花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

「ねぇ、道明寺。あたしたち、はやく結婚しよっか。」


これは、聞き間違いか?
いや、妄想が過ぎるあまりの幻聴か?

目の前で、牧野が手を振っている。
その手首をパッと掴んだ。

「お前、今・・」
「あたしがいいと思うタイミングでいいんでしょ?」
「あ、ああ。」
「じゃあ、今。」
「それ、マジか?」
「こんなこと、嘘つく訳ないでしょーが。」

信じられねぇ。
こいつが、こーいうことを言う時は、あれだ、いつも冷や水を浴びせられて・・・

「嫌ならいいけど。」
「んな訳ねぇだろっ!!」

嘘じゃねぇ。
夢じゃねぇ。
牧野から、プロポーズされちまったっ!!!

って、ちょっと待てよ。
ちょっと待てって。
普通、プロポーズは男がするもんじゃねぇの?
夜景見ながら、特別なワインを開けて、バラの花束用意して・・ってそーいうもんじゃねぇの?
なのに、こいつ。何さらっと言ってんだよ!
しまった、俺としたことが。
完全なミス。
この返事を予想していなかったっ!


「ちょっと待て。」
「何よ。嫌ならいいっていってんでしょ!」

やべぇ。こいつを怒らせた。
くそぉ。どうする?どうする?俺。
あぁ~、もうっ。


俺は牧野を離し、近くの花瓶に生けてあった赤いバラを1本抜き出した。
それから、牧野の正面に立ち、彼女と視線を合わせた。
牧野も俺を見つめ返してくる。

「牧野、俺と結婚してくれ。」
そう言って、一輪のバラを差し出した俺。
答えは分かってるっつーのに、緊張する。

牧野はじっとそのバラを見つめて、それから両手で受け取った。
「よろしくお願いします。」

顔を上げた牧野は満面の笑み。
その笑顔が何よりも俺を幸せにする。
言葉なんて要らない。
俺は思いっきり牧野に抱き付いた。


「うはっ。道明寺、そんなに嬉しいの?」
「嬉しい。」
「あたし、めちゃめちゃ恐いお嫁さんだと思うよ。」
「知ってる。この俺をビビらすのはお前だけだ。」
「まずね、無駄な買い物は許さないからね。」
「無駄じゃなきゃいいんだろ。」
「それからね、どんなに忙しくても、朝ごはんは食べさせるからね。」
「おう。お前も一緒に食えよ。」
「メイドさんたちにデカイ態度は取らないこと。」
「してねぇ。」
「してるっつーの。感謝はきちんと述べること。」
「お前がそばにいればできる。」
「仕事が忙しくても、メールはしてね。」
「おう。任せろ。」
「そーだ。あたしが友達と会う時には文句は言わないで。」
「俺も付いていく。」
「うわっ。それはナイナイ。」

牧野の一言一言に幸せが溢れる。

「それからねぇ。」
まだあんのかよ。

「浮気は絶対だめ。」
そう言って、俺の瞳を覗き込む。
「絶対しねぇ。」
「もし、浮気したらすぐに別れるから。」
「しねぇっつの。」
「うん。」

「お前も約束しろよ。」
「ん?」
「俺以外見るな。」
「見てない。」
「きょときょとすんな。」
「してない。」
「結婚したら、お前は俺のもんだからな。」
「じゃあ、あんたもあたしのもんね。」

そんなバカなことを言い合って、笑い合う俺たち。
バカップル、上等だ。
離れていた4年間は、こんなバカなことも言えなかった。


あの4年間をもう一度やれと言われても、もう絶対に出来ねぇが、
あの4年間があったからこそ、俺たちの今がある。
結果としては、俺が牧野を手に入れる近道だったのかも知れない。

素直じゃねぇ牧野が素直になった。
今でも意地っ張りなとこもたくさんあるけど、それでも、大切な事は伝えてくれるようになった。


クリスマスイブに三条や滋の力を借りて、牧野が香港まで乗り込んできたことが本当に嬉しかった。
俺の世界に飛び込んできてくれたことが嬉しかったってのはもちろん本当だが、実はそれ以上に嬉しかったことがある。

たぶん、牧野も気が付いているはずだ。
だけど、あいつは言わない。
そして、俺も言わない。
たぶん、これからも口にすることはない。


今回ことを、牧野は類に相談しなかった。
遠恋時代には、あいつの隣には類がいた。
それが歯がゆくもあり、けれど俺がそばにいてやれない分、類には感謝もしていた。

総二郎やあきらも牧野に目をかけてくれていた。
けど今回、牧野はあいつらにも相談はせず、三条を頼った。

それは何故か?
・・・きっと、俺のためだ。

類やあきらたちを頼って香港に来てくれたとしても、それはそれで嬉しかったはずだ。
けれど、牧野はそうしなかった。

俺の胸に飛び込んでくるのに、
他の男の力を借りることはしなかった。
それが例え、仲の良い類であったとしても。
いや、類だからこそか。
俺の親友の力を借りて俺の元に飛んできたとしても、俺が心底喜ばないと思ったんじゃねぇのか。

それに、たぶん、類はまだ牧野のことが好きだ。
牧野自身は分かっているのかどうか分からねぇけど、男の俺には分かる。
だけど、牧野は俺の手をとった。
それはある意味で、類にとっては残酷なことだと思う。
それでも、これから先も、牧野と類は今まで通りやっていくはずだ。
でも、俺のことに関しては、いや、俺たち二人のことに関しては、間に類を挟むことはきっとない。
それが、何より俺のためであり、そして類のためでもあるからだ。
きっと口には出さなくても、牧野もそう思っているはずだ。


これからも牧野のピンチには、俺たちの誰もが必ずや助け船を出すだろう。
今回の桜子や滋がそうであったように。
それぐらい、俺たちは牧野が好きだ。
昨日だって、呼んでもねぇのに、あいつらがこの忙しい年末にワラワラやって来た。
こいつは男女にかかわらずモテるからな。
本人はわかってねぇみたいだが。



「俺は本当に幸せもんだな。」
「大げさだよ。」
「お前は全くわかってねぇな。」

お前のおかげで俺たちの人生がどれだけ色鮮やかになったかなんて。
きっとわかってない。
俺以外にも、お前のそばにいたいやつがいるなんて、きっとわかってないんだ。

「じゃあ、あたしも幸せもんだね。」
「あったりめぇだろ。この道明寺司の妻になるんだ。」
「うーん。ちょと違うかも。あんたの奥さんってのも幸せだけどさ。道明寺に出会えてよかったと思う。あたしのこと、必要って言ってくれる人。そんな人、あんたしかいないじゃない?」

ほらな。
お前は本当に鈍感だ。
お前のことが必要だって、俺たちみんな思ってるさ。
それを勝ち取ったのが俺ってだけだ。

けど、お前はそのままでいい。
鈍いままでいい。
そのまま気づかずに、俺のそばにいてくれたらそれだけで・・・


「年が明けたらすぐ入籍する。」
「はやっ。」
「チンタラしてたら、お前の気が変わるかも知れねぇからな。」
「失礼ねっ。そんな訳ないでしょ。」
「いや、お前ならあり得る。」

それでも、お前にお願いされたら、俺はお前に従うしかねぇんだ。
だから、もう何も考えんな。


「あんたが暴走すると怖いけど、任せた。」


あぁ、任せとけ。
俺が幸せになるために、
俺が必ずお前を幸せにしてやるぜ。



 

にほんブログ村
いつも応援ありがとうございます。
明日でラストです。
関連記事
スポンサーサイト

  1. あたしが幸せになるために(完)
  2. / comment:2
  3. [ edit ]

管理人のみ閲覧できます

  1. 2016/12/30(金) 10:42:33 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

  1. 2016/12/30(金) 05:12:20 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

 管理者にだけ表示を許可する
 
 

プロフィール

Author:Happyending
ときどき浮かぶ妄想を書き留めたくて始めました。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2017 08  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -