花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

どれぐらいの間、牧野と舌を絡ませていたのか。
このままじゃ止まらなくなりそうだと思った頃、ノックの音が部屋に響いた。

我に返り、慌てて俺を押しのけようとする牧野。
それを見て不機嫌になる俺。

「無視しとけばいいだろ?」
って言ってやったら、牧野に睨まれた。
その牧野の唇は、テカテカと濡れている。
ふん。そんな顔で睨まれたって、恐かねぇよ。
大体、お前、腰抜けてんだろうが。

そんな彼女を支えて立たせ、椅子に座らせた。
それからメインの料理を持ってきたウェイターに代わりのカラトリーを頼み、俺も席へ戻った。

キョロキョロとして、俺に視線を合わせようとしない牧野。
キョドリ過ぎだっつの。
お前がキスを拒否しない時点で、お前の答えなんて決まってると思うのに、どうしてこの女は素直じゃねぇんだ。
まぁ、そーいうところもいーんだけどな。

メインの魚料理に箸が進まない牧野をみて、
「どうした、もう腹いっぱいか。」
と言ってやったら、
「何となく、司さんの気持ちが分かった気がする。」
なんて言いやがる。

お前も、俺のことを想って、いっぱいいっぱいだっつーのは嬉しい。
けどよ。こんなことは言えねぇけど、
俺はお前が考えているよりも、ずっと先のことまで考えてるし、キスより先のことをしてぇと思うし、今でいっぱいいっぱいのお前より、俺の頭の中はもっとすげぇ妄想炸裂中だ。
だけど、急ぐつもりはねぇよ。
少なくとも、こいつが「お試し」なんて必要ねぇって気づくまでは待つつもりだ。


「勿体ないから。」
と言いながら、再び食べだして、結局最後のドルチェまで食い切った牧野。
「あは。結局、全部食べちゃった。ごちそうさまでした。」
と言って、照れ笑いをした。
こいつが食ってる姿を見ると、こっちが幸せな気分になるから不思議だ。
傍から見れば、食い意地貼ってるだけなんじゃねぇのって思われるのかも知れねぇけど、こいつに美味いもんをたらふく食わせて、その笑顔を見るだけで満足しまう俺は、きっと相当こいつにイカレてるんだと思う。
それが何でなのかは、よく分かんねぇ。
強いていうなら、俺の本能がこいつを求めてるとしか言いようがねぇな。


レストランを出て、リムジンに乗り込んだ時間は22時30分。
せっかく早い時間から会えたんだから、もう少し一緒にいたい。
どうすっかな・・

すると牧野が、
「ねぇ。司さんはメールとかしないの?」
と聞いてくる。
「電話はなかなか掛けにくいから、連絡するならメールの方がいいかなって。連絡もらってたら、今日だって、もう少しマシな恰好してきたよ。」

お前の恰好なんて、ホントに気にしてねぇのに。
何なら、俺が一式揃えてやるのに。

「チマチマ打つのは、好きじゃねぇな。」
「LINEは?」
「LINE?」
「しないの?」

LINEは何となく知っているが、アメリカでは他のツールがメインだったし、日本に戻ってからは、誰かとまめに連絡をとる必要性もなくて、使おうとは考えてもいなかった。

「司さんがLINEで繋がってくれたら、あたしから連絡しやすいけど。司さんは返事くれなくても、既読ってなったら読んでくれたのは分かるから。」
「ふーん。で、どうすりゃいいの?」
「スマホかして?」

俺はロックを解除して、プライベート用のスマホを渡した。
俺のスマホをいとも簡単に手にする女はお前だけなんだけど、こいつはそーいうことには無頓着みてぇだな。
俺の携帯番号を知っている奴なんて、ホンの一部の限られた人間だけなんだぜ?
仕事関係の奴らや、どっかの女どもがどんなに俺の連絡先を知りたがったとしても、絶対に教えはしない。
それなのにこいつと来たら、俺が伝えるつもりだった俺の名前も立場も言わせないまま、俺と「お試し」で付き合おうなんて言ってんだから、本当に可笑しな奴だよな。

「んっと。そうそう、コレをダウンロードして。これ、登録してくれる?」
「はぁ。めんどくせぇな。」
「お願い。」

うっ。
こいつにお願いされたら、嫌とは言えねぇ。
仕方なく、俺はスマホを操作して、なんとか、「つかさ」という名前で登録した。

「あは。平仮名の〈つかさ〉にしたんだ。可愛い。あたしも、〈つくし〉だから、ちょっと似てるね。」
そういって、サクサクと操作して、俺の友達にはたった一人、〈つくし〉が入った。

すかさず、牧野がメールを打っている。
『司さん。よろしくお願いします。』

うぉっ。来た。
これって、返事しなくていいっつーけど、やっぱり返事したくなるよな。
それで、俺もチマチマと返信。

『早く、俺のこと、本気になれ。』

隣の牧野が笑っている。
やべぇな。
これはこれで、仕事が手につかなくなりそうだ。



*****



久しぶりに何もない平日に、あたしは幼なじみの優紀とランチに来ていた。
大学はもう、卒業式を残すのみ。
大学の友達は、卒業旅行やら何やらでみんな忙しそうだけど、あたしは卒業旅行には行かなかった。というより、やっぱり金銭的な問題もあって、行けなかった。
もし、社員寮が当たれば、一人暮らしをしてみたい。そのためには、お金を貯めておかないと、やっぱりちょっとは家具を買ったり、食器を買ったりしたいもん。
だから、こうやって、友達とランチに行くことぐらいが残された学生生活のあたしの楽しみだった。


「へぇ~。超奥手のつくしが〈お試し〉とは言え、付き合うなんて、意外だな。」
「自分でもそう思う。」
「だけどさ。お試しなんて必要あるの?それって、結局つくしにしたら、自分がフラれたら悲しいからっていうだけの、保険みたいなもんなんじゃないの?」
「うっ。」
図星・・かも。

「やっぱり・・そう思う?」
「誰でもそう思うでしょ?」
「司さんもそう思ってるかな?」
「どうだろうね。」

「だってさ。あのBarに来る人って、上流階級の人達ばっかりなんだよ。そんな世界の人が自分の恋人になるだなんて、やっぱり考えにくいんだよ。」
「それって、向こうからしても同じだよね。なんで、つくしなんだろうね。」
「遊ばれてると思う?」
「うーん。話を聞いただけじゃわからないけど、私だったら、わざわざつくしみたいな初心者マーク付けた女なんて、面倒だから遊びの対象にはならないと思うけど。」
「初心者マーク・・」
「マーク丸出しだよ、つくし。22歳にしてファーストキスなんて、一体どこのお嬢様なのよ。」
「うう~っ。」

「ねぇ、キスはどうだった?」
優紀がニヤニヤ笑ってる。
「どうって・・普通・・」
あたしは思わず司さんとのキスを思い出しちゃって、顔が赤くなった。

「キスが嫌じゃないってことは、その先も近いね。」
「その先?」
「当たり前でしょ?高校生じゃないんだよ。」
「お試しでもそういうのあり?」
「それも含めてのお試しかと思ってたけど?」
「ちっ、ちがうし!」
「ええ~!絶対、相手だってそう思ってるって。」
「やだよ。お試しでそーいうのなんて。」
「じゃあ、お試しを辞めることだね。」

別に、そーいうことがしたい訳じゃないし。
でも、司さんはどうなんだろう?

「あのさ。そーいうことって、あたし次第なのかな?」
「ん?」
「だから、あたしがOKだったら、そーなるのかな?」
「うーん。男の人が抑えてくれる保障はないけど、嫌がる女を無理強いするようなことはないんじゃないの?だったら、つくしがいいと思えたら、その時、じゃないのかな。」

あたしがいいと思えたら・・か。

「ねぇ、つくし。これは、私からのアドバイス。ちゃんと聞きなさい。」
優紀が真剣に話しだした。
あたしは姿勢を正す。

「頭で考えすぎないこと。」
「うん。」
「後悔しないと思えたら、そのまま流れに任せること。」
「うん。分かった。」

「つくし・・その人のこと、好きなんでしょ?」
「う・・ん。」

ぎゅっとあたしの手を握った優紀。
「私は、いつでもつくしの味方だからね!」


ありがと、優紀。
やっぱり、持つべきものは親友だね。
恐がる必要も、不安になる必要もない。
司さんと付き合いたいと思っているのは、間違いなくあたしだ。
お互いにもう大人なんだもん。
自分のことは自分で責任をとれるんだから。

だから、後はあたしがどうしたいかというだけだ。
司さんの恋人なるのなら、司さんとそーいう関係になってもいいってことになる。
司さんと舌を絡めても、嫌な気持ちなんか全然なくて、むしろ時間が止まっちゃえばいいのにって思った。
この先に、そーいう関係があるのだとすれば、あたしはきっと受け入れられると思う。
それは・・あたしは、司さんのことが好きだから・・・


あたしに必要なものは、一歩踏み出す勇気だけなんだ。



 

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いつも応援ありがとうございます。
なかなか進まないなぁ。
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  1. 俺の女
  2. / comment:6
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  1. 2017/01/30(月) 01:16:21 |
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こんばんは~。

  1. 2017/01/29(日) 21:53:36 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手、ありがとうございます。
優しいコメントありがとうございます。
焦れ焦れな二人に気長に付き合っていただけると嬉しいです。

悠●様
進んでますか?そうかなぁ。

じゅ●様
ホントですよ。私もつくしと変わりたいです。でも、いつも思うのですが、司のキスってどんななんでしょうね~。

な●様
ここで、優紀ちゃんを投入(笑)。現在の二人の状況を、客観的に確かめたかった、私の意図もここにあり。ちょっとじゃないです。かなり普通からはずれちゃってる二人ですから!でも、だからこそ、お似合いなのかもしれません。。。

四●様
そちらの司もお誕生日にいいことありますか??そちらが気になる~!

ま●様
いつも優しいコメントありがとうございます。気長に読んでやってください。

H●様
ナイスガイ・・笑っちゃった。いや、当然です!司はナイスガイでないとダメなのです!

新●様
逃げささないように、時間をかけています(笑)。


これという妄想はあるのですけどね。
そこまでたどり着くのが長くって、なかなか辛いところです。

ではまた明日5時に!

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  1. 2017/01/29(日) 18:03:33 |
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  1. 2017/01/29(日) 09:32:33 |
  2. |
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  1. 2017/01/29(日) 05:50:53 |
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  1. 2017/01/29(日) 05:32:35 |
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