花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

イブの夜、一晩中、愛し合った俺たち。
翌日のクリスマスは、二人とも仕事は入れていなかった。
目が覚めたのは、もう昼すぎで、二人で一緒にシャワーを浴びた。

たかが紙切れ一枚の重み。
昨日までは婚約者だったつくしが、今日は俺の妻だ。
俺の大切な家族ができた・・・腹の底から湧き上がるような幸せ。


「ねぇ。ここにもあたしの洋服があるの?すごくない?」
この道明寺司の妻になったっていうのに、全く変わりのない、いつも通りのつくし。
「完璧な旦那様だと言えよ。」
そんな俺に、つくしの苦笑い。
「いっつも思うんだけど、こういうのって誰が選んでるの?司も忙しいよねぇ。誰かに任せてるの?ほら、このニットとかすごく可愛い。センスいいよねぇ。さすが道明寺家って感じ?」

お前の身に着けるものは、「マキ」の時から、全て俺が選んでるっつーのに、こいつ知らなかったのか?
どんなに忙しくても、お前のことに手抜きなんてしない。
この俺が選んでんだから、お前にぴったりなのは当然だろ?

「今日はどうしよう。クリスマスだからねぇ。うーん。あっ。」
一人でペラペラしゃべりながら、クローゼットを覗き込んでいるこいつがその手を止めた。

「どうした?」
「これ・・。」
「どれ?」
「これ・・・素敵。」

それは、俺がオートクチュールに依頼した、ネイビーのドレス。
パーティーでも対応できる素材だけど、シンプルできっとこいつに似合う。
カシュクールの合わせの部分には共布のリボン。
そこから広がるドレスの裾にはほどよくひだが入っていて上品。
つくしをイメージして作らせた、美しいドレス。
俺は妻になるつくしのために、今回数点のドレスを作らせていた。
これは、その中でも、俺のお気に入りの一枚だ。

「今日は、これを着たい気分かも。」
「いいんじゃね。」
「本当にそう思う?」
「あぁ。」
こいつが嬉しそうに笑う。
そのドレスを選んでくれたこと、俺の方が嬉しいんだけどな。

「じゃあ、司はねぇ・・。」
そう言って、俺の洋服も選び出したつくし。
あーだ、こーだとブツブツいいながら、コーディネートを決めていく。
「ビジネススーツの方が選ぶの簡単だよねぇ。これから、もっと勉強しなくっちゃ。」


夫婦で合わせた服を身に纏う。
そんなことも幸せだと思う。




「んで、今日はどうする?」
つくしが選んだジャケットに袖を通しながら聞いた俺に、
「お邸に行きたい。」
と答えるつくし。

怪訝な顔をする俺に向かって、
「昨日のこと、美樹さんに謝りたい。結局、あたしのヤキモチだったんだもんね。恥ずかしいけど、ちゃんと謝りたいの。それから、タマ先輩にも入籍したことちゃんと伝えたいし。そうだ、ニューヨークのお義父様たちにも、連絡しなくちゃいけないよね。」
「親父たちはもう知ってる。」
「そうなの?でも、ちゃんとお伝えしたいな。」
「近いうちに日本に寄るらしいから、その時にきちんと挨拶しよう。」
「うん。」


「あのね、司。」
真剣な表情のつくしにちょっとビビる。
何か、またくだらねぇこと考えてんのか?

「難しいこと考えんなよ。」
「難しくないけど・・。あのね。これからのことなんだけど。」
「これから?」
「うん。司がいいなら、お邸で暮らさない?」


この発言に俺はメチャクチャ驚いた。
つくしの仕事のことや、家事のこと、それからセキュリティーのことを考えれば、邸で生活するのが一番いいことは分かっていた。
けれど、メイド仲間がいる邸にこいつがすぐに入りたいと思わないだろうと考えて、しばらくは様子をみるつもりだった。

「前にね、タマ先輩がね、あたしたちがお邸に戻ってくるのを待ってるって言ってくれたの。」
「お前はそれでいいのか?やりづらくねぇの?」
「やってみなきゃわからない。けど、逃げたくない。だって、あたしはもう、道明寺司の奥さんなんだもんね。」

つくしの表情は柔らかい。
特に気負っているわけでもなさそうだ。
それなら、こいつの思う通りにさせてやるのも悪くねぇな。
無理と思ったら、マンションにでもメープルにでも逃げればいい。
まぁ、こいつは一度決めたことをそう簡単にやめるとは思えねぇけど。
その見極めは俺の役目だな。

俺はぎゅっとつくしを抱きしめた。
「分かった、邸に戻ろうぜ。」
つくしは嬉しそうに笑って、ぎゅっと俺を抱きしめ返した。




*****


帰宅するなり、整列したメイドや使用人たちに出迎えられた。
先頭に立っていたタマに、
「俺たち、昨日入籍したから。」
と伝えると、タマが顔を妖怪ようにくしゃくしゃにして泣き出した。
それをみて、つくしも号泣。
周りの使用人たちももらい泣き。
その理由が、俺にはイマイチ分かんねぇ。



そして今、俺たちは、遅めのランチ中だ。
「さすがは道明寺邸!」
とご機嫌のつくし。
泣いたり、笑ったり忙しい奴だな、ホント。
まぁ、そーいう素直なところが好きなんだけどな。

昼食も食わずに帰宅した俺たちだったが、すでに遅めのランチにありついていた。
ホテルを出る時に俺が邸に連絡入れていたからこそ、すぐに昼飯にありつけたんだから、これは俺の手柄なんだけどな。
デザートにはつくしの好きなシフォンケーキまで用意されていた。
つくしは、お邸の対応が凄すぎると騒いでいる。
まぁ、いいけど。

ホテルレストランにも劣らない、道明寺家の食事につくしは満足げ。
「お邸に戻ったら、また、お料理教えてもらわないと。」
なんて言ってやがる。
好きにしたらいいんだけどな。
でも、無理だけはすんなよ。
俺は、お前が笑ってくれていたら、それだけでいいんだから。


食事の後は、メイド部屋でタマたちと会う約束をしていた。
「じゃあ、行くか?」
と言った俺に、
「あたし一人で行くから、司は部屋で待っていて。」
と言うつくし。
あ?何でだよ?

「これからは、あたし、このお邸でみんなと仲良くやっていきたいの。司が心配してくれる気持ちは十分分かってるよ。けど、ここはあたしに任せて欲しい。」
そう言うつくしが、輝いて見えた。
さすがは俺が惚れた女だ、そう思った。

「じゃあ、任せた。部屋で待ってるから。」
そうして、つくしは俺に手を振って、廊下の角を曲がって行った。




*****


あたしは、メイド部屋の前で一つ大きく深呼吸。
それから、ドアを開けた。

すると、 パッ、パーン!パーン!!
と次々と鳴り響くクラッカーの音。

驚くあたしに向かって、みんなが言った。
『ご結婚、おめでとうございます!!』

それから、美樹さんが歩いてきた。
「牧野さん・・ううん、もう若奥様になるのかしら。昨日は申し訳ありませんでした。」

そんなことを言われて、あたしは慌てた。
「美樹さん、止めてください。あたし、謝ってもらおうなんて思っていませんから。私の方こそ、失礼なことを言ってすみませんでした。あたし・・自分に自信がなくて、自分のことはなんでも自分でやらなきゃ認めてもらえないと思い込んでいて。司に・・いえ、主人にも嫌われちゃうんじゃないかって思っていたんです。だから、美樹さんにあんなことを。すみませんでした。」

あたしの発言にびっくりするみんな。
タマ先輩もじっとあたしを見つめている。
あたしはそのまま話を続けた。

「あたし達は、今後はこのお邸に戻ろうと思います。仕事も続けると思いますし、お邸内のことは皆さんにたくさん協力をして頂かないと回りません。私もできる限りのことをしようと思っていますが、これからは皆さんと協力し合って、このお邸で楽しく暮らしていきたいと思っているんです。どうか、これからも、あたし達のことよろしくお願いします。」
あたしは、ペコリと頭を下げた。

パチパチパチッとみんなからの拍手。
その音に顔を上げた。
みんなが笑っている。
良かった・・
そう思ったら、自然と涙が出てきた。


「牧野さんらしいわね。私たち、あなたが司様の奥様になって、とっても嬉しいの。だから、こちらこそ、これからもどうぞよろしくお願いします。」
と美樹さん。

「それからね。私の彼、メープルのブライダル部門にいるの。山本っていうんだけどね。」
山本チーフだ。知っている。
「牧野さんの、平日ブライダルの案にとても感動して、あたし達もそのプランで結婚式をあげようかって話をしているの。私たちはメープルで出会ったから、披露宴はとても無理だけれど、チャペル式がメープルでできたら幸せだなって。だから、ありがとう、牧野さん。ううん。奥様。これからも、お仕事も奥様業も頑張って下さい!私たち、なんでも協力しちゃいますからっ!」

うれしいっ。うれしいよ~。
美樹さんのその気持ちがうれしい。
そして、是非ともメープルのチャペルで幸せになって欲しい。

ポロポロと涙をこぼすあたしに、タマ先輩が、
「道明寺家の若奥様が、こんなところで泣くもんじゃないよ!」
と一喝した。

そんなこと言われたって、うれしいものはうれしい。
「いいんです。あたしはこういう奥さんにしかなれないから・・。」
へへへと笑うあたしに、タマ先輩もちょっぴり涙をためた顔で笑ってくれた。



「では、若奥様!ご結婚、おめでとうございまーす!かんぱーい!」
いつの間にやら手に持たされていたシャンパングラス。
それを、お邸のメイドのみんなと飲んだ。


これからあたしは、みんなにたくさん協力してもらおう。
それが、きっと司とあたしにとっての幸せにつながっていくような気がする。


昨日までの自分が嘘のよう。
司の愛情さえあれば、あたしはどこまでも強くなれると分かった。


ありがとね、司。
大好きだよ!



 

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明日は、一応クリスマスバージョンです(笑)。
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