花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

慌てて着替えたあたし。
分かっていた事だけど、ロッカーの鏡に映る自分はごくごく普通の女。
鞄に入れていた化粧品は本当に必要最小限で、ファンデとリップのみ。
リップすらも、薬用リップじゃ笑えないよ。

けど、仕方ない。
お試し期間だし、頑張ったところで、すぐにボロは出るもんね。
そう思って諦めて、あたしは職員用通路に出た。

先日と同じように司さんが、壁にもたれて待っていた。
「じゃあ、行くか。」
そう言って、あたしの右手を引いて歩き出す。
あたしは彼の手を引っ張って聞いてみた。
「ねぇ。どこ行くの?」

司さんが急に立ち止まって、あたしを斜めに見下した。
「今日って、ホワイトデーなんだろ?」
「あぁ、そうだったっけ?」
「何だよ、覚えてねぇのかよ。」
あたしにとっては司さんに会える火曜日ってことの方が大事だったから、ホワイトデーなんて忘れてた。
それに、司さんが、ホワイトデーを知っている方が意外だったけど。

「あのムースのお返しってやつだ。」
「お返しって?」
「まぁ、とにかく、行こうぜ。」

そう言って、地下駐車場へ降りると、今回はリムジンの登場。
「今日はリムジンなんだ。」
「まぁな。」
そう言う、司さんがちょっと照れているみたいに見えた。


リムジンにのり、10分もしないうちに到着したのは、銀座のお店。
司さんに連れられて、お店の中に入ると、そこはどうやら靴屋さん。

「こいつの足に合う、パンプスを頼む。」
それだけ言って、あたしを前に出した。
「待って。何?パンプス?」
「黒のパンプス買うんだろ?」
「何で?」
「ホテルで履くんだろ?」
「どうして、それ。」
「お前、酔って、そう言ってたぞ。」

あちゃー、そうなんだ。記憶にないけど、そーなんだ。
「だからって、司さんに買ってもらおうなんて思ってませんから。」
そう言ったあたしにちょっと不機嫌な司さん。
「俺はお前のムース食ったのに、お前は俺からのプレゼントは受け取らねぇってことか?」
「あれ、そんなにお金かかってないし。」

それに、このお店、普通のお店じゃないでしょう?
明らかに高級店だ。
靴一足がいくらになるか、恐ろしい。

「あの・・如何なさいましょうか?」
あたし達を見守っていた店員さんに声をかけられた。

「あっ、えーと。」
お店まで入って来ちゃったのに、どうしよう。
オロオロしているあたしを他所に、
「とりあえず、こいつの足、測ってやって。」
司さんはそう言って、あたしを無理やり奥の部屋へ誘導した。


それから、小一時間。
結果的に言えば、すごく楽しい時間が過ぎていた。
靴ってオーダーできるって知ってた?
皮の質から、ヒールの高さ、内張りの素材、もちろん色まで。
パンプスもブーツも、お金持ちは自分の足に合わせて作るもんなんだねぇ。
知らなかった。
そのカタログがたくさんあることに驚いて、一気にテンションが上がってしまったあたし。
当然のことながら、店員さんもお勧め上手で、会話も弾んでしまう。
結局、あたしの足におすすめの、疲れにくい靴をオーダーすることになった。
隣で見ている司さんも楽しそうで、なんだか断りにくくなって、あたしは結局一足だけパンプスを作ってもらうことになったんだ。
満足そうな司さんを見ただけで、なんとなくあたしも幸せな気分。
でもさぁ。仕事は立ち仕事だから、すぐに履き潰しちゃうかもしれないのに、こんな高級な靴、もらっても仕方ないんだけどね。
きっと、仕事じゃ履けないな。
特別仕様の靴になっちゃうな、なんて思って思わず一人笑ってしまった。


その次に連れて行かれたのは、赤坂にあるイタリアン。
当然のように個室に入った。
「コートをお預かり致します。」
なんて言われて、自分が本当に普段着なことに焦った。
コートだって、ブランドものじゃないし。
今日の司さんは、いつもよりだいぶカジュアルな恰好をしてる。
たぶん・・あたしに合わせてくれたんじゃないかなって思う。
個室にしたのだって、きっとあたしのためのような気がする。
あたしが、こんなお店には似つかわしくないから・・・
あたしは、本当に恥ずかしくなった。

席について、司さんが「何か食いたいもんあるか?」って聞いてくれたけど、あたしの頭の中は恥ずかしさでいっぱいで、それどころじゃなかった。
ブンブン首を横に振ると、司さんが、適当に料理を注文してくれた。
やっとウェイターさんがいなくなって、ホッと一息。

「どうした?」
と司さんの声が聞こえた。
顔を上げると、司さんんが向かい側から心配そうにこっちを見てる。
「うん。なんか。ごめんね。いろいろ。」
「いろいろって何だよ。」
「あたし、もう少し、お洒落してくれば良かったね。いや、それでも、高級店に出入りできるような服なんて持ってないけど。司さんに、恥をかかせちゃったみたいで、申し訳ないよ。」
やばっ。なんか、あたし、泣きそうだ。

下を向いたあたしに向かって、
「そんなの気にしてんのか?俺はなんも思ってねぇけど?今日だって、お前を誘って連れてくることだけで精一杯だ。それに、だいたい、見てくれを気にするんだったら、初めからお前を誘わねぇし。」

・・・
あんまりと言えば、あんまりな気もするけれど。
あたしのみた目なんて気にしてないってことはホントかも。
だって、本当に恥ずかしいなら、あたしなんか連れてこなければいいんだもんね。
ちょっとだけ、ホッとした。

「うん。ありがと。」

司さんとあたしの間には、大きな壁があると思う。
それは、貧富の差とでもいうのかしら?
でも、そんなことは気にしていないと言う司さん。
そう言えば、司さんはいったいあたしの何を好きだと思ってくれているんだろう・・・

うだうだと考えているうちに、お料理が運ばれてきてた。
そのお料理がまた美味しくて、あたしは悶々とした気持ちがいつの間にかどこかへ飛んで行ってしまっていた。

「すっごく、美味しい!」
「良かったな。」
よく見たら、司さんはあたしの方ばっかり見て、全然食事が進んでないみたい。
「司さん、全然食べてないじゃん。」
もぐもぐ、ごっくん。
「俺は、お前をみているだけで、腹いっぱい。」
「何?それ。おかしいよ。」
「なんで?好きな女見ていられたら、他のこと何てどーでもいいだろ?」

うっ。
その言葉に、喉がつまり、持っていたフォークとナイフを落としてしまったあたし。
下は絨毯だったから、大きな音はたたなかった。
「ゲホッ、ゲホッ。」
むせながらも、慌てて、椅子から降りて、フォークとナイフを拾おうと床に屈み込んだ。

すると向かいの席から司さんも降りてきて、屈んだあたしの背中を叩いてくれた。
「驚き過ぎ。」
「コホッ。おっ、驚くでしょっ。もう」
そう言った途端に、見えた司さんの顔は超至近距離で。

「あっ。」
っと後ろに下がろうと思った瞬間には、後頭部を支えられて、そのまま司さんにキスされていた。
カクッと絨毯に膝をついて、そのまま、何度もキスを繰り返す。
司さんに唇を舐められて、驚いて口を開けた瞬間に、舌が入ってきた。

ここは食事をする場所だよ、とか、
あたしの口の中はさっき食べたカルパッチョの味かも、とか、
そんなことは思うのに、
このキスを止めようとは思わない。

司さんの言う通りかも知れない。
あたしは、もうお腹がいっぱいで、何も食べられそうにない。



 

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司、押してるな・・
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  1. 俺の女
  2. / comment:4
  3. [ edit ]

こんばんは~!

  1. 2017/01/28(土) 23:27:47 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
沢山の拍手、ありがとうございます。
コメント・拍手コメントもありがとうございます。

なかなか進まないし、じれったい二人。
そんな焦れ焦れでもいいと言って下さる希少な方もいらして、ちょっと嬉しかったです。
つくし、社員寮に入れないといけないし、俺の女にしないといけないし、なかなか忙しい3月だなぁ(笑)。
さっさと社会人になってくれ!と言いたい。

もうすぐ司君の誕生日ですね~。私も、何か準備しなきゃと思っています。

  1. 2017/01/28(土) 15:27:26 |
  2. URL |
  3. 四葉
  4. [ edit ]
きゅーん♪私も、胸が一杯♪ドンドンつくしちゃんが司に侵食されてます♪

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/01/28(土) 12:18:48 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

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  1. 2017/01/28(土) 06:29:06 |
  2. |
  3. [ edit ]
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