花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

今日、12月28日は愛しの牧野の誕生日。
婚約発表は昨日済ませた。
FAXを流すとともに、特に重要な取引先には自ら連絡を入れた。


午前中は仕事だった。
婚約発表の余波もあり、重役会議は長引いた。
俺の婚約については、社長と会長からGoサインがでていたから揉めることはなかったものの、婚約者がいることを公表したからには、道明寺ホールディングスの広告塔としての役割も期待される。
恐らく、年始の挨拶周りは牧野を同行させることになるだろう。
まだ学生である牧野には今すぐに仕事上の付き合いは要求されないが、いずれは表舞台に出る時が来る。
それまでに、あいつに負担のない範囲で、この世界を渡り歩く術を学ばせておかなければならない。

これは俺にとっては頭の痛い問題だった。
俺は、高校の時からあいつに惚れ抜いている。
お人好しで、いつも他人のためにアクセクしてて、
それで結局自分が貧乏くじを引いていても、愚痴をこぼしながらも笑ってやがる。
俺は、そんなあいつが大好きだ。

本当だったら、こんな世界にあいつを入れたくなんてない。
この世界は牧野が牧野らしく生きられる世界ではない。
時には自分の感情を殺さなければならないこともある。
そんなことを、あいつにさせたくはないけど。
けど、俺が幸せになるためには、あいつがどうしても必要だ。
あいつがあいつらしくあるために、俺は今以上にでかくなる必要がある。
それが俺の生き甲斐ってやつだ。

けれど、俺がどんなに守ろうとも、この世界はあいつにとって厳しいだろう。
牧野をつぶしてしまう訳にはいかない。
「道明寺司の婚約者」いや、いずれは「道明寺司の妻」として、
あいつが困らない程度の教育を受けさせる・・・か・・。
しかし、牧野に「奥様教育」なんて言い出したところで、あいつ、こなせんのか?


あいつは結構がり勉タイプで努力家。
だから学校の成績はいいけど、勉強以外のエネルギーはどうやらバイトにつぎ込まれている。
牧野に怒られるから大きな声じゃ言えねぇけど、
俺にとってははした金ってもんを稼ぐための努力は凄まじい。
遠恋中のクリスマスは、必ず日当2万円のケーキ売りだったな。
自腹を切らないように、必死になってた。
(俺は邸のもんに買いに行かせたけど。)
あのエネルギーがあれば、いわゆる「奥様教育」なんてもんは、なんてことねぇような気もするが・・
ようはモチベーションの問題なんだよな。


俺はこれからのことに頭を悩ませつつも、
夕方から、牧野の誕生日を二人で祝うために、必要書類にサインを繰り返した。



*****


「牧野、お前、今どこにいる?」
16時に仕事が終わって、牧野を迎えに行こうとアパートに寄ったのに、あいつがいない。
そんで、俺は慌てて携帯に連絡した。

「どこって?道明寺の家にいるけど?」
「俺んち?」
「うん。今日はホント忙しかったんだから~。あっ、仕事終わったの。早く帰ってきなよ~。待ってるから。」

・・・
なんだ、なんだ。どーいうことだ?
「待ってる」って。
おいおい、何だよ、何だよ、もう、新婚気分か?
いや、待てよ。これまでの経験上、こういうことで浮かれると、あとで冷や水かけられるんだよな。

帰国してから今までに、あいつが勝手に俺んちに来たことなんてない。
あいつに会う時は、いつもこのおんぼろアパートで、強引に誘わない限りは俺んちに来ようとはしなかった。

俺はダッシュでリムジンに戻った。
あいつも、邸に来てんなら、連絡しろっつーの。
「おい、邸へかっ飛ばせ。」
いつもなら、邸に急ぎで帰ることなんてない。
牧野がいるってだけでこの違いだ。



邸のエントランス。
牧野を探すが・・・いねぇ。
俺の額に青筋が立ちそうになった時、

「道明寺っ、おかえりぃ。おつかれさまっ。」
あいつがダッシュで出てきた。

「お前、どうした?」
「どうしたって、何よ?」
「俺んちに来るなんて、珍しいだろ?」
「あれ、聞いてないの?」
「何がだよ。」

「牧野つくしっ、今日からこちらでお世話になりますっ!」

おいっ。可愛く敬礼ポーズとかとってんじゃねーぞ。
そんな話、聞いてねぇぞ。
ポカーンと口を開けている俺に向かって、こいつが言った。

「朝から、引っ越しで大変だったんだから。ねぇねぇ。あたしの部屋、見る?」
「へ・・や?」
「うん。」
「お前、ここで暮らすのか?」
「そうそう。」
「どーして?」
「本当に知らないの?」

あーっ、もう、はっきり言えよ!
何なんだよっ。

「今日からここに住んで、明日から花嫁修業だよ。」
「マジ・・か?」
「マジ。」
「お前、できんのか?」
「何言ってんのよ。あんたと婚約するのに、それが条件だったでしょ?断れるわけないでしょーがっ。」
「条件って・・」
「あんたのお母さんに言われたの。ここに住んで花嫁修業を受けろって。その条件を飲まなきゃ、婚約はさせられないって。」

マジかっ。
あのババァがそんなことを提案していたなんて知らなかった。
しかも、この牧野の明るさ。
俺の心配なんて、どこ吹く風だ。
隣の牧野は鼻歌なんか歌ってやがる。
やっぱ、こいつはすげぇな。
腹をくくった牧野は最強だ。
さすがは俺の女だ。


牧野が俺の腕を引いて歩き出した。
俺の部屋に行くのかと思ったら、その手前の部屋に入る。

「じゃーん。ここがあたしの部屋っ。正直、全然あたしの好みじゃないんだけどさ。そのあたりは、これから変えていくから。明日にでも100均行ってこようかな。」


「くっ。あはは・・」
「ちょっと、何笑ってんのよ!」
「はっ、はははっ・・・腹いてぇ。」
「まぁ、ね。あたしも、このお姫様調のベッドとか、どうかと思うんだけどね。」
「ぷっ、くくくっ。」
「もー。笑いすぎっ。」


そうだ。こいつはこーいう女だった。
道明寺家に馴染むっつーよりも、道明寺家を変えるつもりか。
いや、いい。
それでいいんだ。
お前はお前らしくやっていけ。
その責任は俺がとってやるから。
お前を守ることが、俺の役目なんだ。



 

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いつも応援ありがとうございます!
つくしちゃんお誕生日おめでとう!
今日中にもう1話更新予定です。
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  1. あたしが幸せになるために(完)
  2. / comment:3
  3. [ edit ]

ありがとうございます(#^.^#)

  1. 2016/12/29(木) 00:13:33 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
こんばんは~。いつも応援ありがとうございます。

そうですよね。
私も、「理想の恋人」と「わたしが幸せになるために」がこんがらがることがある(笑)。
だいぶ慣れましたが、「司」だったり「道明寺」だったり、呼び方も違うし。

それから、「嵐」ファンの方にも読んでいただいているようで、ありがとうございます。
花男ファンはドラマの影響もあって、嵐ファンが多いですよね。
私は言及はしませんが、コンサートには行ったことありますよ~。楽しかったな。

もう本当に年末ですね。
皆様もお忙しいことと思いますが、時々遊びにいらしてくださいね。

管理人のみ閲覧できます

  1. 2016/12/28(水) 11:26:22 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

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  1. 2016/12/28(水) 06:21:51 |
  2. |
  3. [ edit ]
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