花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

ニューヨークに到着して、俺たちは、ウエストチェスターにあるうちの邸に入った。
リムジンで邸の門を通過すると、
「すごい・・」
と牧野が一言。
「世田谷よりは狭いんだぜ。」
と言う俺に、
「十分広いっつーの。」
とツッコミを入れてきた。


玄関をくぐり、使用人たちが整列する中を、ペコペコと頭を下げながら歩く姿がこいつらしい。
俺の部屋へ案内し、
「俺はいったん会社に行ってくる。夜は、ここでメシを食うことになってるから。その時にオヤジたちにお前を紹介する。」
「うん。わかった。」
さすがに、緊張が顔ににじみ出ている牧野。
「心配すんな。」
と抱きしめて、チュッと軽く唇を合わせた。
「ん。行ってらっしゃい。」
そう言いながらも牧野が俺にぎゅっとしがみ付く。
絶対に手放さないから心配すんな、という気持ちを込めて、牧野の背中をゆっくりとさすった。
それから、ゆっくりと互いに体を離して、俺はマンハッタンへ向かった。




道明寺ホールディングス ニューヨーク本社の社長室。
そこで、ババァこと社長と向かい合い、イタリアの航空会社の視察を報告した。
航空部門というよりは、宇宙開発を視野にいれているんだが、この分野は未だ未知の領域で、どの程度まで利益回収が可能かは本当に分からない。投資額も膨大になるため、十分な検討をしたとしても、やはりリスクが大きい。俺は今回の視察で、どうせならアメリカの日系企業に投資してもいいのではないかとも考えていた。そのあたりはババァも検討していたらしく、もう少し状況を見ることになった。
メープル創業30周年の企画については、ヨーロッパでの企画にはGoサインが出された。記念品は、革製品を複数用意する案でOKが出た。香水は欧米のみ。日本では、焼き菓子などを検討する。これからは、日本での30周年企画も詰めていかなければならない。すでにメープル東京で会議は進んでいるが、企画内容は今年度中に最終決定する予定だ。アメリカはババァ自らが指揮をとるという気合の入れようだからな。日本も失敗は許されない。

報告が終わり、退室する間際に、俺は一言確認を入れた。
「社長、今晩、約束の時間に邸で待っています。よろしくお願いします。」
「分かっているわ。会長も戻られるから。楽しみにしているわ。」
小さく笑う鉄の女。
この笑いの意味が分かんねぇ。
油断はなんねぇなと気を引き締めた。



夕食は19時からの予定だった。
俺は急いで、18時に帰宅したが、牧野がいねぇ。
どこ行った?
この邸で誘拐なんてありえねぇ。
探し回る俺に、執事の男が、こう言った。

「牧野様は、お出かけになりました。」

はぁ?
初めてのニューヨークで、どこに行くっつーんだよ!



*****



道明寺が会社に向かった後、しばらくはお部屋をウロウロと観察していた。
あたしが知らないニューヨーク時代の道明寺。
どんな生活をしていたのかな?

あまりに綺麗に整頓されていて、ツッコミどころもないようなお部屋。
きょろきょろとしていると、部屋のマントルピースの上に、写真立てが一つ。
綺麗な女性のウエディングドレス姿。
これって・・もしかして・・・。

その時、
バッターン!!
とすごい勢いでドアが開いた。

「司!帰ってるの!?」
飛び込んできたのは、写真の女性?
だけど雰囲気が全然違う。

「あら?あなた、もしかして・・。司の彼女?マキ・・さん?」
と言いながら、首をひねっている。

「いえ、その、あたしは、牧野つくしと言いまして、司さんのメイドをしていて、それで、今は・・」
「あの子ったら!女っ気ないと思って心配していたのに、まさか、二股かけていたなんて!」
「ちっ、違います!誤解です!」

慌てるあたしを、女性がじっと見つめてくる。
めちゃくちゃ、道明寺に似てる。

「じゃあ、どうしてここにいるのかしら?」
「あの、今日は、司さんと、こちらでお食事をする約束で。」
「じゃあ、司が父と母に紹介したい女性っていうのは、あなたなのね?」
「はい。そう・・です。」
「はぁ。びっくりした。でも、そうなのね。司、噂の女性とは別れたのね。」
え?完全に誤解してるよね?

「あっ、いえ、そうではなくて・・」
「大丈夫。私は、司の姉よ。椿っていうの。私は、つくしちゃんの味方よ!」
「えぇっ?」
「マキさん、だったかしら?噂になっていた女性。確かに、綺麗だし、仕事もできるっていう話だったけど、写真でみただけだけど、なんとなく、ブリブリしたお嬢さんって感じだったわね。司の趣味にいちいちケチつけるつもりはないんだけれど、あたしはつくしちゃんのような、落ち着いた子が好きだわ。司はいい目をしてるわね。さすがは我が弟!」
いやはや、どちらも私なんですけど・・。

「いえ、お姉さん、誤解で・・」
「まぁ、お姉さんって言ってくれるのね。可愛いわ~。」
「ぐぇっ。」
すごい力で抱きしめられた。確かに、強烈・・かも・・。


「つくしちゃん、お買い物行きましょう!妹ができたら、一緒にお買い物に行くのが夢だったの!ディナーまでには帰るから。ねっ。」
ひぇ~。人の話なんて聞いてないっ!
お姉さんに強引に引きずられる形で、あたしは道明寺の部屋を出て行った。


「時間があまりないわね。デパートにたくさんのブランドが入っているから、今日はそちらにしましょう。」
そう言って、運転手さんに行先を告げて、到着したのは、素晴らしく高級なデパート。
ショーウィンドウにディスプレーされている洋服や小物も、名だたる高級ブランドの品物ばかり。
とてもあたしには着こなせそうもない。
あたしは、ニューヨークはもちろん初めてで、本当なら自由の女神とかメトロポリタン美術館とかに行きたかったんだけれど、ここはセレブ御用達の五番街にある有名デパート。
一応、道明寺が用意してくれたコーディネートだから、たぶん恥はかかないと思うけれど、すごく緊張する。

お姉さんとデパートに入ると、さっと店員さんが挨拶に出てきた。
「道明寺様、ご無沙汰しております。」
「ええ。ありがとう。今日は、私の妹にいろいろ見立てたいの。」
妹!?
驚くあたしだったけれど、店員さんはさすがはプロ。
動揺することなく、あたし達をレディースフロアへ案内した。

「少し自由に選ぶから。ありがとう。」
と店員さんを少し離して、お姉さんがあたしの腕を引いていく。

そこからはすごかった。道明寺なんて比じゃないよ!
次から次へと試着。
一つ気に入った服が見つかれば、それに合わせて全身をコーディネート。
靴やカバン、アクセサリーまでワンセットとして購入。
それを繰り返すのよ!
セレブって、いったいどんな価値観なの?
道明寺の買い物もすごいと思ったけど、お姉さんはその上を行くみたい。

「お姉さん、あたし、こんなに頂いても、着る機会がないです。」
「何を言っているの?これからたくさんあるわよ!」
そうかも知れないけど、今までにも揃えてもらっているし・・。

「そうだっ。いいこと思いついたわ!」
お姉さんはそう言って、別なフロアーへ。

そこには、ランジェリーや部屋着がたくさん。
あたしは、ランジェリーよりもかわいい部屋着に目が釘付けになった。

道明寺からメイド服は禁止って言われているんだけれど、その代わりに着る洋服がなくって、買おうかなって思っていたところだった。
アパートにいる時なら、短パンにTシャツとか、スウェットでよかったんだけれど、恋人の前では、やっぱり可愛いと思われたじゃない?

このモコモコ上下とか、このロングワンピとか、かわいいなぁ。
こんなのなら、このままエプロンして、お料理しても全然大丈夫だよね。
いいなぁ。

「つくしちゃん、それが気に入ったの?」
とお姉さん。
「はい、あたし、道明寺のマンションでメイドしているんす。だから、こういうお洗濯を自分でできるような部屋着が欲しくって。」
「なるほど。も~、つくしちゃんったら、かわいいわね!メイド服じゃ、味気ないものねっ。」
いや、あたしはメイド服でもいいんですけど・・・道明寺がダメって言うから・・・

と答えようと思った瞬間に、
「ということは、二人は同棲しているってわけね?司ってば、やるわね。女になんて興味ないなんて言っておいて、いきなり同棲なんて。」
お姉さん・・何度も言いますが、メイドとして一緒に暮らし始めただけで、同棲では・・・

「つくしちゃん、任せて!案外あいつって、かわいい奴なのよ!彼女が、こんな姿でマンションで待っていたら、泣いて喜ぶわ!」
そんなことを言いながら、手に取っているのは、レースのネグリジェ。
ひょえ~!お姉さん、聞いてました?部屋着ですよ。
そんな悩殺もの着て、どうするんですかっ。


それからあたしは全身の採寸をされ、椿お姉さんに言われるがままにランジェリーを購入。
こんなの着られないよ~という、悩殺ランジェリーをたくさん手に入れてしまった。



 

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対面前に、椿お姉さんを投入!
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  1. 理想の恋人
  2. / comment:2
  3. [ edit ]

こんばんは(^^)

  1. 2016/11/28(月) 21:36:19 |
  2. URL |
  3. happyending
  4. [ edit ]
いつも応援ありがとうございます。

お姉さん、勢いよし。
このままいってほしいけれど・・・
明日どうなるかな?
ちょっとだけ、ドキッとさせちゃうかもしれません。

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  1. 2016/11/28(月) 06:14:35 |
  2. |
  3. [ edit ]
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