花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

あたし達は、その年の末に婚約した。
婚約発表のFAXだけが流され、私がまだ学生であるということで、記者会見は行われなかった。


婚約をしたことで、あたし達の関係はやはり変わったと思う。
まず、あたしは、アパートを出て、道明寺邸に移った。
道明寺の相手は公表されてはいなかったけど、香港パーティーでのあたしの言動はマスコミネタになっていた。
だから、マスコミからあたしを守るためっていう意味もあったと思う。
けど、あたしにとって本当の理由は・・・



香港から帰国するとすぐに、あたしの元に道明寺のお母さんの秘書がやって来た。
そして、重たそうなアタッシュケースから、一通の封筒を取り出して、あたしに読むように促した。

「私のネックレスを受け取ってくださってありがとう。
あなたを道明寺家に迎え入れるために、これから花嫁修業を受けていただきます。
今後は道明寺家に移り住んで、一通りの教育を受けてください。
これを拒否されるのであれば、婚約は認められません。」


あの魔女が、あたしにお礼を書いた。
ネックレスを受け取ったってだけなのに・・
信じらんない。
あたしがお礼を言われる理由も分からなかった。
さらに、その手紙は魔女からの挑戦状でもあった。
道明寺の婚約者になるために、あたしにはきちんとした教育が必要だ。
その教育を道明寺邸で受けろということ。

すでに大学の単位はそろっていたし、卒業論文の提出も終わっていた。
あたしは、すぐにその手紙に返事をした。

「ご提案ありがとうございます。謹んでお受けいたします。
頂いたネックレスに恥じない女性に、必ずなります。」

あたしだって、宣戦布告だ。
この魔女からの条件を飲む形で、あたし達の婚約は成立した。



*****



香港から帰るとすぐに、俺は母親に電話をした。
ビジネス以外のことで電話をしたのなんて初めてかも知んねぇ。
秘書に取り次ぎ頼むと、時間を置かずに電話が繫がった。

「どうしたんです?司さん。」
「牧野との婚約を発表します。そのご報告を。」
「あら、ついに彼女は覚悟を決めたのね。」
「社長が託したネックレスを身に着けて、香港のパーティーに一緒に出席しました。」
「聞いているわ。大変な騒ぎだったらしいわね。」
クフフっという笑いが聞こえた。
電話で笑っている母親なんて見たことねぇ。

「それで?香港リゾートの件はどうなったのかしら?」
「その件は一度白紙に戻します。」
「白紙に?」
「香港事業の現地幹部が、李氏に買収されている可能性があります。」
「なんですって?」
「ですので、企画メンバーを一新します。この指揮は私が執ります。」
「任せるわ。」
「はい。」

「けれど、幹部の買収というのは本当なの?」
「現在、西田が当たっていますが、恐らく間違いありません。今回私が香港に呼び出された経緯も、この幹部の契約書類上のミスと言うことになっていましたが、タイミングがおかしい。」
「そう。」
「それから、李氏は近いうちに脱税容疑で検察から捜索入りそうです。」
「なるほどね。」
「元々、李氏との取引は辞めるつもりでいましたから、今回の件は、牧野に責任はありません。」
「牧野さんの責任を問うつもりなど、初めからないわ。」
「ありがとうございます。」


牧野は今回の件で、うちのリゾート計画に水をさしてしまったのではないかと心配していた。
だから、これだけははっきりさせておきたかった。
李氏が逮捕されるのも恐らく時間の問題だ。
マスコミは今回のパーティーの件を面白可笑しく書き立てているようだが、そのほとんどが、すでに道明寺と李の交渉決裂という内容だった。
そう報道された方が、こちらも都合が良かった。


牧野が俺を追いかけて、香港まで乗り込んできた。
俺には、それが死ぬほどうれしかった。
例え李氏との関係が良好だったとしても、
俺はきっと牧野にキスしてたと思う。


俺はずっと待っていた。
牧野が俺の世界に飛び込んできてくれるのを。
無理やり引きずり出したんじゃ意味がねぇ。
そんなに甘い世界じゃねぇんだ。

あいつが俺の世界に飛び込んできてくれたら、
俺はあいつのために何でもしてやるつもりだった。
それが、この香港というタイミングだった。
あいつが、俺に腕を絡めて、「あたしの彼に触らないで。」と言い放った。
俺の世界に飛び込んできたあいつに、キスぐれぇじゃ足りねぇよ。
あそこがパーティー会場じゃなかったら、ぜってぇその場で押し倒してた。


ババァに言わせりゃ、道明寺家の人間としてはあるまじき言動ってやつだろう。
けど、俺にとっては、最強の言葉だった。


社交界では、俺のパートナーについての噂は絶えなかった。
その昔付き合っていた庶民の女とは当然別れたに違いないと言われても、否定することはしなかった。
否定すれば、きっと牧野がマスコミの餌食になるからだ。
覚悟のない牧野には、きっと耐えることはできなかっただろう。

でも、これからは、飛び込んできたお前を、俺が全力で守ってやる。
「婚約」という形は、その第一歩だ。


電話の向こうで、ババァが言った。
「司さん、婚約おめでとう。」


俺は拳を握りしめた。
4年間、このためにアメリカで努力してきたんだ。
全ては、牧野を手に入れるため。
そのためなら、俺のパワーは無限大だ。



 

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いつも応援ありがとうございます。
司にバトンを渡してしまった・・。
終わらない・・。
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  1. あたしが幸せになるために(完)
  2. / comment:5
  3. [ edit ]

いつもありがとうございます。

  1. 2016/12/28(水) 00:20:01 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
沢山の拍手ありがとうございます。

クリスマス終わってしまいましたが、マイペースで綴っていきたいと思います。

原作流れのお話はほとんど初めてで、ちょっとペースがつかみにくいです。
どうしても、司が甘くなり過ぎちゃう。
まぁ、二次ですけどね。
もっと、俺様全開の司を書いてみたいのに、書けないんだよなぁ。
うーん。

お話の行方もほぼ考えずに書いているのも初めてで、ドキドキしています。
でも、今、モチベーションが低めなので、ちょうどいいかもしれないです。
お付き合いいただけると嬉しいです。

ではでは、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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  1. 2016/12/27(火) 09:19:53 |
  2. |
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  1. 2016/12/27(火) 08:56:20 |
  2. |
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  1. 2016/12/27(火) 07:59:50 |
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  1. 2016/12/27(火) 05:16:09 |
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