花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

Bystander(バイスタンダー):救急現場に居合わせた人(発見者、同伴者、医療関係者も含む)
AED:自動体外式除細動器

お話の背景については、前日のブログを参考にして下さいね。
追記)つくしちゃんに一途な故の、坊ちゃんの妄想作品です。
*****




俺の仕事は、朝一、まず牧野のご機嫌を伺うことから始まる。
「おはよう、牧野。」
「おはよう、道明寺。随分早いのね。」
今日も、笑顔がまぶしい牧野。

フッ。
自慢じゃねぇが俺は朝が苦手だ。
しかし、朝一牧野に会うために、最近では、朝7時半には会社に来ている。
どうだっ、すげーだろっ!
さすがは俺。
牧野も俺の愛を感じるてるハズだっ!

「やっぱ、早起きすっと、なんか違うよな。爽やかっつーの?」

朝からお前を見ることが、俺の健康につながるんだぜ。
わかってっか、牧野。

「そうだよね。あんた、昔っから、寝起き悪いから。早起きした方がいいよ。早起きは健康にいいんだから、あっ、ちがった三文の徳か。」
ブツブツ言ってる牧野。
そんなことより、

昔っから・・・
昔っから・・・寝起きが・・・

そうだった。思い出すぜ。
メイドの牧野が俺のベッドに入って来て・・・そんで、俺が牧野を抱きしめて・・・
(実際には司を起こしに行ったつくしを、寝ぼけて抱きしめただけ。)
あの時・・あの時、やっちまっていたら・・俺たち、今頃どうなってたんだ??
やべっ、メイド牧野が俺の頭を占領しやがった。


ぼーっと、あの頃の牧野に思いを馳せていた俺に、
「道明寺?どうしたの?気分悪い?」

そう言って、牧野が俺の手首をつかんだ。
あぁ、牧野。
俺はお前のことが、今でも大好きだっ!
どうか俺を受け入れてくれっ!

俺の手首で脈を測った牧野の手が、今度は俺の額に触れた。

「熱はないみたいだけど、一応、測っとこうか?」
「いや、いい。」
「でも・・」
「お前が、俺とランチに行ってくれたら、治る。」

「はぁ?」
「頼む。ランチ。」

再会してから、まだ一回もランチに誘えてない。
今日こそは、ぜってぇに誘ってやる。
俺は、お前さえ傍にいてくれれば長生きできんだから、いい加減分かってくれよ!

見つめ合う俺ら。

そこへ後方から、西田の一言。
「司様。お時間です。」
「あ”ーん(怒)!西田!あっち、行っとけ。重要案件だ。」

しまった。もう西田が来たっつーことは、いつものパターンだ。
やべぇ。

「あっ、西田さん。お疲れ様です。今日も、元気みたいなんで、バリバリ働かせてください。」
「牧野、ちょっと、待てっ。」

ちょっと待ってくれという俺の願いも空しく、
ガシッと両腕をSPにとられ、俺はあえなく執務室へ連行された。
それでも、捨て台詞は忘れねぇ。

「まきのっ、12時にエントランスだかんなっ!!」

これが・・・俺の日常だ・・・。



***



今日の午前中は、書類のチェックの後、
取引先のオヤジとの商談があった。
来期の契約に向けて、向こうも強気。俺も強気。

「その条件はこちらも譲れません。」
「道明寺の投資の方が大きい。うちが6割は譲れません。」
そして交渉は決裂し、次回に持ち越された。


この社長はもう70台のくせして、今でも会社にハバを利かせている、頑固オヤジだ。
前回の交渉では、fifty-fiftyで手を打ったが、今回は俺も譲りたくねえ。
しかし、この会社の持つ天然ガスの輸入ルートはぜひとも欲しい。

俺は溜息をつきながらも、オヤジを丁重に見送るために、オヤジと一緒に役員専用エレベーターに乗り込んだ。
そして、互いに無言のまま、ロビー階へ到着。


すると、ロビーに牧野の姿がっ。
俺はさっと、腕時計に目をやると、
時間はぴったり12時を指していた。


まきのがっ。
牧野が、ランチの誘いに来てくれていたっ。
しまったーっ!
俺としたことが、こんなオヤジにカカずらって、牧野を待たせていたとはっ。
くぅ~!俺の愛を誤解しないでくれ、牧野っ。


俺が牧野に手を伸ばそうと歩き出した時、
突然、牧野が俺に向かってダッシュしてきた。

牧野!そんなに俺に会いたかったのか。
早く素直になればいいのによ。
お前ってやつは相変わらずだぜ・・

俺は両手を広げて、牧野迎え入れる準備をした。


来いっ、牧野。来てくれ。
俺はいつだって、準備万端だぜっ!!


突っ込んできた牧野を、俺が抱きしめようとした瞬間、
突然、牧野が屈み込んだ。
スカッと、俺の腕が宙を切る。

なんだっ!?どうしたんだっ!?牧野っ??

足元を見ると、牧野がオヤジを抱えていた。


うぉぉ。
牧野、そーいうオヤジが好みなのかっ。
悪いことは言わねぇ、俺にしとけっ!
俺の方が活きもいいし、まだまだ、現役だ。
お前を満足させられるのは、俺しかいねぇだろっ??

驚く俺と、屈み込んだ牧野の視線が合った。


『道明寺っ!救急車っ!急いでっ!!』


へっ?
視線を牧野の隣に移すと、オヤジが顔面蒼白で倒れ込んでいた。


「しっかりしてください!聞こえますか!?」

牧野の声が響き渡るロビー。
当たりは騒然。


牧野はオヤジを床に寝かせて、
オヤジの首筋に触った。
「脈なし。」

それから、オヤジの口元に耳を寄せた。
「呼吸なし。」

そして、すぐに、オヤジの胸を圧迫した。
一定のリズムで心臓マッサージを繰り返す牧野。

「んっ、んっ、んっ」

そのリズム・・
やべぇだろ。
お前、胸揺れてんぞ・・

「だめだ、戻らない。」


牧野は顔を上げて、あたりを見回し、
俺らに向かって、
『何してんの、道明寺っ。早く、救急車!
それから、そこのSPっ、AED持ってきなさい!
西田さん、医務室にコールを。
高度救急です!』


はっと我に返った俺。
変な妄想してる場合じゃねぇ。

俺が連絡する前に、SPが救急車を手配した。


心臓マッサージを繰り返し、汗だくの牧野。

「代われっ。」
俺はジャケットを脱いで、牧野と心臓マッサージを代わった。


すると、牧野がもう一度、オヤジの口元に顔を近づける。
そして、オヤジの顎を持ち上げた。

まっ、まさかっ!!
お前、この場でマウス・ツー・マウスかっ!?
よせっ。だめだっ。

しかし、俺の両手は、オヤジの胸骨を圧迫している。
手は離せねぇ。

誰かっ。牧野を止めろっ!
つーか、誰か、代われっ!


ダダダダダッ!!
俺の悲痛な心の叫びが聞こえたのか、後方から足音が。
振り向くと、類が年食って髭を生やしたような、ナメた医者がダッシュで駆けつけて来るのが見えた。
岡部は・・・たぶん、出遅れたみてぇだ。

さらに、SPが赤い箱を持ってきた。


「牧野先生、バックバルブ!」
「ありがとうございますっ。矢部先生、マスク換気頼みます!」

矢部って奴がオヤジの口にマスクをあて換気をはじめ、
牧野は赤い箱に入ったAEDを開いた。
俺はひたすらに、胸骨圧迫を繰り返す。
やべっ、肋骨いっちまったか?


牧野がAEDの電源スイッチを押した。
『道明寺、胸、出してっ!』

あっ?
今か?今、脱ぐのか?
いやっ、それはまずいだろっ。
お前だって、今は無理だろっ?
いや、俺は、いつだってオッケーなんだけど・・

俺はオヤジの胸を押しながら、牧野を見つめた。
お前がいいっつーなら、俺はいつだって・・・
そう言おうと思った時に、


『もうっ、道明寺っ!どいてっ!』


牧野は俺を突き飛ばして、
オヤジのシャツを捲りあげた。
そして、シールをペタペタとはり、
AEDを確認。

『スイッチ押すよ!みんな、離れて!』

一斉に離れる俺ら。


ドンッ。
オヤジの体がはねた。
それからすぐに、牧野が心臓マッサージを再開。

矢部がオヤジの首筋に触れた。
「牧野先生、脈が戻りました。呼吸も再開。」

ほっと息をつき、手を止めてその場に座り込んだ牧野。


その後、すぐに救急車のサイレンが響き、救急隊員が走り込んできた。

俺は牧野を支えて立ち上がらせた。
オヤジをタンカーに乗せて、救急車へ急ぐ。
一緒に救急車に乗り込もうとした牧野を、俺が腕を掴んで止めた。

スカート姿だった牧野のストッキングは破れていて、スカートも泥だらけだったんだ。


「これは、あたしの仕事だから。」
牧野はそう言って俺を見つめ返して、牧野の腕を掴んでいた俺の手を外し、颯爽と救急車に乗り込んで行った。


明日の後編へ続きます。

 

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救急現場でのコメディで、不快に思われた方がいらしたら申し訳ございません。
私も坊ちゃんも妄想ですので、お許しを。
しかし、やはり、コメディは難しいですね。
まま様、脇役に勝手に名前付けちゃいました。ごめんなさい。
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  1. 第三医務室の牧野先生
  2. / comment:8
  3. [ edit ]

よかった。

  1. 2017/01/07(土) 22:19:31 |
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  3. Happyending
  4. [ edit ]
H様
よかった。
また分からなければご連絡ください。
いいですよね~。まま様の絵。
凄く好き。
また、司つく漫画書いてくれないかな~。

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  1. 2017/01/07(土) 20:38:14 |
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ありがとうございます!

  1. 2017/01/07(土) 20:33:09 |
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よかった。たくさんの拍手を頂き、ありがとうございます。
これ、まま様の漫画を読んだ人にしか、共感いただけないよなぁと思っていたのですが、たくさんの方に読んでいただけたようで、うれしいです。
大切なことを書き忘れていましたが、基本は司の妄想コメディなのです。あは。

医療現場のネタなので、不快な方もいらっしゃるかと思いましたが、そういったコメントは頂かず、皆様のここをの広さに感謝です。
私もいつか、医療ネタ書こうかなぁ。難しいかなぁ。韓国版花男は、ジャンディが医学生になりましたよね。うーん。司との絡みが難しいかなぁ。

さてさて明日は・・・
ちょっとだけ、近づくかな???
けれど、この二人はズレてるから楽しいんですよね。
この司とつくしの温度差がたまりません!

では、また、明日も、見てやってください。

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  1. 2017/01/07(土) 12:58:21 |
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まま様のブロとも申請について

  1. 2017/01/07(土) 08:35:39 |
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  4. [ edit ]
おはようございます。
楽しんでいただけているようでほっとしております。

H様
ブロとも申請ですが、
ブロともになるには、まずFC2に新規登録する必要があるんです。
それで、自分のブログを立ち上げて(カラでいいと書かれていたと思う。)そこの、訪問者履歴というところを、『履歴を残す』に設定して、それから申請する必要があります。

この新規登録に抵抗のあるかたもいらっしゃるかもしれません。が、ここは自己判断でお願いいたします。
料金などはかかりません。カラのブログも多く見受けられますし、皆さまブロともになるためなどで、立ち上げている方もらっしゃるのではないかと思いますよ。

私も、ブロとも申請はまま様が初めてでした。作品を見たい一心で(笑)。
そう言う意味でも、ブログ始めて良かったな~。
ではでは。今日もこどもたちに振り回されてきまーす。

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  1. 2017/01/07(土) 08:02:29 |
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  1. 2017/01/07(土) 07:54:44 |
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  1. 2017/01/07(土) 07:10:54 |
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