花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

Bystander(バイスタンダー):救急現場に居合わせた人(発見者、同伴者など医療関係者も含む)
CPR:心肺蘇生法

お話の背景については、前々日のブログを参考にして下さいね。
つくしちゃんに一途が故の、司坊ちゃんの妄想メインのお話です。
今日はちょーっとだけ、甘い味付けですよ。へへ。
*****




「おい、道明寺の系列病院へ搬送させろ!」
「すでに、手配済みです。」
西田はいつも冷静だ。

「俺たちも、すぐに追いかけるぞっ!」
「リムジンを回しています。」

おっ。西田、珍しいな。
いつもそのぐらい俺に従えばいいのによっ。

そうはいっても、重要な商談相手の一大事。
息を吹き返したとは言え、万が一のことでもあれば、大変なことだ。
これは、今後の取引にも影響するわけだから、西田が最優先させるのは最もではある。

「では、参りましょう。」
俺は急いでリムジンに走り込んだ。





都内の道明寺系列病院。
うちは医療分野にも手を出している。
著名人がお忍びで入院するのも、この病院が多い。

俺はすぐに救急外来へ向かった。
すると、そこから、牧野が出てくるところだった。

「牧野!」
「道明寺。どうしたの?」

どうしたのじゃねぇよ。
お前の事が心配で、心配で。

「あの、社長さんを心配してきたのね。いいとこあるじゃん。でも、大丈夫。たぶん、心筋梗塞だと思うけど、今からすぐにカテーテル治療に入るって。道明寺がこの病院をすぐに手配してくれたから助かったんだよ。ありがとね。」

牧野からの感謝のまなざし。
やべぇ。うれしい。マジ、うれしい。
棚から・・だんご?・・ってやつだな。
いや、まぁ。そうだな。
俺の手柄と言えば手柄だしな。

でも、牧野。
俺に礼を言うぐらいなら・・・

「牧野、ランチ行こうぜ?」
「えっ?でも、あたし、勤務中だし。」

ばかっ。
俺はおめぇが務める会社の、ふくしゃちょーだぞっ!
その俺様が行こうって誘ってんだから、いーんだよっ!

「それに、こんな格好だし。」

確かに、牧野の恰好はボロボロだった。
ストッキングは破れ、白衣もスカートも汚れている。
でも、なんか、ちょっと雰囲気がイヤらしいんだよな。
俺が牧野を襲っちまったような気分になる。

いや・・俺は首を左右に振った。
俺なら、牧野にそんな乱暴はしない。
大切に、大切に、一枚ずつ脱がせて・・
優しく優しくマッサージして・・
身体中に俺の印をつけて・・


「道明寺、あたし、タクシーで帰るから。」

だーっ。また、おめぇはそーいうことを!

「そんな恰好で帰せるわけねーだろ。」

俺は西田を振り返り、
「西田、俺たち帰り遅くなるから、午後の予定調整してくれ。それから、岡部に連絡入れといて。」
「承知しました。」
「ちょっと、道明寺っ、困るって。」
「心配すんな。付いてこい。腹へってんだろ?」

俺は、牧野の手をとった。
柔らけぇ。
あったけぇ。
ホンモノだ・・・

「道明寺。」

どうすっか。
このまま、俺のマンションに連れてくか。
いや、まずはメシだな。
メシ・・・
メープルで食って、そのままスイート直行もいいな。

「道明寺ってば!」

あ?
なんだ、牧野、なんか言ったか?
メープルがいいのか??

「ちょっと待ってよ。あの売店で、ストッキング買ってくるから。良かった、白衣にお財布入ってたわ。」

そう言って、俺の手を振り払い、駆け出していく牧野。
俺は、ボーゼン。


そうして帰って来た牧野は、新しいストッキングを履き、スカートの汚れを落とし、白衣を脱いでやって来た。
ちっ。着替えなんて、俺がいくらでも買ってやるのに・・


「じゃ、行こっか。」

うぉっ!まじっ?
やった!
やっぱ、一緒にメシ食うんだな。
どうする?どこいくか?

・・ん?・・・んん?

「道明寺、こっち、こっち。」
「おい。」
「ここで食べよ。」
「ココって・・」

どこだよ。
なんか、ジジ・ババばっかいるじゃねーかよっ。

「あたし、かつ丼でいいや。道明寺は?」
「・・・いや、俺も同じもん。」

んなもん、知らねーし。
つーか、もう注文すんのかよ、早ぇな。
席は・・自由席か。
水も、セルフってやつか。
つーか、飲み物、水だけか。
この水、飲めんのかよ。
なんだよ、ここ。
どこなんだよ。


「牧野、ここはどこだ?」
「え?病院食堂だよ。」

しょくどう・・食道??
うぉぉ!!
記念すべき、牧野との初デートが食道!

「ちがう、食堂。」
「おう、わかってらっ。」
「間違ってたでしょ、頭の中。」

うっ。だからなんだっつーの。
お前がわりぃんだぞ。
俺のテリトリーに入って来ねぇから。
お前に美味いもん食わせて、めちゃくちゃ幸せな顔させてやりてーのに。

俺は半分ふてくされながらも、ちらっと牧野を見ると、
牧野がニコニコ笑ってる。
なんだよ、楽しそーじゃん。

まっ、だよな。やっぱ、俺とのデートだしな。
そりゃ、お前もうれしーよなっ。
俺もめちゃくちゃうれしーけどよっ。


じっと牧野が俺を見つめる。
「あのさ。道明寺・・カッコ良かったよ。」
少しはにかんだ牧野の笑顔。

かっこよかった・・
カッコヨカッタ・・
格好良かった!!!

「おう。俺様は、緊急時の訓練も受けてっからな。」

「ふふっ。ありがとう。本当に。」

「お前も、カッコよかったぜ。牧野。」


牧野が俺をじっと見つめたまま言った。
「ありがと。道明寺と別れてから、勉強ばっかりしてたから・・ね。役に立って良かった。あの社長さん、早く良くなるといいね。」


俺と・・別れてから・・
寂しくて、寂しくて、
ベンキョーばっかしてたんだな。
俺もだぜ、牧野。
俺も、お前がいなくて、寂しくて、寂しくて、
シゴトばっかしてた。

けど・・もう、お前に寂しい想いなんてさせねぇよ。


「牧野・・俺と、けっこ・・」
「あっ、道明寺。来た来た。」


次の瞬間には、俺たちの前に、デカイどんぶりが二つ。

「いただきまーす。」

こいつは、俺の話なんて聞いちゃいねー。
つーか、何でこんなに出てくんのはえーんだ?
ホントに作ったのかよ、コレ。

しかも、ここの金は牧野が払ってやがった。
誰だよ、食券なんて作ったのはよっ。
俺に恥かかすんじゃねーよ!


今日も俺のプロポーズは不発に終わった。
けど、俺は諦めちゃいねぇ。
こいつの隣に立つ男は、俺しかありえねぇ。
だろ?




~エピローグ~

「第三医務室の牧野先生って・・」
ヒソヒソ・・
ヒソヒソ・・

あたしは、あれっと振り向いた。
あれ?誰かが牧野先生って言ってた?
気のせいかな?

はー。
疲れたわ。今日は、定食にデザート付けよっかな。

首をコキコキならしながら、
混雑してるエレベーターの列に並んだ。

エレベータが一台来たけど、乗れそうにないな。
まぁ、お昼時だし、混雑もするわね。

すると、エレベータが開き、人々が降りたところで、
あたしの前に道ができた。

「お先にどうぞっ。」
「へ?」

「第三医務室の牧野先生ですよね?」
「副社長を呼び捨てにする先生ですよね?」
「いや、副社長を顎で使ったんだろ?」
「ちがうわよ、副社長を突き飛ばしたのよ!」

「「「「でもっ、先日のCPRカッコ良かったです!」」」」


えぇぇ~。
なになに。
ちょっと、止めてよね。

そっか、あの時、焦って、道明寺を呼び捨てにしたんだ。
あいつ、ここの副社長なのに、まずかったよねぇ。
あっちゃー、やばいなぁ。


すると、後方から
『きゃー!!』
という悲鳴。

振り返ると、道明寺が無駄な色気を醸し出して近づいて来る。

ちょっと、ちょっと、待って、ホント止めて。
話かけないでよね。

けれど、あたしの願いは空しく、
道明寺はあたしの目の前で立ち止まった。はー。

「牧野、一人か?メシ行こうぜ。」

ちょっと、みんな見てるのに、何考えてんのよっ。

「いえ、あまり時間がありませんので。」
「嘘つけ。おい、食堂いくぞ。この間の礼だ。」

そう言ってあたしの手をとって歩き出す道明寺。

背後から
『『きゃーっ!!!!』』
という盛大な悲鳴が上がった。





無理やり連れてこられた食堂は、
何故かあたし達以外には人がいなくって、
運ばれてきたお料理はフレンチのフルコースだった。


「ねぇ、こんな贅沢して、ダメだよ。」
「お前のおかげで、あのオヤジも助かったし、業務提携もうまくいった。だから気にすんな。」

「でも・・」
「でも、何だよ?美味くねぇの?」

違うよ。すっごく美味しい。
でもね。この前のかつ丼だって、おいしかったよ。
だって、あんたと一緒に食べたから・・


「なぁ、お前さ。あん時。あのオヤジに人口呼吸するつもりだったんか?」

はぁ?何言ってんの?

「するわけないでしょ。今は感染症のリスクもあるから、マウス・ツー・マウスなんてしないのよ。気道を確保しただけよ。」

そう説明してあげたあたしに、道明寺が真剣な目つきで言った。

「お前、俺以外の男と、キスなんてすんじゃねーぞ。」


・・・ぷっ。
それって、どーいう意味なのよ。
それは一生キスするなってこと?
それとも、あんたとキスするっていう予告?

へんなやつー。
あんたを一人にしたあたしに向かってそんなこと言うなんて。
あの雨の日に、あんたを置いて行ったあたしにそんなことを言ってくれるなんて。

でもさ、よかった。安心したよ。
あんたがあたしの前で、笑ってるから。
あんたの笑顔が見れたから。


「あんたに何かあったら、あたしが助けてあげるからね。」
「おう、俺ん時はマウス・ツー・マウスで問題ねーからなっ。」
「わかった。」


道明寺の目がキラキラしてる。

ねぇ。
あたしが医者になったのはね、もう、後悔したくなかったからだよ。
もう、あんたを一人残していきたくなかったからだよ。
ずっと隣にいるために、あたしも頑張ったんだよ。

だけどね。
一人前になるには、まだもう少し時間がかかるの。
あんたを守れるあたしになるために。


だから・・・
あんたの唇に触れるのは、もうちょっとだけ待っててね。


Fin.


 

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昨日の夜ギリギリまで最後のところ悩みました~。
でも、ここはHappyending風ということで。
ちょっとだけ甘い味付けに。
読んでいただきありがとうございました!
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  1. 第三医務室の牧野先生
  2. / comment:7
  3. [ edit ]

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/01/31(火) 18:10:51 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

こんばんは~!

  1. 2017/01/08(日) 22:49:19 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
たくさんの拍手、優しいコメントありがとうございます。
初めましての方もよろしくお願いします!

良かった。楽しんでいただけて。
調子に乗って、自分で大々的に宣伝してしまったため、後からちょっと後悔していたので。まま様にも迷惑かけずに済んだかと思うとホッとします。
皆様、優しい!

まま様とのコラボ?ということで、多くの方に読んでもらえたようです。
普段の5倍ぐらい時間をかけて書いたので、たくさんの方に見てもらえて本当に嬉しいです。まま様効果ですね。

続きの妄想はあるので、そのうちにまたと思うのですが、私はついつい、甘くしちゃうからな~。うーん。まま様が描かれたイメージを大切にしたいですしね。悩むところです(笑)。
まま様に、司が幸せになったイラスト書いてほしい!ですね~。


ああ~。コメディ書けないけど、書くと楽しい。
明日からは、また「俺の女」に戻るため、ただいま執筆中ですが、なんだかテンションが上がらないな~。ノリが違うから仕方ないかな~。お正月のエンジンはいったいどこに言ったんだろう???

ではでは。ノリは違いますが、「俺の女」もお付き合いいただけると嬉しいです。

初コメ失礼します!

  1. 2017/01/08(日) 14:34:29 |
  2. URL |
  3. Tsuxxx
  4. [ edit ]
キュンキュンです〜!💓
司かわいいしさすがつくしですね^^*
司、わざと倒れてマウスツーマウスさせそうですwwwでも司は直球でキスですね👊(!)
素敵なお話、happyendingさん,ままさんありがとうございます!!m(_ _*)m

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/01/08(日) 12:54:33 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/01/08(日) 09:55:41 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/01/08(日) 08:53:34 |
  2. URL |
  3. のだめまま
  4. [ edit ]
おはようございます☁️
出来る女、つくし!
司に振り回されることなく、自分のペースを崩さない…。
大人の女、良いですね〜♡
逆に司が可愛いくて♡♡
続きが読みたくなります〜。
番外編、あるのかな⁈

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/01/08(日) 05:09:43 |
  2. |
  3. [ edit ]
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