花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

ピンポーン・・・


「はーい。」
マンションの中から、姉ちゃんの声。
久しぶりに会う姉ちゃんを思い浮かべて、僕はちょっと笑った。
手には、姉ちゃんの好きな名古屋の”ういろう”。

ガチャリ・・・

「姉ちゃん、ひさしぶ・・り・・・」
「よう、入れよ。」

・・え?
目の前には、雑誌から抜け出してきたのかと思う程の、超絶美形。
背が高いってだけじゃない、半端ないオーラが漂う。
見ただけで、圧倒される。
なっ・・なんでっ!?

「ちょっと、道明寺っ!勝手に出ないでよ!」

その男性の後ろから、聞きなれた声がした。
男性を避けるようにして奥を覗き込むと、そこには、姉ちゃんがお玉を持って立っている。

「ね・・姉ちゃん・・・。」
「ごめんね。進。この人も一緒でいい?」
「姉ちゃん・・デート・・だったの?それなら、そうって・・」
「ちっ・・違う、違うの。この人は、お友達・・なの。気にしないで、ねっ。さ、上がって。ご飯、もうすぐできるからねっ。」

そう言って、さっさと奥の部屋に移動する姉ちゃん。
狭い廊下に、その男性と二人きり。
ちらっと、その人を見上げると、ちょっとだけこめかみがピクピクしてる。

姉ちゃんの・・友達?
この超かっこいい人が?
嘘だろ?

「僕、牧野進です。姉ちゃんが、お世話になってます。」
「おう。道明寺司だ。」

顔がいい人は、声もいいらしい。
僕のお腹にまで響く低めの声。
こんな人が、姉ちゃんの・・友達・・・?

「あの・・姉ちゃんの友達って、本当・・ですか?」
僕は思わず聞いてしまった。
だって、あり得なさ過ぎて。

そうしたら、道明寺さんは、ギロッと俺を見た。
ヤバいっ、禁句??

「そう思ってるのは、お前の姉ちゃんだけだ。」

そう言い捨てて、道明寺さんは姉ちゃんが戻って行った部屋に入って行き、僕も慌てて追いかけた。



***



「道明寺、このお皿持って行って。」
「あ、このドレッシングも。」

狭いリビングの中。
あれこれと道明寺さんに指示を出している姉ちゃん。

「ぼっ、僕が手伝います。」
「お前は座っとけ。」

道明寺さんは、結構楽しそうに、姉ちゃんに使われている。

「うーん。ちょっと味薄いかな?」
「どれ?」

姉ちゃんの隣に近づいて、味噌汁の味を確認している道明寺さん。
すげぇ・・カッコいい・・
見た目がいい人って、味噌汁飲んでるだけでも、絵になるんだな。

「旨い。」
「本当?良かった。」

そう言って、ニッコリ笑う姉ちゃんも、今まで見た中で一番可愛いかも。

この二人・・友達な訳ない。
完全に恋人同士のオーラだ。
もしかして、姉ちゃんだけが分かってないのか?
ひえぇーっ。ありえないだろっ、普通っ!


リビングの小さなテーブルに3人分の食事が並んだ。
缶ビールを並べて、乾杯になる。

「「「頂きまーす。」」」

「久しぶりに姉ちゃんのハンバーグ食べた。やっぱり美味しいね。」
「あたりまえでしょーっ!」

そう言った姉ちゃんが、道明寺さんを見る。
当然のように、道明寺さんも姉ちゃんを見ていて、
「旨いな。」
って一言だけ言う。
それから、二人で見つめ合って、嬉しそうにしている。

なんだよ、これーっ。
これ、完全に、僕がお邪魔虫じゃないかっ!

そう思いつつも、もう帰るに帰れない。
そこからは、僕も開き直って、今の名古屋での仕事の話とか、生活の話とかを姉ちゃんと道明寺さんに語った。


缶ビール3本目になった頃。
「あ、そう言えば、進。恭子ちゃん、元気?」
唐突に、姉ちゃんが言った。

恭子は、僕の彼女。
大学から名古屋で、就職も名古屋でした僕は、恭子とは大学時代からの付き合い。
恭子は大学卒業後はOLをしていて、僕は大学院卒業後、今の研究所に入って1年目だ。

「元気だよ。」
「そう。また会いたいな。」
「この”ういろう”は恭子からだよ。」
「さすが、恭子ちゃん。」

このタイミングで・・と、僕は今日、姉ちゃんのところに来た本題を打ち明けることにした。
ここに、道明寺さんがいるっていうのは、ビールの酔いが回っていて、少し忘れてたかも知れない。

「俺さ、恭子と結婚する。」


・・グッ・・・
ブッ・・ブホッ・・

姉ちゃんが、ビールを吹き出した。

「姉ちゃん、汚い。」

「おい、大丈夫か?」
道明寺さんは、ポケットからさっとハンカチを取り出して姉ちゃんに渡している。
凄く、スマートだ。

「あっ・・ありがと。ゴホッ。びっくりした・・。」
「そんなに驚くことかよ。」
「だって・・。」
道明寺さんが、優しく姉ちゃんの背中をさすってるけど、姉ちゃんは軽くスルーしてる。
やっぱり、どう考えても友達じゃない、と僕は思った。

「えっと・・進。別に、反対なんてしないけど。でも、何で、今?」

「恭子の妊娠が分かったんだ。先週。」
「えっ?」
「出来婚か。」
「あんたは黙って!」
ちょっとだけ目を丸くした道明寺さんを、姉ちゃんが制す。

「それで?恭子ちゃんは?何だって?」
「喜んでる。元々結婚するつもりだったし、今も同棲してるし。」
「そっか、良かった。」

「来週には、向こうの両親に挨拶に行くつもり。」
「そっ・・そうよっ!早く行きなさいっ!」
「うん・・そうなんだけどさ。」

「僕ら、まだ、貯金とか殆んどないし、婚約指輪の準備とか、披露宴とか、出来そうにないんだよ。それってさ、どう思う?」
「どうって・・仕方がないじゃないの・・。」

俺は、カバンから、恭子が部屋で見ていた結婚雑誌を取り出した。
そこには、指輪の特集とか、ウエディングプランとか、そんなのが色々載っている。
姉ちゃんと道明寺さんが、興味津々で、その雑誌を覗き込んだ。

「婚約指輪と結婚指輪って、やっぱり両方必要だよね?」
そう俺が聞けば、

「当然だろ?」
と、道明寺さん。
そんな道明寺さんを、姉ちゃんが肘で突っついてる。

「でも、お金もないんだし、マリッジだけでいいんじゃない?ほら、これとか、素敵。これなら、婚約指輪も兼ねてでいいんじゃない?」

そう言って、姉ちゃんが指さしたのは、シンプルなプラチナのマリッジ。
女性用には、一粒のダイヤがはめ込まれている。

「婚約指輪って言ってもさ、なかなか見せ回るものじゃないじゃない。それなら、二人で気に入ったマリッジを選んだら?私は、無理して婚約指輪もらうより、その方が嬉しいけどな。」

如何にも、姉ちゃんらしい答えだ。
ちょっと、ホッとする。
恭子もそう思ってくれるだろうか。

「結婚式は身内でしてさ、披露宴は思い切って会費制にしたら?ほら、ここに書いてある。」
「そうだよね。それが現実的だよね。」
「恭子ちゃんが、どうしても披露宴を盛大にやりたいって言うんなら、私も少しは協力してあげることも出来るけど、恭子ちゃんってそう言うの望む子じゃない気がする。」
「うん。そうなんだけどさ。一生に一度のことだから・・ね。それに、向こうの両親がどう思うかなって。」

「二人でちゃんと相談しなさいよ。でも、進。おめでとう!」
「ありがとう。」


そんな僕たち姉弟を、いや、姉ちゃんを、道明寺さんはじーっと眺めている。
だから、思わず聞いてしまった。

「で、姉ちゃんは?結婚とか、考えないの?」
「は?・・え?」
「道明寺さんと、お似合いだと思うけど?」
「えっ・・・ええーっ。いやっ、ねっ・・そのっ・・」

何をそんなに慌ててんだよ、姉ちゃん。
俺、何か悪いこと言ったかな?

「おとーと、良いこと言うじゃねぇか。」
「うちの姉ちゃん、素直じゃないんで、よろしくお願いします。」
「おう、任せとけ。じゃ、結婚祝いに、ワイン開けようぜ。なんか、さっき買ってきたからよ。」


あわあわしている姉ちゃんを後目に、あれよあれよと、僕と道明寺さんはワインを2本空けた。
姉ちゃんは酒が弱いから、1杯のワインをチビチビ飲んでいた。
そんな姉ちゃんを、道明寺さんが優しく見つめている。

「おとーとに、先越されたな。」
「何よ。それっ。」
「まあ、俺がその気になれば、明日にでも・・」
「道明寺さん、姉ちゃんのこと本当にもらってくれるんですか?」
「いつでも、その準備はしてある。」
「ぎゃーっ。あんた、変なこと言わないでっ!」



この二人って、いったいどんな関係なんだ。
どう見ても、恋人同士に見えるけど。
姉ちゃんは、友達だなんていうし。
道明寺さんは、恋人だと思ってるみたいだし。

でも、確実に言えることは、姉ちゃんも、道明寺さんとの結婚を完全に否定していないってこと。

そうだよな。
素直じゃない姉ちゃんには、これぐらいの人が丁度いい。

どうか、道明寺さん、頑張って下さい・・・。


やばっ、眠くなってきた。
二人がバカバカ言い合っているのを聞きながら、僕は睡魔に吸い込まれていった。



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今日は、進君目線でした~。
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