花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

もう、陽が高く上がっている時間なのに、道明寺に何度も抱かれた。
求められるがまま受け入れて、ぐったりとした私を、彼がバスルームへ連れて行った。
丁寧に体を洗ってくれる。
疲れ切って指一本動かすこともできない疲労感に襲われているのに、敏感なところを触られるだけで、またピクリと反応する自分に驚いた。
バスルームから出ると、道明寺が私の着替えを手伝ってくれた。
というか、ほとんど彼がしてくれた。
もう文句を言うこともできずに、彼に全てを任せている私。


体に力が入らない私は、彼に抱っこされて、初めて寝室から外に出た。
と、そこは・・何なのここ?という位に広いお部屋。
天井から床までつながる大きな窓ガラスからは、もう昼の日差しが差し込んでいて、そこから見える広大な敷地は、とても東京とは思えない。
さっきまでの寝室もバカみたいに広かったけど、この部屋はなんなの?
リビングスペース?
ホテルのロビーかと思うわよ。

そのリビングスペースはさらっとスルーされて、次に扉を開けると、長い廊下。
そこを道明寺に抱かれながら、どんどん進んでいく。
何よ、ここ。博物館なの?
ところどころに、ヨーロッパ彫刻が置かれている。
あ、美術館なのかも・・。

道明寺が大きな扉の目の前に立つと、両サイドからメイドさんらしき人が出てきて、恭しくドアを開けた。
そこは総大理石のダイニングルーム。
これでもかっていう位に長いテーブルが置かれていて、私はそのテーブルの一角に降ろされた。
道明寺は私のすぐ横に腰を下ろす。
壁際には、ズラリとメイドさんが並んでる。
まさか・・・こんなところで食事をするんじゃないよね?


すると、お年寄りのお婆さんが出てきて、
「坊ちゃんは、こちらへ。」
と道明寺に上座を勧めていたけれど、彼はそれを軽くスルー。
「こいつの面倒見るから、ここでいい。」

するとお婆さんが、やれやれと言った感じで私を見たの。
ひゃっ、恥ずかしすぎるっ。

「私・・大丈夫だから、道明寺はあっちに座って・・」
「何が大丈夫なんだよ。足腰立たねぇくせに。」
「ばかっ。何てこと言うのっ。」
「本当のことだろうが。俺のせいだから、俺が世話する。」
「ちょっとっ、大きな声出さないでっ!」
「お前の声のがうるせぇよ。」

「何ですか、いい歳した二人が、盛りのついた若者のような会話して。」

はっ?
盛りのついた・・若者・・・
いっ、いやーっ。
お婆さんったら、何てこというのっ!
だいたい、どうしてこんな広いところでご飯なのよっ。
皆んながジロジロ見てるじゃないのっ!

なーんて思っていたのに、道明寺が切り分けてくれたお肉をフォークで口に入れられれば、凄く美味しくて、彼がパンをちぎり私の口に運ぶものだから、反射で口を開けてしまう。
そんなこんなで、すっかりお昼ご飯を堪能してしまった私。
だって、おいしいものには目が無いのよ。
朝ごはん食べてなかったし・・。

ご飯を頂くことに夢中になって、道明寺が優しく私のお世話をしてくれるのを、まわりのメイドさんがあんぐりと口を開けてみていたことにも気づかなかった。



昼食が終わると道明寺はスーツに着替えた。
私はベッドに腰かけて、そんな道明寺を観察する。
彼はスーツがとても良く似合う。
彼のために作られた、体に沿ったデザイン。
思わず、見惚れちゃう。
それに、男の人がネクタイを結ぶ姿って、すごくいいのよ。うん。

「俺はこれから、仕事行かなきゃなんねぇけど、早めに帰るから、夜まで待っていてくれないか?」
「どうして?一人で帰れるよ。」
「だめだ。心配だ。」
「心配って・・」
「とにかく、帰りは俺が送っていくから、俺が帰るまではここでゆっくりしていてくれ。」
「・・・う・・ん。分かった。」

道明寺の目を見れば、絶対に折れそうにないことは容易に予想ができて、私は結局このままその場に残ることになった。
行ってらっしゃいのキスをして、道明寺を見送った。
なんだか、これ、新婚さんみたいじゃない?



道明寺がいなくなってから、お部屋にお茶を運んできてくれた先ほどのお婆さんと仲良しになった。
お婆さんはメイド頭のタマさん。
道明寺が生まれる前からこのお邸に努めているんだって。
何も分かっていない私に、いろんなことを教えてくれた。

ここは、道明寺家の本宅。
広いと思ったこの部屋は、道明寺の私室で。
私たちが結ばれたのは、道明寺の寝室。

このお邸では、バスの用意も、着替えの準備も、リネン替えも、全てメイドさんが行っている。
だから、食事が終わった時には、寝室はすでに清掃がされていて、私たちが汚しまくったであろうリネン類は全て取り替えられていた。

何もかもが、想像を絶するスケール。
理解できない世界。


覚悟はしていたんだけどなぁ。

道明寺ホールディングスは日本トップクラスの企業。
その御曹司と付き合うということ。
だけど、結局、私が想像できるレベルじゃ無かったのよね。
これほどまでとは・・。

このお邸の規模、半端ないよ?

あいつ・・結婚だなんて・・。
でも、あの口ぶりは冗談だなんて思えない。
そのまま頷いていたら、明日にも入籍しそうだったもの。


例えば、彼と結婚したら・・?
私もここに住むの?
メイドさんのお世話になって、あの大きなテーブルでお抱えシェフが作った料理を毎日食べるの?
掃除も洗濯もお任せで、
じゃあ、私の仕事って何になるんだろう?
彼の妻って、一体、何を求められる訳?

あーもうっ。
道明寺のことが好きだって、本当にそう思えたのに。
好きになった男は、やっぱりとんでもない男だった。
もう、どうしたらいいのか、分からないっ。


と、そこへ。

「何をそんなに悩むことがあるんだい?」
「え・・あ、タマさん。」

いたんですか・・。

「道明寺家の若奥様の仕事が知りたいのかい?」
「はい。どう考えても、私がお役に立てることはないと思うんです。」

地位も、名誉も、美しさも、何もない私・・。

「あれま。何を言うのかねぇ。この子は。道明寺家の若奥様に必要な仕事なんて一つしかないよ。」
「え?それって、何ですか??」
「知りたいかい?」
「是非っ。」

「それは、若旦那様に愛されることだよ。」
「はい?アイサレル??」
「ああ。そうさ。それは、どうやら、あんたにしかできないことだよ。」
「え?」

「あんたは、坊ちゃんの想い人なんだろ?」
「は・・い。」

や・・自分で言うなんて・・照れる。

「なら、何も心配いらないよ。」
「でも・・」

「これだけは言っておくよ。後にも先にも、坊ちゃんがこのお邸に女性を連れて来たのは、あんたが初めてだよ。もっと言えば、坊ちゃんが、女性に興味を抱いたのも初めてだね。」

「ええ?」

「つまり、あんた以外に、坊ちゃんが夜をともにする女性はいないってことだよ。」

ん?ちょっと待って。
一体、それはどういうこと?

「あんたを逃したら、この道明氏家は絶えるよ。」
「へ?」
「あの潔癖で、今まで女性を毛嫌いされていた坊ちゃんが、女性をお邸に連れて来て、自室の寝室に連れ込むなんて・・」
「連れ込むっ!!」
「奥様が聞かれたら涙を流して喜ぶよ。」
「え?」
「何をすっとぼけてんだい。坊ちゃんが、その気になった女性は、あんただけだって言ってんだよ。」

へ?
ええーっ!?
ちょっと、待って。
だって、道明寺司だよ。
恋人なんて、今までたくさんいたんじゃないの?
昨日だって、その・・・私のこと、ちゃんとリードしてくれてたんだよ。

それって・・・それって・・・
道明寺も、初めてだったってこと・・?

・・・・本当に?
信じられない・・・・・・。


「あたしゃ、初めて見たんだよ。坊ちゃんがあんなに楽しそうに食事をなさるのを。だから、坊ちゃんを見捨てないでやっておくれよ。」
「やだ・・見捨てるだなんて・・」
「もしも、坊ちゃんを捨てるようなことがあれば、このタマ、命を絶つからね。」
「え・・?」

「あんたが、坊ちゃんを捨てたら、あたしゃ、死ぬよ。」
「ええーっ?どうしてっ!!」
「坊ちゃんは、あたしの孫のようなもんだからね。あたしゃ、確信したよ。あたしの後を任せられるのは、あんたしかいないってね。」

いやいや・・そんな。
急に、そんなこと言われたって・・・。


「坊ちゃんを幸せにできるはのは、あんただけだよ。」

そう言って、タマさんがポロリと涙をこぼした。

「後生だよ・・つくし・・・。」
「タマさん、そんな・・泣かないでください。」

私だって、道明寺を幸せにしてあげたいと思ってる。
それなりに覚悟をして、彼に抱かれたんだから・・・。


「タマさん。大丈夫です。私・・頑張りますからっ!」
「そうかい・・頼んだよ!」


私って、情に流されやすいのよね・・・。
何てこと約束しちゃってるんだろう。

でも、私の両手を包むタマさんの手を振り払うことなんてできなかったの。

なんだか変なことになっちゃった。
いつの間にか、道明寺との結婚に向けて前向きに考えようとする自分がいる。

不思議・・。

この広いお邸も、たくさんのメイドさんも、何もかも。
全てをひっくるめて、道明寺司を受け入れてあげたいな・・と思った。


その時、タマさんが下を向いたまま、べーって舌を出して笑っていたことなんて、全く気がつかなかったんだけどね。



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暑いですね~。
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