花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

つくしがニューヨークへ来てから半年が経ち、俺の両親も結婚に何の反対もなく、むしろ、早く結婚したらいいのにと言われていた。
渋っていたのは、つくしぐらいなもんだった。

そんな状況だったから、俺の方は、いつでも入籍できるように、準備は万端だった。


つくしの両親には、つくしの渡米前に挨拶をし、結婚を前提にニューヨークへ行かせる事を、彼女の婚約者、そして道明寺家HDの支社長として、頭を下げた。

「そんな・・頭を上げてください。道明寺さん・・。」

つくしの家族は、俺たちの婚約を祝福してくれた。
そして、その日はつくしとつくしの母親が作るオデンっつー、不思議な手料理を食った。

二人が台所に立って準備をしている間に、つくしの親父さんとサシで話す時間があった。
その時に言われた言葉。

「道明寺さん、つくしは私どもの自慢の娘です。不甲斐ない私どものせいで、誰かに頼ることなどなく育った、しっかりした娘なんです。そんなつくしが、あなた様のような、立派な方と婚約だなんて、親としてとても嬉しく思っています。ですが・・。」

「何でしょう。」

「ですが、この婚約は祝福されているのでしょうか?・・その、道明寺さんのご家族は・・その・・」

俺のの両親がつくしを受け入れているのか、という心配だった。
二人が勝手に盛り上がっているだけなのではないかと思ったのだろう。

「心配ご無用です。私の両親も、つくしを気に入っています。」
「そうですか・・しかし・・」

「今日こちらに、私の両親がご挨拶に上がれないことは、本当に申し訳ありません。また日を改めて挨拶に伺うと、伝えて欲しいとのことでした。」
「はぁ・・。」

それから、俺は、一枚の紙を開いた。
このタイミングで出そうと思った訳ではなかったが、つくしの親父さんの心配を払拭したかった。

「これは・・?」
「父のから渡されました。」

それは、俺のオヤジのサインが書かれた、婚姻届。
今回挨拶に行くと決めた時点でオヤジから渡された。
これは、アメリカの日本領事館にある婚姻届で、現地アメリカで入籍する場合に必要になるもの。
つまり、つくしの親父さんが記入してくれさえすれば、あとは俺たちがサインすれば、アメリカでの入籍が可能だ。
もちろん、俺は記載済みだった。
つくしを嫁にもらう覚悟なんて、とっくの昔に出来ている。

その婚姻届を見て、つくしの父親が目を見張った。


「お義父さんも、記入していただけませんか?」
「え?」
「つくしは仕事と花嫁修行なんて言っていますが、私は早く入籍したいと思っているんです。ですから、つくしからの了解が得られたら、すぐに提出するつもりでいます。」

「道明寺さん・・ありがとうございます・・。ありがとうございます・・。どうか、つくしのことをよろしくお願いします。」

そうして、両家の父親と俺のサインが書かれた婚姻届がスタンバイされたんだ。



***



「なんだかあっけなかったね・・。」

日本領事館に書類を提出し、
この5月初旬の晴れた日に、俺たちは夫婦になった。
そのつくしの第一声がこれ。

つくしをが婚姻届にサインをしたのを見届けて、すぐに領事館へ提出に行こうとすると、「まずはご飯を食べてから」だと言われて、朝飯を食わされた。
俺は、早く提出したくて仕方がなかったと言うのに、女っつーのは、こういう時には案外肝が据わっているらしい。
それから、リムジンでここへ向かい、たった今、婚姻届を提出したんだ。


手をつなぎ、歩き出した俺たち。

「あたし達、夫婦になったんだよね?」
「おう。」
「なんか・・信じられないな。実感が湧かない・・。」
「そうか?俺は実感湧きまくり。」
「ええ〜?」

何でだろうな。
隣にいるつくしはいつもを変わりがないのに、いつもと同じ光景が、いつもより光輝いて見える。
なんつーか、自分がずっと手に入れたかったものをようやく手に入れた安堵感と、これからの未来に対する高揚感が入り混じったような、複雑な、だけど幸せな感情が湧いていた。


つくしもそんなことを思ってくれたのだろうか・・
「もう・・・家族なんだね。」
そう言って、幸せそうに笑う。

そんな姿に我慢できなくなり、俺はつくしを力一杯抱きしめた。

やっと・・やっと手に入れた、俺の宝物。

「嬉しい?」
と聞かれて、
「すげぇ、嬉しい!」
と答えた。

クスクスと笑うつくしをの声が、耳にくすぐったい。
「笑うな。」
そう言って、彼女の唇を塞ぐ。

周囲の目なんて気にしてらんねっ。
今日から、こいつは、俺の妻なんだ。
誰に見られたって、文句なんか言わせねぇ。
そして、これからは、こいつのことを、俺が守ってやるんだ。
俺の一生をかけて・・


唇を離すと、頰を朱に染めた俺の妻が騒ぎ出す。

「もうっ、人に見られてるっ!」
「だからなんだよ。俺の妻にキスして何がわりぃんだ。」
「そーいうことじゃないのっ。」

こいつのウダウダすらも可愛すぎて、こいつの何もかもが、俺を幸せにしてくれちまう。
こんな女が世の中に存在するなんて、考えたこともなかった。

高校卒業後は何年も住んだはずのニューヨークの街。
それなのに、その時の記憶はビジネスと学業以外には何もない。
だが、つくしと共にに今日見たこの景色は、きっと一生忘れることはないだろう。

____俺たちの人生が一つになった瞬間を。



「じゃあ、行こうぜ、奥さん。」
そう言って、俺の妻をエスコートする。

「今から、どこに行くの?」
「ひとまず会社。」
「うん。」

そうして、俺たちは、共にある人生を歩き始めた。



*****



リムジンに乗り、ニューヨークの道明寺HD本社に到着した。
つくしを連れて執務室へ向かうと、西田が待っていた。

「司様、つくし様、ご結婚おめでとうございます。」
「ああ、プレスの対応は?」
「できるだけ早くと、総帥より指示が出ました。」

「式場の手配は?」
「6月ですと2週目であれば、総帥ご夫妻のご都合も付きます。」
「じゃあ、そこで。メープルは空いてんの?」
「空けさせます。」
「頼んだ。ドレスのデザイナーは?」
「本日、こちらへお呼びしています。」
「招待客だけど・・」


「ちょっ・・ちょっと・・待って・・司さんっ!」


着々と結婚式の計画を進めている俺たちに、つくしのマッタが入った。
目を白黒させて、俺たちにを見ている。

どうした?
急がねぇと、6月の挙式に間に合わねぇだろ?
6月に挙式すれば、幸せになれんだろ?

「プレスに出す前に、ある程度の予定は詰めておかないとまずい。重要な取引先には、プレスより先に報告も必要なんだ。それに、6月の挙式は外せねぇから・・」

俺が真剣に言うと、つくしのが呆れたように言い返す。

「どうして、そんなに6月にこだわるの?あたし、別に急いでないのに・・」

俺の方こそ、どうしてだ。
子供ができるかもしれねぇのに、ゆっくり構えてられるかよ。
入籍は果たしたが、それこそ腹がでかくなってからの挙式なんて、体に負担がかかるだろうが。

披露宴は面倒くせぇが、立場上、やらないっつー訳にはいかない。
これは、仕方がねぇと割り切ってもらえないか・・
その代わり、ドレスはつくしの望むものを用意する。
そのほかの細かいところも、全部お前の希望を通してやる。
だから、早いとこ、披露宴をして、俺の妻として隣に並んでほしい。


「めんどくせぇかも知れねえけど、お前を早く、世界中に披露したい。だから・・」

懇願する俺に、つくしがちょっと困った顔をした。


「あたしにだって・・夢があるんだもん・・」


その言葉に、俺はハッとする。
俺は、つくしに出会うまで、結婚なんて考えたことも無かったし、結婚に理想なんて持っていなかった。
だから、結婚式や披露宴は、ビジネス上のお披露目という意味にしか考えたことが無かったんだ。

だから、こうして愛しい女を手に入れただけで満足して、結婚式なんてどこか、仕事の延長のような気がしていたのは事実。

結婚式に夢がある・・そう言われるまで、気が付かなかった。
つくしを幸せにしてやるつもりでいたが、俺は、事を急ぐばかりで、こいつの意見なんて聞いちゃいなかったことに、この時になって初めて思い至った。
具体的な結婚の理想なんて、聞いたことも無かった・・。


焦る。
マジ、焦る・・。
つくしに呆れられちまうんじゃねーか。
まさか、速攻で、愛想をつかされるんじゃねーか。

「つくし・・?」
彼女の顔を恐る恐る覗き込んでみると、おずおずとつくしが話し出した。


「あたし・・あの時の、あのプライベートアイランドの教会で、結婚式をしたいの。それが、あたしの夢なの。だめ?」


初めて聞いた、こいつの夢。
それが、プライベートアイランドでの結婚式。
その理由は分からねぇけど、
だけど、つくしが俺に何かをねだってくることなんて滅多にない。

俺は、入籍できたことが嬉しすぎて、結婚式は6月ってことばかりに固執しすぎて、こいつの気持ちを汲んでいなかった。
つくしを世間にお披露目して、逃げられないようにすることばっか考えて。焦って。
すげぇ・・・反省だ。


そんな不安そう顔すんなよ、つくし。
ダメな訳ねぇだろ?
俺が、お前の希望を叶えないわけねぇ。
俺を誰だと思ってんだ。
お前の夫は、道明寺司なんだぞ。
世界中の誰よりも、お前のことを愛してる男なんだぞ。


「西田、アイランドの6月、2週目、抑えろ。」
「無理しなくていいのっ。空いてる時に・・。」
「6月は俺が譲れねぇから。」

つくしは、申し訳なさそうに西田を見ているが、当の西田は案外嬉しそうに言った。


「楓社長も、お喜びになるでしょう。必ず手配致します。」



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そんなこと言っても、司さんに任せた結婚式も、すっごい素敵な式にしてくれそう・・なーんて(笑)。
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