花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

新入社員が集まった、舞台袖。
「マキちゃん、心配したよ~。うわっ。何、そのカッコ!でも、すごいっ、可愛い。自分でしたの?」
ゼイゼイ息をしているあたしを見ながら、涼ちゃんが言う。

「玄関ホールで、支社長に会って。はぁ。はぁ。ドレスが無いって言ったら、着替えさせられた。ふぅ。」
「ええ~っ!?」
「やだっ、牧野さん、羨ましい~。」
「これって、シルク?ツルツル度合いがなんか違うっ。」
「この髪はどうやってセットしたの~?夜会巻き?」
「胸が見えそうで、見えない、ギリギリのラインだねっ。」
「どうりで、素敵なドレスだと思った~。あたしたちのドレスとは、全然違うわ。」
「ホントに、どこかのパーティーに行くみたい!」
「いつもの牧野さんじゃないみたい、メイクすると映えるね~!」
「「「「流石は、道明寺HDの支社長ね!!!」」」」
総合職の同期の女の子たちが、口々に称賛してくれて、あたしははっと気が付いた。
あまりにバタバタしていて、自分の姿をチェックしていなかった。

あたし・・・なんか浮いてない?

あたしが着ていたのは、水色の膝丈ドレス。
胸元のカッティングが大人っぽい。
ウエストにはおっきなリボン。
首元はパールのネックレス。
足元にはキラキラのサンダル。
全て、司さんが選んだもの。
自分で確認できないけど、髪の毛は、恐らく豪華、夜会巻きにアップされているらしい。
何も語らなければ、どこかのお嬢様とでも言えそうな恰好。
明らかに、単なる会社の歓迎会仕様じゃない。

つっ、司さんってばっ!
絶対なんか勘違いしてるんだ。
さっきだって、エスコートとか言っちゃって。
こんなに気合入ってるの、あたしだけだよっ!
歓迎パーティーって、ただの飲み会だよ。
OBを楽しませるために、明るめの服装をするだけなんだよ。
これって、はっきりって、正装じゃないの?
どこのパーティーに行くって言うのよーっ!

うわーん。
何が、「お前に恥かかす訳にはいかねぇ」よ。
やりすぎだよ!
恥ずかしい・・恥ずかしいよぉ。

「あたし、着替えようかな・・」
真っ青になっているあたしに、
「マキちゃん。全然、変じゃないよ。可愛いって。それに、支社長だって、残念に思うよ。」
と涼ちゃんが慰めてくれた。
「牧野さんって、本当に道明寺支社長のお気に入りなのね。」
そう言ったのは、山崎さん。
「企画も、支社長が直で指導するんだものね。いいなぁ。ってことは、待って?このパーティーに道明寺支社長も参加するってことよね?きゃーっ!!ねぇ、ねぇ、みんなで、お酌とかしに行く??」

お酌か。あたしはいいや。
睨んじゃいそう・・。

「それにさ、今日の余興で、目に留まるかもしれないよね!がんばろっか!」
「お~!!!!」
女子、全員の気合いが入る。

司さん、モテモテじゃん・・・
一体何しに来たのよ。
って、じゃなくって、そうだった。
新入社員、必須の余興。
おじ様・おば様たちを楽しませるための一芸。
あたし達は、このパーティーのために、3月から、実はこっそりと練習をしていた。
各部門ごとに、OBスタッフのメンツもかけて、それなりにハイレベルな余興が繰り出される。
あたし達は、総合職〈女子〉 5人で参加。
この、余興を司さんに見られるのか・・・。
ホント、何で司さん、このパーティーに来たんだろ・・。



18時ジャスト。
パーティーは、新入社員の挨拶から始まった。



*****



____やっぱ牧野がダントツだな。
新入社員挨拶のトップを切ったのは、牧野。
挨拶は完璧。
見た目も完璧だ。
俺の見立てたドレスはめちゃ似合ってる。
他の女なんて、味噌汁に入ったワカメにしか見えねぇ。
しかし・・ドレスコードつっても、他の奴らはあれ、ドレスなのか?
牧野がダントツ輝いている。

重役席のオヤジどもも牧野を称賛する。
あたりめぇだろ。俺の女なんだ。
オイ、コラ、厭らしい目で見んな!
つーか、今思えば、これのどこが、パーティーなんだ?
ドレスコードって、誰も正装なんてしてねぇよ。
馬鹿だな、あいつ、勘違いしやがったのかよ。
一人、可愛いカッコしてんじゃねっつーの。


30名の新入社員の挨拶と支配人挨拶が続く。
はっきり言って、牧野以外に興味はない。
西田が言っていたように、俺が想像していたような歓迎会ではないのは明らか。
ちょっと、拍子抜けだ。
俺は重役席に案内され、オッサンたちに紛れて着席していた。
今まで、こんなチンケなパーティーにフルで出席などしたことが無い。
牧野がいなければ、絶対に出てねぇ。
あぁ、つまんねぇ。
あいつの挨拶が終わったことだし、あいつを連れて帰るかな。

ちらっと、新入社員のテーブルを見ると、牧野は料理を睨んで、今か今かと食事の開始を待っている。
はぁ、まだ帰れねぇな。
あいつは、食いもんに目が無い。
飯を食ってる時の牧野は半端なく可愛い。
食事の途中で連れて帰ろうもんなら、ぶっ飛ばされそうだ。


そう思っていたところで、全ての挨拶が終わり、歓談時間になった。
牧野を見ると、待ってましたとばかりに食い出した。
ホント、あいつ面白れぇな。
あんなドレスアップして、食いもんにがっついてる女は見た事ねぇ。
うまいもんには勝てねぇんだな。
一流のドレスにはそぐわない、満面の笑みだ。
俺も思わず笑っちまう。

俺はこんな料理に興味ねぇし、
安モンの酒も飲まねぇ。
乾杯のシャンパンは激マズだった。
もっと早く知ってたら、料理も酒もランクアップしてやったのに・・。
そう思っていると、右後方から声がかかった。

「道明寺支社長、ビールをお注ぎ致しましょうか?」

どっかの女の気持ちワリィ声。
気安く話しかけてんじゃねーよ。

無視してやろうかと思ったが、そこは俺も大人になった。
仕方なく、振り返る。
すると、そこには5人の女。
中央には・・・牧野。

「ビール、お注ぎしてもよろしいですか?」
誰だ?お前。お前なんて、眼中にねぇよ。
牧野しか、見えねぇ。

無言の俺に、怪訝そうな女ども。
俺は牧野をひたすら見つめた。
牧野は必至に視線を泳がせていたが、仕方ないと悟ったのか、ふぅっと息を吐いてから、さっと動き出し、俺の左隣りに身を屈めた。
「飲まなくても、お酌は受けなきゃだめだよ。」
左耳がくすぐってぇ。
けど、俺はお前以外の女から酌なんて受けねぇよ。

「牧野、注いでくれるか?」
The Classicでの夜を思い出す。
まだ、そんなに経っていないのに、もう懐かしい。

俺のグラスにビールに注ぐ牧野を見て満足する。
右方向の女どもが、羨ましそうにしてやがる。
お前らなんかに注がせねぇよ。
ビールを注ぎ終わった牧野の右手を、テーブルの下で掴んだ。
驚いた牧野が、息を飲む。

「皆さん、初期研修、ご苦労様。頑張って下さい。」
牧野と手を繋いだまま、女どもにとりあえず挨拶。
牧野がぎゅっと握り返してきた。
誰からも見えてねぇって。
心配すんな。

あぁ、やっぱ、俺の世界は牧野で出来てるんだな。
こいつ以外には、目に入らねぇ。
お前は俺の女だって、今すぐ言って回りてぇよ。



その時___
会場内にアナウンスが流れた。

『ただいまより、新入社員による余興に入ります。』

は?
余興?
噂の、一芸か?
マジっ?
こいつも、なんかすんのか??

ちらっと、牧野を見ると、俺と目が合った。
けど、恥ずかしそうに、目を逸らしやがる。
何する気だ・・?

牧野がそっと俺の手を外し、
「司さん、絶対に、あたし達に一票入れてね。」
と、耳元で囁いた。 

ふと見上げると、牧野の瞳が闘志に燃えている。
一体・・・何が始まるんだ?



 

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  1. 続・俺の女
  2. / comment:5
  3. [ edit ]

こんばんは!

  1. 2017/03/03(金) 21:50:24 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの応援ありがとうございます!

余興、来ちゃったよ。司、余興とか見たことあるのかな。
NYだったら、本格的なジャズとか、クラシックとかパーティーで流れるのかな。
って、今回はそんなんじゃないですけど・・(笑)。

さてさて
悠●様
お忙しそうですね。残業、まだ続いていますか?

スリ●様
いつもコメントありがとうございます。そうそう、黒田君ね。もうちょっと先で搭乗・・の予定です。定番です(笑)。

四葉様
余興、わたし、昨年末もやりましたよ。忘年会(笑)。実は、今回のつくしと同じやつ(笑)。結婚式は、最近周囲にない。むかーし、昔は、やったなぁ。てんとう虫のサンバ。って、いつの時代の人??

さと●様
おお~!今、お返事書いていたら、リアルタイムにコメントが来た!
司はね。食材なんて、知らないの。ナスも、カボチャも知らないの。強いて言えば、最近覚えたワカメ。そうそう、色もついてないんです(笑)。
司、ベタぼれし過ぎで、アホになりつつあります。

ま●様
一人、勘違いしたかのような、ドレスアップ(笑)。でも、単なる飲み会に毛が生えた程度だから・・ププ。司は満足しているでしょう!

ではでは、明日の余興は・・・私が年末に披露した余興です(汗)。
つくしなら、私のリベンジしてくれると信じて・・。
←おめぇ、その年で、何やらかしたんじゃい!by Tsukasa

では、明日のAM5:00 に!

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  1. 2017/03/03(金) 21:36:57 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

余興

  1. 2017/03/03(金) 08:02:18 |
  2. URL |
  3. 四葉
  4. [ edit ]
今、危うく名前の所に余興って入れる所だった。勿論タイトルに四葉。なんでやねん!つくしの余興、なにかしらー♪昔、結婚式の余興で、ひみつのアッコちゃん替え歌で、新郎の秘密暴露したこと思い出した(//∇//)内容?亭主関白に見せかけて、実は奥さんにメロンメロンなエピソードを10個くらい上げてやった(//∇//)

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/03/03(金) 07:51:08 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/03/03(金) 06:56:48 |
  2. |
  3. [ edit ]
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