花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

すっかり元気を取り戻したつくし。
まだまだたくさん決めなければならないことはあり、山のようなパンフレットは邸に届けるように指示を出して、俺たちはニューヨークの街をフラフラと歩いた。

つくしとのこんなデートは久しぶりのこと。
すでに夕方になっていたが、それでもまだ日があるうちに二人で外を歩くなんて、今年に入ってから初めてかも知れなかった。

「ねぇ。ミラノでも一緒にウィンドウショッピングしたよね。」
と腕を組んで歩くつくしが、俺をにぴったり寄り添いながら話し出す。
「そうだったな。」
「あたし、こうやって、司と歩くの好きだな。」

俺たちは互いに忙しく、朝と夜は一緒にいるし、仕事でもつくしが俺の傍にいる機会はあるが、こうやってゆっくりデートをする時間は殆んどない。
俺はつくしに甘えて欲しいって思っていたが、実際のところ、甘えさせる時間も与えてやれていなかったんじゃないかと反省する。

「これからは、時々こうやってデートしよう。忙しいことを理由にはしない。俺にとってはつくしが一番大切だからな。」
「うん。ありがと、司。」
「おう。」

「あのね。本当は、ニューヨークでケーキを焼いて、明日の司のお誕生日を、お父様とお母様と椿お姉さんと皆でお祝いするつもりだったの。」
「知ってる。」
「明日の誕生日、皆集まってくれると思う?」
「お前、やる気でいるんか?」

オヤジの我儘に付き合わされて、ババァの年甲斐のない嫉妬で本来なら必要のない仕置きを受けたんだぞ?そんな奴らと、一緒に誕生日パーティーをしようってか?

「当たり前でしょう?あたし、そのためにわざわざニューヨークまで来たんだよ!」

昨日はあれほど泣いてたくせに、俺の家族のせいで嫌な目に合ったくせに、それでも家族を大切にしてくれる。
つくしは本当に優しい女だ。
その優しさに付け込んだオヤジは、到底許す訳にはいかないが、もし誕生日パーティーが無くなったら、それはそれで、つくしが気にしてしまうだろう。

「分かった。邸に帰ったら、オヤジたちに聞いてみるか。」
「うん。それに、椿お姉さんさんも、明日の夜にはロスから来てくれるはずなの。きっと楽しいパーティーになると思う。」

はっきりって、パーティーなんてどーでもいいんだけどよ。
けど、つくしがやりてぇっつーんなら、絶対にやる。

「そうだ!あたし、絶対買いたいものがあるの。付き合って。」
それから、珍しく買いたいものがあると言うつくしに付き合った。
その買い物には笑っちまったが・・今は、言えねぇ。


「お前の買い物に付き合ったんだから、俺の買い物にも付き合えよ。」
そう言って、こいつをブティックに誘い、あれこれと二人で洋服を選んだ。
俺がつくしに服やバッグを選び、つくしは俺に選んでくれた。こんなことが、最高に幸せだ。

いつもは要らない、要らないとばかり言うこいつだが、今日はやけに素直だな。
「お前が素直に買わせてくれるなんて、珍しいな。」
思わずそんな言葉を投げかけると、
「だってさ。断ったって、絶対司、買っちゃうでしょ?どうせ買われちゃうなら、こうやって二人で選んだ方が楽しいもんね。あ、でも、たくさんは要らないよ。」
そうだよなぁ。こうやって、二人で選ぶのは楽しい。
だからと言って、勝手にこいつに見立てることもやめられそうにはねぇけどな。

「ついでにジュエリーもみていくか?」
しれっとそう言った俺に対しては、さすがに苦笑いだ。
「それは、また今度ね。次のデートの時に。」
「約束だぞ。」
「うん。」
贅沢を敵とみなす節のあるつくしだが、今回のことで甘えることに抵抗がなくなったようだ。それは傍から見ると、俺がつくしの手で転がされているように映るかも知れねぇけど、俺はそれでも全く構わない。

遅めのランチのおかげでまだ腹がいっぱいだった俺たちは、暗くなるまで歩き回って、邸へと戻った。



*****


軽めの夕食をとって、届けさせていたパンフレットを見ながら、二人まったりとリビングでくつろいだ。
片時も離れないつくし。
「ねぇ。ゲストテーブルのお花は迷うよね。バラだと可愛い感じになり過ぎちゃうかな。」
「一緒に、グリーンを入れればいいだろ?」
「そうだよね。さっすが司。センスいい!」
ちょっと適当に言ったことにも、嬉しそうなつくし。俺はやや反省。
つーか、俺はそろそろ、夜の時間に突入したいところなんだが、つくしはなかなかパンフレットから目を離そうとしない。

そんな時・・・
コンコンコンコン
いつもより、騒がしくノックの音が響いた。

二人同時に振り返ると、顔を出したのは執事の男。
「司様。ただいま、総帥が戻られまして・・」
「オヤジ?」
「玄関でお倒れになりました。」

ガタンと立ち上がった俺たち。
急いで玄関へ向かおうとしたところで、
「すでに、寝室へお運びいたしました。」
「寝室?医者は呼んだのかっ?」
「はい。」
繋いだつくしの手が震えている。いや、もしかすると、俺の手が震えていたのかも知れない。

「司様。泥酔ですので、心配は要らないようです。」
「は?」
「深酒を召されたようでして、玄関でふらつかれた様です。」
「マジか?」
ほっと、力が抜ける。隣のつくしも、ふぅっと息を吐き、ソファに座り込んだ。

「ビビらせんなよ。で、大丈夫なんだろ?」
「はい。しかし、奥様が、司様とつくし様をお連れするようにと。」
「ババァが?」

「司、行こう。」
そう言って、つくしはもう一度立ち上がり、俺の手を引いて歩き出す。
「あたしね。こっちに来てから、何度もお父様と食事をしたの。でも、お父様ったら、すごい酒豪で、いくら飲んでも酔ったりなんかしなかったのよ。きっと、何かあったんだと思う。」



オヤジたちの部屋をノックすると、
「どうぞ。」
とババァの声。
ゆっくりと扉を開けると、ソファには、疲れ切ったババァの姿。

「お母様、何があったのですか?」
「いえ、大丈夫なのよ。こちらこそ、心配をかけたわね。」
「AGと上手くいかなかったのか?」
「それはないわ。きちんと契約を結んで来たわよ、あの人。」
「マジか?」
すげぇ。オヤジ。
今まで、一度もOKを貰えなかったAGをどんな手段で落としてきたのか気になるな。

「じゃあ、泥酔って何だよ。」
「まずはお掛けになって?」

俺たちがソファに座ると、ババァが話し出した。
「まず、つくしさん、今回の件。本当にごめんなさいね。主人の我儘も然りですし、私もあなたを騙すようなことをして、やりすぎてしまったわ。」
「いえ、お母様。本当に、もしものことがあれば、大変な騒ぎになっていたんです。私も反省しています。」
「ありがとう。つくしさん。優しいのね。」
「あたりめぇだろ。つくしが優しいからって、付け込むんじゃねーぞ。」

鼻息を荒くした俺を、隣のつくしが制す。
「それで、お母様、お父様はどうされたのですか?」
「それが、あの人ったら、AGのスミス会長に契約を持ち込んで、やはり決裂しそうになったそうなの。今までだって、無理だったんだから、それでも仕方がないのにね。でも、あの人、司とつくしさんにいいところを見せたかったのね。この契約ができなければ、家族がバラバラになってしまうから、よろしくお願いしますって、条件を色々提示して頼み込んだらしいのよ。道明寺の総帥が深々と頭を下げたらしいわ。」
「信じらんねぇ。」
「信じられないのはこの先よ。そうしたら、スミス会長は実はとても情にもろい方らしくて、一緒に食事をすることになって、二人でひたすら飲んだらしいの。その過程で、どうやら提携は決まったみたいなんだけど、そのまま二人は飲み続けて、スミス会長は側近に止められて連れて帰られるし、あの人は何とか邸までたどり着いたものの、玄関に倒れ込んだって訳。」
「何やってんだよ、オヤジ。アホか。」

道明寺の総帥が酔いつぶれて帰宅した。
その理由は、恐らく今回の件を反省したからなんだろう。

つくしをチラッと盗み見ると・・
泣いてる??

「お父様、凄いです。尊敬します。」
「尊敬って・・」
呆れる俺。
こいつはどこまで優しいっつーか、馬鹿なんだ。

「つくしさん、許せないとは思うけど、これであの人を許してあげてくれないかしら?」
俺とババァはつくしを見た。

「許すもなにも、初めから、怒ってなんかいません。だけど、一つだけ、我儘を言わせてください。明日の司さんの誕生日、約束通り、皆でパーティーをしたいんです。」

驚いた表情のババァが笑える。
そうだろ?この状況で、誕生日パーティーって・・・

「もちろん、了解よ。元々明日の夜は予定を入れていないから、こちらで盛大にやりましょう。」
「準備は任せてください、お母様。」


一見落着に見えるけどよ。
俺は何となく、嫌な予感がするんだが・・・
気のせいか??



 

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やっぱり終わりませんでした(涙)。
えっと、次の更新は明日の17:00予定。
あと1話と言いたいけど、もしかしたら2話かも知れません。
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  1. まさかのHappy Birthday
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  1. 2017/02/02(木) 19:59:22 |
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