花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

金曜日 17時。
「おい西田、分かったのか?」
「支社長、それが・・。歓迎会は、メープルの中ホールです。」

は?メープル??
「重役から歴代のOBスタッフまでが参加する、伝統的な歓迎会の様です。」
「本当か?」

どういうことだ?
どっかの、イカガワシイ店に行くんじゃねぇの?

「事実です。ですので、わざわざ支社長が出向くようなことは・・」
止めとけってことか。
でも、この目で確かめる必要があるだろ?
その、歓迎会って奴が、まともな会だっつーことを。

「いや、万が一っつーこともある。俺は、メープルの共同経営者だからな。行くぞ。」



*****



今日は、新入社員歓迎パーティ。
ホテル業務は24時間、365日、休みなく機能している訳だから、必然的に参加メンバーは少なくなる。
だって、現役スタッフは働いているもんね。
この会は毎年行われる、東京メープルの伝統行事。
お偉いさんや歴代のOBスタッフの方々に、新入社員であるあたし達を紹介するっていうのが、この会の趣旨。だから、結構お堅い会って訳。
あたし達が歓迎されるって言うよりも、お偉いさんやOBスタッフを楽しませる会といった方が正しい。
まぁ、あたし達もメープルの高級料理にありつける訳だから、いいんだけどね。


仕事を定時であがり、ロッカールームで着替え中。
「あれぇ?涼ちゃん、スーツじゃないの??」
「だって、先輩から、華やかな恰好でって言われたよ。」
「うそっ!?」
「一応パーティでしょ?みんなドレスだと思うよ。」
「ドレスっ!?」
「ほら、結婚式の二次会みたいな感じでいいと思うんだけど。」

あたしは、唖然とした。
あたしが用意していたのは、入社式と同じ、グレーのスーツ。

「せめて、ワンピぐらいがいいと思うけど。」
と涼ちゃん言われて、はっと気づく。
ワンピース・・・マンションに、紺色のワンピースがあったかも。
お堅いスーツよりは、なんぼかマシだと思う。
時間は現在17時10分。
ダッシュで往復すれば、間に合う。

「あたしっ、着替えてくるっ。」
「マキちゃんっ、大丈夫なのっ!余興もあるよっ。」
「絶対、間に合わせるから、心配しないでっ!」

あたしは、ダッシュで、正面玄関へ向かった。



もう、この際タクシーに乗ろうと決心して、正面玄関から、タクシーを目指す。
先輩のベルパーソンが、
「どうしたの?牧野さん。」と心配そうに声をかけてくれたけど、それどころじゃなくて、適当にかわした。

すると、目の前に、大きな黒いリムジンが到着。
ついつい、ベルガールの恰好でもないのに、リムジンに向かってお辞儀をしてしまう。
リムジンから降りたお客様が、あたしの目の前で止まった。
・・えっ?

ゆっくりと顔を上げると、そこには司さん。
「あれ?」
と思わずすっとぼけてしまったけれど、
「お前、なんで?」
と、司さんも驚いている。
司さんこそ、どうして正面玄関から?

「あっ、あたしは、着替えに帰るところなの。ドレスコード、知らなくて。恥ずかしいったら・・。」
司さんにだけ聞こえるように、小さな声で呟いた。
「ドレスコード?」
「うん。みんな、ドレス着るんだって。あたし、スーツで来ちゃったの。マンションにワンピースあると思うから、それに着替えたくて。一回帰る。じゃあ、ねっ。」

あたしが、司さんの脇をすり抜けようと走り出すと、ぱっと左腕を掴まれた。
思わず見上げると、そこには、自信ありげな司さんの顔。
「俺に任せとけ。」
「はい??」



17時20分
東京メープル内の高級ブティック『Romance』
そこへ連れ込まれているあたし。
「俺に任せろ」の言葉通りに、司さんが、あたしにドレスを選び始めた。

「司さん、いいよ。目立つ。」
小さな声で耳打ちしてみたけれど、全然聞く耳を持ってない。
むしろなんだか楽しそう。
司さん、いや、道明寺支社長が、地味なスーツを着たあたしと一緒に、こんな高級ブティックにいるなんて、ほら、お店の店員さんも驚いてるよ。

「お前に恥かかす訳にはいかねぇ。」
「そんなこと、司さんに関係ないでしょ?」
そう言ったあたしをちらっと睨んでくる。
司さんって、結構、世話焼きなんだよね、実は。
それで、心配性。
あたしなんて、どんな服装でも誰も何とも思わないのに。
そんなことまで心配してくれるなんて。

「俺も、そのパーティ出るんだわ。」
「ええ~!なんでよっ。」
「何だよ、なんかやましいことでもあんのか?」
「なっ、ないけど。」
「じゃあ、いいだろ。」
「いいけど。でも、ドレスは要らないよ。もう、スーツでいいし。」

「バーカ。誰も俺たちのことを知らないからって、お前に恥かかせられっかよ。それに、お前は、この俺が直接バックに付いてる新人なんだぜ?俺の言うことを聞け。」

何よ、自分の持ち物みたいに言わないでよねっ。
ちょっとふてくされたあたしを後目に、
「これとこれ、こいつに着せてやって。それから、髪とメイク。」
「ちょっと、待って・・うわっ。」

あっという間に、両腕を店員さんに掴まれて、奥の部屋へ連行された。

自分では何もしない間に、身ぐるみ剥がされて、代わりにドレスを着付けられる。
あれよあれよとメイクと髪のセットが完了し、司さんの待つ個室へ戻された。


ドレスを着たあたしを見て、司さんの目が大きく開いた。
何?何か、オカシイ??
瞬きを繰り返していると、
「めちゃくちゃ可愛い。」
そう言って、今度は司さんの目が細くなる。

あたしは小さな声で、
「褒め過ぎ。」
と囁くと、
「自分の女を褒めて、何がワリィんだよ。」
と切り返された。

ちょっとぉ、この人、なんでこんな恥ずかしいことをサラッと言えちゃうの?
今まで、女に興味なかったって言ってなかった?
恋愛初心者だって言わなかったっけ?


「よしっ、行くぞ。」
と、司さんが、満足気に立ち上がる。

行くぞって、なんだっけ?
あたしは今日、新入社員の歓迎パーテイーだよ。
ちょっと、この腰の手は何よ。
どうして、司さんにエスコートされちゃってんのよ。

どんどん歩き出す司さん。
司さんの手が、あたしの腰から離れない。
通り過ぎる人たちが、あたし達を見ては驚いているのが分かる。
目立ち過ぎだっつーのっ!

「司さん、ちょっと、離れて。」
「何だよ。パーティーなんだろ?俺以外の誰にエスコートさせるつもりなんだよ。」
「違うよ。そんな凄いパーティーじゃないって。だれも、エスコートなんてされてないよ。」
「パートナー同伴じゃねぇのかよ。」
「違うっ、違うっ。」
例え、パートナーが必要だったところで、司さんと行くなんてあり得ない。

「本当か?」
「本当だよ。」
こそこそ、こそこそ、言い合っているあたし達は、不審人物そのもの。
あっちからも、こっちからも、視線を感じる。
あぁ、まずいって!

あたしは司さんの腕を振りほどいた。
「あたし、先行くから。ありがとね。司さん。また後でっ!」
そう言って、ダッシュ。

「ちょっと、待てっ。」
という司さんを振り返ることなく、中ホールへ走った。



 

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  1. 続・俺の女
  2. / comment:3
  3. [ edit ]

こんばんは~!

  1. 2017/03/02(木) 21:47:57 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつも応援ありがとうございます。

四葉様
歓迎会は~ですね。ある意味、時間稼ぎかも~。先に総二郎君出てくるから、それまでの繫ぎ?私もついに、総つく書いちゃう?←ウソ。
茶道とか、もう、無理。やっぱりこのお話は無謀だったわ。←イマサラ。

スリ●様
歓迎会は、止めようかと思ったんですよ。書くだけ書いて、やっぱりやめようかなって。でも、その先があまりにも書けなくて、ついに貯金もあと少しに。。。なので、歓迎会は投稿せざるを得なくなりました(笑)。
しかし、四葉さんも含め、総つく書きさんってすごいなぁ。どうにも、総二郎は難しいです。恐らく類も難しそう。あきらが一番気楽かも~、なんちゃって。

ま●様
ワチャワチャですね。これは、はっきり言って、自分のメモ程度に書いたものに肉付けしただけなので、余計ワチャワチャ。そんなもん出すなよ~と自分にツッコミたい。でも、読者様が優しいので、恵まれております。いつも、ありがとうございます。

やる気なくて、ごちゃごちゃ書いちゃいました。
では、明日もAM 5:00に!

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/03/02(木) 13:26:11 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

マイフェアレディ

  1. 2017/03/02(木) 09:05:20 |
  2. URL |
  3. 四葉
  4. [ edit ]
可愛いつくしを更に可愛く変身させてしまった司さん。パートナー的立ち位置に居ると思ったからこそのドレスアップが、離れてしまえば、狼の群れに甘タレ掛けた美味しい子羊を投入したことに?!?どーなる、歓迎会!!

昨日の司丸と楓剣、オモロー過ぎて転がりまわってしまった。

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