花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

あたしの卒業を待って、あたし達は入籍した。
親族のみの神前式で、永遠の愛を誓った。
披露宴は行わず、友人たちとのパーティーを開いた。
それがあたしのたっての願いだった。
これから社会に出るあたしには、披露宴なんて贅沢だって思ったの。
彼も、分かってくれたと思う。



そして今日は、待ちに待った入社式。
壇上に立つのは、あたしの夫。
ビジネススーツが誰よりも似合う。
いつもは甘い視線が、鋭く周囲を見渡している。
その視線が、一瞬あたしと交わった。
ドキンっ。
あたしの心臓が跳ねた。


あたしは希望通り、秘書課に配属された。
上司はあたしの愛する旦那様。

あたしはずっと、この目で見たかった。
彼が戦っている、このビジネスの世界を。
そして、これからは彼と一緒に戦うことができる。

____よろしくね、旦那様。
あたしは、ゆっくり微笑んだ。



仕事をしている間は、あたしは完璧な秘書となる努力をする。
妻である自分は表には出さない。
それは、甘えになってしまうし、油断にもつながるから。

でもねぇ。なかなか、秘書に専念するのは、難しいのよ?


一緒に車に乗る時は、
妻のあたしは彼の隣に、秘書のあたしは彼に向かいに座る。
だってね、彼の隣に座るとね、
あたしは、すぐに彼に凭れてしまう。
あたしの髪を撫でて欲しくなってしまう。
だから、秘書のあたしは彼の正面に座り、キチンと足をそろえて横に流す。

だけどね、彼の正面に座ってみれば、
それもそれで問題なの。
あたしの視線の高さに彼の首元が見える。
あたしは彼の太い首が好き。
彼を求める時、いつも彼の首にしがみ付く。
彼に求められるほど、あたしの腕は強く絡む。
どんなに彼に揺らされても、あたしは腕絡めた腕を離さない。

って、やっ、目が合っちゃう・・・
あたしは、すぐに書類に視線を落とし、何事も無かったかのように瞬きを繰り返した。



秘書として、初めて会食に同伴した。
料亭の廊下を、彼から半歩下がって付いていく。
彼の背中が、いつもより広く見える。
二人きりでいる時は、絶対に隣に並びたい。
だけど、たまには後ろを歩くのもいいものだと知った。
斜め後方45度から見上げる横顔が、いつもの彼とは違って見える。
あたしが隣にいると、いつもあたしを覗き込んで来るくせに、
今日は、真っすぐ正面を見据えて歩く、その姿が素敵。
新しい発見が嬉しくて、
あたしは、こっそり微笑んだ。



仕事で出掛けるパーティーは、半分は妻として、半分は秘書として出席する。
あたしのドレスは、いつも彼が見立てたもの。
自分で選ぶよりも、ずっと素敵にしてくれる。
だから、あたしは自信をもって、彼の隣を歩けるんだ。
今日のあたしは10㎝のヒールを履いた。
だって、その方が、彼の顔をずっと近くで見ていられるでしょう?
あたしはいつもより近いその横顔を、そっと見つめた。


次の瞬間に、彼の瞳があたしを捉える。
互いの瞳に互いが映る。
周りの声なんて聞こえなくて、この世界に二人きりのような錯覚。
この瞬間が、たまらなく好き。



あたしはあたしのものであって、他の誰のものでもない。
あたしはかつて、彼にそう言ったことがある。

だけどね、今は違う。
あたしの全ては彼のものになったって、全く構わない。
むしろ、あたしは、彼だけのものでありたい。
彼に、必要とされる自分でありたい。



あたしの努力は全てあなたのため。
でも、本当は、
あなたの傍にいたいと願う、あたし自身のため。

あたしは、あなたが思うより、
_____ずっとずっと、あなたのことが好き。



仕事は好き。遣り甲斐はある。
だけどね。
それは全部、あたしがあなたの隣にいるための手段。


あたしが秘書を続ける理由。
それは、
24時間、365日、
堂々と、あなたの隣にいたいから・・・



*****



秘書になって1年が過ぎた。
完璧とは言えないけれど、それなりに仕事がこなせる様になった。
このまま続けていけば、きっと会社を支える力になれる。
彼の傍で、彼を支え続ける事が、あたしの目標。

そんなある日、お母様があたしの元へやって来た。
将来は、あたしに東京メープルを任せたい。
今からメープルで働いてみないかと誘われた。

それは社員としてのビッグチャンス。
だけどね、あたしにとっては、バッドチャンス。
だって、いつだって、あたしの生きがいは、司と共にあることなんだもの・・・


司はいつだって優しい。
お前が思う通りにしろよって言ってくれる。
でも、もし、あたしが、メープルには行きたくないって言ったら?
司の傍にいたいって言ったら?
彼は、あたしにがっかりしちゃうのかな・・・



答えを出せずにいるうちに、あたしは徐々に体調が悪くなった。
ご飯の匂いが気持ち悪い。
こんなこと今まで無かったのに。
ストレス?
・・・・ううん。違う。もしかして・・・。

タマさんに相談して、あたしは、司に内緒で診察を受けた。
やっぱり、あたしは妊娠していた。
入社二年目での妊娠なんて、きっと周りからは批判されるに違いない。
だけどね。
だけど、あたしは心のどこかでホッとしていた。


あたしが思う通りにしたいこと。
それは、司の傍にいたいという願いだけ。
この子は、あたしの願いを叶えてくれるために、やって来てくれたのかも知れない。


仕事から帰った司から、いつも通りのただいまのキス。
そして、心地よい、いつもの言葉を囁かれる。
_____今日も、お前に惚れ直した。


ありがとう。
ありがとね、司。
でも、あたしは、一度仕事を辞めようと思う。
メープルのお仕事は、またいつかできたらいいと思う。
あなたが求めるあたしじゃないかも知れないけど、
だけど今は、司の傍で、赤ちゃんの成長を見守りたいの。
ねぇ、分かってくれる?
それでも、あたしに惚れていてくれる?


あたしは彼の手のひらを、自分のお腹に当てた。
「赤ちゃんが来てくれた。」
そう言って、彼を見つめた。

「これからは、司と赤ちゃんと、三人の時間を大切にしたいな。」


彼がゆっくりとあたしを抱きしめる。
「ありがとう・・つくし。」
そう言った、彼の声が震えてる。
もしかして、泣いてるの?

「俺、最高に幸せだ。」
司があたしの首筋に顔を埋めた。

「うん。あたしも。」
あたしも、彼の体をしっかりと抱きしめた。


あぁ、そうか。そうなんだ。
あたしの幸せは、彼の幸せなんだ。
あたしが幸せだと思えれば、きっと彼も幸せになれる・・
思い上がりじゃないよね?


大きくって、温かい、あたしがずっと好きな人。
ずっと、この人の隣にいることだけが、あたしの願い。
それが、あたしの幸せ。
そして、きっと、彼の幸せ。



 

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  1. Happy Valentine's Day (完)
  2. / comment:6
  3. [ edit ]

Re: タイトルなし

  1. 2017/02/15(水) 22:00:15 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
のだめまま様
今、コメ返していたところでした(笑)。
コメントありがとうございます。
私の理想のつくしちゃんが、こういう女性なんですよねぇ。
いろんなつくしちゃんを書いてみたいと思うのですが、ついついこれになってしまう。
短編や中編ぐらいで、違うタイプのつくしちゃんも書いてみたいんですけどねぇ。
なかなか・・・まずは、「俺の女」にもどらねば(笑)

こんばんは(*^^*)

  1. 2017/02/15(水) 21:57:19 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
たくさんの拍手、ありがとうございます!
幸せいっぱいのお話を書くのは、私の幸せ。
だけど、ワンパターンになりがちで、何とかしたい!
こんな幸せなお話が読みたいよ~というものがあったら、是非リクエスト下さーい。

さてさて、
悠●様
お忙しそうですね~。私はつかつくしか書けないですが、悠●様なら、甘い総優とかじゃだめでしょうか?だめ??

スリ●様
案外、つくしもドギマギしながら、秘書してたんですねぇ。だって、司の秘書だもん。そりゃ、ドキドキするはずっ。いいなぁ、つくし(笑)。

Ka●様
バリバリにできるつくしもいいのですが、それ以上に司を想っているつくしが好きなんです。私の理想?なのかな。私の大好きな司君の傍には、そんな素敵なつくしちゃんが傍にいて欲しいんですよねぇ。二次とは、自分の理想の世界(笑)。

ま●様
司君サイドをLoveダダ漏れにしちゃったので、こちらも負けずにダダ漏れで。
赤ちゃんが生まれれば、二人してメロメロになると追われます(笑)。

では、明日は、The Classicの臼井さんに戻りまーす。
AM 5:00に(^^) よろしくお願いいたします!

  1. 2017/02/15(水) 21:54:43 |
  2. URL |
  3. のだめまま
  4. [ edit ]
こんばんは〜🌛
このお話しは原作のその後、として最高に理想的なお話しですね!
happyending さんの描かれる、つくしは年を重ねるとともにステキな女性になっていくところが良いな〜って思います。
ちゃんと司に相応しい女性に成長していますよね❣️

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/02/15(水) 18:11:49 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/02/15(水) 07:20:26 |
  2. |
  3. [ edit ]
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管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/02/15(水) 05:58:25 |
  2. |
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