花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

どれぐらい眠っていたんだろう。
少し気分が良くなってきて、誰かの話し声で目が覚めた。
 
「まぁ、つくしの上司の方ですか?こんな、素敵な方が?まぁ、まぁ。あの子ったら、仕事のことを全く話さないんですよ。こんな素敵な方の秘書をしているなんて。」
とママの声が聞こえる。
 
「つくしの父でごじゃるまる・・・」
なに言っちゃってんの、パパ。
 
「道明寺司です。つくしさんにはよく働いてもらっています。」
どっ、どうみょうじ~!?
 
あたしは慌てて起き上がり、襖を開け放った。
そこには、小さなちゃぶ台の周りを、パパ・ママ・道明寺が囲む光景。

 
「道明寺!」
「おう、起きたかよ。具合どうだ?」
 
「なっ、何で?!」
「つくしっ、道明寺さんはわざわざあんたのお見舞いに来てくださったのよ。つくしったら、こんな素敵な上司の方がいるなんで、言っていなかったじゃないの。ママ、びっくりよ~。」
「いや、その、上司っていうか・・・」
 
「牧野は、家族同然ですから、当然のことです。」
 
「「「ええっ?」」」
 
道明寺!
大丈夫?
あんた、日本語、分かってる?
あんたはあたしの雇い主だよ?
家族同然って、どういうことよっ。
 
あたふたするあたしを面白そうに見つめて、あたしのおでこを触りながら、道明寺が言った。
「熱、下がったみてぇだな。リムジンで来てるから、一緒に帰るか。」
そっ、そんなの、無理!

「いえ、あたしは、明日電車で帰ります。」
と必死で断ったのに、
「つくしっ、道明寺さんと一緒に帰りなさい!」
 
ママ・・ほんと勘弁して・・・
今、道明寺と二人きりなんて・・困る・・・



あたしが着替えを終えて、道明寺と一緒にリムジンに乗り込む間際に、パパとママに向かって道明寺が言った。
「つくしさんのことは、僕にお任せください。」

その言葉に、おお~っと喜んで半狂乱の二人を残して、ドアが閉まった。 
 
 
帰りの車内で、あたしは頭を悩ませていた。
記憶が確かなら、あたしはたぶん、とんでもないことをこの人に言ったはずだ。
チラチラっと、道明寺の様子を伺ってみるけど・・・なんかニヤけてる?
すごく怒られるかも知れないって思っていたんだけど、隣に座るこの人があまりに上機嫌で、まるで何事もなかったみたいだ。
 
あっ、そうか~、なんだ、そっか、夢だったんだ。
そうかぁ。良かったぁ。
そう思った時に、
 
「俺は、お前に勘違いしてほしいよ。」
という道明寺の声。
 
驚いて振り仰ぐと、優しい表情の道明寺。
 
「俺は、お前に勘違いしてほしい。そんで、俺のこと好きになって欲しい。」

 

*****

 
 
あれから二人とも無言で、マンションに帰ってきた。
エレベーターを降りると、道明寺があたしのオデコに手を当てて、
「熱、下がってんな。シャワー浴びて、着替えろよ。」
とだけ言い残して、自分も部屋に戻っていった。

それであたしは黙々とシャワーを浴びて、現在に至る。
あたしは、リムジンの中で道明寺が言った言葉を思い返していた。

あっ、あれって、聞き間違いじゃないよね?
あたし、勘違いしてもいいって・・
あたしが道明寺のこと好きでも困らないってこと?

本気で言ってるの?
 
 
その時、コンコンッとノックの音。
入ってきたのは、もちろん道明寺だ。
 
 
「気分どうだ?」
「大丈夫。元気になった。」
「そっか、良かった。ちょっと話できるか?」
「うん。」
そう言って、腰かけていたベッドから立ち上がったあたしを、もう一度ベッドサイドに座らせて、道明寺はあたしのデスクの椅子を持ってきた。
 
向かい合って座るあたし達は超至近距離。
道明寺があたしの両手を握った。
 
「さっきの話だけど。」
「うん。」
あたしは、顔が真っ赤になる。
 

「俺はお前が好きだ。ずっと前からだ。だから、お前が俺を好きになってくれたら、すげぇうれしい。本当は、変装なんて、姑息な手は使いたくなかった。けど、そうしねぇとお前、俺のこと意識しようとなんてしなかったよな?」
 
道明寺があたしを好き?
嘘でしょ?
 
「お前が秘書になって、実は優秀だっていう、うれしい誤算もあったけど、そんなことは副産物で、俺はお前を近くに置いて、俺のことを好きになってほしかっただけだ。」
 
そうなんだ・・でも・・
 
「でも、あたしと道明寺じゃ、つり合わないでしょ。道明寺には、お金持ちのお嬢様がお似合いでしょ?」
 
「それって、大事なことか?」
 
・・・。

「俺の理想の女は、金とかステータスとかそういうもんに溢れてるやつじゃねぇよ。俺の理想は、俺がずっとそばにいたいと思える女。そんなやつ、今まで一人しか出会ったことねぇよ。牧野、お前しかいない。」

 
道明寺が真剣に話してくれていることが分かる。
あたしも、何か返事をしなきゃいけないのに、返事が思いつかない。
この人の胸に飛び込んでいいのかわからない。
 
戸惑っているあたしに、道明寺がちょっと笑って言った。
 
『お前の理想の男ってどんなやつ?』
 


 

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いつも応援ありがとうございます。
今週末も、休まず更新の予定です。

今朝、起きてから見直して、ちょっと納得いかないところがあった後半を少し直しました。
8時前に見られた方はすこーしだけ違っているかも。すみません。
気が付かないかもしれないけど・・・。
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  1. 理想の恋人
  2. / comment:3
  3. [ edit ]

すごい!!

  1. 2016/11/19(土) 14:34:57 |
  2. URL |
  3. happyending
  4. [ edit ]
皆様、いつも応援ありがとうございます。
大変励みになっております。

気付かれた方がどれほどいらっしゃるかは分からないのですが、今朝8時前にちょっとだけ変更した部分があります。
そのことは、本文末のコメントに追記させていただいたのですが、きっと、8時までにすでに見た人は追記コメントも含めて、なかなか気づかないよな~と思っていたんです。

しかし!コメントを頂きましたよ。匿名でしたが、M様。

> 今朝と変えたところは「道明寺が私のこと好き?嘘でしょ?」のところでしょうか? つくしの心の声が変わった気がするのですが。。

その通りでございます!
それで、訂正前は、「それは、そうかも知れない」です。

この場面は、司君の告白なんですよ!皆さん!
それなのに、このつくしの反応の薄さ!
「無理やり変装させなきゃ、俺のこと意識しなかっただろ?」に対する、「そうかも知れない」だったんですが、その前に、「好きだ」って告白されてるんですよ!
司にしてみれば、「お前、反応薄くね?知ってたのかよ。」ってな気持ちになりそう。

もちろんつくしは知らなかったからこそ、から回っていた訳で・・。
私は、毎回朝に投稿を確認していますが、たじろぎましたよ!
今日に限って、チェックが遅かったことが悔やまれます。。。。

そしてM様、気付かれたということは、2回は読んでいただいたということですよね。いやはや、本当にありがとうございます。楽しんでいただけているのであれば良かったです。
また、ほかにも気づかれた方がいらっしゃるかも知れないですね。いつも読んでいただいて、感謝・感謝です。
頑張って書いていけそうです。
また、応援よろしくお願いいたします!

管理人のみ閲覧できます

  1. 2016/11/19(土) 13:16:09 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

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  1. 2016/11/19(土) 05:06:30 |
  2. |
  3. [ edit ]
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