花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

翌日、やはり彼女が気になった司は、昼休みを狙って非常階段に向かった。
ゆっくりと扉を開けると、そこには楽しそうに会話をするつくしと類の姿。
司に気付いた彼女が、「あっ。こんにちは。」と声をかけた。
振り返った類が驚いた顔をしていた。
「司、どうしたの?」
「花沢さん、彼ですよ!さっき話していた人。」
「へぇ。」
何か面白そうな表情の類に少し腹を立てながら、司はズカズカと二人に近づき、類の隣に腰を落ち着けた。

「昨日、お前を探してたんだよ。」
「ああ、昼から帰ったから。何か用だった?」
「いや、急ぎじゃねぇけど。静の誕生日パーティーのことでさ。」
「今回は参加するよ。静のエスコート頼まれてる。」
「マジかよ。あきらと総二郎も女連れらしいし。」
「別にパートナー必須じゃないでしょ。」
「あいつらが女連れてくるとややこしいんだよ。」
つくしは弁当を食べながら、彼らの話を聞くともなく聞いていた。すると、ふいに花沢類がつくしに視線を流した。
「ん?」
怪訝な表情のつくしを無視して、
「司は牧野を連れていけばいいんじゃない?」
などと言い出した。
「はぁ?牧野ってこいつか?」
「ちょっと!失礼ですね!」
「牧野を連れていけば、女除けにはなるでしょ。」
「花沢さん!いい加減にしてください!」
つくしは、いい加減なことをいう花沢類に対して、ひどく怒っていた。
司は、女性同伴など考えてもいなかったが、これほどあからさまに自分を拒否されるのも腹立たしい気がした。司の知る女達というのは、司のパートナーになりたくて、司に色目を使ったり、媚びたりするような者達ばかりだったのだ。

「そうだな。こいつ、連れて行くわ。」
司は自然とそう口にしていた。
自分の隣に女が並ぶことなどを想像などできないというのに、彼女を自分の隣に立たせたくて仕方なかった。司には、自分のことを拒否するつくしに自分の価値を知らしめてやろうという思いも多少はあったが、本当のところを言えば、そんなことよりも、もっと彼女のことを知りたいと思っていた。
司は、彼女を連れて歩く自分を想像すると、幸せな気持ちになれるような気がした。彼女を知れば、どうして自分がそんな気持ちになるのかが分かると思った。
「はぁ?本当にいい加減にしなさいよ、あんたたち!」
つくしは怒り心頭だった。
すると司はにやりと笑い、
「お前、今週土曜日空けとけよ。パーティーは17時からだ。」
「冗談じゃありません。絶対に行きませんから!」
つくしは、途中までしか食べていない弁当に蓋をして、鼻息も荒く去っていったのだった。




「・・・ブッ。ハッ、ハハハハ・・・。」
と同時に笑い出す、司と類。
「類、あいつ誰なんだよ。」 
類を見ながら、司はおかしそうに類を問いただした。
「牧野つくし。高2だよ。」
「お前とはどういう関係?」
「非常階段友達。」
「はぁ?わっかんねぇな。」
「で?司は、本当に牧野を連れて行くの?」
「面白れぇからそうすっかな。」
すると、類は意外そうな目をして司を見た。
この幼なじみが女どころか、人間嫌いで、誰のことも信用していないことは知っていた。その司が、見知らぬ女を同伴するというのだ。
「一応忠告しておくけど、牧野、庶民だから。」
「庶民?」
「高校からの外部入学者だよ。一般家庭の出身。」
「へぇ。ま、その方が面倒くさくねぇか。」
下手に上流階級の女を同伴したりすれば、すぐに週刊誌ネタになるだろうし、その伝手をたどって、彼にビジネスの橋渡しを頼んでくる輩が増える。彼にとっては、何をするにも面倒な世界に生きているのだ。その点、一般家庭出身の女は、そんな駆け引きを必要としないだろう。道明寺財閥の御曹司としてではなく、ただ一人の男として、彼を見てくれるのではないか。実際に彼女は、彼が「道明寺司」であることを知らないぐらいなのだから。司は、彼女には彼が「道明寺司」であることを知られなくてもいいとさえ思った。





藤堂静はつくしよりも3つ年上で、藤堂商事の社長令嬢であり、才色兼備のお嬢様だった。パリコレにも出場経験を持つほどの美貌の持ち主。そんな彼女は、海外ボランティアに積極的に参加したり、モデルとしてのギャラはすべて寄付をしたりしていることも有名で、ひそかに、つくしの憧れの人でもあった。
そんな人のお誕生日会って、どんなだろうな・・・そんな憧れや興味もあったが、もちろんつくしはパーティに行く気などさらさらなかった。
学校では同級生たちが、どこぞのパーティーに行ったとか、有名ブランドの最新作のドレスを購入したとか、そんなことを話ているのは聞こえてきたが、所詮自分には縁のないことなのだと思っていた。


パーティー当日の土曜日。つくしは朝から団子屋でのバイトの予定で、バイト先に向かっていた。すると、見たこともない黒く大きな車が団子屋の前に停車している。お客さんかな?と思ってつくしが脇を通り過ぎようとした時に、車から男性が降りてきた。
「あれ?あんた。」
と驚いた様子で司を見るつくし。降りてきたのは、類の友人だと言った男性だった。
「司だ。」
「司さん?」
「おう。行くぞ。」
それだけ言って、つくしの腕をつかむ司。
「行くぞって何よ。ちょっと、離しなさいよ!あたし、これからバイトなんだから!」
「女将に話は付けてある。」
司はグイグイと彼女の腕を引っ張った。
「何言ってんのよ!は~な~せ~!」
と腕をつかむ司の手を引き剥がそうとするつくし。
しかし、男の力に敵うはずもなく、あれよあれよという間に、つくしは黒塗りの車に押し込まれた。

「つくしちゃんのバイト代は時給850円ですから~。」
という女将の呑気な声が遠くから聞こえてきた。
 


 

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昨日は投稿ミスでご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。
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  1. My Daddy-Long-Legs(完)
  2. / comment:3
  3. [ edit ]

こんばんは(^^♪

  1. 2016/12/07(水) 18:03:18 |
  2. URL |
  3. happyending
  4. [ edit ]
いつも応援ありがとうございます!

プロローグを先に書いた分、まだまだ謎があると思いますが、少しずつ明らかになります。
初恋がつらくて書いた割には、今読んでいると、このお話もそれなりに切ないな・・・あはは。

明日からの数話が私の書きたかったところになります。
初恋の途中で書いていた時には結構幸せだったんだけどな~。う~ん。
って、何のことだかわかりませんよねぇ。
でも、あまりネタバレせずにおきまーす。
ではでは。明日もどうぞお立ち寄りください。

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  1. 2016/12/07(水) 08:30:37 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2016/12/07(水) 06:00:31 |
  2. |
  3. [ edit ]
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