花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

オープニングセレモニーから続くパーティーは、プールサイドで夜中まで続く。
プールサイドは、まだ今日の招待客で賑わいを見せていた。
つくしは、支配人として、様々なところに目を光らせている。
今晩は寝ずに、このホテルに泊まり込むつもりなんだろう。

開はパーティーの途中、オヤジに抱かれて登場した。
このパーティー自体、VIP会員のみを招待しているが、それはつまり、政財界の重要人物ばかりが集まったということだ。
その中にオヤジとお袋が開を連れてきたということは、開が道明寺家の嫡男として正式に披露されたことになる。
つくしはどう思ったかは分からないが・・。

いつかは、開を公の場に出すことになる。
どの場でお披露目したとしても、それは結局はビジネスの場だ。
今日のPrivate Resortのオープニングさえ、ビジネスの場としての役割を果たしていた。
だが俺は、開を公に出すのなら、このつくしの提案したホテルでと決めていた。
このホテルには、つくしの夢が詰め込まれている。
そして、できる限り、そのつくしの夢を守ってやれるように・・・俺はオヤジの力を借りた。
ビジネスに囚われることなく、このResortが、俺たち家族の原点となりうるように。


開を連れて一通りの挨拶を済ませると、まだ幼い開は、オヤジと先にメープル本館に戻った。
その後、20時を回っても、まだ身動きがとれないつくしに代わり、俺が開を引き取りに本館に向かった。


また寝ちまった開を抱いて、Private Resortに戻ると、西田が待っていた。
「つくし様はプールサイドに。」
「分かった。」
「西田、もしトラブルがあれば、つくしに連絡が入るだろうが、必ず俺にも連絡が来るように徹底してくれ。」

このResortはつくしが支配人として管轄する。
俺がむやみに手を出すつもりはないが、それでも、影から見守っておきたい。

「承知してございます。」
「そうか・・。」
「以前、総帥からも同じことを言われましたので。」

はっとする。
西田はかつてはお袋の右腕だった男だ。
つまり、オヤジが・・・ホテル事業はお袋に丸投げしているように見えたオヤジが、お袋をフォローしてたってことなのか・・。

「意外でございましたか?」
「まぁな。」
「総帥と支社長は、本当によく似てございます。」
「そうかよ。」

なんだか面白くねぇ。
けど、血は争えねぇってことかも知れねぇな。
いずれは、開も・・まぁ、それはずいぶん先の話か・・。

「西田。今、オヤジがThe Classicで臼井と飲んでるぜ。行って来いよ。」

西田が一瞬だけ目を大きくして、それから恭しく頭を下げた。




先ほどよりは少し落ち着いたプールサイドに、つくしが立っていた。

俺たちに気づいたつくしが、驚いた顔をする。
「司さん、どうしたの?今日は、本館に泊まるんでしょ?」

なんでだよ。
何で今日、お前と離れられるんだ。

「ここに泊まるに決まってんだろ。」
「だけど・・部屋・・。」
「リザーブしてるに決まってんだろが。」
「えっ・・?」
「行こうぜ。」

俺は、つくしの肩を抱き寄せて、一緒にPrivate Sweetへ向かった。

「だけど・・まだ・・。」
「何かあれば、連絡が来るだろ。始めからキツキツしてたら、体もたねぇぞ。」

つくしはまだ迷っているようだったが・・

「このResortはお前の希望が詰め込んであるんだろ?それに俺たちは入ってねぇの?」

そう言った俺に向かって、つくしは思いっきり頬を膨らませた。

「そんな訳ないでしょう?」

そんな表情も、すげぇ可愛い。
年齢よりも幼く見える、俺が愛するつくしの顔。

アップにされた髪型で強調された綺麗なうなじ。
体型に沿ったブラックシルクの上品なスーツ。
首元には道明寺家伝統のパールネックレス。
左手には俺が贈った世界に一つだけのマリッジリング。
それらを身に着けて、ここの支配人として、完璧な立ち居振る舞いを見せていたつくし。

だが、俺は、俺にだけ見せる素のこいつが好きだ。

理由なんてないんだ。
どんなに完璧であることよりも、ありのままの、素のつくしが一番好きだ。
妻になっても、母になっても、俺はお前が大好きだ。
世界で一番、愛してる・・・。

つくしが俺に身を預けてきた。
両手に俺の宝物たち。
俺が、どんなことをしてでも守ってやる、俺の全てだ。




つくしが自分の夢と希望を詰め込んだ、Private Resort。
そこに、今夜俺たちが泊まらなくて、いったいどうするつもりだったんだ?
だが、支配人という立場上、自分の都合は後回しにするということはつくしらしい。
反対に、そこを強引に押し通すのは、俺らしいが。

すでに入浴は済ませている開を、ベッドに降ろした。
かなり深い眠りに入った開を、ベッドの端に腰かけて、二人で見つめる。
開け放たれた窓からは、夜になり適度に冷えた風が入って来た。

「ねぇ。開は、きっと司さんの後を追って、道明寺財閥を継ぐと思うな。」
「それはどうかな。」
「絶対そうなる。」
「何でだよ。」

「開は司さんのこと、大好きだもん。」
「だから?」
「だから、大好きな人に認められたいと思うはずだよ。」
「・・・。」
「司さんは、そうじゃなかった?」

俺がニューヨークへ行ったのは、確かに財閥を継ぐためではあったが、そこに、オヤジやお袋に認められたいという思いがあったかどうかはわからねぇ。
つくしに出会えた今だからこそ、この立場を本当の意味で受け入れて、道明寺に生まれたことに感謝する気持ちにもなった。
道明寺を守ることが、こいつらを守ることに繋がるから。

「ふふ・・あたしはねぇ。」
「ん?」
つくしが上目遣いに俺を見た。

「ずっと、司さんに認めてもらいたくて、頑張ってる。」
「はぁ?」

「本当だよ?司さんの傍にいたくて、司さんにふさわしいと思われたくて、そのために頑張ってる。」
「何言ってんだよ、お前。」

つくしが俺の胸にコトンと頭を落とした。
俺はそっと、彼女を抱きしめた。
こんなにも細く、小さなつくし。
だけど、いつもエネルギッシュで、弱音を吐くことは少ない。

「このPrivate Resortだって、そう。あたしは、メープルが好き。だけど、それ以上に司さんが大好きで、あなたにふさわしい女になりたかった。」

初めてかも知れねぇ。
こんな・・・つくしの本音。

「そんなあたしを、軽蔑する?」

つくしが少し潤んだ大きな瞳で、俺を見上げる。
なんで、そんなことを思うんだ。
俺のことが好きで、俺に認めてもらいたくて仕事を頑張ったからって、どうしてそれを軽蔑するんだ。
仕事に私情を挟んだからか?
そんなことなら・・

「言っとくが、今、俺が真面目に仕事をしてんのは、全部お前らのためだ。お前と、開がいるから、だから、道明寺の後継者として頑張ってんだ。そうじゃなきゃ、いつ辞めたって構わねぇと思ってた。お前に出会うまでは。そんな俺を、お前は軽蔑するのか?」

つくしが、首を横に振る。
そんな俺の気持ちは前から伝えているだろう?
何がそんなに不安なんだ。

「あたしが頑張れるのは、いつも司さんがいるから。隣に司さんがいてくれるからなの。だから、どこにも行かないで。お願い。」

彼女が言っているのは、間違いなく本音。
だけど、普段こいつは、こういうことを簡単に口に出す女じゃない。
つくしに俺が必要だってことは、案外周知の事実で、俺はそれを甘んじて受け入れているわけで。
俺なしでは生きられない女であって欲しいのは、ずっと前からの俺の願望。


「どこにも行くわけがないだろ?」

つくしの唇にキスを落とす。
これ以上ないというぐらいに想いを込める。
角度を変えて何度も吸い付いた。

そっと唇を離し、そっと囁く。

「お前がいなきゃ、息もできない。」

互いの鼻が擦れ合う程の至近距離。

「あたしも。」

もう一度唇を合わせ、絡みつくようなキスの連続。
時々離れる唇から、甘い吐息が漏れる。

お前がいるからこそ生きていける。
だから、絶対に離しはしない。

どうすれば、この想いがお前に伝わる?

キスをしながら、互いの服を脱がせ合う。
この唇を離したら、俺らはきっと死んじまう・・それぐらいに求め合う。
裸になった俺たちは、隣のベッドルームへ消えた。



欲しくて、欲しくて、手に入れても、まだ欲しい。
彼女の汗までもが愛おしい。
彼女の腕も、脚も、胸も、背中も、全てが俺のものだというのに、まだ足りない。
彼女の全てを確認しながら、印を残していった。

ベッドの上で縺れ合う俺たちは、ただの男と女。
ふさわしいとか、ふさわしくないとか。
道明寺の名前がどうだとか。
そんなことは、一切関係ない。

深く、深くつながって、生きていることを実感する。
互いを求め、互いを愛する。
それ以上に大切なことは何もない。

揺れて、揺らされて、二人で高みに上っていく。
俺が彼女を揺らすたびに、彼女が俺を締め付けてくる。
彼女しかいらない。
いつか死を迎えるなら、こいつの中で・・
そんなことを思うぐらいに、俺はつくしの虜だ。
例えこの先、何年経ったとしても・・

俺の与える刺激で、感じている彼女の表情。
もっと、もっと与えたくなる。

喘ぐつくしの目が開いた。
恍惚とした表情。
その瞳は、俺だけを捕らえていて・・

ずっと・・このままで・・・

俺だけを見て、
俺だけを感じて、
他の何も映さなくていい。


同時に頂点に上り詰めた。
俺の背中に食い込む爪。
二人、視線を逸らさずに、互いの全てを受け入れた。


つくしの中で繋がったまま、つくしの髪を撫でる。

「あたししか、見ないで。」
「俺以外、見るな。」

同時に出た束縛の言葉に、二人、一緒に笑い出す。

俺たちにとって、当たり前のこと。
当然すぎる事実。

体を重ねることで、確認できる。

俺たちは、互いにとって、唯一無二の存在であること。
他の人間なんて、目に入らないということ。
絶対に、手放すことはできないということ。
共になければ、生きていけないということ。


俺は、この部屋に来るたびに思い出すだろう。
俺たちは、絶対に離れられない運命なんだということを。



***



翌日の朝。
目が覚めると、そこには、司さんと開。
二人がそっくりな顔つきで眠っている。

昨日は急に不安になった。
あたしがこのホテル経営に失敗したら、司さんと一緒にいられなくなるかも知れない・・何故か、そんな思いに駆られた。

だけど、司さんと抱き合うことで、その不安は消し飛んだ。

何を犠牲にしたとしても、大切なものは、ここにある。

どんなに時がたったとしても、
どんなに状況が変わったとしても、
永遠に変わらないもの。

それは、あたしの司さんへの愛。
彼の、あたしへの愛。
あたしたちの、家族への愛だ。


この部屋に来るたびに、あたしは思い出すだろう。
あたしにとって大切なものは、この愛以外にはないのだということを。
その愛がある限り、あたしたちが離れることはないのだということを。


だからきっと・・
あたしたちの未来は、愛に溢れている、
そう確信できる。

Fin.


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