花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

「つくしちゃん、5か月間、お疲れ様。」
マスターの言葉に、涙が出ちゃったあたし。
マスターから花束を貰い、先輩スタッフからも労いの言葉を頂いた。
あたしは、持参していた手作りクッキーの入った大きな箱をマスターに手渡した。
「たくさん作ったので。皆さんで休憩中に食べてください。」

「つくしちゃんなら、メープルで出世頭になれるね。」
と先輩男性スタッフに言われ、
「頑張ります。」
と答えたあたし。
何となく、司さんが渋い顔をしていたのは、気のせいかな。

マスターや先輩たちと写真を取り合っている間も、司さんは何となく不機嫌そう。
よく考えたら、なんでこの場に司さんがいるのかって話なんだけど、きっとマスターが誘ったのかなと思って黙っていた。

最後にあたしが、
「5か月間ありがとうございました。ヘルプが必要な時には、いつでも声をかけてくださいね。駆けつけますから!」
と挨拶をし、たくさんの拍手をもらって解散となった。

着替えをして、頂いた花束を持って、いつも通りに職員用通路で司さんと落ち合った。
でも、やっぱり、司さんが不機嫌だ。
最近の司さんは、あたしと二人きりの時は、別人かという位に甘い顔をしていたのに、今はちょっと怖いぐらいに真面目な顔。初めて会った頃のようだ。
あたし、何かしたっけ?

機嫌が悪そうなのに、いつも通りにあたしの右手をとって歩き出す司さん。
そんな彼に、
「司さん、どうしたの?なんか、機嫌悪い?」
そう聞いてみたけれど、返事はなし。
そのまま、いつも通り、リムジンに乗り込むことになった。


リムジンの中には、バラの鉢植え。
司さんからのプレゼントだ。
「綺麗。」
「一年に何度も花が咲くらしいぜ。一人暮らしの部屋にいいだろ?」
とやっと口を開いてくれた司さん。

口をきいてくれたことにホッとして嬉しくなったあたしは、ついつい言ってしまった。
「うん、ありがとね。じゃあ、新しいお部屋、見に来る?」

ちょっと驚いた司さんの顔を見て気が付いた。
男の人を部屋に誘っちゃった・・。
しかも、こんな夜中に。
いや、深い意味はないんだよ?
何か、・・誤解させちゃったかな?

「あっ、ごめん、今の・・。」
「行く。」

あたしの言葉をさえぎるように、司さんの言葉が被さった。
司さんが面白そうに、あたしを見つめてる。
やっぱり、何か、誤解してる?

だけど、もう3月の最終日。
司さんに言われていた、「結論」を出す日だ。
だから、丁度いいのかもしれない。
自分の気持ちはもう分かってる。
あたしは、逃げも隠れもしないよ。

「うちで、お茶、飲んで行って?」
そう言ったあたしに、司さんは滅茶苦茶うれしそうに笑って、口元を抑えていた。

この笑顔を見れるなら、あたしはどんなことになったって、きっと後悔なんてしないと思えた。



*****



牧野が指定した住所に向かってリムジンを走らせて、あっという間にマンション前に着いた。
薔薇の鉢植えを持ち、牧野と一緒に正面玄関から入って、彼女が指紋承認をしたのを確認する。
やっぱ、これぐらいのセキュリティーは最低限必要だ。
コンシェルジュが慌てて出てきそうになったのを、睨んで止めた。

「こっち、こっち。」
と言われながら、牧野の後ろを付いて歩く。
エレベーターで6階に上がって、牧野がカードキーで部屋のドアロックを解除した。

ドアを開いたとたんに、
「あっ。」
と牧野が小さく悲鳴を上げた。

「どうしよう。スリッパ買ってなかった。」
そう言いながら、ちょっとがっかりした牧野。
スリッパ?あぁ、靴を脱ぐのか。
しかし、あの完璧西田がスリッパを用意していないとは、考えにくいな。

俺は無言で近くのシューズクロークを開けてみると、そこには、やはりスリッパ。
「うわぁ。スリッパまであるっ。」
と喜ぶ牧野に思わず俺も笑っちまう。

「ねぇ?LINE見たでしょ?こんなにそろっているから、引っ越しも日常品と衣類ぐらいで済みそうなの。」
そう言って、スリッパを俺の前に置き、中へ歩き出した牧野を慌てて追っていく俺。

奥のリビングダイニングに出た。
「えっと。そのソファに掛けてて?あ、バラはこっち。ありがとう。コート貸して?」
微笑む牧野に自然にスプリングコートを預けた。
なんか、いいな、こーいうの。

リビングのソファに座り、部屋を眺める。
すげぇ狭いけど、内装はまぁまぁか。

振り返り、飲み物の準備をしている牧野を見つめた。
顔を上げた牧野と視線が合うと、あいつが、
「ハーブティーにした。もう、遅いからね。」
と言ってちょっとはにかんだ。
その微笑みに、ドキッとする俺。

今日は、牧野に誘われなくたって、初めからこの部屋に来るつもりだった。
牧野に誘われたのは予想外だったが、あいつが、それほど深い意味なく誘ったのだって、何となくは分かっている。
けどよ。
やっぱり、夜中に、女の部屋に二人きりはまずいんじゃね?
あの酔っ払いの時とは訳が違う。
俺たちは、一応付き合っていて、しかも二人とも酒なんて入ってない。
もし今夜、牧野が俺を受け入れてくれたとしたら、何が起きたとしても不思議じゃない。

俺は、牧野とキスするたびに、ぐっと自分を抑えて来た。
けど、今日は、抑える自信なんてねぇよ。
あいつの返事を聞いたら、俺はきっともう抑えられない。

そんなことを考えながら、
ハーブティーを運んできた牧野を、俺の隣に座らせた。


「じゃあ、牧野、結論を聞かせてくれ。」



 

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いつも応援ありがとうございます。
昨日は、お誕生日企画にも、応援ありがとうございました。
『まさかのHappy Birthday』は今日中に完結させちゃおうと思いますが、アップ時刻は予想がつきません。
また適当に覗いていただけたらと思います。
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  1. 俺の女
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  1. 2017/02/01(水) 11:30:25 |
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  1. 2017/02/01(水) 09:38:16 |
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