花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

牧野を送り届けてから、会社に入って、プライベートルームでシャワーを浴び、スーツを着替えた俺。
午前8時からの衛星会議のために、書類をひたすら捲っていく。

集中しているはずなのに、時々、牧野の顔が頭に浮かんでくる。
あいつの唇にキスをした。
ガキがするようなキスだ。
でも、あいつ、相当驚いてたな。
けど、あれぐらいはいいだろう?
なんせ俺は一晩中、生殺しって奴だったんだ。


突然、暑い暑いと騒いで、スーツの上着を脱いだかと思ったら、ブラウスのボタンにも手をかけて、それをやめさせようとして抱え込んだらまたそのまままた寝ちまった。
どうしようもなくて、牧野を抱えたままソファに寝転んだものの、俺は眠れる訳がない。

女と一緒に一晩を過ごす。
そんな経験は今までにない俺。
つーか、この俺様が酔っ払い女の世話を焼いてやるなんて、ありえねぇ話だ。
女が近くにいるだけで気分が悪くなる俺なのに、あいつなら平気なんだから不思議だった。

抱えたあいつの髪から匂うシャンプーの香り。
なんだか分かんねぇけど、いい匂いがした。
恐る恐る髪の毛に触れてみると、思った以上の柔らかさに驚いた。

「うっ。ふぅぅ。。」
と時々漏れる吐息は酒くせぇが、もごもご言っている牧野が可愛いくて、
それで、ぎゅっと俺にしがみ付いてくるのも堪らなかった。

大体、自分の上に女を寝かせてやるなんてよ・・・
はっと見ると牧野が少し動く度に、スカートが捲れる。
おいっ、ちょっと勘弁してくれよ。
お前、これ、マジ何されても文句言えねぇぞ。
そう思うのに、そっとスカートの裾を戻してやる俺。
それが何度も繰り返されると、俺だって・・
俺だって、男だっつーの!

惚れた女が俺の上で爆睡してるって、そんな状況ってあるかっ!
何の拷問なんだよこれっ!

手を伸ばして、臼井が置いていったミネラルウォーターを掴んで、一気飲み。
体を冷やさないとやってらんねぇ。
それから、リモコンを操作して、部屋の明かりを落とした。

それからだって、眠れる訳がねぇ。
あいつの手が俺の体の上を這うし、足は絡んで来るし、
その度に俺は反応しちまうし。
もう、襲っちまうしかねぇなと何度思ったことか。

牧野の体を少し背もたれ側に移動させつつ、俺は溜息をついていた。

だけど・・・
そんなことできる訳ねぇよな。
酔って寝てる女に手を出すなんて。
いや、違うか。
あいつに嫌われたくなんてないから、仕方なかった。

俺は、牧野が好きだ。
もちろん、女として見てる。
遊びや気まぐれじゃない。
本気だ。

だから、俺の本気をあいつに伝えるまでは、簡単に手を出すことなんてできやしない。
反応しちまう自分を鎮めるのに必死になって、結局一睡もできなかった俺。
だけど、そんな自分も案外嫌じゃない。
あいつに本気だからこそ、それぐらいは耐えてやる。
その代わり、あいつを俺のものにしたその後は容赦しねぇぞ。

そう考えたら、あんなキスなんて、俺の気持ちの1%ぐらいなもんだ。
それぐらいは許されるよな。


しかし・・一人暮らしか・・。
社員寮ってことは、社員ばっかの寮に入るってことだよな。
そこには当然、男もいるんじゃねーの?
んなもん、危なすぎるだろうが。
あんな無防備な女、社会に出れば、すぐに男に食われちまうんじゃねーのか?
あぁ、ホント、気か気じゃねぇよ。
早く何とかしねぇと、俺の心臓がもたないかも知れない。



あーっと、頭を掻く俺を見て、西田が怪訝そうな視線を送って来た。
「支社長、何か?」

「そうだ、西田。すぐに、メープルの新入社員の名簿を取り寄せろ。それから、メープルの社員寮ってやつも調べとけ。」
「は?社員寮でございますか?」
「あぁ。」
「今年度の、新入社員には当社と特別なご縁のあるご令嬢・ご子息は入社していないはずですが。」
「いるんだよ。」
「??・・はぁ。」
「いいから、調べとけよ。」
「畏まりました。」

ったく、あいつは本当に世話が焼ける。
俺が見といてやらないと、危なっかしくて見てられねぇ。

仕事と寝るだけの毎日だったはずなのに、今では牧野に会うために仕事を頑張っている俺がいる。
あいつは、俺のこと、どう思ってるんだ。
俺の立場を知ったらどう思うんだろうな。

俺たちの関係を進めるためには、やはりこのままって訳にはいかない。
いや、元々隠すつもりじゃなかった。
ただ、面白かったから教えなかっただけなんだ。
それも、もう終わりにする。


ぐっと気合を入れなおし、
俺は一睡もしてない寝不足の頭を振りながら、何とか書類に目を通し終えた。



*****



家に帰って、速攻でお風呂の準備をして、お湯に浸かった。
まだ、ちょっと頭が痛む。
でも、冬はやっぱりお風呂に入らないと、うちみたいなオンボロ社宅じゃ、シャワーだけじゃ凍え死ぬし。

はぁ・・と溜息。
唇を触ってみる。
どう考えても・・どう考えても、
唇が触れたよね。
ってことは、あれってキスだよね。

何で?
何で、あたしに?
キスなんて、「さようなら」の挨拶程度のことなのかな。
だからって、Barの従業員に対する挨拶にしてはやり過ぎじゃない?

それに・・
それに、あたしにとってはファーストキスだったのに。
酷い。
酷すぎる。
そりゃ、あたしだって、酔って寝ちゃって悪かったけど、それにしたって酷い。
そう思う反面、司さんとキスしたことは決して嫌じゃない。

「あんなやつ、最低。」
そう小さく呟いてみても、それが自分の本心じゃないことなんてわかってる。

あんな車に乗るような超お金持ちのくせに、こんな安物のスーツを来て、化粧もはげちゃってる女にキスするなんて、挨拶どころか、きっと半分遊びのようなもんなんだ。

それなのに、あたしをこんなにドキドキさせるなんて、司さんは悪い男だと思う。
あたしのことなんて好きでも何でもないくせに・・・

そんな人に惹かれているなんて、
あたしは自分の気持ちを認めたくなかった。



 

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  1. 俺の女
  2. / comment:7
  3. [ edit ]

うひゃっ!

  1. 2017/01/23(月) 23:40:05 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
さと🔴様

> 拷問ファイル「ラッコの親子」萌えました。
いや、私はさと🔴さんの、その想像に笑いました(笑)。
その一本では、さすがに・・・
いや、司なら大丈夫??

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/01/23(月) 01:05:54 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

こんばんは(^^)

  1. 2017/01/22(日) 23:49:23 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手ありがとうございます。

あはは。本当に、司ちょっと不憫ですね。
まぁ、これから、巻き返していく予定です。はい。

さて、こ茶子様の交流会、参加された皆様、お疲れさまでした。
私はとても楽しむことができました。
花男二次の歴史は長いですものね。私も細く、長く続けていけたらいいなぁと思います。
コメント、ありがとうございました。

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/01/22(日) 11:45:52 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

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  1. 2017/01/22(日) 09:52:30 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2017/01/22(日) 07:03:39 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2017/01/22(日) 06:50:40 |
  2. |
  3. [ edit ]
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