花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

司さんと付き合いだして、約1か月。
これは、喧嘩っていうのかな。
原因は、間違いなく・・あたし。
嫌なものは嫌だとはっきり言えない、自分が悪い。
だから、司さんを怒らせてしまった。

一人で眠るベッドは広すぎる。
忙しいとか言いながらも、殆んど毎日一緒に寝ていたあたし達。
夜遅くになっても、必ずあたしのベッドに潜りこんできていた司さん。
その彼が、自分から部屋を出て行ってしまうなんて、只事じゃない。
仕事があるなんて、きっと嘘。
あたしの顔なんて見ていたくなかったんだと思う。


もしかして・・これで終わりになっちゃうのかな。
あたしがはっきりしないから、そういう女は好きじゃないんだよね。
あたし、何やってんだろ?
自分にとって大切なものなんて、分かりきっているのに。
じんわりと涙が流れる。

だけど、泣いていても何にも解決なんかしない。

あたしはズルイ。
行きたくないと思いながら、同期の誘いを断れず、司さんが許してくれることを期待して。
あたしは司さんに甘えすぎだよね。
司さんなら、怒りながらも「仕方ねぇな、行って来いよ。」なんて言ってくれる気がしてた。
あたしが、そんな優しい司さんを怒らせちゃった。

あたしは、これからどうしたらいいんだろう。
どうしたら、司さんは許してくれる?

あたしにとって大切なもの。
同期との友情も大切だけど、司さんのことはそれとは比べものにならないよ。
彼との未来が、何よりも大切だと思ってる。



殆んど眠ることができないまま、夜が明けた。
朝からキッチンに立ち、無心で、お弁当を二つ作る。

今のあたしに出来る事。
しなきゃいけないこと。

それは、あたしの気持ちを、きちんと司さんに分かってもらうこと。



*****



やっちまった・・。
そう思っても、後の祭り。
俺はペントハウスに戻り、ソファに上着を投げつけた。

あいつが悪い訳じゃない。
俺に黙っているつもりがない時点で、疚しいことなんてないはずだ。
どうせ、俺に申し訳ないとか思ってんだろう。
それでも、あいつは優しい奴だから、結局は同期の奴らの誘いも断れない。
そういう女だってことは分かってる。

だけど、
「じゃあ、仕方ねぇから、行って来いよ。」
なんて、言えるか?
俺は、心にもねぇことはやっぱ言えねぇ。

だからって、
あいつが傷つくのが分かっていて、あいつを一人部屋に残して出てきちまった。
俺はいったい、何がしてぇんだよ。
でも、あのまま部屋に残っていたら、自分の嫉妬を抑えることもできず、牧野にカッコわりぃところを見せて、呆れられていただろう。

ドカっとソファに腰を下ろす。


今は、牧野との付き合いを公表する時期じゃねぇってことは俺だって分かってる。
堂々と、レストランに連れて行くことも、今となってはできなくなった。
俺は全く気にしちゃいねぇが、あいつが気にしてっからな。
食事はいつもマンションで食う。
あいつと一緒に食えるなら、別にどんな料理だって構わねぇし。
牧野が作る料理にも慣れた。
元々、食に関心なんてない俺だ。
以前の俺は何を食ったって味なんて感じなかったが、牧野の作る料理を食うと幸せを感じる。
味の問題じゃねぇんだ。
気持ちの問題だ。


俺が牧野から幸せを貰うように、俺だってあいつを幸せにしてやりたい。
食い物食ってる時の牧野は超絶可愛い。
そんな姿を傍で見ていたい。
なのに、俺が連れて行ってやることのできないレストランに、他の男と行かせられるか?


____今すぐ、牧野と結婚しちまうか?
それで、牧野を堂々と連れて歩けるんなら、喜んで明日にでも籍を入れる。
ただし、それは牧野がそれを望んでくれればの話だ。
仕事を始めたばかりのあいつは、結婚を考えているようにはとても思えねぇ。
だからといって、あいつはいつまで、俺との関係を黙っておくつもりなのか。
俺との未来をちゃんと考えてくれてんのかよ。

あー、畜生!
この俺が、不安になるなんて。
俺は、この遣る瀬無さをどうしたらいいんだ。

キャビネットからバーボンを出して、グラスに注ぎ、一気に空けた。




酒の力を借りて、少しは眠り、朝を迎えた。
だりぃ。
牧野と身を寄せ合って寝ている時は、どんな疲れも短時間で吹っ飛ぶのに。
以前の俺は、酒を飲んで、ストレスを飛ばしてたはずなのに。
俺は、もう、牧野無しじゃ生きていけねぇんだな。
そう考えると、笑いが漏れた。


仕方ねぇ。
俺が折れてやるしかねぇな。
俺があいつに与えてやれるもの。
俺だけがあいつに与えられるもの。
それは、食事に連れて行くことなんかじゃなく、
俺自身が傍にいてやることなんだから。

シャワーを浴びて、頭を振った。
ヨシ。



会社の執務室で、いつも通りに仕事をこなす。
今日は夕方から連続で会議が入っている。
終わるのは、恐らく21時過ぎ。
遅くはなるが、ケーキでも買って帰ってやるか。


12時になり、西田が入って来た。
「昼食になさいますか?」
「いや、後でいい。」

いつもならそう言えば黙って出て行く西田が出て行かないことを怪訝に思い、顔を上げて西田を見る。
その西田の手には、小さな女もんのバッグ。

「なんだ、それ。」
「牧野さんからの、預かりものです。」

牧野っ!?
「早く渡せっ。」

むしり取るように西田からバッグを取り上げ、中を覗き込む。
中身は・・弁当だ。
マジマジとそれを眺める。
ふと、バッグの中に紙切れが入っていることに気付いた。


『司さんへ
優柔不断なあたしでごめんね。
今晩、マンションで待ってるから。話を聞いてね。』

・・・。
これって何なんだよ。
まさか、あいつ・・・

俺は足元が冷えていくのを感じた。

別れるとか・・・言わねぇよな・・・



 

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  1. 続・俺の女
  2. / comment:5
  3. [ edit ]

こんばんは~。

  1. 2017/03/06(月) 22:38:44 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手ありがとうございます

悠●様
時にはこういうことも必要・・と思います。はい。

四葉様
本当ねぇ。初々しいですねぇ。毎日会いたいとか、もう、忘れた感情ですな(笑)。

スリ●様
えへへ。今回はつくしちゃんに、カッコよく決めてもらおうと思います!

さと●様
っていうか、コメントがツボに入りました(笑)。今日は油断して、仕事帰りの電車で、新着コメントをチェックしたら、思わず爆笑してヤバかったです。
>>これで弁当のふたあけて 海苔で「さようなら」って描かれてたら・・
確かに、司ぶっ倒れます!!もう、おかしすぎて、死ぬかと思いました。


さてさて、 どうなるかな?
明日もAM 5:00に!

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/03/06(月) 11:09:43 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/03/06(月) 08:30:45 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

不器用で可愛い(●´ω`●)

  1. 2017/03/06(月) 07:05:29 |
  2. URL |
  3. 四葉
  4. [ edit ]
本当に、初恋のような初々しさ。不器用で可愛い(●´ω`●)お互い、相手が居ないと夜もおちおち眠れないのにね(●´ω`●)

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/03/06(月) 06:08:33 |
  2. |
  3. [ edit ]
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