花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

道明寺ホールディングス日本支社長 道明寺司の婚約会見は16時ぴったりからメープル東京で行われた。

記者会見の檀上には道明寺司、一人だけ。
婚約相手であるあたしはというと、マンションのソファに座っていた。


あたしが一般人であるということで、結婚式まではマスコミ報道は控えられる。
だから、この会見は道明寺一人で向かった。
けれど、これからは、婚約者の「牧野つくし」として道明寺の隣にいることになるから、だんだんとあたしの存在は周知されていくはずだ。
「マキ」の時は、いきなり顔出しの記事になったのに、今回は違う。
道明寺ができる限り「つくし」を守ろうとしてくれているんだと思う。

お父様との約束。
婚約相手の「つくし」と道明寺の秘書の「マキ」が同一人物であるということを、今日の記者会見ではっきりさせると、道明寺は言っていた。
そんなにうまくいくのか分からないけど・・・。



あたしはじっとテレビ画面に映る道明寺を見つめた。
『私、道明寺司は、昨日、一般女性と婚約したことをご報告いたします。』

ふふふ。
婚約っていうけどね、特別に何かをしたって訳じゃないの。
結納だってしていないし。まだ何にもしていないのにね。
でも、帰国後すぐに、道明寺はあたしのパパとママに会いに行ってくれた。
きちんと正座をして、
「つくしさんを私に下さい。」
と言う道明寺の爆弾発言に、パパとママも驚いていたっけ。
それから、泣いて喜んで、
「こちらこそ、よろしくお願いします。つくしのこと、煮るなり、焼くなりお好きなようにして下さい。」
なんて言っちゃって、道明寺もびっくりしていたな。
昨日の夜は本当に大変だったんだから・・。
道明寺に言わせると、あたしが飛行機内で煽ったからだって。
本当に「お好きなように」されちゃって、気が付いたらもうカーテンから光が差し込んできていた。
あたしは、起きることもできなくて・・・だから今日は欠勤扱い。
信じられないよ・・本当に、もう!


ベッドの上で、二人で今朝の新聞記事を読んだ。
あたしはその時になって初めて、今日記者会見があるって知ったんだ。
あたしの指輪のことも、スーツのことも、記事になっていた。
「マキ」が身に着けていた指輪とスーツを、同じように身に着けた別の女性の存在。
それはいったい誰なのか?
その答えを知る男が登場するこの記者会見は、相当注目を集めているはずだ。


「結婚式はいつ頃のご予定ですか?」
「入籍だけは近いうちにと考えていますが、式は来年中になると思います。」
そうなの?
もうっ、全然聞いてないしっ。
でも、うれしくて、思わず笑顔になる。
テレビ画面の道明寺も嬉しそう。


「お相手の女性との馴れ初めを教えていただけますか?」
「はい。彼女はもともとは道明寺ホールデングスの系列会社の社員で、職場で知り合いました。知り合ってすぐから、一緒に暮らしていますし、現在は私の秘書を務めてくれています。」

おお~っ、とざわめく会場。
それと同時にすごいカメラのフラッシュ。
道明寺が、幸せそうに笑っていたからだ。

そう言われてみれば、あたし達は、職場恋愛・・なのかな?
知り合ってすぐから、一緒に住んでいるのも本当だけど・・。


「道明寺さんの秘書といいますと・・」
インタビューアーの歯切れが悪い。
この場で聞くべきか迷っているみたい。
そりゃそうだよねぇ。
「ええ、以前より報道に上がっていた女性です。」
「しかし・・・」

「今回婚約した女性は、以前より報道されていた秘書のマキさんと同一人物です。彼女を表に出すに当たっては、少し問題がありました。そのため、彼女の素性を隠すために、姿を変えてもらっていたのです。」

さらにざわめく会場内。

「問題とはどのような?」
「彼女は以前からストーカーに悩まされていました。ですから、本当の姿を見せては、また付け狙われる可能性があった。だから、私が隠したのです。私の大切な女性ですから、自分の近くで守るためにはそうするしかなかった。先日、その被害にも決着がつき、本日はこのように、正真正銘の本人として皆様に紹介できるに至りました。ですが、彼女は一般人ですので、披露宴までは、彼女についての報道を控えていただくようにお願いいたします。」

「では、あの指輪はやはり、道明寺さんご自身がデザインされた、世界でただ一つのリングということですか?」
「もちろん、その通りです。」

会場内からの、祝福の拍手が響き渡った。
あたしも、ぐっと握っていた手から、力が抜けた。
まさか、こういう話の展開になるなんて、全く予想をしていなかった。
事実とは異なるけれど、道明寺のメイドとして一緒に暮らし始めて、それからマキとなっていたことで、確かにストーカー被害は免れ、その被害も道明寺の手によって決着はがついたのは本当のこと。
三沢さんの件に決着がついたのと、あたしがマキを辞める決心がついたのは偶然にも同じ時期だった。
あたしが姿を変えていた理由としては成り立つ。


会場内は道明寺の説明に納得した雰囲気が流れ、インタビューアーが質問を変えた。
「最後に、婚約者の方に一言、お願い致します。」
その質問に、あたしはドキッ。

『私のことを好きになってくれてありがとう。一生大切にします。』

会場内からは、今日一番の、割れんばかりの拍手。





テレビ画面を食い入るように見つめていたあたし。
涙がポロポロと流れた。
でも、これは悲しい涙じゃない。
うれしくて、うれしくて・・・。

あたしだって言いたい。
『あたしのこと、好きになってくれてありがとう。一生傍にいます。』

ねぇ、道明寺。
あたしたちには、きっと、まだまだ、これからいろんなことがあるよね。
それでも、ずっと一緒にいようね。
あたしがあんたを幸せにしてあげるから、覚悟して。

あたしたち、ずっとずっと、愛し合おう。
何年経ったとしても、道明寺があたしの理想の男性だよ。
よそ見なんかできないぐらい、イイ女になるからね。
だから、ずっとあたしを見ていて。
あたしにドキドキしていて。

そして、あたしがいつまでも、道明寺の理想の女性であり続けますように。





*****


会見終了後、俺は速攻でマンションへ戻った。
エレベーターから勢いよく降りた俺を、牧野が出迎える。
ぎゅっと抱きしめ合って、幸せを分かちあった。
それから、吸い付くようにキスを繰り返して、
『ただいま。』
『おかえり。』
と微笑み合った。


どちらからも離れ難くて、しばらくそのまま抱き合っていた。
すると突然、牧野が顔を上げ、こんなことを言う。

『あたしね。本当は、理想の人なんていなかったの。頭に浮かぶこともなかったの。でもね、道明寺のこと、好きになっちゃった。だから、道明寺があたしの理想の人になったのね。ふふっ。あたし、すごく幸せだよ。あたしのこと、好きになってくれてありがとう。』



その言葉に驚く俺。

牧野は、俺の理想の女だ。
ずっとそう思ってきたし、今もそう思っている。
けど、これからどんなに牧野が変わろうと、俺はきっと牧野が好きだ。
牧野を愛することは止められない。
どんな牧野であろうと、牧野が牧野であるかぎり、牧野しか愛せない。

理想に合った女だから好きになったんじゃないんだ。
牧野だから、好きになった。
だから俺の理想も牧野になった。
そういうことか・・・。


俺の心が満たされる。
やっぱり、こいつはすげぇな。
俺を幸せにできる、唯一の人間。



『あたしたち、幸せになろうね。』

牧野の笑顔が、俺を幸せにしてくれる。
どうか、その牧野の笑顔の向かう先は、いつも俺でありますように。


俺達の新しい幸せが、ここから始まる。



Fin.


 

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思いがけず長編になってしまったにもかかわらず、最後までたくさんの応援をしていただき、感謝・感謝です。
最後まで書ききれたのも、皆様の応援があってこそです。
本当にありがとうございました!
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  1. 理想の恋人
  2. / comment:8
  3. [ edit ]

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/01/10(火) 17:17:01 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

本当にありがとうございました。

  1. 2016/12/02(金) 21:29:32 |
  2. URL |
  3. happyending
  4. [ edit ]
たくさんの、たくさんの拍手を頂き、感無量です。

そして、優しいコメント・拍手コメント、ありがとうございます。
時々頂けるコメントにとても励まされて、最終話までたどり着くことができました。そして、こうして、最後にお礼まで頂けるなんて、こんなにうれしいことはありません。

やはり一人一人の方に、お礼をしたほうがいいなぁ、なんて思ったのですが、限られた時間の中、まとめてのお礼しかできていないこと、お許しください。
ねぎらいのお言葉、とても心に沁みました。
大満足ですとのコメントうれしかったです。
二人が理想のカップルだと思っていただけたことも感激です。
超鈍感にやきもきされた気持ち、十分分かっているつもりです(笑)。
拍手コメントの多くは、お疲れ様~と頂きました。
実際、本当に疲れたな~とは思います・・・が、この最終話の拍手やコメントですべてが帳消しになるぐらいにうれしかったです。最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございます!

私のサイトでは珍しく、公開コメントを頂きました、洗濯うさぎ様。
私にとってもマキは愛すべきキャラです。おっしゃるとおり、私にとっても変身願望をかなえてくれるキャラだったかもしれないなぁ(笑)。
なんといっても、最後には司の恋人ですからね!いいなぁ(笑)。

今後のことも含めて、ゆっくりあとがきを書こうと思っています。
現在は思考回路停止中で、この週末はお話しのアップは予定しておりませんが、また来週には何かアップできるといいなとは考えております。
では、皆さま、楽しい週末を!
これからもどうぞよろしくお願いします!

管理人のみ閲覧できます

  1. 2016/12/02(金) 21:22:08 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

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  1. 2016/12/02(金) 11:57:32 |
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  1. 2016/12/02(金) 09:02:02 |
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  1. 2016/12/02(金) 07:54:06 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2016/12/02(金) 07:10:03 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

お疲れ様でした。

  1. 2016/12/02(金) 05:37:53 |
  2. URL |
  3. 洗濯うさぎ
  4. [ edit ]
素敵なお話をありがとうございました。
更新を楽しみにラストまで並走出来て幸せでした。花男の二次小説は私の癒しです。原作終了から随分経ちますので引退される作家さんも多い中、こうして更新され長編を終了されるのは大変な事だとご推察いたします。
それでも我々ファンの為、少しでも長く夢を見させて頂きたいと願っております。
マキは私の中の変身願望を疑似体験できる素敵なキャラでした。優しい楓さんもよかったなー 長くなりました、ごめんなさい。
長編お疲れ様でした。


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