正しかった。
彼女はどんどん自信をつけ、ますます輝いていった。

それは、今も・・・
俺が目を細めたくなるほどの輝き。

その輝きを独り占めしたいと願った時、彼女も結婚に承諾してくれた。
そして、俺の全てを受け入れてくれたんだ。


彼女を幸せにしたくて、6月に結婚式を挙げた。
純白のウエディングドレスに身を包んだ彼女は、世界一美しかった。
そして、彼女からの誓いの言葉を聞いた俺は、世界一誇らしかった。


そうして俺たちは、家族になった。



俺が一目で恋に落ちた、この広い世界で唯一愛する女。
こいつのために、俺の人生がある。
彼女が輝く姿を見ることが、俺の生き甲斐だ。
俺は、彼女に生かされている。


幸せというものを知らなかった俺に、幸せをくれた女。
かつて家族なんて必要ないと思っていた俺に、家族の温かさを教えてくれた。
そして、俺も今、一児の父となり、仕事にも、家庭にも振り回される人生を送っている。

けど、全く嫌じゃねぇ。
全然、辛くねぇ。
少しも、面倒臭くなんかねぇんだ。

それはいつも、俺の隣では彼女が笑っているから。
彼女が手を伸ばしてくれるから。
俺を必要としてくれているから。




「ねぇ、司さんがいなくちゃ、絶対にだめなんだから。ずっと隣にいてね。」

俺の女が、俺の腕につかまりながら、上目遣いで言う。

どんなに自信がありそうに見えても、絶対に俺がいなくちゃダメだなんて、いつも可愛いことを言うんだ。

かつて、俺に守られているだけの自分は嫌だと言った女は、今では甘え上手になった。


でも、それでいいんだ。
どんどん甘えて欲しい。
そして、ずっと、俺の傍にいてくれ。



俺の女が、俺のエネルギー源。
俺が見つけた、世界で最高の宝物。

俺は、これから先もずっと、こいつの男として生きていく。
それが俺の生きる意味。


彼女に出会って、意味のある人生を手に入れた。


俺はいつしか、暗いトンネルから抜け出して、
明るい光の中を歩いている。

愛する妻と手をつなぎ、
その横顔を眺めながら・・・


Fin.



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予想以上の長編に何度もくじけそうになりましたが、ここまで書ききれたのは、皆様からの応援があってこそです。
あれ~?と思われた所は、いずれ番外編を考えています(笑)。
ですが、気力の限界もあり、一旦ここで完結とさせて下さい。
最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました!!
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