花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

「支社長、どなたからか連絡をお待ちですか?」
「あ?」
「先ほどからずっと携帯電話を気にしておられますので。」

・・・
やべぇ。
牧野からの連絡を待ちすぎて、仕事に集中できねぇ。
あの日、牧野に告白した日、
俺は牧野の携帯番号をゲットした。
もちろん、俺の番号もあいつのスマホに登録させた。
それなのに・・
電話がかかって来ねぇ。

昨日の日曜は、仕事が立て込んで、終わってみればもう23時を回っていた。
それでも、思い切って牧野に電話してみれば、
「もう、家族が寝ちゃってるから、じゃあね。おやすみ。」
で切られた。

月曜日の今日は、研修もバイトもないはずなのに、連絡してこねぇ。
いや、当たり前か。
俺の仕事中に電話してくるわけがねぇか。
はぁ。
俺たち一応、付き合ってんだよな。
まさかとは思うが、俺の勘違いっつーことはねぇよな。


頭を悩ませていた俺に、西田が言った。
「支社長、明日のホワイトデーは、贈り物を頂いた会社やご令嬢方にいつも通りのお返しをしますが、それでよろしかったですか?」
「ホワイト・・デー?」
「はい。ニューヨーク時代も会社で控えた連絡先にお返しを送っておりましたので、こちらでも同じように手配済みですが。」
「待て、西田。ホワイトデーって、バレンタインの逆か?」
「そうですね。会社の付き合いもありますから、毎年、メープルのクッキーと花束を返していますが。」

ホワイトデー。
これだっ!

「西田、明日の夜のスケジュール空けてくれ。」
「しかし・・すでに、松本社長との会食が入っております。」
「断れ。」
「しかし・・。」
「俺の人生を左右する案件がある。」
「支社長の人生を・・。」
真剣な俺に、押され気味な西田。

「それは、ホワイトデーにデートに誘うご令嬢がいらっしゃると・・そういう意味でございますか?」
ご令嬢・・まぁ、そうだな。

「あぁ。」
「もしや、その方が、メープルの新入社員の中にいらっしゃると、そういうことでしょうか?」
「あぁ。」

西田が珍しく、大股で秘書室に戻り、すぐに茶色の封筒を持って入って来た。
そこには、メープルの新入社員名簿や、社員寮の割り振り、場所や間取りなど、調べさせていた資料が入っていた。
どうやら、新入社員はメープルから通勤40分圏内にあるいくつかの社員寮に割り振られるみたいだ。
しかし、半分は自宅通勤か。
あいつの自宅も、ギリギリ通勤圏内ではあるが・・
遠方からの社員を優先に寮を割り振るらしく、どうやら牧野は自宅通勤になりそうだ。
俺にとっちゃ、一人暮らしをしてもらった方が今後も何かと都合がいい。
しかし、この寮はだめだ。
女子寮じゃねぇし、何より、メープルの職員だらけのところに住まわせる訳にはいかねぇな。
どうすっか・・

頭をフル回転させている俺に向かって、西田が質問を投げかけてきた。
「支社長、この中にお相手がいらっしゃると?」
「あぁ、まぁな。」
「しかし・・この中には・・」
ご令嬢はいませんって言いてぇんだろ?
いーんだよ。俺にとっては、あいつは令嬢なんだからな。
社宅に住んでる、令嬢ってやつだ。

「西田、確か、メープル近くに、俺名義の物件あったよな。」
「いくつかございますが。」
「そこを社員寮にする。」

「・・・無理でございます。」
「なんとかしろ。」
「支社長、事と次第によってはご協力致します。そのためには、詳しく話していただけませんと、動くことはできません。」

どうすっか。
こいつはニューヨークと密につながっている。
協力を仰いだことが、吉と出るか、凶と出るか・・

俺はゆっくりと執務机の上に肘をつき、組み合わせた両手の上に顎を乗せて、西田を見据えた。
「俺はお前を信頼してる。」
「身に余るお言葉でございます。」
「お前に協力を依頼したい。」


俺の頭の中のパズルが、カチッと合わさった。
わりぃな、牧野。
お前を完全に包囲する。



*****



あれから何度か、司さんから電話があったりするんだけど、それが、夜中や早朝だったりして、そういう時は家族と一緒にいるから、なかなか会話も続けられなくて、あたしは慌てて電話を切ってしまっていた。
でも、一応、お付き合い?をしているはずの人に、その対応ってないよね。
しかも、酔っ払いのあたしを一晩見てくれていたのに、失礼だよね。

あたしは、お付き合いの経験がないから、すぐに恋愛モードに突入するっていうのはハードルが高い。
「お友達」でお願いした方が良かったかも。
「お試し」であっても、お付き合いしていることには変わりない。
だけど、あたしは、いったい何を試したいんだろう?

司さんのことは信用している。
本当に騙されてるとか思ってる訳じゃない。
「好き」か「嫌い」かでいったら、間違いなく「好き」。
だけど、なんだか、現実としてとらえることができないだけなんだと思う。
きっと自分の気持ちに頭が付いていけてないだけで、その差を埋める時間が欲しいだけなのかもしれない。




3/14日、火曜日。
あたしは18時からのバイトのため、The Classicに向かっていた。
今日は司さんに会えるかな。
ショートメールで連絡をとろうかなって思うけど、司さんにしたら迷惑かも知れないと思うと、それもできなかった。
仕事中かもしれないのに、電話を掛ける勇気もない。
だから、今日はBarで会えるかも知れないと、期待しているあたし。

更衣室で着替えて、お店へ出ると、マスターが面白そうにあたしをみる。
「つくしちゃん。さっき、司くんから連絡があってね。今日、つくしちゃんを借りたいって。火曜日だから、週末ほど混雑しないと思うから、OKしちゃったよ。19時に迎えにくるって言ってた。」
「えっ?どうしてですか?借りる?」
「さぁ。」

マスターは、あたしと司さんのこと、知らないよね。
でも、司さんと出かけられるなんて、うっ、嬉しいけど。

そう言えば、19時って、あと1時間しかない。
どうしよう。

「じゃあ、19時まで1時間だけ働きます。」
「まぁ、すぐにはお客様は来ないと思うけどね。」
「テーブル拭きますね。」

それからの1時間、あたしはそわそわしながら過ごすとになった。



19時を少し回った頃、お店に司さんが現れた。
驚くことに、その姿はいつもと違っていて・・。
だって、スーツ姿じゃない。
黒の細身のパンツに白のシャツ、ネイビーの羽織のニット。
首元にはチェーンのネックレス。

ちょっと、待って。待ってよ。
それは反則でしょ?
なんだか司さんじゃないみたい。
どうしよう。

そう言えばあたし、今日どんな格好してきたんだったっけ?
就職用に買った、春用のトレンチコート。
あとは、いつものスカートとニットだったと思う。

こんな時間に会うんだったら、ちゃんとお洒落をして来るべきだった。
あたしってホント女子力低い。
今日は司さんに会えるのを楽しみにしていたのに、どうしてお洒落して来なかったのか・・

意気消沈しているあたしにすぐに気が付いた司さんは、あたしに真っすぐ近づいてきて、
「お前、まだ着替えてねぇの?早く着替えて来いよ。出掛けるぞ。」
そう言って、何事も無いかのように、あたしの頭をポンポンと叩いた。


マスターだって見てるのに。
お客さんだって、見てるかも知れないのに。
司さんは恥ずかしくないのかな?
あたしは、きっと首まで真っ赤になっていたと思う。



 

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  1. 俺の女
  2. / comment:4
  3. [ edit ]

こんばんは(^^♪

  1. 2017/01/28(土) 00:00:14 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手、ありがとうございます。
早くくっついちゃえよ!といいたくなる二人です。

悠●様
本当だ、司のBDもうすぐですが、全く準備していない・・・どうしよう。

ス●様
司君、押せ押せで頑張って頂きます。じゃないと、つくし逃げちゃうから(笑)。

Ka●様
本当ですね。肩書があったって、司は司ですから、何があってもつくしちゃんには素直でいて欲しいです。まぁ、そのために、司が押してますから!

新●様
コメントありがとうございます。司、どんな寮を考えてるんでしょうね。手配する西田さんも日にちが無くて大変そうです。

では、また明日5時に!

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  1. 2017/01/27(金) 17:00:25 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2017/01/27(金) 08:51:07 |
  2. |
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  1. 2017/01/27(金) 06:24:40 |
  2. |
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