花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

このお話は、『理想の恋人』の続編になります。
*****



「つくし、今日は本当に泊まってくるのか?」
「うん。優紀に会うの、久しぶりなんだ。それに司も、夜は遅くなるんでしょ?」
「まぁな。」

司が名残惜しそうにあたしを見つめてる。
やっぱり、女友達とはいえ、泊まりはダメだったのかな。
でも、優紀に会うのも本当に久しぶりで、今日会わなかったら次にいつ会えるか分からなかった。
だからごめんね。
今日ぐらいはいいよね?許してくれるよね?
土曜日の午後、あたしはマンションを後にした。



「つくし~!久しぶり!」
「優紀~!会いたかった~!」

12月に入り、あたしは、本当に久しぶりに優紀に会う約束をした。
あたしは、この日をずっと楽しみにしていたんだ。

優紀には電話で、あたしが道明寺司と婚約したことは話していた。
でも、婚約会見後の11月から、あたしは司の秘書という立場のまま、メープル30周年企画の道明寺ホールディングス側の担当者として、メープル東京に入りびたりになっていて、かなり忙しい日々を送っていた。
だから、なかなか優紀に会う時間をとることができずにいたんだ。

婚約発表の後、楓社長から直接電話があった。
「ホテルメープルは私が、我が子同様に育ててきた大切なホテルなの。だから、この30周年は私にとっても特別な想いがあるわ。そのメープル東京の30周年企画は、つくしさん、あなたにも加わって頂けないかしら?司の秘書という立場で構わないわ。司とあなたで、この30周年を是非成功させてほしいの。」

そう言われて、あたしにはお断りするなんていう選択肢はなかった。
楓社長、ううん、お義母様が大切にしているホテルの30周年企画に関われるということは、道明寺家の一員として認められることのように思えた。


11月に入ってからは、司の秘書を続けなら、週のほとんどをメープルで過ごし、企画の最終検討会議に参加していた。その結果を司にも報告し、さらに課題をメープルで検討するという繰り返しの毎日。12月中には、企画決定をしなければならず、毎日どこかしらで会議があり、あたしの頭の中は、メープル30周年企画でいっぱいになっていた。

若手経営者たちの共同プロジェクトも進んでいて、司も多忙な毎日だった。
そもそも、いくつものプロジェクトを同時に進行させているのだから、彼には無理矢理作らない限りは、暇というものはないのかも知れない。
あたし達は一緒のマンションに住んでいるから、毎日朝食は一緒に摂っている。でも、夜は、あたしも司も忙しくて、一緒に食事をすることはかなり少なくなった。
今までは、司よりも先に寝てしまうようなことはなかったんだけれど、最近は、司の帰宅を待ちきれずに、ソファで寝てしまっていたりすることもあって、あたしたちはすれ違いが多くなっていた。




婚約発表後すぐ、あたし達は、お互いの名前を『司』『つくし』と呼び合うようになった。
それで、二人でマリッジリングを選んだ。
あの時はすごく盛り上がっていて、リングができたらすぐに入籍しようって約束した。
でも、楓社長からメープル30周年の企画への誘いがあったこともあって、お互いに多忙になってしまったから、今は入籍の話は宙に浮いている。

マリッジリング・・
実は二人で選んだというよりも、司がすでにデザインしていて、それにあたしがOKを出すだけだったんだけどね。とっても素敵なリングで、今つけているお花のリングと重ね付けも可能になっていて、あたしはとってもとっても楽しみにしてる。
何と言っても、司もマリッジをはめるというから、もちろんペアリング。
ジュエリーなんて、あんまり興味がないあたしだったけど、旦那様とのペアリングはやっぱり憧れる。
あのリングはいつできるのかな?
リングができたら・・司の奥さんになれるのかな・・。





「つくし、綺麗になったね~。」
優紀の問いかけにはっと我に返った。
「恋をすると、綺麗になれるってね?」
と、おどけて言う優紀。
「今日は、夜まで、じっくり、つくしの惚気話を聞くからね~」

優紀の部屋で久しぶりのパジャマパーティー。二人でお料理をして、一緒に食卓を囲んでいた。

「ん?つくし、なんか冴えない?」
「ううん。そんなんじゃないんだけどね。」
「どうしたの?道明寺さんと婚約なんて、本当に驚いたけど、つくし、幸せじゃないの?」
「幸せだよ。」

幸せであることは間違いない。
忙しいけれど、お互い愛し合っているのも間違いない。
でも・・あたしは何か不安だ。

それは先日、司にこんなことを言われたから・・・

「メープルの仕事、大変だろ?お前も、最近忙しいし、部屋の掃除は、メイドに任せるか?」

メイドを入れる・・。
そう聞いて、あたしは落ち込んでいるんだ。
あたしは実はとっても欲張りで、マンションでの司の姿を誰にも見せたくない。
彼の私生活はあたしだけが知っていたい。
タマ先輩に頼んだら、来てくれるかも知れない。
でも、先輩だってご高齢で、毎日なんてとても大変だ。
そうなれば、お邸から誰かが来てお掃除やクリーニングの管理をしてくれるってことなんだと思う。

道明寺にとっては何てこと無いことなんだって分かってる。
アメリカ時代だって、司がいない間に掃除はメイドが入っていたって言ってた。
例えメイドさんが入ったところで、多忙な道明寺と会うことなんてきっと無い。
でも、どうしても嫌なの。

だって、普通の恋人同士だったら、二人が暮らしている部屋に、他人が入ることなんて無いでしょ?
恋人の食事のお世話も、身の回りのお世話も、恋人だからできるんじゃないの?
それを、他の人に任せるなんて。
あたしの心が狭いだけなの?

道明寺にとっては当たり前のこと。
それは尊重しようと思っているのに、このことだけはどうしても受け入れられなかった。
だから、返事は保留にしている。



「で?その気持ち、道明寺さんに伝えたの?」
正直な今の気持ちを話したあたしに、優紀が言った。

「言えないよ。」
「何で?」
「だって、道明寺も忙しいし。それに・・」
「つくしのヤキモチだもんね。」
「優紀っ!」

そうなんだ。
分かってる。
あたしのヤキモチなんだって。
だから言えないんだ。

あたし以外の人に、マンションの部屋に入ってほしくない。
司はそう思わないの?


「でもさ、実際結婚したら、仕事はどうするの?今は、臨時でメープルに行っているみたいだけど、これからもそんな風に働くなら、やっぱり、家事は少し任せた方がいいんじゃないの?」

そうなんだよね。仕事・・・。
実はあたしはこれも悩んでいる。
メープルの仕事は遣り甲斐があって楽しい。
でも、仕事が忙しくなるにつれて、以前のように司と一緒にいられる時間が減った。
あたしは、あの部屋のメイドの仕事が好きだった。
司の秘書も楽しかった。
だって、いつも隣には司がいたから。
以前はあれほどメープルでの仕事に憧れていたのに、今はそんな風に思えなくなっていた。


掃除やクリーニングの管理を人に任せれば、きっともう少し自分に余裕ができて、司とのゆったりとした時間もとれるかも知れない。
だけど・・・
司が好きになってくれたのは、メイドをしていたあたしじゃなかったのかな・・なんて思ってしまう。
メープルでの企画の仕事をするために、家事がおろそかになってしまうあたしを、司はどう思うんだろう。
自分がメイドを入れるなんて言うぐらいだから、本当に何とも思ってないのかも知れない。
けど、あいつ、あたしが来るまではタマ先輩以外の女性なんて、マンションに入れてなかったんだよ。それなのに何で・・?


他人にあたし達の暮らす部屋に入ってほしくないのも本当だけれど、実のところ、メイドの仕事が少なくなることで、司の気持ちがあたしから離れてしまうことが不安なのかも知れない。
婚約までしたというのに、あたしはここにきて、やっぱり自分に自信がない。
一体司は、あたしの何を好きになってくれたんだろう。
司の気持ちがあたしから離れていっちゃったらどうしよう。


そっか。あたしはすごく不安なんだ。
司の理想は、『ずっと一緒にいたいと思える女性』。
司はどんなあたしが理想なの?
あたしは本当に何にももってない。
あるのは、「司が好き」っていう気持ちだけ。



あたしが、司と結婚したい理由____
それは誰への遠慮もなく、ずっと彼のそばにいたいから。
朝も、昼も、夜も、一日中、彼に必要とされる自分でありたい。
彼の奥さんになれば、この不安は消えるのかな・・・。



 

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司はどんなつくしも大好きなのにね。
いつも空回りのつくしちゃん・・
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  1. 理想の恋人 番外編
  2. / comment:3
  3. [ edit ]

こんばんは(^^♪

  1. 2016/12/19(月) 22:55:42 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
沢山の拍手、ありがとうございます。

本当ですね~。 ↓のコメントでのだめまま様の言う通りですよ。
この二人は遠慮しすぎ!なのです。
本当に、もうっ!ですね。
まぁ、最後はHappyで終わります。(まだたどり着いていませんが・・・汗)

このお話は、はじめ、メイド出身のつくしって、お邸でやっていけるのかという私の疑問から湧いてきた妄想です。ですので、最終的には、そのあたりも解決させたいと思っています(^_^)v

楽しみです。

  1. 2016/12/19(月) 20:19:54 |
  2. URL |
  3. のだめまま
  4. [ edit ]
happyendingさん、はじめまして。
のだめままと申します。
何時も楽しく拝読させて頂いています。
「理想の恋人」も司に関心のないつくしやつくしを好きになっていく司がとても楽しかったですし、続きが読みたいなぁ〜と思っていたので、今回の続編もとても嬉しいです。
司もつくしもまだ、お互いに遠慮がある様ですね…(#^.^#)
つくしの結婚したい気持がとてもストレートで、それを素直に司に伝えられると良いのですが…。
これからもお話し、楽しみにしています。

管理人のみ閲覧できます

  1. 2016/12/19(月) 06:37:51 |
  2. |
  3. [ edit ]
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