花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

「ごちそうさまでした。」
食事が終わり、つくしは司にお礼を伝えた。彼女が料理の値段を知ることはなかったけれど、彼女には到底支払いのできる店ではないことは明らかだったから、素直にお礼を口にすることができた。
「おう。」
という司の顔は赤い。
店をでると、司はつくしに自分のマフラーを巻き付けた。
「えっ、いいよ。大丈夫。」
そう言って断るつくし。
「寒いから巻いとけよ。」
司は強引につくしにマフラーを貸し出した。
それは照れ隠しが半分と、少しでも彼女と繋がっていたい気持ちが半分だった。
それから、二人は自然と手をつないで歩き出した。
 

二人は街のショーウィンドウを覗きながら歩いた。特に何を買うでもなく、二人手をつなぎ、ブラブラと歩く。どの店もクリスマスの飾りつけが施されていて、見ているだけでも楽しかった。互いにとってこれ以上の幸せはないように思える時間。どちらが告白をした訳でもない関係ではあったが、周りの人々から見れば、間違いなく二人は恋人同士として映っていただろう。
実際に今しがた、二人は将来の約束をしたのだ。司からしてみれば、道明寺に就職しろと伝えた、その意味は将来もずっと自分のそばにいてほしいという願いだったのだが、果たして彼女はどこまで彼の真意を理解し、真剣に考えてくれてるのかは分からなかった。でも、今の彼にはそれでも良かった。まだまだ、この先に二人には時間があると思っていたから・・・。


司にとってのショッピングとは、有名ブランドが揃った行きつけのセレクトショップや自分が好んでいるハイブランドのショップを巡るぐらいのことで、それすらも、いつもならショップを貸し切りにしていた。そもそも、買い物自体、外商が屋敷にくることが殆どだったのだが、つくしが楽しむ姿が見たくて、つくしが入りたいという雑貨屋に入ったり、本屋に入ったりと今までに一度も経験したことのないショッピングを体験していた。出入りする店はどこでも良かったのだ。ただ彼女が隣で笑っていてくれさえすれば。


つくしにとっては、初めて男性と過ごすクリスマスイブ。中学生時代に、友人たちとクリスマスパーティーをしたことはあったが、こうして男性と二人きりでイブにデートをするのは初めて。というよりも、デート自体が初めてだった。道明寺司という男が途轍もないお金持ちで、自分とは釣り合わない人間だと分かっていた。けれど、彼と一緒にいると、いつも楽しかった。独りぼっちの学校でオアシスとなったのは花沢類だったが、いつの間にか司と一緒に非常階段で過ごす時間が増えていた。
彼女はとても活発で元気な印象があったが、実は頑張りすぎて空回りをすることも多かった。頑張りすぎて、一番大事なものが見えなくなって、一人疲れてしまっている時、いつも司が「今一番大切な事」を教えてくれた。彼にはそんなつもりはなかったのかも知れないが、深く考えすぎてしまう傾向にある彼女にとって、司は「大切なものを一瞬で見極められるすごい人」だった。そんな彼から、「自分がトップになるから、道明寺に就職しろ」と言われた。
道明寺ホールディングスは日本一の企業で、実際に就職できる可能性はかなり低い。でも、彼に言われたらできるような気がして、この日からつくしの将来の夢は「道明寺ホールディングス就職」になった。司とずっと一緒にいられるわけではないと分かってはいた。けれど、この約束をすることで、どこかでずっと繋がっていられるような気がした。例え、二人の住む世界は違うのだとしても。
ふと繋いだ手を見つめた。この手は自分のものではないけれど、今この時間は自分だけのもの。それが嬉しかった。本当だったら、どうして彼が彼女と手をつないでいるのか考えるべきなのに、彼女は考えることはしなかった。今、それを考えなくても、十分幸せだったし、まだ時間はあると思っていたから・・・。


 

夕方6時になり、辺りは暗く、クリスマスイルミネーションが明るく灯った頃、二人は帰路についていた。司はまだまだ彼女と一緒にいたかったのだが、クリスマスイブは家族と過ごすという、つくしの家の方針のため、夜は一緒にいることはできないと言われていた。
彼女の家の前の公園で、司はつくしにプレゼントを渡した。
びっくりした表情の彼女に、
「好きな女に渡すプレゼントなんだ。断るな。」
と伝えた。
彼女は真っ赤になりながら、
「うん。」
と答え、受け取った。
それから、
「これはあたしから。大したものじゃなくってごめんね。」
とつくしも彼にプレゼントを渡した。
中身は手作りクッキーだった。
「サンキュ。」
と司が笑い、彼はつくしをそっと抱きしめた。
抱きしめた彼女の体は細く、自分の体にすっぽりと入ってしまうほどに小さい。
そんな小さな体なのに、伝わってくる温度はとても暖かくて・・
もっともっと近づきたいという想いと、恐がらせたくないという想いが司の中で交差した。
つくしはどうしたらいいか分からなかったけれど、抱きしめてくれる彼の想いに応えたくて、彼の背中に腕を回した。
そして、どちらからともなく見つめ合い、互いの唇が重なった。

しばらく無言で抱きしめ合い、それから体を離した。
つくしは自分の首からマフラーを外して、司の首に巻いてあげた。
「ありがとう。また明日・・ね。」
真っ赤になる彼女が可愛くて、司はもう一度身を屈めて、彼女の頬にキスをした。

つくしは家の前で、彼の姿が消えるまで見送った。




*****


つくしはアパートの自室で、司からのプレゼントを開いた。
彼からのプレゼントはネックレスだった。それは不思議な形をしていた。
「土星?」
つくしは、まじまじとネックレスを見つめながら、ふっと笑顔になった。
どうして彼がこれを自分に贈ったのかは分からなかったけれど、大好きな人からのクリスマスプレゼントはとてもうれしいものだったのだ。どちらかがきちんと告白した訳ではなかった。ただ、司から「好きな女」だと言われたつくし。彼女は今までに感じたことのない、舞い上がるような気持ちだった。そして、初めてのキス・・。彼女にとっては、ファーストキスで、物語に出てくるようなシチュエーション。夢の中にでもいるような気分だったに違いない。

夢なら覚めないでほしい、そう願ったのは、偶然ではなかったのだろうか・・・。



 

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いつも応援ありがとうございます。
あうぅ。ついにここまで来てしまいました・・。
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  1. My Daddy-Long-Legs(完)
  2. / comment:3
  3. [ edit ]

いつも応援ありがとうございます^ ^

  1. 2016/12/12(月) 21:11:53 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
たくさんの拍手ありがとうございます。

はじめましての方にもコメントを頂けて、とても嬉しいです。
この先の二人も、読んで頂けたら、本当に嬉しい!
原作とは大きくかけ離れた二人かも知れませんが、私らしい?二次の世界と思って楽しんでいただけると有り難いです。

でも、明日からの展開はちょっと不安だなぁ。
こそっとでも、皆様に読んで頂けますように…。

管理人のみ閲覧できます

  1. 2016/12/12(月) 18:10:37 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2016/12/12(月) 08:37:35 |
  2. |
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