花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

東西商事の加藤のオヤジが、鼻の下を伸ばして、牧野に先導されて歩いてくる。
オイオイ、オヤジっ。そいつは、俺の女だ。
ジロジロ見てんじゃねーぞ。
俺は立ち上がって、加藤専務を待ち受けた。

「これはこれは、道明寺支社長。わざわざお待ちいただき、恐縮です。」
ケッ、タヌキジジイめっ。

「牧野、案内しろ。」
俺はなんとか冷静を装い、牧野に指示を出した。

「はい、ご案内いたします。」
ニコッと微笑む牧野。
うっ、やっぱ、可愛い。
ダメだ、これを毎日させとくなんて、許しちゃおけねぇ。

順調な私生活に安心して、牧野のメープルでの仕事まで、きちんと把握できていなかった。
こいつが、こんなに危険な仕事をしていたなんて、予想外だ。



____15分後。

「いやぁ、牧野さんが、本当にメープルの社員さんになっていたとは。」
「信じて下さっていなかったのですか?」
「冗談だよ。でも、牧野さんに会いたいおじさん達が、後を絶たないんじゃないの?」
「そんなことはありませんよ。あっ、でも先日は、後藤社長夫妻が、こっそり会いに来て下さいました。」
「あの人は、牧野さんファンクラブの会長だからなぁ。」
「あはは。そんなお話、聞いたことはないですよ。」

なんだ・・なんなんだ・・。
後藤のオヤジ?
ファンクラブ会長?
「先日の新聞に、道明寺支社長と握手をしている写真が載っていたからね。僕の周りでも、牧野さんだって皆すぐに気が付いて、この間はThe Classicで盛り上がったよ。」

先日の入社式の写真は、道明寺HDが全面的に東京メープルをバックアップするとして、俺と牧野が握手を交わした写真がマスコミを賑わせた。
それにメープルでは、牧野はこの俺、道明寺司が直接指導をしている新人として認識されているはずなんだ。
下手な奴には手出しはさせねぇと目論んでいたのに、どうやら、至るところでこいつは有名になっているらしい。

「そうだったんですか。恥ずかしいです。」
うっすら赤くなる牧野。
お前は俺の女だろっ。
オヤジ相手に、なに照れてんだっ。


「その恰好も新鮮だなぁ。牧野さんがいるなら、これからは会食はメープルでお願いしようかな。牧野さんを指名ってできるのかな?」
「前もってご連絡をいただければ、対応いたします。是非。お待ちしていますね。」
あはははは・・なんて笑い合ってやがる。
どうなってんんだ?この状況。
隣の西田は黙って、茶をすすってる。
イライラッ。

「そう言えば、後藤社長のところの息子さんとは、お見合いしたの?」
「えっ?あっ、いえ、そんなことはありません。」
「へぇ、奥さんがかなり気合入ってるっていう噂だったけど?」
「まさか・・何かの間違いですよ。」
牧野が俺をチラッとみたようだ。
俺は、それに気づかないふりをして、茶をすすった。

「それに、美作社長のところにも、近い年頃の息子さんがいるらしい。牧野さんに会わせたいって言っていたけど、そっちの話はあった?」
美作って・・あきらかっ?!
マジかっ。
「あっ、マスターからお話は頂きましたけれど、きちんとお断りしましたよ。お見合いなんて、嫌です。」

・・・。
牧野、話はあったんだな。
俺には言ってなかったよな。
臼井からも聞いてねぇ。
あきらは・・知る訳ねぇな。
なんだよっ。
牧野はどんだけ、オヤジキラーなんだよっ!
なんで、こんなに見合い話が多いんだっ!!


俺の睨むような視線に気づいた牧野。
自分も気まずいのか、焦ってやがる。
「あっ、申し訳ございません。それではそろそろ失礼致しますね。」
「いやぁ、せっかく牧野さんに会えたのに、寂しいなぁ。」
「専務、お仕事でいらしたのでしょう?道明寺支社長もお待ちですよ。」
そう言って、牧野が俺を見る。
何だよ、俺に気ぃ使ってんのかよ。
愛想振りまいてんじゃねぇぞ。



牧野が姿勢を正し、俺をチラッと見た。
「専務の会社の太陽光発電。是非、メープルにも応用させて下いね。約束ですよ。」
「あぁ、分かってる。その代わり、牧野さんも、企画提出してよ。」
「えへへ。まだ新米社員ですから、だいぶ先になると思いますけど。頑張りますっ!」
「よし、待ってるからね。」
「はい。」

おい、ちょっと待て。何だそれ。
太陽光って、何で牧野が??

「すみませんが、牧野とは・・」
口を挟んだ俺に、二人が同時にこちらを見た。

「いやぁ、牧野さんは、太陽光発電にすごく興味を持ってくれていてね。The Classicで会った時から、その話で盛り上がっていたんだよ。太陽光発電を節税目的で利用する企業も多い中、牧野さんは、沖縄メープルで太陽光の新しい利用の仕方を考えたいと話てくれてね。いつか、共同企画をするのが、僕たちの楽しみなんだよね。牧野さん。」
「はい。」

・・・。
なんてこった・・・牧野のやつ。
いいとこに目を付けてんじゃねーか。

「今どきの若いウェイトレスにしては、やけに勉強熱心だと思ったら、先日の新聞で、道明寺支社長がご指名で握手をされている写真が出ていましたね。」
「はい。」

「驚きました。牧野さんは、道明寺ホールディングスと東京メープルの懸け橋になる存在とか。」
「新入社員ですが、私が直接指導します。それだけの人材だと惚れ込んでのことです。」
俺は加藤専務を視線を合わせた。
「そうですか。いやいや、道明寺支社長とは気が合いそうだ。」
まだ、腹の内は分からねぇ。
けど、このオヤジ、見る目はありそうだ。

「牧野さんの言う、沖縄での太陽光利用のプランはどう考えられますか?道明寺支社長。」
乗って来たか・・?
「我が社が沖縄にもつ広大な土地を利用して、さらに太陽光の開発が進むのであれば、道明寺からも是非協力を申し出たいと考えています。」
「ほう・・そうですか・・・。」
喰いついてきた。

ちらっと牧野を見ると、ちょと笑いながら、退室していくところだった。
もしかして、あいつ・・分かってたのか?
この話が出ることを分かってて、この接待に加わってた?
マジ・・か?


東西商事との契約は前向きに話が進んだ。
これは、牧野の活躍がデカイ。
最後に加藤専務を見送る時にも、牧野がやって来た。

「沖縄メープルでの太陽光発電、楽しみです。マンゴーのハウス栽培がしたいですね、専務。」
そう言いながら、笑顔で加藤専務を見送る牧野。
専務も満足そうに、車に乗り込んだ。


西田が隣で呟いている。
「牧野さんは、The Classicで、大御所たちのアイドルだったようです。仕事熱心で、一度訪れたお客様は決して忘れず、スムーズに会話ができるように、勉強も欠かさないとか。実は、大学も主席で卒業されているそうですよ。今日、加藤専務のご案内をお願いした時に、すぐに牧野さんの方から太陽光発電の話がありました。いやいや、驚きました。」

驚いたのは俺だっつーの。
あいつが賢い奴だとは知っていたが、あいつの有能っぷりと、人間性を認める奴が、俺以外にもウジャウジャいるなんて、焦るじゃねーか。


あちこちからの見合い話。
無意識なくせに、相当なオヤジキラー。
経済界の大御所のアイドル。
仕事では、俺のアシストまでしやがった。
どんだけデキル奴なんだ。
こいつはどうやら、俺の予想のかなり上をいっているらしい。

可愛い顔して、きっちり仕事もして、オヤジたちのアイドルで、そんで俺の心も鷲掴みだ。

あいつは俺の、俺だけのもんなのに。
あいつは、俺の知らない所で、確実に認められつつある。
ったく、厄介な女にはまったもんだ。

俺も、幸せに浸ってる場合じゃねぇぞ。
あいつから、絶対に目を離せねぇ。

あいつとのメープルのプロジェクト、がっつり成功させてやる!


「西田、総二郎と連絡取れてんのか?」
「はい、来週以降であれば、都合が付くようです。」
「分かった。プロジェクト、進めるぞ。」

西田が、満足そうに、ニヤリと笑った。
俺の闘争心にまで火をつける女____
牧野つくし、恐るべし。



 

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今日は、夕方にもう一話、あきら君視線の『つかつく』を投稿予定です。
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  1. 続・俺の女
  2. / comment:3
  3. [ edit ]

こんばんは。

  1. 2017/02/28(火) 22:07:32 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手をありがとうございます。

悠●様、スリ●様、コメントありがとうございます。
司にも火が付いたみたいです。
ここから、総二郎君の登場といきたいところなのですが、茶道ってやっぱりあまりにも実生活とかけ離れた世界なもので、なかなかお話が書けません。
そんなわけで、もうちょっと、時間稼ぎもかねて、司さんとつくしちゃんの絆を深めるお話が続きます。
その後に、総二郎君に登場してもらう予定。
総二郎君の妄想はバリバリあるのですが、茶道を絡めるのが本当に大変。中途半端なことを書くぐらいなら、いっそのこと、ほぼ茶道は書かないかと思う位です。つくしめ、難しい企画を立ておって!
二次の世界とは言え、なかなか大変です。

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  1. 2017/02/28(火) 07:02:44 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2017/02/28(火) 06:31:25 |
  2. |
  3. [ edit ]
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