花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

「すごい!!広い!!なにこれー!!!」


漸く、漸く、ニューヨークから連れ戻した、愛妻の第一声。
オヤジたちの希望で、クリスマスはニューヨークで過ごし、翌日には一緒に日本への飛行機に乗った。
ニューヨークで管理業務を勉強したつくし。
これから出産までは、自宅で、東京メープルの企画の総仕上げだ。

「どうだ?気に入ったか?」
「っていうか、どうしてこんなに広いの!?」
「どうしてって・・これから子供が生まれるし、何人になるか分かんねぇだろ?」
「だからって・・。ハイハイで疲れちゃいそう・・。」


多くの部屋をぶち抜いて作った、家族の部屋。
リビングスペースは余裕で100帖は超える。
リビングの中に、つくしが希望していた、キッチンとダイニングを。
いわゆる、リビングダイニングってやつだ。


「ポコちゃんが、迷子になっちゃう・・」
つくしが、腹をさすりながら、子供に話しかけている。

この家族の部屋は1階に作っている。
つくしが、階段は危ないと言ったから。
そして、リビング正面の窓からは、つくしが作りたいといった家族の庭。
ここで、ビニールプール?とかをするらしい。

子供部屋もとりあえず、3つは作ったが、増えるようならいつでも改築できるから問題ねぇ。


「あっ!オーブンがあるーっ!」

ふらふらと部屋を見て回っていたつくしが、キッチンで叫んでいる。
つくしがこだわったキッチン。
子供たちと会話しながら、メシを作るんだとか。
うちには、シェフがいるんだが・・。
ま、つくしの好きなようにしたらいいさ。

「お誕生日には、ケーキが焼けるね。うち、オーブン無かったから、感激だよ!ありがとう、司さん。」

たかが、オーブン。
されど、オーブン。
宝石を与えたって喜びはしない。
いや、喜んでくれるだろうが、これ程嬉しそうな顔はしねぇだろうな。
俺は、こういうつくしが好きだ。
オーブンを使って、焼いてくれるというケーキ。
そこに、また、幸せを予感できる。

「疲れただろ?少し、休めよ。」
「うん。実は、足が浮腫んで、パンパン。」

それを聞いた俺は、つくしを両手で抱き上げて、ベッドへ向かった。

「やっ、重いから、止めてって!!」
「これぐらい、どーってことねぇよ。」

これから俺が守っていく、二人分の重みを噛みしめながら、ベッドにつくしを降ろし、自分も横になった。

「寝室も広いね。一人じゃ怖い。」
「俺が居るだろ?心配すんな。」
「ん・・。」

横になったとたんに、眠くなったらしい。
つくしの瞼が閉じられる。
つくしに布団をかけて、俺も隣に滑り込んだ。


やっと・・帰ってきた。
俺の大切な、宝物たち・・。



*****



12月28日____愛する妻の誕生日。

何が欲しいかって聞いたら、何もいらないんだと。
だけど、一緒に買い物に行きたいというから、なんとか夕方から休みを分捕った。
もう9か月になるつくしの腹はパンパンで、歩くのも大変そうだ。
風邪をひかないように、コートやマフラー、帽子で完全に防寒。
そして、隣には、俺がぴったりと張り付いた。

「なんだか、雪だるまみたい・・」

なんて言いながら笑う妻は、俺よりもどっしりと構えているようだ。


今日は、新宿方面。
デパートで一緒に子供グッズを見るらしい。
フロアいっぱいに広がる子供服コーナー。
こんなとこ、初めて来た。

これが、かわいい。
あれが、かわいい。
そう言って歩くつくしが、俺にとっちゃ、一番可愛いんだけどな・・。


「見てこれっ。ファーストシューズだって。」

俺の手の平の半分もない、小さな靴。
まだ生まれてもいないのに、もう靴かよっ、と笑いが漏れる。

「すごい、コートも大人顔負けのがあるね。」

きょろきょろしながら、フロアを歩いていく。


「あ・・あったー!!」
そう言って、走り出しそうになるつくしを、慌てて止めた。

ん?
つくしが、見ているものは、
服でも、おもちゃでもなく、

「なんだこれ?」
「ハイ・ロー・ラックっていうの。」



「ここにね、赤ちゃんを乗せておくの。だって、お部屋が広すぎるんだもん。赤ちゃんを近くで見ていたいでしょ?ここに乗せておけば、移動もできるし。仕事や家事をしている時も、目を離さずに済むし。ずっと、近くで見ていたいもんね。赤ちゃん。」

そんな風に説明するつくしは、満面の笑顔。


はー。
俺は心の中でため息をつく。

俺は、自分の子供にまで、やきもちを焼いているらしい。
こいつに愛されているのは俺だけじゃない。
お腹の子供はつくしの腹から出てくるんだから、そりゃ可愛いだろうな。
だけど、生まれてきたら、俺のことよりも、子供のことが優先になるんだろうか・・・。

こんなこと、こいつには言える訳がない。


デパートで買い物を済ませ、リムジンへ戻る途中、俺はつくしの手を握りながらも、少し寂しい。

子供が生まれたら、こういう二人の時間も少なくなるんだろうな。
そんなことを思う自分が女々しくて呆れちまう。

そんな俺の様子を不思議に思ったのか、つくしが言った。

「赤ちゃんが生まれても、時々はこうやって二人でデートしようね。」
そう言って笑う。

こいつはエスパーなのか?
俺が考えてることが分かんのか?
こんなみっともない考えを知られちまってるのかよ。

「そうだっ。誕生日プレゼント!」
「ん?」

「来年の誕生日も、こうして絶対に二人でデートすること。ねっ?」

つくしが、俺の手に指を絡める。
そんなこと、約束なんかしなくたって、絶対に忘れたりしない。

これから毎年来るクリスマスは、きっと家族の日になる。
そして、それが終わった後のつくしの誕生日は夫婦の日か。
いいな、それ。

俺が、くっと笑ったから、つくしも、ふっと笑った。


「赤ちゃんね。すごく楽しみなの。だけどね、実をいうと、赤ちゃんを見た時の司さんの反応の方が、もっと楽しみ。喜んでくれるかなぁって想像するだけで、幸せなの。おかしいよねぇ。」

俺は思わず、足を止めた。

「あたしね。仕事が忙しくても、疲れていても、子供は大切に育てたい。もちろん、仕事を辞めるつもりはないけど。あたしは、司さんが帰ってくるのを、毎日待ってるからね。だから、ちゃんと帰ってきてね。あたしたちのために。」


俺の両親は、俺がガキのころから、ニューヨークで働いていた。
その理由が、今では理解できなくはないのだが。
だけど、俺は、つくしと子供を遠くに置くことはきっとない。
俺は、家族と一緒にありたいと願う。


「あぁ、約束する。」


数年前は想像もしなかった俺の家庭が、出来上がりつつある。
つくしと子供が待つ家に帰る。
それが、俺のパワーに繋がるのは間違いない。

そして、つくしが俺たちの子供を愛している姿を見つめることが、俺の幸せになるんだろう。
反対に、俺の笑顔を見ることが、つくしの幸せになるはずだ。

そう思えたら、さっきまでの気持ちが軽くなった。
つくしの腹の中から、我が子が生まれることが、本当に楽しみになった。

その誕生の瞬間も、もうすぐだ。


つくしの手を引きながら、照れくさくて下を向く。
我慢していないと、幸せな笑いが止まらなくなりそうだった。



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