花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

「新婚旅行が日本なんてね。ぷぷっ。」
「わりぃ。」
「ううん。そういうことじゃなくってね・・なんだか、不思議だなって。日本に帰るのが、懐かしいっていうか、嬉しいっていうか。」
「落ち着いたら、ヨーロッパでも行こうぜ?」
「ええ~。別にいいよぉ。こうやってさ、二人でいられるだけでいい。」

ったく、こいつは本当に欲がない。
お前の夫は、この俺だ。道明寺司だぜ?
お前が望めば、どこにだって連れて行ってやるし、なんだって買ってやるのに。


だが、実際のところ、結婚式を急ぐことになり、そのスケジュールだけで目いっぱいで、ハネムーンはお預けになっちまった。
今日は昼過ぎまでアイランドでゆっくりできたが、今はもう日本へ向かうジェットの中だ。
もちろんつくしも一緒だが、1週間後には、ニューヨークへ戻ることになっている。
一緒に暮らしてぇ・・つー希望はあるが、つくしもまだ覚えるべき仕事がたくさんあって、もうしばらくは、ババァの元で仕事をしたいというのが彼女の願いだった。

入籍し、結婚式を挙げ、正式に俺の妻となったつくし。
入籍後に速攻で会見を済ませたから、公にも俺の妻だ。
すでに、ニューヨークのパーティーではつくしを妻として同伴して、周囲の注目を浴びた。
7月末にはニューヨークでデカイ披露宴が計画されてはいるが、今回の帰国中に、日本の重要な取引先には挨拶回りを済ませることになっている。


帰国後は、俺には当然、挨拶回り以外の仕事もあるから、四六時中つくしと一緒という訳にはいかない。
なんなら、俺の秘書でもやったらどうかと思ったが、それはつくしに却下された。

「お前、日本で一人でも暇だろ?」
「ううん。そうでもない。ほら、日本のお邸も久しぶりで、覚えなきゃいけないこともあるし、タマさんとお茶する約束もしてるの。それに、結婚式に招待できなかった同期に会ったりとか、あと、楓社長・・じゃなかった、お義母様に頼まれた仕事もちょっとだけあるの。」

ふーんと聞いていた俺だったが・・
待てよ?
結婚式に招待できなかった同期?

「同期に会いにいくのか?」
「うん。土曜日に、みんなで夕飯食べようって。皆がお休みを合わせてくれたの。お店も予約してくれててね。」
「はぁ?店?」
「言ってなかったっけ?」
「聞いてねぇぞ。」
「えっと・・じゃあ、行ってきます・・」
無意識の俺の凄みに、つくしが一瞬ビクッとしたが、俺の嫉妬には慣れたもんなのか、さらっと話を流しやがった。

「場所、どこだ?」
「ん?何が?」
「同期の集まりだよ!」
「えっと・・どこだったかな・・居酒屋さん。創作料理だったかな。」
「SPは連れて行けよ。」
「う・・ん。えっと・・、お店の中も?」
「・・。」
「分かりました。」
「よし。」

しばらくすると、つくしがコクリコクリと船をこぎ出した。
また寝てやがる・・。
昨日の夜の様子といい、なんとなく、つくしの様子がおかしい。
ぼーっとして、疲れてんのか?と思えば、急に寂しそうにしたり、甘えてきたり。
俺が、つくしに敏感になりすぎてるだけかも知れねぇけど。
だってよ。生理だって、確実に遅れてんだろ?
こういう事って、普通、女の方が敏感なんじゃねぇのか?
隣ですやすや眠るつくしは、どんな夢をみているのか幸せそうで、俺がそんなことまで心配していると思われるのもな・・。
もうしばらくは、厳重に様子をみるしかねぇか。



*****



メープル東京は、現在、新支配人の元、順調に業績を伸ばしている。
つくしが昨年立ち上げた企画は、今も継続されている。
町田の事件以来、つくしはメープル東京に足を踏み入れていなかった。
渡米するための準備もあったし、いきなり俺と婚約したことで生じるトラブルを回避するためでもあった。


夕方に帰国した俺たちは、久しぶりのメープルに来た。
その目的の一つが、1年前につくしが行きたいと言った、フレンチレストラン『Shangri-La』で食事をするためだ。
俺たちの休暇は今日までで、明日からは挨拶回りや通常業務に忙殺される。

「うわぁ。久しぶりだぁ。」
少し緊張気味のつくしの腰に腕を回し、彼女をエスコートする。
この日本で、堂々とつくしの隣に立てる幸せ。
俺は自慢の妻連れ、レストランの入口をくぐった。


すると・・
「いらっしゃいませ。お待ちしておりました。」
出迎えたのは、この店の支配人ではなく、若い男。
なんか、どっかで見たことある。

「あっ・・黒田君!」
「久しぶり、牧野。いや、道明寺夫人。ようこそおいで下さいました。」
「やだ~っ。何言ってるの?でも、嬉しいっ。元気だった?」
「うん。他の奴らも元気だよ。土曜日、牧野に会えるのをみんな楽しみにしてる。」
「私も楽しみ!」

何勝手に二人で盛り上がってやがる。
しかも、こいつ・・黒田。
つくしを狙ってた男じゃねーか。
はっ、ま、こいつは今や俺のもんだし?
俺は、そんなに心が狭くねーけど・・

「おい、席に案内しろ。」

つい凄んじまった。

「畏まりました。」
俺の一声に焦った黒田が、俺達を奥の個室に案内する。
一方のつくしは、俺の不機嫌には全く気づいてねぇな。

「黒田君、レストラン希望だったもんね。戻れたんだ。良かったね~。」
「あぁ・・まぁ・・ね。」
黒田は、ちらっと俺を見た。
「あの時、牧野が言ってた人が、まさか・・」
「あ・・。う・・ん。えっと・・。」
「それは、言えないね。」

この男、つくしのことをまた牧野とか言いやがって。
でも、この男の一言で、つくしは、黒田に告られたことを思い出したらしい。
ったく、遅せぇんだよっ。
このボケボケ女め。

でも、次のつくしの一言に、俺は吹き出しちまった。


「あ・・あの・・私の、主人の・・道明寺です。」


「「ぶっ・・」」


何言ってんだ、こいつは。
今更、俺を紹介とかしやがって。
可愛すぎんだろっ。
あーもう、このまま、スイートに連れ込みてぇ。


黒田も笑いを堪えきれなかったようだ。

「牧野、それは、みんな知ってる・・。」

つくしが、真っ赤になって、俺の腕に顔を埋めた。




それから、つくしと楽しく食事をとった。
シャンパンを頼もうとするつくしを制して、オレンジジュースを頼む俺。

「も~っ。子供じゃないんだからねっ。昨日だって、飲まなかったんだからっ。」

そういうことじゃねぇだろうがよ、ったく。

食事が進み、メインの肉料理も半ばになると、

「なんだか、お腹いっぱい・・。おかしいなぁ、楽しみにしてたのに。司さん、食べられる?」
「いや、俺も腹いっぱい。」
「やだぁ。もったいないし。黒田君もがっかりしちゃう。」

そう言って、切り分けた肉を俺の口に放り込んで、周りをキョロキョロ見回すつくし。
誰も見てねっつーの。
そのまま、いくつか無理やり肉を食わされた。
やっぱり、こいつが肉を残すなんて・・おかしいよな。

けど、その後、つくしは、紅茶とシャーベットをペロリと完食していた。
わっかんねぇ・・。



「あ・・ふぅ・・。お腹いっぱいになったら、また眠くなってきた・・。何でかなぁ、気が緩むとすぐに眠くなっちゃうの。結婚式が終わって、ほっとしたからかなぁ。」

つくしも、彼女なりに、おかしいと思ってはいるらしい。
そんなこいつに言ってやった。

「それなら、今日は、止めとくか?」

その俺の一言に、急にシャキッとしたつくし。
「えっ?嫌だよっ。絶対に行く!すっごく楽しみにしてたんだから!」

「何で、そんなに臼井に会いてぇのか、俺にはわからねぇ。」


もう時間は22時を軽く回っている。
今日メープルに来た第一の目的は、『The Classic』に行くためだ。



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「主人の道明寺です・・」って言わせたかっただけの回でした(笑)。
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