花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

金曜から土曜にかけて、俺は九州出張だった。
スケジュールを前倒ししながら、全ての仕事を終えて、東京に戻ったのは夜7時。
予定よりだいぶ早く帰れる。
今日はゆっくり牧野と話をするつもりだ。
 
そんな俺に、西田が言った。
「支社長、今日はお邸にお戻りください。」
「あ?なんでだよ。」
「牧野さんが急用でご実家に帰られたので、マンションに食事の用意ができなかったようです。」
 
「あいつ、なんかあったのか?」
「タマさんから連絡があっただけで、詳しくは聞いておりませんが。」
「すぐ、邸に帰る。」
 
俺はすぐにリムジンにのり、邸に戻った。
出迎えたタマからあいつのことを聞くためだ。
もしや、勝手に仕事を辞めたとかじゃねぇよな。

 
予想とは違い、タマによると、あいつは夕方から熱が出たらしく、風邪を俺にうつすかもしれないと心配して、実家に帰ったそうだ。
ちょっとほっとしたが、あいつ、なんで連絡して来ねぇんだよ、と腹も立つ。
 
「あいつの実家ってどこだ?」
「どこでしたかねぇ。八王子だったか。履歴書をみればわかりますが。」
 
俺は牧野の携帯に連絡を入れた。
けど、通じねぇ。
 
「タマ、あいつに食事持っていくから、準備しろ。」
そういう俺に、タマがニヤッと笑って、
「坊ちゃん。つくしはいい子ですよ。大事にしてやってくださいよ。」
と言ってくる。
んなこと、十分わかってんだよ。
 
 
でかい弁当や果物、タマが準備した薬類を持たされ、俺は再びリムジンに乗り込んだ。
履歴書に書いてある住所は八王子。
速攻で行くように指示を出して、俺はその履歴書を眺めた。
 
両親と弟か。
弟は、仙台の大学生らしい。
両親にも、挨拶ぐらいしとくかな・・なんてことをいろいろと考えているうちに、牧野の実家に到着した。
時間はすでに21時前だ。
 
見間違えか?と思うほどに、ぼろい団地。
崩れるんじゃねぇの?
入口に並ぶポストの201に「牧野」の文字。
間違ってねぇな。
 
俺は、階段をあがり、201を目指した。
 

 
*****

 
 
あたしは朝から調子が悪かったんだけど、寝ていれば治るかなと様子を見ていた。
夜には道明寺が帰ってくるから、話もするつもりだった。

道明寺から話があると言われて、「ついにこの日が来た」と思った。
恋人役は必要なくなったってこと?
あたしの役目は終わりなんだよね?

これでちゃんと終わりにしよう、終わりにできる、そう思っていた。
でも、夕方から熱が上がって、道明寺に風邪をうつす危険性があったから、タマ先輩に連絡して実家に戻ってきた。
 
熱でぼんやりとしながらも、眠れなくて、道明寺のことを考えていた。
これが最後なら、正直にあたしの気持ちを話そうかとか。
思い切って自分の気持ちを伝えた方が悔いが残らないのかもとか。
メイドを辞めてしまえば、後腐れはなくなる。
道明寺に迷惑顔をされたら、辛いけど・・
あいつは優しいから、きっと断る時だって優しいに違いない。
でも、優しくされたら諦められないかも知れないな・・。

 
そんなことをグルグルと考えていると、「ピンポーン」とチャイムが鳴った。
誰よ。こんな時間に。
今日はパパもママも地域のカラオケ大会だからいないのに。
あたしも、パジャマだし、具合も悪いし、頭もぼさぼさだから、出られないよ。
放っておいて!
そう思って無視しているのに、いつまでも鳴り続けるチャイムの音。
もう!近所迷惑!
 
仕方なく、あたしはよろよろと起き上がり、玄関ドアを開けた。
すると、そこには・・・
 

「・・・道明寺??」
あれ?見間違い??
道明寺司が大荷物を持って立っている。
 
「遅せぇよ。早く出ろよ。」
そういって、許可もなく、ズカズカをあたしの実家に入ってきた。
 
「ちょっと、ちょっと待って!くつっ、靴脱いでっ!」
そういって道明寺を引き留めようとした手が空回り、あたしは床に突っ伏しそうになった。
 
「きゃっ。」
ぶつかるっと思った瞬間、ふわっと抱きとめられた。
 
「お前、あぶねぇよ。そそっかしいな。」
あんたが急に来るからでしょうが!って、えっ?
「熱、高いな。」
そういって、心配そうにあたしのおでこを触っている道明寺。
その道明寺の顔が至近距離。
 

この人何しに来んだろう?
ここで話をするつもりなの?
そんな、困るよ・・。
熱で、ちゃんと頭が働かない・・。
 
 

 
しーん。
うちの茶の間で、二人向き合って座った。
 
そうだ、お茶、出さなきゃ。
そう思って、立ち上がろうとしたけれど、熱でふらつく。
 
「座っとけよ。メシ、持ってきたけど、その熱じゃ食えそうにねぇな。とりあえず、解熱剤飲むか?」
あたしは、ぼーっと道明寺を見上げて、首をひねった。
 
薬って・・?
どうしてこの人がここにいるのか、未だに分からない。
話をしに来たんじゃないの?
 
 
道明寺が立ち上がって、うちのコップに持ってきたペットボトルのお水を入れた。
それで、薬をあたしの口に含ませて、コップを口元に運んでくれる。
あたしは、なされるがままだ。
ゴクン、と薬を飲み込んだ。
 
「なんでここにいるの?話をしに来たの?」
「お前が具合わりぃっていうから、心配したんだろうがっ。」
とちょっと怒ってる道明寺。
「具合悪い時ぐらい、俺に連絡しろよ。」
 

なんであんたに連絡するのよ。
なんでそんな目で見るのよ。
意味わかんない。
こういう優しいことするから、あたし、勘違いしそうじゃないの。
 

この時あたしは、 熱があったから、自分に自制が効かなかったんだと思う・・。
 

「あたしがいなくなったら、道明寺、困るもんね。恋人役がいなかったら、大変なんだもんね。だから、あたしのこと大事にしてくれるんだ。そうなんだ。
でもね、好きでもない人に、こんなことしちゃダメなんだから。勘違いしちゃうんだから。道明寺のこと、好きになっちゃうんだから。だから、やめてよね。」


ダメだよ・・あたし。
こんなこと、言っちゃダメ・・。
そう思うのに、やめることはできなくて・・。
 

その後の記憶は全くない。
たぶんあたしは、そのまま眠っちゃったみたいだ。
 

 

にほんブログ村
いつも応援ありがとうございます。
言っちゃったよ、つくしちゃん!
30話にして、やっとの展開(笑)。
関連記事
スポンサーサイト

  1. 理想の恋人
  2. / comment:2
  3. [ edit ]

ありがとうございます(#^.^#)

  1. 2016/11/18(金) 21:35:13 |
  2. URL |
  3. happyending
  4. [ edit ]
拍手、コメント、ありがとうございます。
元気が出てきます!

さてさて、気が付けばもう30話で、驚きです。
まだ、さくっと終わらせられないだろうしなぁ。
困った、困った。

集中力の短い私には、短めのお話しが向いているのかも知れない・・・。

とはいえ、一気に進んでいくために、今週も頑張ってアップ予定です。
いい加減に、二人をなんとかしないといけませんしね!
頑張ります!

管理人のみ閲覧できます

  1. 2016/11/18(金) 07:36:40 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

 管理者にだけ表示を許可する
 
 

プロフィール

Author:Happyending
ときどき浮かぶ妄想を書き留めたくて始めました。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2017 08  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -