花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

メープル、小会議室にて・・
集まっているのは、メープルの役員さんたちと、司さん、西田さん、あたし。

衝撃の発表の後、あたしは、頭がついていかないまま、会議室に残されることになった。
会議室では、あたしが提出した企画の書かれた資料が配られた。

司さんの声するけれど、なんだか遠くに感じる。
あたし、どうしてここにいるんだっけ・・?

「若年層を取り込もうとするプランが多い中、牧野さんの長期プランは、目を引きました。敢えて、ターゲットを富裕層から変更するのではなく、富裕層と若年層がともに楽しめる提案です。現在のメープルのメインターゲットは、富裕層、ビジネス関連、海外からの顧客です。メープルの高級路線を考えれば、今後もこのターゲットは外せません。しかし長期的には、もう少し幅い広い年齢層の顧客が必要になるでしょう。ただし、単に、安価な路線で若年層を引き入れるという選択肢は受け入れられません。そこで、牧野さんの案ですが・・牧野さん、簡単に説明してもらえますか?」
司さんの呼びかけに我に返った。

えっ。あたしっ。
なんで?今、資料をもらったばかりだよ。
そんな、急に言われたって・・

パチッと司さんと目が合った。
すごく真剣な目つき。
当たり前だけど、遊びなんかじゃない。
これが、ビジネスモードの司さんなんだ。
あたしも、落ち着け。しっかりしろ。
あたしは、一つ深呼吸をした。


「私が提案するプランは、既存の東京メープルの他に、若年層とファミリー層を受け入れる、新たなメープルを作りだすという案です。ターゲットは現在のメープルでは敷居が高いと考えてしまうような、若者、特にカップルと、富裕層のファミリーで、東京都心に、若いカップルや家族で楽しめる高級リゾートができるようなイメージです。本館とは建物自体を別にして、そこへ新たな次世代のメープルを作り出す構想です。現メープルと別棟にすることにより、現メープルのターゲットである富裕層、ビジネス層からのクレームは避けられると思います。」

「しかし、若いカップルと、ファミリー層では、ステイの目的が大きく異なるのでは?」

「若年といっても、メープルですから、学生をターゲットにするわけではありません。いずれは、現メープルにステイするような、20代のカップルです。本館ほどにドレスアップしなくても気軽に宿泊できるリゾート型のメープルから体験してもらいたいです。富裕層のファミリーも同様で、現メープルとは違って、気楽に子供達とステイすることが目的になります。ステイの中で、親子の絆を強めるようなプランも充実させたいです。どちらにとっても、〈非日常〉を提案できるのではないかと思います。」

「なるほど。」

「敷地や予算の面が厳しいと思われますが・・」
と役員から懸念する声が出る。
それを一蹴したのは、司さん。
「そのために、道明寺ホールディングスがバックアップします。うちのバックアップがあればこその企画です。」

「面白い。」
口々に賛成の意見が広がる。

「これから、半年から1年をかけて、プランを作り込んでいきます。牧野さん、お願いできますか?」
司さんから話を振られた。

この状況で、一体誰が断れる?
それに、あたしには、断る理由なんてない。

「はい。どうぞよろしくお願いいたします。」


「更に、短期目標についても、牧野さんの企画は面白いと思います。できれば、この夏には、企画として進めていきたい。」
各自が資料を捲りながら、考えている。

「海外セレブを呼び込む手段として、これまでの高級路線にプラスして、メープルならではの付加価値のあるアクティビティを用意するというものです。これについて、牧野さん、説明をお願いします。」

「はい。私が当初考えていた企画としましては、海外のお客様に、お茶や、お花、和菓子作りなど、〈和〉をテーマとしたアクティビティを提案したいと思っていました。日本から海外のリゾートに行くと、日よって様々なアクティビティが用意されていて、気軽に楽しむことができます。メープルでは、当ホテルならではのこだわったアクティビティを提供することによって、海外顧客、さらには現在も御贔屓にしてくださっている日本のお客様にも、ホテルステイを楽しんで頂けるようにと考えています。」

「実際に、どのようなアクティビティを提案するのですか?」
「それは・・まだ、これから検討してみなければ・・」
あたしもまだ、そこまでは詰めていない。
だいたい、セレブなんて周りにいないし・・。

「私、個人的には・・」
と司さんが話に入って来た。

「通常では出会えないような価値のあるアクティビティがいいと考えますが。私の知り合いに、伝統に詳しい者がいますので、協力を頼みましょう。この担当も、牧野さんにお願いしたい。できますか?」

司さんと目が合う。
「できません。」なんて言えると思う?
こうなったら、しっかり頑張ってやる!

「やらせていただきます。」
机の下で拳を握りしめるあたし。

「牧野さんの企画は、道明寺ホールディングスが全面的にバックアップします。」
と司さん。

支配人が、
「牧野さんは、メープルの研修と、共同企画でとて、非常に忙しくなると思いますよ。大丈夫ですか?誰か、ヘルプを付けましょうか?」
と聞いたとき、すかさず司さんが答えた。

「牧野さんは、東京メープルとの懸け橋として、道明寺が育てます。つまり、私が直接教育します。共同で生み出される新しいメープルにふさわしい、それだけの結果を出せる人材だと期待しています。」

司さんが・・あたしを育てる・・

真剣な顔の司さんに、あたしの顔も引きしまる。
「どうぞよろしくお願いいたします、道明寺支社長。」

周囲の役員たちから、拍手が上がった。
あたしが、未来の東京メープルの企画を担当する。
信じられない・・けど、あたしがやりたいと思っていた仕事だ。
不安はあるけど、司さんと一緒に頑張りたい。

不安と緊張を、振り払うように小さくガッツポーズをするあたし。
実は、前方の席では、司さんも別な意味でガッツポーズをしていたなんて、考えもしなかった。



*****



「牧野さん、お疲れ~!」
「お疲れ様、高木君。」

同じ宿泊部門から初期研修をスタートする高木君が、やたらと爽やかに見える。
一方のあたしはというと・・・はっきり言って、疲れ果てた。

朝から、合同入社式でのスピーチ。
それから、青天の霹靂で、道明寺HDとの共同経営企画を任されることになった。
直接指導してくれるのは・・・司さん。
こんなことって・・。


会議が終わると、あたしは初期研修に合流した。
共同経営企画があるからと言って、初期研修を疎かにはできない。
だけど、道明寺HDの会議や、呼び出しがあれば、そちらを優先するようにと、支配人から言い渡された。
道明寺HDの日本支社長が、直接新人の面倒を見るなんて、異例中の異例。
だけど、今回のメープルとの共同経営企画は、道明寺司が指揮を執ると言うことでも注目を集めるそうだから、合点はいく。


宿泊部門に戻ると、初期研修の指示を受けた。
あたしと高木君は、ベルパーソンから始める。
ベルパーソンっていうのは、ベルガール・ベルボーイのことね。
お客様の荷物を運んで、フロントへ誘導したり。
チャックイン・チェックアウト後のお客様をご案内したり。
レストランや宴会場との連携、バレットサービスとの連携なんかも仕事になる。

今日は、早速、メープルのベルガールの制服に身を包み、先輩ベルガールのすみれさんから、様々な指示を受け、メモを取って回った。

そして、先ほどやっと終了。
どっと疲れが沸いて出て来た。


「牧野さん、今から涼子と食事行くけど、一緒にどう?」
高木君は、あたしと仲良しの宮田涼子ちゃんと付き合っている。
「ううん。どうしようかなぁ・・」
晩御飯は行きたいけど、なんだか疲れたし、
司さんが帰ってくるかどうかは分からないけど、今日の話も聞きたいし。

迷いながらロッカールームまで来ると、向こうから涼ちゃんと、黒田君がやって来た。
レストラン部門も今日はもう終わったみたいだ。

「マキちゃん、夕食、一緒に行こう!黒田君も行くって。」
「えっと。どうしよう・・」

あたしは、チラッとスマホを確認したけど、司さんからの連絡はない。
迷っているうちに、4人で近くの洋食店に行くことになってしまった。

あたしは司さんにLINEを入れて、スマホをバッグにしまった。
その後に、司さんからのLINEが入っているのなんて、全く気付かなかった。



 

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いつも応援ありがとうございます。
ビジネスは難しいです・・。
ホテルの業務や、ビジネスについては、完全なる妄想です。
軽ーくスルーしていただけると幸いです。
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  1. 続・俺の女
  2. / comment:4
  3. [ edit ]

こんばんは~!

  1. 2017/02/22(水) 22:09:39 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの応援ありがとうございます!
あぁ、やっと、触りのビジネス話がだいたい終わりました。これ、疲れた~。でも、社会人編ですから。ちょっとお仕事頑張ってもらわないとね。
私も、仕事忙しいなぁ。はやく4月にならないかな。そのあたりでは落ち着くはずなんですが・・・。

さてさて
悠●様
いつもコメントありがとうございます。
そっち路線に行くまでに、軽ーいloveモードぐらいに行こうかな?

スリ●様
ありがとうございます。さらっとスルーしていただけたようです。でもね。結構みなさんキチンと読んでくださっているんですよね。だから、あんまり、適当にもできなくって、リケジョの私としては、畑違いなビジネス話で、頭爆発しそうです。けど、これで、いったんは終了。はやっ。あとは、それっぽく流れていきたい。。。

さと●様
さと●様が面白すぎる!そっち方面を育ててあげるのねっ!でも、司も初心者マークのはずなんだけど。うほっ。
「総ちゃーん!出番ですよー!」
そうです。スリ●さまも書いてくださっていましたが、その予定。っていうか、それ以外司に友達いません。

1つめに書きたかったのは、この総二郎の場面なんですが、全然辿り着いていないです。
まぁ、マイペースで。ですね。

ではでは、明日 AM5:00に。
まだ、書けてないけど・・あは。

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/02/22(水) 20:13:14 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2017/02/22(水) 07:36:19 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2017/02/22(水) 05:23:25 |
  2. |
  3. [ edit ]
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