花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

トイレに駆け込んで、何とか、身だしなみを最低限に整えて、
時間を見れば、朝の5時。
窓の外を見れば、うっすらと空が明るんできていた。

はぁ。
本当に、穴が合ったら入りたいとはこのことだよ。

あたしは、コートを着て、もう一度司さんを振り返り、
「本当に、ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。」
そう言って、頭を下げた。

「気にすんな。行くぞ。」
そう言って、部屋を出て行く司さん。
「はい。」
あたしはその後ろをついて、部屋を出た。

「臼井から、通用口のカギ、預かってるから。」
そう言って、通用口へ向かう。
「ええ~?鍵を預かってるんですか?」

お店のカギを預けるって、ちょっと不用心じゃないの?と思うけど、もうこれ以上ごちゃごちゃいう気にはならない。
お店から通路にでて、
「それでは。本当に申し訳ありませんでした。」
とあたしが言えば、
「家まで送る。」
と司さんが言う。

「いえいえ、大丈夫です。もうすぐ、始発も出ますから。」
って、これ以上、迷惑かけられないよっていうあたしの気持ちも分かってよ。
「俺も、このまま会社行くから、車で送ってやる。」
「本当に、結構ですから。」
と押し問答。

「お前さ、そんなボサボサで、如何にも寝起きですってカッコで電車乗るんかよ。おとなしく従っとけ。」

・・・がーん。
やっぱり、そう思うよね。
飲んだくれて、顔むくれて、ボサボサって分かるよね。
司さんにもそう見えてるんだよね。
いくら、なんでも・・ホント、ショックだ。

あたしはもう逆らう気にもならず、トボトボと司さんの後ろをついて行った。

エレベーターに乗って、到着したのは地下の駐車場。
自動ドアが開いたところには、大きな黒塗りの車。
これって、リムジンって奴じゃないの??
まさか・・・

いや、そのまさかで、運転手さんが恭しくドアを開け、司さんが乗り込んだ。
「あの・・」
「おい、早く乗れよ。」
「いや・・あの・・」

「どうぞ。」
と運転手さんに頭を下げられて、あたしは恐る恐るその車に足を踏み入れた。

「なんですか・・この車。」
「なんだよ。」
「だって・・凄い。お部屋みたい。」
「車内で仕事や打ち合わせしてることもあんだよ。」
「そうですか。へぇ。」
「はやく座れよ。」
「はい。」
ってそう言われても、あたしはどこに座っていいのかもわからない。

バンッ、と座席を叩かれた。
ひぇっ。
「ここ。」
「あ、はい。失礼します。」
指定されたのは、司さんの隣の席。
向かい側にも席があるけど、それも・・・今更って気がする。

ドアが閉まる前に、運転手さんに住所を聞かれて、あたしはうちの住所を口にした。
「よろしくお願いします。」
「お任せください、お嬢様。」

おっ、お嬢様!?
この恰好をみても、そんな言葉が出てくるなんて、なんて教育された人なんだ。
余計に恥ずかしいあたしに向かって、司さんも、
「ぷっ。ははっ。」
と吹き出した。
「笑うなっつーの。」
あたしは思わず、司さんの肩をバシッと叩いてしまった。

「あっ。」
と焦ったあたし。
「腹いてぇ。お前昨日も、俺のことバシバシやってたぞ。」
「・・・そうでしたか。」
「その敬語。」
「ハイ。」
「要らねぇよ。今更だろ?」
「そうですね・・・けど。」
「気持ちわりぃから、その敬語やめろ。」

そう言われたって、VIPのお客様だよ。
敬語以外にどうやって話すのよ。

「フツーでいい。普段の話し方でいい。」
「普段の?」
「ああ。」
「あたし、口悪いですよ。」
「んなこと、昨日から分かってる。」
そう言って笑う司さん。

はぁ。どうしよう。
今更取り繕っても遅いけど、だからって、普通なんて。
あぁ、もう何が普通かも分からなくなっちゃったよ・・
でも、それも3月いっぱいのことだし。
それまでなら、いいのかなぁ。

「でも、Barでは、きちんとお客様として対応しますからね。だいたい、それ以外で会うことなんて無いし。」
そう言ったあたしに、司さんが言った。
「じゃあ、Bar以外では、フツーな。」
「分かりました。」
「違うだろ?」
「分かった。」
「OK.」

これで一件落着。
しばらくすると、ゆっくりとリムジンが停車した。
早朝は渋滞がなく、割とスムースに来たみたいだ。
窓の外を見ると、本当にうちの近くまで来ていた。

「えっと・・。本当に・・ありがとう。」
あたしは敬語を使わずに、もう一度お礼を口にしてからリムジンから降りると、何故か司さんも一緒に降りて来た。

「お前んち、どこ?」
「え?ああ?あの2階の角の部屋。」
「ふーん。どっかの社宅か?」
「はい、父の会社の社宅で。」
「お前、メープルにこっから通うのか?」
「うーん。一応ギリギリ通勤圏内なんだけど、社員寮の申し込みもしてるの。入れたら、3月末に引っ越しする。初めての一人暮らしだから楽しみで。」

一人暮らしを思い描いて、思わず笑顔になったあたしに対して、司さんは眉間にしわを寄せている。
「どうしたの?」
「一人暮らしってどこに?」
「だから、社員寮だよ。住宅手当も出るし、格安なの。マンションを借りる子もいるけど、安いところはやっぱり遠いし、当直もあるから、寮に入れたら助かるな。」

あたしの話を真剣に聞いてくれている司さん。
「分かった。」
そう言って、あたしの頭にポンっと右手を乗せた。


分かったって、何が?
って聞こうと思った時に、
あたしの頭に乗った手が後頭部に回り、
司さんの顔が近づいてきた。

スローモーションのように、どんどん近づいてくる。
そして・・・

『チュッ。』

突然のことに、目を丸くして固まるあたし。


「じゃあな、牧野。またな。」
司さんはあたしをじっと見つめながら、今まで見たことも無いぐらいに優しく笑って、それからもう一度あたしの頭をポンっと叩いて、リムジンに乗って去って行った。


なに?これは、なに??
いったい何が起こったの???



 

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いつも応援ありがとうございます!
いやー、昨日は交流会に参加したくて焦っていたら、タイトル入れ忘れてました。ごめんなさい〜。
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  1. 俺の女
  2. / comment:7
  3. [ edit ]

こんばんは!

  1. 2017/01/22(日) 00:13:48 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつも、たくさんの拍手、面白いコメントありがとうございます。
始めましての方も、コメントありがとうございます!

そして、今日は朝から題名なしという失態、申し訳ないです。ちび🔴様、ご指摘もありがとうございました。感謝!です。
現在、『君を愛するために』のこ茶子さまのサイトで交流会なるものがあって、張り切って参加していたら、色々と失態が。
そして、まだ明日の記事も書いていないと言う・・・

明日は、頑張った司くんサイドのお話のつもりであります!

ゆ🔴様
そうそう、ファーストキッス!ですよ。これ。キッス。この言い方がいい(笑)。

H🔴様
私らにはわかりますよね~。何が起こったか(笑)。

ま🔴様
いつもコメントありがとうございます。死なないで!!(笑)

ar🔴様
いつか、マスター目線は書こうと思っているのですが、いつになることやら。

さと🔴様
私も、ポンぐらいしてほしいよ。司・・って感じです。

明日投稿できるかな~。
がんばるぞ!おー!

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  1. 2017/01/21(土) 15:32:10 |
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  1. 2017/01/21(土) 13:40:01 |
  2. |
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  1. 2017/01/21(土) 10:18:38 |
  2. |
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  1. 2017/01/21(土) 08:51:20 |
  2. |
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  1. 2017/01/21(土) 07:02:08 |
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  1. 2017/01/21(土) 06:29:28 |
  2. |
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