花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

すみません!
明日に予約投稿していました。。。
昨日は日をまたいで投稿したので…ごめんなさい!

*****




つくしは母の勧めで、英徳学園高等部を外部受験し、見事特待生として合格した。
しかし、入学した学校は異世界で、セレブ家庭出身の学生達の中、自分はただただ息をひそめて、ひたすら勉強に励むだけの日々。特に目立つこともなく、淡々とした学生生活を送ることになった。
中等部からの持ち上がり組が大半の中、外部受験組は数名。元々の生活レベルが異なるため、友人などできるはずもなく、当然のことながら、つくしには英徳学園に一人の友人も存在しなかった。

学生たちは、学生専用のカフェでランチをとる者が殆どであったが、彼女は母が手作りした弁当を持参していた。この学園のランチは高額で、牧野家の経済状態ではとても毎日食べることなどできなかった。その上、カフェで弁当を食べている学生などつくしの他にはおらず、彼女は必然的に、学校の非常階段で弁当を食べるようになった。当然一人で。

そんな彼女が高校2年生になった頃、非常階段の1つ下の階に、自分の他にも学生がいることを知った。何故なら、つくしにはいつも非常階段で独り言を口にしてしまう癖があって、偶然その独り言をその人に聞かれ、大声をで笑われてしまったから。
その学生の名前は、花沢類。つくしより一学年年上で、花沢物産の御曹司だった。今までにも様々な独り言を聞かれていたと教えられた時には、つくしは顔から火が出そうな程に恥ずかしかった。
類は常に非常階段に現れるわけではなかったが、いつの間にか、つくしにとって、非常階段は学園で唯一のオアシスになっていた。つくしは学園で誰とも口をきくことはなかったのだが、ここに来れば、たまに訪れる花沢類と話をすることができたから。元来つくしは活発な少女で、英徳学園に入学していなければ、恐らくたくさんの友人に囲まれた、有意義な学生生活が送れていたはずだった。
花沢類は一風変わった人間で、一緒にいてもつくしばかりが話をしていた。聞いているのか聞いていないのか分からない態度をとりながらも、時々鋭い一言を放つ花沢類。
英徳学園という小さな社会の中には、当然のように両親の職業や資産の額に応じて階級があり、高校生と言えども、皆その腹の内を探り合うような学生生活を送る中で、常に自然体な花沢類の言動は、つくしに高校生らしさを思い出させてくれた。つくしは彼に対して自分を取り繕うようなことはせず、自分が貧乏学生であることは正直に話していたし、そんな彼女を類が揶揄するようなこともなかった。
 


道明寺司は、当時高校3年生だった。
道明寺財閥の後継者として常に注目を集める彼は、何かに飢えていた。多忙を極める両親とは、年に一度彼の誕生日に顔を合わせる程度で、ヨーロッパの宮殿を思わせる広い屋敷には、彼の姉が嫁いでしまってからは、彼一人だけが住んでいた。
少年が当然受けるべき両親からの愛情に満たされず、青年になろうとする時期になっても、その飢えから逃れることができないままでいたのだろう。しかし、彼自身はそのことに気がついてはおらず、常にイライラとした自分の精神状態を持て余し、何かといえば難癖をつけて、喧嘩に明け暮れる日々だった。


彼が牧野つくしの存在を知ったのは、偶然だった。
めったに学校になど顔を出さない司であったが、週末に行われるパーティに一緒に参加するよう打診しようと、友人の花沢類を探していた時だった。ビクビクとしながら、「花沢さんは非常階段だと思います。」と答える学生にイラつきながら、司は非常階段への扉を開けた。
するとそこには、綺麗な黒髪を肩下まで垂らした、生き生きとした瞳をした少女が弁当を広げている姿があった。すぐに踵を返そうとした司であったが、どういう訳か、彼女に話しかけていた。

「類の奴、知らねぇか?」
まともな返事など期待していなかった司。
何故話しかけたのかは、彼にも分かってはいなかっただろう。
まさに本能で、そこに理由などなかったはずだ。
「花沢さん?さっきまで一緒にいたんですけど。また、どこかに眠りに行っちゃったのかな?」
驚いたことに彼女からまともな返事が返ってきた。
それは、彼女と類が知り合いだということに他ならない。
司は反射的に、目の前の女のことを、もっと知りたいという衝動にかられた。

「そうか。それでお前はここで何をしているんだ?」
「何って・・。ここでお弁当を食べているだけですけど・・。」
「類も一緒に?」
あの類が女と弁当を食べるなんて信じられない、と考える司。
「いえ、花沢さんはさっきちょっとだけ現れて。でも、この卵焼きはおいしいって言っていましたよ。」
「卵焼き?」
「知りませんか?花沢さんも知らなかったみたいだな。お坊ちゃんはこういうの食べないの?」
そんなつくしの口調に驚く司。
誰に向かって口を聞いているんだ、という苦々しい気持ちもあったが、それ以上に愉快な気分になった。
「俺にも、くれよ。」
自然とそんな言葉を口にする自分自身に司は心の中で苦笑した。
彼はどうしてそんなことを言い出したのか。
類が食べたのなら、自分も食べたいという負けず嫌いな気持ちだったのか。
それとも、もっと彼女に近づきたかったからなのか。あるいは、その両方か。

「ええ~。さっき花沢さんにも1つあげちゃったから、私のが無くなっちゃうな。でも、ママの卵焼きは絶品だから、おすそ分けしてあげます。」
そう言って、つくしは箸におかずをとって持ち上げた。
司は一瞬なんのことかわからず怯みそうになったが、これを食えということだなと理解ができると、つくしの隣に腰を下ろしてからゆっくりと口を近づけ、一切れの卵焼きを口の中に入れた。
「うまい。」
自然と言葉がでた、次の瞬間、
「もう~、駄目じゃない。こういう時はお箸には口をつけないの!おかずだけとってよね!」
と言って、箸をハンカチで拭いているつくしの姿を司は茫然と見つめてしまった。
「どうしたの?」
とつくしに声をかけられた司は、
「お前、俺の名前知ってるか?」
と尋ねた。
すると彼女は、当然というような口調で返してきた。
「知るわけないでしょ。今日会ったばっかりなんだから。あっ、花沢さんのお友達ですか?」
「まぁ、そうだけど。」
類のことは知っているのに、司のことは知らないという彼女。
自分ことを知らない人間などこの学園に存在しないと思っていた司にとっては衝撃だった。

「花沢さんの友達ってことは、きっとかなりな変わり者ね。あなたも。」
そう言いながら、弁当を片づけ始めるつくし。
その時、午後の授業開始前を知らせる予鈴が鳴り始めた。
「もう行かなくっちゃ。」
彼女はさっと立ち上がり、パンパンとスカートの埃を払った。それから司を振り返り、
「じゃあね。」
と言って、彼を見つめながら微笑んで、階段を駆け上がって扉から消えて行った。
彼女が去って行った後、一人残された司はしばらく動くことはなく、彼女が消えた扉の先をじっと見つめていた。


この英徳学園で、彼におもねることなく接してきた少女。
彼女が彼を見つめた視線は柔らかくて、今まで感じたことのない温かさ。
司は生まれて初めて、全身に血液が巡るような感覚を覚えた。



 

にほんブログ村
いつも応援ありがとうございます。
まずは出会いから・・・。
関連記事
スポンサーサイト

  1. My Daddy-Long-Legs(完)
  2. / comment:3
  3. [ edit ]

今朝は失礼いたしました<m(__)m>

  1. 2016/12/07(水) 00:04:30 |
  2. URL |
  3. happyending
  4. [ edit ]
たくさんの拍手、コメントや拍手コメント、ありがとうございます。
今朝はすみませんでした。焦りました~。本当に。
とにかく、投稿はできてよかったです。
いつも予約投稿を失敗しないように、PCの右下のデジタル時計をみて、その日付の翌日に投稿するっと覚えているんですよね。昨日はなかなか書き上げられなくて、0時回ってたのに、1日足してしまっていた。。という訳なのです。

さてさて、このお話、理想の恋人のあとがきで、9話と書いたのですが、色々修正していると、少し増えるかも。と言っても10話とか、11話ぐらいかな。はっきりはしていませんが、15話までは伸びないと思います。お付き合い、よろしくお願いいたします。


管理人のみ閲覧できます

  1. 2016/12/06(火) 08:34:53 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

  1. 2016/12/06(火) 07:25:37 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

 管理者にだけ表示を許可する
 
 

プロフィール

Author:Happyending
ときどき浮かぶ妄想を書き留めたくて始めました。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2017 08  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -