花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

到着した道明寺邸。
あたしの電撃訪問に驚いたタマ先輩だったけど、
「ドレスが必要なんです。」
という真剣なあたしの様子に、やけにうれしそうに頷いて、あたしを衣裳部屋(別名:椿お姉さんからのプレゼント部屋)に案内してくれた。


実をいうとこのお部屋に入るのは初めて。
プレゼントをもらってはここへ預けているんだけど、結局使うことがなかったからね。

部屋に入るなり、桜子が驚いた。
「なんですか、ここ。」
「うひやー、何これ、全部一点ものだよね。」
二人は興味津々とドレス選びを始めた。

あたしもチラチラとドレスを覗いてみているけど、イマイチどういうのがいいのか分からない。

パーティーといえば、高校生の時の道明寺の誕生日パーティー。
あれ以来だな。
道明寺が帰国してから、何度かパーティーへ誘われた。
道明寺と付き合っているなら、いつかは一緒に参加するだろうと思って、今までにあたしなりに努力はしてきた。
けど、やっぱり自信なんて付く訳はなくて、結局、「まだ学生だから。」なんて理由にもならない理由でパートナーは断っていた。
その度に、道明寺が寂しそうにしていたのも分かってた。
あいつはいつもパートナーは連れて歩いていないことも知っていたし、
誰かに頼まれても承諾しないってことも、花沢類から聞いていた。
「だから、牧野が一緒に行ってやりなよ。」
なんて言われていたんだ。


今回の香港だって。本当はね、一緒に行きたかった。
けど一緒に行けばきっと、パーティーに参加することになる。
あたしなんかと一緒に出席したら、もしかして道明寺に恥をかかせちゃうかも知れないし・・・とか色々考えると、どうしても一緒に行くって言えなかった。


でもさ。
あたし、いつからこんなに逃げ腰になっちゃったのかな。
あいつと付き合うっていう時点で、パーティーなんて避けられる訳ないじゃん。
あたしいつまで逃げてんの?
あいつにばっかり無理させるの?
あいつにまた悲しい顔をさせちゃった。

クリスマスイブだからじゃない。
あたしは、道明寺が帰国してから、あいつに甘えすぎてた。
あいつがあたしを大切にしてくれるから、それに甘えてた。
あたし、いつから、そんなお嬢さんになったのよ。
あたしは牧野つくしでしょ。
嵐の中を生きて来たんじゃない。

勝負はまだ始まってもいない。
それなのに、逃げるなんてやっぱりだめ。


ぐっと拳を握り込んだ時に、
「これっ、これがいいよ。つくしっ。」
「そうですね。こちらのドレス、とても素敵です。椿さんのセンスに脱帽です。」


それは、ロイヤルブルーのドレス。
チューブトップのデザインで、スカートは丸く膨らむバルーン型。
後ろが眺めで、前の丈は少し短い。
バックにはリボンが結ばれている。

「このドレスなら、先輩、髪は降ろしたままでいいと思います。」
「うんうん。毛先だけ、少しアレンジしようか。」
「そうですね。片耳だけ出しましょう。それで、そちらのイヤリングを。」

そういって、桜子が指さしたのは、ガラスケースに並べられたジュエリーのなかの一つ。
ライン状に並んだダイヤが揺れるイヤリング。

「ネックレスはいつものやつ?」
と聞く滋さんに、あたしがこくっと頷くと、桜子が笑った。
「いいんじゃないですか?先輩らしい。」

パンプスは、バッグは・・と二人があれこれと決めていく。
あたしは、そんな二人に感謝してる。
ありがとね。
あたしのために、こんなに一生懸命になってくれる。
そんな友達、どんなに探したって他にいないよ。


ここまでしてもらって、あたしにもう逃げ道はない。
ここからは、あたしがどれだけ頑張れるか・・だ。


そこへ、コンコンっとノックの音。
続いて、カチャッとドアが開いた。
入って来たのはタマ先輩。

「つくし、香港に行くのかい?」
「はい。」
「坊ちゃんに会うのかい?」
「そのつもりです。いきなりパーティーに登場して、驚かせてきますよ。」
そう言って、ウインクするあたし。
タマ先輩は嬉しそうに目を細めて、
高級そうな四角いケースをあたしに手渡してきた。

「これは?」
「奥様からだよ。」
「奥様って?魔女ですか?って、あっ、いったー。」

バシッとタマ先輩の杖で太ももに一喝された。
「コホン。奥様から、あんたが、この邸でドレスを着るようになったら、これを渡してくれって頼まれていたんだよ。」
「道明寺のお母さんが・・」

桜子と滋さんもじっと箱を見つめる中、
そのケースの蓋を開いた。


ケースの中には、1本のネックレス。
プラチナと18Kが織りなす不思議な鎖に、ちりばめられた眩いばかりのダイヤモンドたち。
いったい、どれだけのダイヤモンドが使われてるの?

桜子たちもはぁ~と溜息をもらしている。
これは・・・あたしレベルが身に着けるものじゃないよ・・。
それぐらいは、あたしでも分かる。

「先輩、これ・・」
お断りしようと思ったあたしに、タマ先輩が言った。
「受け取りなよ、奥様の気持ち。その青いドレスにぴったりじゃないか。」

「そうだよ。つくし。いつものネックレスもいいけど、今日は、つくしの社交界デビューだよ。司をびっくりさせるんでしょ?だったら、これぐらいのサプライズ、やってもいいでしょ?」
「先輩、私もそう思います。これをお断りされたら、きっと道明寺社長も悲しみます。」

あの魔女が悲しむだろうか・・なんてやっぱり思ってしまうけど、
これが本当に道明寺のお母さんからの品物なのだとしたら・・・

あたしはもう逃げないって決めたから。
だから、
「では、ありがたく頂戴します。」



「きゃー、つくし、フライト時間が迫ってる!急ごう!」
時計を見るとすでに24日の朝10時。
香港までのフライト時間は約5時間。
夕方から始まるパーティーにギリギリだ。


「タマせんぱーい。行ってきまーす!」
あたしは大きく手を振って、香港に向かって飛び立った。



 

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思うままに書いているので、いくつまで続くか分かりません。へへ。
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  1. あたしが幸せになるために(完)
  2. / comment:2
  3. [ edit ]

  1. 2016/12/24(土) 22:41:44 |
  2. URL |
  3. のだめまま
  4. [ edit ]
happyengingさんこんばんは〜⭐️
クリスマスのおはなしありがとうございます。
つくしの本領発揮⁉︎
頼もしい友人がいるつくし、心強いですよね❣️
香港のパーティって、NYや日本とは少し違って、とても賑やかで煌びやかそうですね🌟
つくしから司へのサプライズ・クリスマスプレゼントになりますね♡♡
続きがとっても楽しみです!
Merry Christmas!

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  1. 2016/12/24(土) 22:21:04 |
  2. |
  3. [ edit ]
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