花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

おかしい、おかしいと思っていたことが、全部腑に落ちたような気がする。

このマンションは司さんの持ち物で。
この部屋は司さんがあたしのために用意した部屋。
家具や電化製品も、当然司さんが準備していたって訳。

あたしが会社の寮に入ることを知った司さんが、こっそり準備したらしいけど、これ、絶対こっそりじゃないよね。どう考えても特別待遇っていうか、公私混同だよね。
それって、ダメだよ。司さん。

「司さん。あたし、やっぱり家に帰る。」
「あ?何言ってんの、お前。」
「だって、ここに住めるわけないよ。同期の皆に聞かれたら、どうしたらいいの?」
「どーいう意味だよ?」
「だからっ、新入社員のうち、あたしだけが、こんな高級マンションに住んでるなんて、言えないよっ。」
「あぁ、そのことか。」
「そのことかじゃないでしょっ!」

「お前の入寮期間は先月のみ。」
「へ?」
先月って、3月のこと?
でも、あたし、昨日3月31日に入寮したんだよ?
今日は4月1日土曜日だよ?

「その後は、恋人のマンションで同棲してるっつーことでいいだろ?」
「同棲っ!?」
「だいたい、家賃とか要らねぇし。」
「ヤダっ。絶対、出て行くからっ。」

そう言って、荷物を持って出て行こうとするあたしの手首を、司さんが掴んだ。
あたしを見つめる瞳が、捨てられたワンコみたい。

「俺を一人にする気か?」
「え?」
「俺は正直、忙しい。Barのバイトを迎えに行くのもギリギリの生活だった。」
「あっ、うん、そうだよね。ごめんね。ありがとう。」
「これからお前が働きだせば、恐らく殆んどすれ違いの毎日になる。」

それは、確かにそうなのかも知れない。
この人は、道明寺ホールディングスの日本支社長だ。
きっと、今までだって、無理をしていたんだと思う。

「俺は、毎日お前に会いたいし、例え少しだけでも一緒にいたい。それはダメか?」
「司さん・・」

どうしよう。どうしよう。
あたしだって、少しでも一緒にいたいよ?
でも、同棲だなんて。
パパやママだって心配する。

「でも、パパもママも寮に入ったと思ってるんだよ?」
「だから、さっき挨拶しただろ?」

そうだった・・
っていうか、そう言うことだった訳ね。
本当にあたし、どうしたらいいの?

司さんがあたしを優しく抱きしめる。
あたしは、無意識に彼の腰に腕を回した。
そして、自然と顔を上げると、当然のように司さんからのキスが降って来る。
キスをしただけなのに、もうこの人が欲しくなる。

これが・・答え。
あたしには司さんが必要で、司さんにもあたしが必要なんだ。
今更迷ったって、仕方がない。
だから・・

ゆっくりと瞼を上げて、司さんを見つめてみる。
司さんもあたしの答えを待っている。
本当にズルいんだから。
きっとあたしの答えなんて分かってるんでしょ?

「あたし、ここに住むから。」
司さんの右の口角が上がった。




夕方は、二人でスーパーへ買い物に出かけた。
司さんはどうやら、スーパーに初めて来たらしい。
あんなに大きな図体で、あたしの後ろを付いてくるのが可愛い。
挽き肉と玉ねぎを買って、ケチャップとソースも買って、サラダの用意もして、今日は特性ハンバーグの予定。
近くのケーキ屋さんで、引っ越し祝いのケーキも買った。
二人で買い物なんて、なんだか本当に恋人らしい感じがする。
けどさ、さっきからケーキ屋さんの店員さんもお客さんも、司さんのことをチラチラみてるんだよね。
やっぱり司さんはモテるんだろうなぁ。
昨日の夜だって、あたしにとっては『初めて』だったけど、司さんにとっては普通のことなんだろうな。
あたしにとってはいっぱいいっぱいのことだったけど、司さんにとっては余裕なことなんだろうな。
そう思うと、司さんがあたしなんかで満足してくれているのかどうか、ちょっと不安になった。

マンションに帰って、あたしは夕食の準備に取りかかった。
そして司さんは持ってきていたノートPCで仕事のメールを確認していた。
司さんが仕事をしている姿って、初めて見るかも。
やっぱり、カッコイイな。
ノートPCに何かを打ち込みながら、もう一つのタブレットも使って何やら資料を読んでいる。
でも、ソファで仕事をする姿勢がなんだか窮屈そうで、あたしは何だか申し訳なくなった。
きっと、すっごくあたしとの生活に合わせてくれているんだろうなって。


あたしが作ったハンバーグを一緒に食べた。
司さんは「おいしい」って何度も言ってくれる。
その言葉に嘘は無さそう。
でも、あたしの気分は何となく沈みがちで・・・

そんなあたしに気付いた司さんが、
「どうした?」
と聞いてくれた。
あたしは不安を全部話すことにした。
「ねぇ。本当にあたしでいいの?あたし、司さんの足引っ張っちゃいそうだよ。」
「どういう意味だ?」
「だって、司さん、ここでは仕事もやりにくそうだし、司さん大柄だから、ベッドも狭そうだったし、それに、あたしみたいな恋愛初心者の女なんて、面倒じゃないの?」

きっと今まで司さんが付き合っていた女性なら、きっと広いお部屋も持っていて、SEXだって慣れていて、ご飯だってきっと豪華で、もっともっと司さんを満足させてあげられるんじゃないのかな?

すると司さんが、
「まぁな。正直、この部屋は狭いな。まぁ、お前が驚かないように、社員寮っつーのを参考にしたつもりだったんだけどよ。一番の問題はベッドだよな。ダブルサイズで寝れねぇことはねぇけど、やっぱ、クイーンサイズ以上は欲しいよな。」

「だったら、別に・・・」
「そうだな。上行くか?」

別に一緒に暮らさなくたっていいんじゃないの?と言おうとしたあたしに向かって司さんが言った。
「最上階のペントハウスは俺の部屋なんだわ。そっちに仕事部屋もおいてるし、ベッドもデケぇから、きっとお前も寝やすいと思う。上に移るか。」

最上階は・・・オレノヘヤ??

「俺はお前以外の女なんて興味ねぇから、今まで女と付き合ったことなんてねぇよ。女を抱いたのも、昨日が初めてだ。そんな恋愛初心者の俺は面倒な男か?」

それって、それって、本当の話?
信じ・・らんない・・・

あたしは、ポロポロ涙を流しながら、首を横に振った。

「ったく。余計なこと考えて、勝手に不安になってんじゃねーよ。」
司さんが人差し指で、あたしのオデコをツンと押した。

「ま、けど、お前がそー言うなら、いいな。上のペントハウスで暮らそうぜ、俺たち。」

ほっとしたあたしは、抵抗する暇もなく、
司さんに腕を引かれて、ペントハウスに連れて行かれた。



 

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  1. 俺の女
  2. / comment:3
  3. [ edit ]

こんばんは!

  1. 2017/02/08(水) 00:17:48 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手、ありがとうございます。
「まさかの~」で体力を使い果たしたようで、疲れ切っております。。。

悠●様
いつもコメントありがとうございます。書いている内容は甘いのですが、かなり、体力消耗しています。

スリ●様
えへ。ちょっと休憩だったりして。。。

新●様
おお~!仰るとおり。明日をご覧ください。司、余裕かましてるけど、そううまくはいきません。

ま●様
司君、駆け引き上手かと思いますが、そううまくはいかないのでした(笑)。

H●様
私もペントハウス覗きたーい!

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  1. 2017/02/07(火) 07:29:01 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2017/02/07(火) 05:09:33 |
  2. |
  3. [ edit ]
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