花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

「おい、西田。牧野から連絡ねぇの?」
「ありませんね。」
「あいつ、今日は、もう終わってんじゃねぇのかよ。」
「さぁ、どうでしょう?」

ちっ、西田の奴。絶対に牧野の予定なんか把握してくるくせに、俺にはなかなか手の内を見せねぇ。
だったら、牧野から直接連絡が欲しいもんだが、あいつからの連絡もねぇ。

出張から帰ったら、一緒に寝ようとか言ってなかったか?あいつ。
早く帰れる日は、俺の部屋で待ってるんじゃなかったのか?
じゃあ、なんで、電話にも出ねぇんだよ。

イライラしながらも、仕方なく、書類を捲る。
その時、ブッブッというバイブ音。

『同期の子たちと、ご飯を食べてから帰ります。』

・・・。
マジか?
恋人よりも、同期かよ。
つっても、俺もすぐには仕事なんて終わらねぇんだけどよ。
はぁ。


「西田。」
「はい、支社長。」
「お前、牧野のスケジュール、しっかり把握しとけよ。」
「・・・。承知致しました。」
お前、めんどくせぇとか思ってんじゃねぇだろうな。

俺は、チマチマとLINEを打った。
『遅くなるんじゃねーぞ。終わったら連絡しろ。』

それから、書類に意識を集中させるが、15分もすると、またスマホを確認。
当然、返事はねぇ。
イライラ。
『早く帰れよ。』送信。

それから、また書類に目を通す。
15分して、スマホを確認。
返事はねぇ。
イライラ。
『もう、食い終わったのか?』送信。


「支社長、消音を解除されては?連絡があれば、分かるでしょう。」
西田が、呆れたように、俺に声を掛けた。


俺だって、そんなことは分かってんだよ。
けど、今だって、バイブの音にすら即座に反応できるぐらい、牧野からの連絡を待っている。
気になって仕方ねぇ。
俺はいったいどうしちまったんだ。
同じマンションに住んでいても、共通の仕事を持っても、彼女の体を知っていてさえも、それでも満足できない。
牧野の全てが欲しくて、俺以外の人間なんて見て欲しくねぇと思ってる。

同期って誰だよ。
男と二人じゃねぇだろうな?

牧野を好きになるまでは、自分がこれほど何かに執着するなんて考えもしなかった。
仕事にしても、俺にとっては、「道明寺司」の価値を世間に知らしめるだけのもんで、それ以上のものじゃなかった。
その俺が、一人の女にはまりまくって、仕事が手につかねぇなんて。
ありえねぇ。


出来る事なら、あいつは俺の女だと言って回りたい。
俺の女に近づくなと、堂々とけん制してやりたい。
本当は、俺は自分の女を外になんか出したくないんだ。
俺の部屋に閉じ込めて、俺のことを待ってろって伝えて、俺のことだけ見させて、俺のことだけ考えさせておきたい。

でも、残念なことに、俺が惚れた女は、俺の帰りをじっと待っているような女じゃなかった。
Barのバイトだって、一生懸命やっていた。
俺のグラスにウイスキーを注ぐ姿さえも真剣で、あいつが仕事を大切にする奴だって知っている。

もし、俺との交際が周囲に知れれば、おそらくあいつはメープルで仕事を続けていくことは難しいだろう。
本人が気にしないでくれと願っても、周りが気を使うにきまってる。
そんな中で、あいつが平気で仕事ができるとは思えない。
あいつがメープルを辞めたって、俺が道明寺で引き取ってやるんだが、あいつはそんなことを望む女じゃないだろう。

メープルの仕事は、あいつが自分でつかんだ、あいつの夢なんだ。
それを取り上げることなんてできやしない。


だから、俺ができることといえば、あいつが仕事をしやすいようにサポートしてやることだけだ。
俺がニューヨークで学んだビジネスマインドを、あいつのために使ってやる。
俺が仕事をすることで、あいつも働きやすくなるんなら、いくらでもやってやる。
そして、もちろん、二人で結果は残す。
それは、やるからには当然のこと。

俺はいつだって、牧野の笑顔が見たいんだ。
牧野ためだったら、何だってやれる。

願わくば、お前が隣にいてくれたら、もっともっと頑張れるんだぜ?

お前さぁ。
俺が、そんな風に思ってるなんて、全く知らないんだろ?



*****



皆で訪れた、洋食屋さん。
ここのデミグラスハンバーグは絶品。
同期4人で、今日の出来事を話し合う。
其々に課された企画とか、今日の研修内容とか、そんなこと。
だけど、一番は・・・

「ええ~!じゃあ、マキちゃん、道明寺支社長から直々に指導を受けるの??」
「うーん。具体的なことはあんまり聞いてなくて。でも、宿泊部門の研修はちゃんとするし、企画は時間外に頑張るしかないのかなぁ。」
「うっわー。初めから、めちゃハードだね。」
「うん。」

「でもさ、入社試験の時も、牧野の企画ってズバ抜けてたよな。やっぱ、上層部の目に留まったんだろうな。」
「そう言ってもらえると嬉しいけど・・。」

今回のこと、本当に素直に喜んでいいのかは、ちょっと引っかかっている。
だって、あたしは司さんの恋人な訳で。
でも、仕事の面で、あたしに甘い顔をする訳なんてないって思ってるけど。でも・・。


「けどさぁ、道明寺支社長って、バリバリ仕事人間って思ってたのに、ああいう顔するんだね。マキちゃんと握手した支社長がメチャ甘い顔してて、隣の山崎さんとか溜息付いてたよ。あれで、支社長のファンは確実に増えたね。」
「俺も思った。支社長は女嫌いで、仕事では女と組まないって噂あるよな。」
「ってことは、支社長のブラックな噂って嘘だったのかな?」

「ブラックな噂?」
「気になる?」
「いや、だって、これから仕事を教えてもらうのに・・さ。」
「だよねぇ。」

「ほら、支社長は高校時代、めちゃくちゃモテてたじゃん。」
「そうなんだぁ。」
「当然、バレンタインデーとか誕生日とか、女性からのプレゼントが殺到する訳。でもさ、もちろんどれも受け取らなくって、終いにはホールケーキを持ってきた女の子の顔に、そのまま顔面ケーキくらわせたって話。」
「マジ?」
あたしは、マフィンやムースだったから、大丈夫だったのかな?

「それに、実はスゲェ喧嘩っ早いらしいぜ。気に入らない奴は、半殺しにしてたとか。」
ひぇっ。
でも、あのデカイ体からすれば、強いのも頷ける。
あたしの前では、優しい姿しか見せてないのに。
実は、豹変したりして・・。

「ニューヨーク時代は、ゲイの噂もあったらしいしね。これは、絶対言っちゃだめだよ、マキちゃん。支社長に殺されるかも知れないよ。」
ゲイか。
それは・・ないはず・・。
やっぱり、噂は噂ってわけか・・ふう・・。


でもさ、こうして司さんの噂を聞いてみると、あたしって本当に何も知らないみたい。
だけど・・
あたしの知っている司さんは、Barで出会った司さんで、
あたしが好きな司さんも、Barで出会った司さん。
道明寺HDの支社長だとか、F4の一員だったとか、そんなことをいまさら知ったところで、あたしはどうしようもない。
あたしが信じられるもの。
それは、あたしが今知っている司さんしかいない。


「牧野。もしかして、残念とか思ってる?実は、支社長のファンだとか?」
今まで黙って聞いていた黒田君が話しかけてきた。
「そうじゃないよ。ファンだなんて。」
「そっか。」
なんか、ほっとした感じの黒田君。
周りで、涼ちゃんも高木君もニヤニヤしてる。
何なのよ。

「何かあったら、相談しろよ。支社長と仕事なんて、キツイに決まってるし。メシぐらいはいくらでも付き合うから。」
そう言ってくれる黒田君。
有難いのか、有難くないのか、よく分かんない。
付き合っている恋人が自分の上司で、その上司がキツイからって、恋人以外の男性と息抜きでご飯に行くって言うのもね・・・あたしには無理な話。

「ありがと。自分でなんとか頑張るよ。」
あたしがそう言ったら、黒田君はすごく残念そうだった。


コーヒーが運ばれてきて、最後のまったりタイム。
「でもさぁ、忙しくなると、実家から通うのは結構大変じゃない?」
と涼ちゃんに聞かれて、あたしは思わず言ってしまった。
「あ、ううん。近くに引っ越したから、それは大丈夫。」

「えっ?牧野、寮に入れたの?」
「聞いてないよ~、マキちゃん。」

しまったっ!あれは、寮なんかじゃないしっ。
でも、もし、彼の家に同棲なんて言ったら、相手は誰って絶対聞かれるし。
色々詮索されるのも困る。
もし、司さんとの関係がバレるようなことがあったら、仕事を続けていく自信なんかない。

「あっ、あたし、親戚のお姉ちゃんのところに居候することになったの。メープルの近くに住んでて・・。」
「へぇ、あのあたりに住んでるなんて、凄い人?そのお姉さん。」
「あっ、うん。そう・・かな。」
「でも、それはラッキーだね。」

この嘘は仕方ないよね。
司さんだって分かってくれるよね。
うん。


そう思いながら、そっとスマホを確認する。
あれ、LINE来てる。
ううん。LINEだけじゃなくて、着信も。

『遅くなるんじゃねーぞ。終わったら連絡しろ。』
『早く帰れよ。』
『もう、食い終わったのか?』
『まだ終わんねぇの?』
『いい加減に帰れよ。』
『今日の門限21時だからな。破るな。』
『俺より遅く帰るなよ。』

ぎょえっっ!!
何これ。
門限21時!
今は・・20時半。
でも、今日の門限って?
もしかして、司さん怒ってる?
司さんって、実は恐い人なの?


真っ青になるあたし。
「マキちゃん、どうしたの?」
って、涼ちゃんが心配そうに聞いてくれた。


「ごめんっ!親戚のお姉ちゃんから連絡来てた。先に帰るねっ。」
あたしは、ガタンと席を立ち、ダッシュで店を後にした。



 

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この二人って、正式に付き合いだしてから、まだ3日目なんですよ。
お子ちゃまカップル。
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  1. 続・俺の女
  2. / comment:6
  3. [ edit ]

Re: タイトルなし

  1. 2017/02/23(木) 23:56:04 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
さと●様
あはは。つくし、ブラック司をどう思ったんだろう。
一度、ブラック司、登場させちゃう??

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/02/23(木) 23:17:39 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

こんばんは(^^♪

  1. 2017/02/23(木) 22:36:31 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手ありがとうございます!
だんだんと、貯金もなくなってきた・・やはり・・(汗)。
でも、気付いたんですけど、1話がだらだら長いので(早く進めたいからなんですけどね)、少し分割して週末は投稿しようかと。
それで丁度いいかなぁなんて思ってます。
週末はPCには触れないと思うので、明日予約投稿日曜日までしようと思うのですが、そうなると、大きなミスしちゃったら、取返しがつかないというプレッシャーが(笑)。携帯から直せるかなぁ。心配だ~。

さてさて
悠●様
悠●様の、ちょいと大人なつかつくを見習った方がいいんだとは思うけど、この流れでは書けまい・・と思う。でもそのうち、どっぷり大人つかつく、書いてみたいです!

四葉様
そこかい!西田さんかいっ!
綺麗なお姉さん、懐かしいな。水野真紀、やってたなぁ。そして、ここでは、道明寺ツカコ。拍手コメの新参者様が命名してくださいました(笑)。

スリ●様
いつもコメントありがとうございます!元気をもらっております~!
司、仕事しろよ~って感じですよねぇ。ホント。王道の、嫉妬話?もう少し先で~。

新参者様
ツカコ、登場させたい。どうしよう(笑)。
門限はですね。「今日の」門限なの。今日だけ、21時(笑)。はやっ。

H●様
私、司に怒られたい・・。

ではでは、明日もAM5:00に~。


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  1. 2017/02/23(木) 08:48:01 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/02/23(木) 07:50:23 |
  2. URL |
  3. 四葉
  4. [ edit ]
綺麗なおねぇさんは、好きですか?そんなCMが昔あったような。つくしの、親戚のおねぇさんが、まさか、美麗な男と知ったら、同僚パニックだね(●´ω`●)うらやましぃ(●´ω`●)そして、司に面倒臭い視線を向ける西田さんがたまらない。じゅるり。

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/02/23(木) 05:18:08 |
  2. |
  3. [ edit ]
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