花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

このお話は、『俺の女(第一部)』の番外編です。
新しい部分もあり、ちょっと復習的要素もあり。
リフレッシュしながらの掲載なので、一話はやや短めかな。
気ラクーにお読みください。
*****



『司~。お前、何イライラしてんだよ。』
総二郎が、俺にぼやいた。
『イライラすんのは、はけ口がねぇからだろ?女に行けよ。気持ちいいぜ?憂さも晴れるさ。』

俺は今日、18になった。
総二郎とあきらは、中坊の頃から、女遊びを繰り返してやがる。
類は・・分かんねぇけど、静となんかあんのかもな。
俺たちは幼なじみって奴だが、互いのことにそれほど干渉なんてしちゃいねぇ。
俺たちJr.の未来なんて、結局、自分の家に縛られるだけだ。
いずれは縛られると分かっているからこそ、今だけは自由でいたい。
それが、俺たち共通の願いだ。

見えているようで先が見えないトンネルの入り口で、俺たちは不安になりそうな気持ちを、それぞれの方法で吹き飛ばす。
総二郎たちだって、馬鹿じゃねぇ。女で遊んでるってだけで本気になんてなりゃしねぇ。それでも、女を抱くと満たされるらしい。

だが、俺は・・違う。
女を抱いたからって、満たされるとは思えねぇ。
じゃあ、何が俺を満たしてくれんのかも分かんねぇ。
女なんて気持ちワリィし。
馬鹿で、したたかで、物欲しげに俺のことを見やがって。
中坊の頃は付き合いでキスぐらいには応じていたが、高校に入ってからはそんな遊びすらもしてねぇ。
つーか、気持ち悪くてそんなことできねぇ。
女なんて、近づけるのも嫌だった。

なのに・・
「おっ、あの子たちいいんじゃね?」
「まぁまぁだな。許容範囲か。」
とまた、お祭りコンビの悪ノリが始まった。

めんどくせぇ。
「女呼ぶなら、俺、帰るわ。」
「おい、ちょっと待てよ、司。お前の誕生日だろうが。ここは一発決めとけって。いつまでもドーテーじゃ、F4リーダーの名が泣くぜよ。」

ガンッ!!!
俺はテーブルを蹴りあげて、奴らを睨みつけると、地下の店を後にした。


面白くねぇ。
つまんねぇ。
やってらんねぇ。

一体、俺は何のために生きてんだよっ!!


むしゃくしゃした俺は、リムジンにも乗らず、新宿の街を歩き続けた。
飲み屋の前には酔っ払い達がたむろしている。
俺の恰好の餌。

奴らの一人と肩が触れた。
その瞬間に、
バキッ!!!
と俺の拳が奴の顔面にヒットした。
条件反射って奴だ、悪く思うなよ。

そのまま立ち去ろうとした俺に、奴の仲間が掴みかかって来た。
んなもん、お見通しだっつーの。
背後から近づいてきた瞬間に回し蹴りでK.O.
ちっ、大したことねぇな。
そう思ったところに、更にもう一人が殴りかかって来る。
奴のパンチが、俺の左ほおを掠った。ちっ。
そのまま俺も右ストレートを見舞ってやる。
ドカッ!!!


これで終了だ。
唇の左端がわずかに切れた。
グイッと手の平で血をぬぐい、俺は再び歩き出した。

つまんねぇ・・・
こんなことを繰り返したところで、憂さなんて晴れねぇことは分かってた。
けど、やらずにはいられねぇんだ。
俺は、本当にどうしたいんだろうな?

女に逃げる気もねぇ。
拳を振るうのも、意味がねぇ。
どうすれば・・・


歩き続けると、見知らぬ界隈にやって来た。
暗くてよく見えねぇが、向こうから小せぇ人間が歩いてくる。
女か?
寒そうに手のひらをこすり合わせて、こっちなんて見ちゃいねぇ。
女じゃ殴る訳にもいかねぇな。
そう思って、近寄りたくもねぇ女を避けようとした時・・
その女と目が合ったような気がする。

「ちょっと、あんた、口から流血してる!!」
丁度点いたり、消えたりを繰り返す電灯の下ですれ違い、俺の顔が見えたらしい。
口から血を流した俺に驚愕する女。

俺は女を無視して素通りしたはずなのに、いつの間にか付いてきた女が、持っていたハンカチで俺の唇の左側を押えた。
あまりに一瞬のことで、避けることもできなかった俺。


「全く。喧嘩なんかするからよっ。そんな暇あったら、一円でも稼ぎなさいって。あんたが遊んでいられんのは、あんたの両親が働いているからでしょーがっ。全く、もう~。」

なんだ、この女。
頭おかしーのか?
お前、俺が誰だか分かって言ってんのかよ?
俺は道明寺司だぞ。

「おい、お前、俺が誰だか分かって言ってんのか?」
「知る訳ないでしょっ。」


ムカつく女の声。
街灯から外れたここでは、女の顔はよく分かんねぇ。

だが、女の言葉が頭に響いた。
確かに、そうだ。
だから、何だっつーんだ。
俺が道明寺司だから、何なんだ。
道明寺司だったら、どうなんだよ。

周囲からの視線を気にしてるのは俺自身。
けど、俺自身が何者であるかは、これから俺が自分自身で示すものじゃねぇのか。
俺自身の評価はまだ、何もされていない。
この女が、俺を知らなかったからって、それは問題にもなんねぇんだ。
中身のねぇ俺なんて、知られている価値もねぇんだから。


「はぁ、あたし、これからもう一軒バイトだから。そのハンカチ返してくれなくていいからね。もう、喧嘩とか止めなさいよ!ちゃんとご両親に感謝しなさいよ!」

そう言って、おかっぱ頭の女が走りっ去って行った。


両親に感謝とか、ありえねぇんだっつーんだよ!
好きで道明寺に生まれた訳じゃねぇ。

でもよ。そーだな。
今の俺は、親の価値で評価されている。
俺の中身は誰も知らねぇ。
だから、俺は、俺本来の価値ってやつを自分でつかみ取らなきゃなんねぇ。
それが、結局は道明寺を継ぐことになるんだとしても。
やってやるしかねぇんだ。

俺が自分自身で、俺の価値をつかみ取ることができれば、
この意味不明なイライラから解放されるんじゃねぇか・・


やったろーじゃん!
俺の価値を見出してやる。
女を抱いてる暇なんてねぇんだよ。
女を抱いて憂さを晴らすより、俺は俺自身の価値を見つけてぇ。


そうすれば、俺は、この見えるようで見えないトンネルの先にたどり着けるような気がしたんだ。



 

にほんブログ村
原作の司君って、つくしに出会ったからこそいい男になったんですよね。
この司も、実は過去につくしに会っていた。
そんな設定の番外編。
明日から、舞台はThe Classicへ。
このままじゃ、題名意味ないし(笑)。
関連記事
スポンサーサイト

  1. ある日のThe Classic
  2. / comment:4
  3. [ edit ]

こんばんは~。

  1. 2017/02/10(金) 22:55:21 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
多くの方に早速読んで頂けたようで、ありがとうございます!
サイドストーリー?みたいな感じで、全7話です。
今日は、午後から時間があったので、一気に執筆。書き終わりました。
ほらね。先が見える、内容的にも細かくないものなら、さくっとかけるんですよね。でも長編は、山あり、谷あり、また山ありって感じになるので、先が見えなくて書けないような気がします。とはいっても、明日からは、第二部も書き始めまーす。

さてさて、
悠●様
内容的には短編なんですけど、一応7話だから中編?私的には短編だけどなぁ。

スリ●様
そうなんですよね。どこに結びつけるか・・。結構強引です(笑)。

ま●様
こんな出会いもありかな~とね。えへ。私の書く司君は、カッコいい男ばかりなんですけど、原作みたいに高校生時期からつくしちゃんに会ってないとすると、どこでそんなにカッコよくなっちゃったの?って、作者の自分がいつも疑問だったんです。だから、こんなお話も一度書いてみたかったんですよね。

ではでは~。
明日はAM5:00 The classicにて!

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/02/10(金) 08:55:58 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/02/10(金) 07:53:49 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/02/10(金) 05:14:36 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

 管理者にだけ表示を許可する
 
 

プロフィール

Author:Happyending
ときどき浮かぶ妄想を書き留めたくて始めました。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2017 06  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -