花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

いくら待っても、つくしが部屋に戻って来ない。
もう1時間は経ってるぜ。
何してんだよ!
時計をみれば、16時。
そろそろ動き出さないと、今日は一大イベントがあるからな。

そう思って、メイドたちの部屋へつくしを迎えに行った俺。
ガチャッとドアを開けると、わいわいと騒いでいる女ども。
誰も俺になんて気付いてねぇし。
その中央には真っ赤になっているつくし。
お前っ、何で酒なんか飲んでんだよ!
俺はズカズカ部屋の中央へ進んだ。

「つくし、そろそろ戻るぞ。」
俺の声に、固まるメイドたち。
緊張感が張り詰める中、つくしののんびりした声が響いた。
「あれぇ、迎えに来たの?」

俺は無言でつくしの手を引き、立ち上がらせた。
それから、使用人たちに言った。
「こいつ、すぐ無理するから、お前らで助けてやってくれ。」

ポカーンとするつくしとは対照的に、使用人たちから声がかかった。
「はい、心得ております!司様、ご結婚おめでとうございます!」

湧き上がる拍手の中、俺はつくしを引きづるようにして部屋へ戻った。




「どうしたの?何かあった?急いでるの?」
なんて言いながらも、酒が入っているせいか、口調がいつもよりゆっくりしている。

お前さぁ、今日はクリスマスなんだぜ。
そんで、俺たちは新婚ホヤホヤってやつだろ?
ちょっとは、俺のことも考えろよなっ。

部屋に戻った俺は、テーブルから書類をとり、つくしに見せた。
それは、つくしが提案したウエディングプランの企画書。

「お前さ、こういう式がやりてぇの?」

つくしがびっくりした顔で俺を見上げる。
そのまま無言になった。

「お前が二人だけで式をしたいっていうんなら、俺はその希望を叶えてやりたい。」
「司・・」
「お前はどうしたい?」
「うん・・・。披露宴はお義父様たちの言うように、盛大にするんだよね。それで、式は自由にしていいのなら、あたしは道明寺と二人きりで式がしたい・・かな。でも・・」
「本当にそれでいいんだな。」
「うん。」
「じゃあ、行くか。」
「行くかって・・どこに?」
「結婚式に決まってるだろ?」

びっくり顔のつくし。
俺がこのクリスマスのために、どんだけ準備していたか、お前は知らねぇだろ。
俺は、お前を幸せにするためだったら、なんだってやる男なんだぜ?
まぁ、ちょっとハプニングはあったけどよ。
そこは許してくれよ。



*****


再びリムジンに乗り込んで、到着したのはまたもやメープル。
数時間前に出てきたばかりのメープルにあたし達は戻って来た。
司はそのまま、ブライダルサロンへ直行する。
あたしも引きずられるようにして、慌ててついていった。

クリスマスのメープルは当然のことながら混雑している。
客室もレストランも予約でいっぱい。
ホテルフロアも、クリスマスで着飾った紳士・淑女であふれている。
そんな中を、あたし達は手をつないで歩いた。


ブライダルサロンには数名の担当者が待っていた。
「司、いったい何をするの?」
「だから、結婚式、しようぜ。」
「そんなこと言ったって・・・」

そう言い合いながら通された広い控室で、あたしは目を見張った。
目の前には、ウエディングドレス。
すっきりとしたAラインのシルエット。
でも、生地には細かい刺繍が施され、その金糸の刺繍がキラキラと光っている。
大きく開いた背中には、大きなリボン・・・可愛い・・・。

「これ・・」
「これは、姉貴からのプレゼント。」
「お姉さんから?」

そういえば、ニューヨークでお買い物をしたときに、やけに全身の計測をされていた。
もしかして、あの時から考えてくださっていたのかも。

あたしはただただ茫然として、周りのスタッフに促されるがままに別室へ移動した。
スタッフに手伝ってもらいながら、ドレスを身に着けると驚くほどにぴったり。
するとそこへ、シルバーのタキシードに着替えた司が入って来た。

「似合ってる。」
といって、嬉しそうにあたしを見つめる。

道明寺に見守られながら、髪の毛をアップにしてもらった。
そして、アップされた髪に、道明寺がティアラを付けてくれた。
「これは、親父から。」

うっそぉ。お義父様が?信じられない。
「本当はニューヨークメープルで式をさせたかったみてぇだけど、時間もないしな。諦めたみてぇだ。」
なんだか、申し訳ないよ。
恐ろしいぐらいにダイヤが盛り込まれたティアラ。
これってホンモノだよね、なんて考えてしまうあたしは、やっぱり庶民だよねぇ・・

そして最後につかさが、後ろに回り、あたしの首にパールのネックレスを付けた。
「これはお袋から。」

「綺麗・・」
ただのパールじゃないってことぐらい、素人のあたしでも分かる。
一つ一つの照りが、恐ろしく美しい。
「代々、道明寺家の嫁に引き継がれているネックレスなんだと。」


「ねぇ、司、あたし・・・こんなに道明寺家の人たちから祝福していただけるなんて考えていなかったの。だから、ひっそりと二人で式を挙げたいと思ったの。でも、こんな準備をされたら、この姿を見てもらわないと申し訳ないよ。」

二人だけで式を挙げたかったのは本当。
でもその気持ちの中には、少しだけ不安があったのも事実。
贅沢な式を挙げられるほど、あたしは立派な人間じゃない。
だから、二人だけで、ささやかな式を挙げたかった。

それなのに、こうやって、お義父様や、お義母様、椿お姉さんにお祝いを頂いて、あたしはなんて我儘な人間なのかと気づかされた。
あたしは司のこと、司の家族のこと、きちんと考えてあげられていなかった。
自分のことにばかりに精一杯で、周りが見えていなかった。


どうしよう。
いまさら、どうしたらいい?


「司・・あたし、今更だけど・・やっぱり、ちゃんと家族みんなに、あたし達のこの姿を見て欲しい。せっかく司がこの日に準備してくれたって、分かってる。でも。でもやっぱり、二人だけじゃなくて、家族みんなで幸せになりたい。それじゃ、ダメ?」

こんなこと言ったら怒るよね。
忙しい中をせっかく準備してくれたのに、呆れちゃうよね。
でもね、司。
やっぱりあたし、もう自分勝手はしたくないの。
考えすぎていたのはあたしだけで、道明寺家の皆さんはあたしを迎え入れる準備をしてくれていたのに、その気持ちに答えられないのはやっぱり嫌なの。
分かって・・


そう訴えたあたしに、司がニヤッと笑った。
「今更ガタガタ言うなよ!行こうぜ!」

結局あたしは、司に手を引かれ、あたし達はメープル自慢のウエディングチャペルへ向かった。


あたしをエスコートする司の表情は、満面の笑み。
その笑顔を壊したくなくて、あたしは複雑な気持ちになりながらも、チャペルの扉の前に立った。
本当に結婚式が始まる。
あたし達・・これでいいの?
本当にいいの・・司?



スタッフが、チャペルの扉を開いた。
照明が低く落とされて、クリスマス仕様に淡く光り輝く電飾が光るバージンロード。
バージンロードの先を見つめた、その時に、パッとチャペル内の照明がオレンジ色に灯った。

じっと確認すると、左側の席には、あたしの家族。右側の席には、司の家族が立っている。

うそっ。どうして?

「姉貴がさぁ。どうしても式に参加してぇって聞かなくて。んで、うちの両親も、メープルのチャペルでクリスマスウエディングを見たいとか言い出してよ。そうなったら、つくしの家族にも見てもらいてぇだろ?お前は二人でやりたいって言ったけど、俺はやっぱり、お前の両親にはお前の花嫁姿は見せたかったから、許せよな。」


許すも許さないもないでしょう?
なんて素敵な結婚式。
これ以上の式なんて、絶対にない。

涙が溢れて止まらない。
司にありがとうを言いたくても、胸がいっぱいで何も言葉にならない。
そんなあたしの頬を、司が丁寧にハンカチで拭ってくれた。
何も言わなくても、きっと司は分かってくれる。
そんな素敵な旦那様。
あたし・・甘えっぱなしでごめんね。


それから、あたしは、ママからブーケを受け取って、パパと腕を絡めた。
ママが用意したブーケには、真っ赤なバラと白いバラ。
グリーンの葉もクリスマスっぽくて可愛い。
牧野家にしては洒落たセンス。
きっとこれも司が入れ知恵をしたのかも・・なんて思ったら、ちょっとだけ笑いが出た。

「ありがとう、ママ。」
「こんな素敵な旦那様を逃がすんじゃないわよ。」
やっぱり、ママはママだった。
牧野家はこうでなくっちゃね。

椿お姉さんが、ベールを付けてくれて、その長い裾はお姉さんの二人の子供たちが持ち、ベールボーイとベールガールに。
「よろしくね。」
と微笑むと、
「お家でたくさん練習してきたからね!」
とのお答えに、あたしは椿お姉さんの深い愛情を感じて、また涙が出てきた。


この日のために、あたし以外のみんながこれほどに準備をしてくれていた。
あたし、こんなに幸せでいいの?
この感謝の気持ちを、どう伝えたらいいのか分からないよ。



パパと可愛いベール持ちたちに別れを告げて、あたしは司と祭壇へ向かう。
そして、永遠の愛を誓い、司がデザインしたマリッジリングを互いの薬指に填め合った。
誓いのキスは、心を込めて。
それから、皆の方へ振り返って、二人で深くお辞儀をした。

道明寺家のお義父様も、お義母様も笑ってる。
みんなの笑顔をみて、あたしも言いたくなった。
泣いてる場合じゃないよ。
あたしたちの未来はここから始まるんだから。


「私・・我儘ばかりでごめんなさい。これから、ずっと、よろしくお願いします。」

そう言ったあたしに向けられた言葉はそれぞれで・・
「謝る必要はないわ。このDVDはメープルウェディングのコマーシャルに使うつもりよ。」
「あぁ、つくしさんのティアラはウィルソン氏のところのお嫁さんのものよりも数段上だから、心配いらないよ、楓。」
「当たり前じゃないの。うちの方が若いお嫁さんだしねっ。」
「このドレスだって、私がDiorに直接掛け合ったのよ。ほら、私のときはChanelだったけど、同じじゃ面白くないでしょう?この短期間で作るのは大変だったのよ。DVDを意識して、バックのリボンは特に気を使ったから、絶対に映してよね!」

「いやぁ、道明寺さんとの結婚式では、私たちは参加できないだろうと思ってたんです・・・」
「なんだかんだいって、パパ、バージンロード歩くの楽しみにしてたものねっ。良かったわねっ。」
「姉ちゃん、別人みたいだよ。おめでとう。」


あはは。
あはは・・。
笑いが止まらない。
それでいい。それでいいの。
皆の思いが詰まったウエディング。
皆が楽しければ、幸せならばそれでいい。
あたし達も、すごく幸せ。



その後は、家族みんなで写真撮影。
それから、スイートルームで家族水入らずのホームパーティー。
それも、全部、司が準備してくれたこと。
こんな時間を過ごすことができるなんて、誰が想像できると思う?


あたしの旦那様は、どうしてこんなに出来た人なの?
どうしてこんなに優しいのよ。
それなのに、あたしときたら、
何も返してあげてないよ。

でもね。
これからのあたしの人生で、このお礼を必ずするから。
ずっとあたしの隣にいて欲しい。
それで、ずっと笑顔でいてほしい。
あたしの・・大切な、大切な人。


こうして・・・
HappyなHappyな一夜が過ぎていった。



 

にほんブログ村
いつも応援ありがとうございます!
関連記事
スポンサーサイト

  1. 理想の恋人 番外編
  2. / comment:2
  3. [ edit ]

管理人のみ閲覧できます

  1. 2016/12/25(日) 12:14:04 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

  1. 2016/12/25(日) 06:55:01 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

 管理者にだけ表示を許可する
 
 

プロフィール

Author:Happyending
ときどき浮かぶ妄想を書き留めたくて始めました。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2017 08  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -