花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

結婚報告会見が終わり、俺たちはウエストチェスターの邸に戻った。
俺は今すぐにでも、つくしと二人きりで部屋に籠りたいと言うのに、こいつと来たら、やっぱりこれだ。

「誕生日パーティー、準備万端だから!期待しててよねっ。」

お前は本当に分かってねぇよ。
俺は家族に祝って欲しい訳じぇねぇ。
俺を愛してくれる、お前と祝いてぇんだよ。
かと言って、今更このパーティーを中止する訳にも行かない。

だいたい、オヤジやババァだって、慣れねぇことこの上ねぇだろうし、張り切ってんのはつくしと姉ちゃんぐらいじゃねーのか?

これから突入する誕生日パーティーを前に、リムジンの中、俺はつくしで充電中。
こいつの唇に食らいついて、離さない。
ドンドンと胸を叩かれて、ようやく唇を離した俺。
「もー。せっかく綺麗にしてもらったのに、お化粧がとれちゃったじゃない!」
「なぁ。パーティーなんていいから、二人で乾杯でもしようぜ。」
思わず本音が漏れちまった。

キョトンとするつくし。
「何で?」
「何でって、何だよ。お前と二人きりでいる方が、嬉しいってことだろが。」
「えっ?」
「え、じゃねーよ。」
「司、皆にお祝いしてもらいたかったんでしょ?誕生日の歌を歌ってもらって、お誕生日ケーキの蝋燭を消したかったんじゃないの?」
「誰がそんなこと言ったんだよ。」
「だって、西田さんの誕生日会を羨ましがってたじゃないの。」
「あれは、お前が西田のために、あれこれ準備したからだろ。歌とかケーキとか、要らねぇよ。俺は、お前とイチャイチャする誕生日が一番いいんだよっ。」
って、こんなこと言わせんなっ。

「それならそうと、もっと早く言ってよぉ。もう、準備しちゃったよ。」
「知ってるっつーの。」
「司・・、あのさ、驚かないでね?」
「何のことだよ。お前、昨日買った飾りつけ、本当にしたんか?」

こいつは、昨日、雑貨屋を巡って、誕生日会の飾りつけをするとか言って、大量にグッズを買い込んでいた。だいたい、そんなもん必要ねぇし、何より邸の者に一言いえば、つくしが準備しなくたって全て整うんだが、こいつがやりたいと言うのだから止めはしなかった。

「した。」
「まぁ、そのぐらいはいいだろうよ。オヤジたちだって驚かねぇよ。心配すんな。」
「う・・・ん。」


そうこうしているうちに、リムジンが邸の正面玄関に到着した。
心なしか、つくしの足取りが重いのは気のせいか・・

玄関で執事に出迎えられた。
「ご結婚会見が滞りなく終了しましたこと、誠におめでとうございます。」
「あぁ、これからも宜しく。」
そんな挨拶を返す俺に、執事もびっくり顔だ。
隣のつくしは満足そうに俺を見た。

「つくし様、すでに皆様お揃いで、パーティールームにお集りでございます。」
それを聞いたつくしは、ギクッとして緊張が走ったように見える。
何だ?
何かあんのか?

「司・・お願い。今晩は、何でも言うこと聞くから、今から一つだけあたしの言うことを聞いて。」

はぁ??



***



Happy birthday to you,
Happy birthday to you,
Happy birthday, dear Tsukasa,
Happy birthday to you.


さすがに本場の英語はすごいわね。
お父様も、お母様も、椿お姉さんも、Rの発音が素晴らしい。
ほぼnativeだもんね。

歌が終わった途端に、あたしが作ったケーキの蝋燭がふーっと一吹きで消された。
執事さんが、ぱっと室内の電気をつける。

「つーか!何なんだよっ、これっ!!!」

パーティールームは折り紙やモール、バルーンで装飾された、ポップなお部屋。
そして、主役の司の頭には・・・三角帽子・・。

「いいじゃないの、司。似合ってるわよ。」
「まさか、司がこんな誕生日をしたかったなんて、驚いたな、楓。」
「そうね。私もつくしさんにそう聞いても、俄かに信じ難かったわ。」

それを聞いた司があたしを睨んでる。
ごめんっ、司。
だって、「庶民のパーティー」とか散々いうもんだから、てっきり司が羨ましがってるんだと思ったんだもん。
だから、この抜き打ちの結婚会見に行く条件として、皆にお誕生日の歌を歌ってもらうことにした。
もちろん、とっても嬉しいお話だったから、会見を断るつもりなんて無かったけど、どうやって歌を歌ってもらうかずっと考えていたあたしは、ここぞとばかりに二人にお願いしたんだ。

「ずっと司が憧れていた、一般家庭のような誕生日会を、是非一緒にしてあげてください。」って。
「誕生日ケーキの蝋燭は、歌の後に吹き消します」って。

そして・・司の頭には、誕生日の主役の定番、キラキラ光る三角帽子。
これは椿お姉さんが準備してくれていた。
あっ、あたしのせいじゃ、ないからねっ。


司の額に青筋が見える。
あれは、ホントに怒っている証拠だ。
あたしは、今晩生きていないかも知れない・・・


パーティーの間中、あたしは司の隣に座り、お料理をとってみたり、口元を拭いてみたり、はたまたテーブルの下で司の手を握ってみたり・・・甲斐甲斐しく司のお世話をした。
そんなあたし達の様子を、お父様もお母様も、椿お姉さんも楽しそうに見ている。

「本当に二人は仲がいいのね。」
「つくしさんは、初めは司のメイドだったな。どうりで司の扱いが上手い訳だ。」
「あら?私も一度メイドの仕事を勉強した方がよろしいかしらね、あなた。」
「いっ、いや、楓はそのままで十分だよ。」

はっ、恥ずかしい・・・この状況。
自分で招いたこととはいえ、あたしは今、司のご機嫌をとるのに必死。
でも、今、司のご機嫌を損ねる訳にはいかないもの。
それに、お父様とお母様ったら、凄いラブラブじゃないのっ。
本当に、この家族って、一体どうなってるの?
子育てを放棄していた両親には全く見えないんだけど・・・


「私たちが小さな頃は、両親はニューヨークだったから、殆んど会うことは無くって、要人を招いた盛大な誕生日会が唯一両親に会える日だったのよ。でも、これからは、司のそばにはつくしちゃんがいてくれるから、全く寂しくないわね?司。」
と椿お姉さん。
「俺は元々寂しいなんて思ってねーよ。」
「またまたぁ。本当は、こういう誕生日会をしたかったんでしょ?お姉ちゃんは知ってるんだからねっ。やせ我慢すんなっ。」
さらに司の青筋が増えた。

あぁ、どうして、こんなことになっちゃったんだろう。
司に喜んでもらうはずだったのに、
デザートまでは先が長いよ。とほほほほ・・・。



あたしにとっては、処刑を待つかのようなパーティーの時間が無事に終了して、それぞれにパーティールームを後にした。
「おやすみなさい。」
そう挨拶をして。



部屋に戻って来たあたし達。
恐る恐る、司の横顔を覗き込む。
すると思っていたよりもご機嫌な司の笑顔。
でも、この顔は危険。絶対、危険。
今は、絶対頭の中で凄いこと考えてる。

あたしがそーっとバスルームへ移動しようとした時に、司に左腕を掴まれた。

「逃げてんじゃねぇぞ。今夜は、何でも言うこと聞くんだろ?」

ゴクリ。
でもさ、昨日も、一昨日も、一晩中抱き合ったよね。
何でもするとは言ったけど、もうこれ以上はどー考えても無理だと思う。

「肩でも揉みましょうか??」
「要らねぇ。」
「だよね。」

当然のことながら一刀両断された。

「俺は今晩、手加減しねぇから。」
「なにそれ?今までは手加減してくれてたの?」

ジロリと司に睨まれた。やばっ、墓穴?

一瞬の隙を突かれて、あたしは司に抱きかかえあげられた。
これはもはや逃げられない・・


その晩あたしは十分に思い知った。
いつもの司は、手加減してくれていたんだってことを。
意識を手放しては、起こされて、何度も何度もイカされて、朝になっても終わらなくて、あたしが最後に見た景色は天国だったかも知れない・・・

司が仕事に行くギリギリに放してもらえたけれど、その後は指一本動かせず、ひたすらに眠り続けて、夕方に司が帰ってくるまで食事をとることもできなかった。
その翌日まではまともな生活は送ることができなかったあたし。
その間は、ずっと司のお世話になった。
そして、司に抱きかかえられて、ジェットにのり日本へ帰国したのだった。




そんな、まさかのHappy Birthday。
はちゃめちゃだった、Happy Birthday。


でもね。
実は来年の1月31日は、もっと大変なことになる。
あたしが、司に瓜二つの男の子を生むのは、1年後のこと・・・


Fin.


 

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最後までお付き合いありがとうございました。
疲れた・・。
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  1. まさかのHappy Birthday
  2. / comment:12
  3. [ edit ]

ありがとうございました 2

  1. 2017/02/07(火) 07:12:43 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
ゆ●様
つくし、羨ましい??
たいへんですよぉ。
でも!相手が司だったら、やっぱり羨ましいなぁ。

た●様
是非是非、また遊びにいらしてくださいね!

ありがとうございました!

  1. 2017/02/07(火) 01:32:03 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
たくさんの応援やコメントありがとうございました。
途中、バタバタしすぎて、全くコメント返せず申し訳ないです。
つくしちゃーん、お疲れーというHappyendingでした。
いつか、1年後の未来も書きたいなぁとは思っています。

悠●様
1年後のお話ですね。またの機会に!

花●様
楽しんで頂けて良かったです。ついつい、妄想も広がっちゃいますね。

スリ●様
そうそう、案外司にとってもいい誕生日だったのではないかと思います。つくしちゃんに甘えてもらえたしねぇ。

す●様
コメントありがとうございます!応援頂き嬉しいです。

あや●様
初めまして。よろしくお願いします。そうですね、また続き、いつか書きたいです!

のだめまま様
なるほど~。そういった由来でしたか。いや、実は、少しピアノ・音楽関係のお話を書こうと思ったことがあって、でもあまりに私は素人だったのでやめた経緯があったので、どうなのかな~と思ったのです。わざわざお返事ありがとうございました。

Ka●様
司パパ、お茶目すぎたかな。まぁ、たまにはこういうパパもよし(笑)ということで。えへ。

まり●様
つくし可哀そうだったけど、なんとかHappyになれたかな?応援頂き、ありがとうございました!

さと●様
そうだ、とんがり帽子だ!あとで、こっそり書き換えるかも!

新●様
ホントですね、愛ゆえなんだから、司も手加減してやれよって感じですね。

さ●様
きゅんきゅん、していただけましたか?よかった~!

ま●様
本当に思いがけない長編となりました。疲れた~。

ではでは、本当に応援ありがとうございました!

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/02/05(日) 23:34:10 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2017/02/05(日) 22:58:59 |
  2. |
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  1. 2017/02/05(日) 21:59:22 |
  2. |
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  1. 2017/02/05(日) 21:21:38 |
  2. URL |
  3. のだめまま
  4. [ edit ]
happyendingさん、こんばんは〜 🌙
楽しい誕生日週間が終わっちゃいましたね〜♪♪
司の野獣プリは半端なく、それでも普通に仕事に行けちゃうって…(笑)
つくしが司の栄養源なんですね❣️
次はつくしの出産ですか⁉︎
どんな司が見られるのか、またまた、楽しみに待ってま〜す⋆⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝

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  1. 2017/02/05(日) 20:46:55 |
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  1. 2017/02/05(日) 20:21:10 |
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  1. 2017/02/05(日) 18:59:06 |
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  1. 2017/02/05(日) 18:33:11 |
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  1. 2017/02/05(日) 17:30:16 |
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  1. 2017/02/05(日) 17:05:39 |
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